変態転生令嬢が強面不細工を狙う

014 誤解…？

オルセイン様が固まるのも少し慣れてきましたわ。
でも、お茶も飲みきってしまって少し手持ち無沙汰ですね…。もちろん自分で入れることも出来ますが…ここから離れてしますのも勿体ないですし…。

そうだわ！固まっているのだからちょっと触っても良いかしら！
先ずは…ほっぺを突いてみましょう♪


ーーーーーーーつんっ


あら、意外と柔らかいのね～。肌がもちもちで羨ましいですわ！
………髭とかって…生えるのかしら？

顎あたりをツイっと撫でると、オルセイン様がビクッとなった。


「えっ、エレーヌ嬢…一体何を…？」

「あっ、申し訳ありません。お肌がお綺麗なので、髭などは生えるのかな～っと気になってしまって…」

「ひげ…ですか？
……髭は生えます。２８にもなりますから……。あまり女性には好ましいものではないでしょうが……肌も俺なんか綺麗ではないですよ。」

「まぁ！そんなことはありませんわ！
オルセイン様のお肌はとってももちもちしていて、とっても羨ましいですわ！」


もう一度、触ろうとして手を伸ばすと
オルセイン様が両手を上げて顔を左右に振っています。何故そんな降参ポーズなのでしょうか…？
サリィがいたら止めてくれたかもしれないですが、私はもう目の前のイケメンのほっぺに夢中です！！
触ろうとちょっとオルセイン様の方へ距離を近づけて、手を伸ばしたところで………


ーーーーーートントントンッ

「すまん、オルセインはいる………か？」


あら、銀髪の美人な方が入室されましたわ。
とてもびっくりしたようで、目がとても瞠いています。美人さんは驚いても美人さんなのねー。……はて、この方……何処かで見た事があるような……？


「違う！スタン！！誤解だ！！」

「誤解…かどうかは分からないが、俺には白薔薇姫が、オルセインに迫っているようにしか見えないが……？」

「えっ？…きゃっ！」

恥ずかしい！どう見ても私が迫っているようにしか見えないわ！！
いや、間違ってはいないのだけど……

思わず赤くなった頬を両手で抑えながら、オルセイン様の反対方向を向いていると……


「申し訳ありません。ドアが開いているので、失礼します。」


サリィが戻ってきてしまいました。残念ですがタイムリミットですね…。

「オルセイン様、私はそろそろお暇しようと思います。
ですが、最後に…お願いがあるのですが……」

「なっ、何でしょうか？」

「あの、先程のおねだりの返事もまだ頂けておりませんし…。あの、私からお手紙を書いても…宜しいでしょうか？…オルセイン様のお仕事がお忙しく無い時で構いませんので、出来れば…お返事も頂けると…嬉しいのですが……」

再度！おねだりポーズです！！
これあまり成功している気がしないのですが…本当に大丈夫かしら？
あとでサリィに確認しないと！！


ってあら？今度はオルセイン様のお顔が青くなって、先程来た方の顔をしきりに見ていますわ……？
……職場の方に知られたら不味かったかしら……？男の人はこう言ったのは恥ずかしいかしら？


「えっ、エレーヌ嬢…！！そう言った事を貴方の想い人前で言ったら、その方に誤解されてしまいますよ！！
俺は勘違いしませんがっ！！ですが、そう言った事を、その…そのようなポーズで言われると勘違いしてしまう男も多いと思いますし、いや、俺は勘違いしませんが！！」


「「えっ？」」


あら、私とサリィの声がハモりましたわー…
何故か顔を青くしているオルセイン様が早口で仰った言葉が、私理解が出来ません…というかしたくありません…。

ふと、現実逃避して部屋を見渡せば…
サリィは……ってちょっと！そんな可哀想な子を見る目をしないで！！泣きたくなっちゃうから！！私は頑張ったのよ！！
もう１人の白い団服を着ている方は…真顔ですね。ピクリとも動かないのですが…大丈夫でしょうか？………まぁいいや。（投げやり）



「えーっと……オルセイン様？
申し訳ありませんが、ちょっと質問しても宜しいですか？」

「はい…何でしょうか？」


何から聞きましょうか……。もう色々とツッコミをしたいのですが……。


「あの、私の想い人とは…オルセイン様はどなただと思っておりますか？」


そうそう、これを聞いておかなくてはね。いや、想い人をこんないっぱいいる中で発表はされたくは無いですが。でも絶対ここを確認しないと大変な事になる！って私の乙女センサー（？）がいっています！！


「えっ？ エレーヌ嬢は、そこにいるスタン…スタニラスの事を想っているのですよね？」





………………オルセイン様……………スタニラスってだれーーーー？！？！