変態転生令嬢が強面不細工を狙う

狗沙萌稚

文字の大きさ
36 / 52

035 被害者視点(Part6)

しおりを挟む



ーーーーーーーガチャ


少し遅くなってしまったが、急いで部屋の中へ足を踏み入れると静まりかえっていた。

不思議に思い部屋の中を見回すと、ベットの上でエレーヌが寝ていた…。
近くに行くと、気持ち良さそうに陽に当たり丸まって寝ている姿はまるで猫のようでとても可愛い……。
こちらに背を向けているからよく見えないが、まだ幼さが残る可愛らしい寝顔だ……。

「あまり見ては失礼だな…。」

許可無く女性が寝ている姿を見ては失礼にあたる。俺は踵を返そうとしたら、後ろから動く気配がした。

「ぅ…んっ………」

エレーヌはごろんと寝返りうち、先程の可愛らしい寝顔がこちらを向く。そうしたら、先程までは気づかなかったが………

「うわっ!!」

…………どうしよう………本当にどうしよう………


エレーヌの、むっ、胸元の、ボタンが………外れてしまっている………!!
一番上のボタンだろうか……5センチほど前が開いてしまって、豊かなむっが、胸がっ、溢れてしまいそうだ!!

どうしよう……どうしよう……早く隠さないといけないのはわかっているんだが…
目が、離せない………。いや、こんな見ていたら変態だよな……。
エレーヌに嫌われたら死ねる。生きていけない。

再び臨戦態勢のムスコを宥めつつ、エレーヌに毛布をかけようと探すが、見つからない…。
先程までエレーヌに巻きつけてあったのに……?
しかしよく見ると、エレーヌの体の下に下敷きになっているのを見て諦めた。あの毛布を取るためにはエレーヌを抱きかかえないと無理だ。エレーヌが気持ち良さそうに寝ているのに起こそうなんてとんでもない。神々に罰せられてしまう。

次に使えそうなのが……無い。俺のマントと上着はまだ濡れていて冷たい。エレーヌの上着もまだ湿っているから直接肌に触れたら冷たくなってしまうだろう……。
タオルも頭やら拭くのに使ってしまって湿っているから……エレーヌに使えるものが無い!!

あとは俺のシャツ…?でも脱いだら裸になってしまうのでそれはそれでエレーヌが俺の裸を見たら怯えてしまうのではないか??
ズボンなんてムスコが臨戦態勢を解除していないから以ての外だ。

「どうしよう……!!」


「ぅう……んっ……」

ーーーーーーーープチッ


「えっ?!」

エレーヌ…さん??何故、ボタンをもう1個外してしまったのでしょうか??
先程からさらに、むっ、むっ、むねが、服から、溢れてきそう、です。この服、は、下着ってのはつけて無いのか…?
女性の服や下着は分からないが、エレーヌさんが着ていらっしゃる服は、下着を使わないのか??
あと少しでも動いたら、胸の頂き部分が見えてしまいそう………。どうしよう………駄目だと分かっているのに、足が動かない…目を反らせない……。

自分の心臓が痛い程鳴って、喉が渇いていく。部屋から直ぐにでもでないといけないのに、どうしても目を離せない。


「……………ぉりゅ………んさま…」

「えっ?」

今エレーヌはなんと言ったのだろうか?
少しだけそばに寄り、エレーヌの声を聞き逃さないように耳を傾けてみる。

「………ぅん……んお……しゅりぃ……すきぃ…」

「えっ……?」


今、なんと言ったのだろうか……。
まさか……でも、エレーヌに限って、そんなことはない……と信じたいが……。


でも今エレーヌが言った事を素直に考えると
俺はどうすればいいか……。
先程までの浮かれた気持ちが一気に地獄に落ちたようだ………。

とりあえず、俺はシャツを脱いでエレーヌに掛けて外に出る。とても一緒の部屋に入れない。


エレーヌが起きたら………たとえ幸せが無くなってしまっても、きちんと聞かないと駄目だよな……。
一度掴んだ幸せが無くなるのは怖い。だが、どうせ無くなってしまうなら、早い方がいいだろう。諦めれるかはわからないが……。


シャドールのそばに行き、ズルズルと座り込むと心配そうに鼻先を擦りせてきたので、撫でてやる。シャドールは本当に賢い子だ。いつもなら撫でてやると満足して行くのに、今は俺の側から離れない。心配そうにいてくれると少しだけ心が軽くなる。

俺が大人なんだから、エレーヌが言いづらいこともちゃんと聞いてやらないとな……

でも………


「キツいな~………」


はぁーーっとため息をはいて目を瞑り、近くにあるシャドールの気配を感じながら少しだけ眠ろうと、意識を手放した。








しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

【完結】夜会で借り物競争をしたら、イケメン王子に借りられました。

櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のセラフィーナには生まれつき前世の記憶があったが、覚えているのはくだらないことばかり。 そのどうでもいい知識が一番重宝されるのが、余興好きの国王が主催する夜会だった。 毎年余興の企画を頼まれるセラフィーナが今回提案したのは、なんと「借り物競争」。 もちろん生まれて初めての借り物競争に参加をする貴族たちだったが、夜会は大いに盛り上がり……。 気付けばセラフィーナはイケメン王太子、アレクシスに借りられて、共にゴールにたどり着いていた。 果たしてアレクシスの引いたカードに書かれていた内容とは? 意味もなく異世界転生したセラフィーナが、特に使命や運命に翻弄されることもなく、王太子と結ばれるお話。 とにかくツッコミどころ満載のゆるい、ハッピーエンドの短編なので、気軽に読んでいただければ嬉しいです。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。 小説家になろう様への投稿時から、タイトルを『借り物(人)競争』からただの『借り物競争』へ変更いたしました。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

処理中です...