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037 誤解…?

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ーーーーーーーーーギシッ


オルセイン様は私の隣に、座った。
先程はぴったりとくっついて、隙間なくだったからこの距離がとても寂しいわ……。でも何か真剣な雰囲気だし、我慢…しないとね……。
本当はすぐにでもくっついて抱きしめて頂きたいんですが…!!だってオルセイン様の裸がそばにあったら触りたいじゃない~!!
私がシャツを着ちゃってるからずっと上半身裸なのよね……。どうしましょう……返した方が良いのかしら?でもせっかく頂けるのだからこのまま持ち帰りたいわ。


「エレーヌに聞きたい事があるんだが……」

「何でしょうか?」


とても重い雰囲気の中、オルセイン様は意を決して口を開きます…。ドキドキです。


「…ウォーシュリーとは…誰だ?」

「えっ?」

「だから…ウォーシュリーという男は、エレーヌとどういった…関係なんだろうか…?」


……はて?ウォーシュリーとは…誰でしょうか?でもオルセイン様がとても真面目な雰囲気で話していますので、私が忘れているだけなのでしょう……。
でも私今まであまり社交にも出ていませんし、先ずお友達が男女共に少ないのよね……。あっ、悲しくなってきたわ……。

少ない友人の中にも、辛うじて覚えている貴族の子息達の中にも、"ウォーシュリー"という男性は思い出せません……。


「オルセイン様…大変申し訳ありませんが……ちょっと思い出せないです。"ウォーシュリー"という方はどのような方でしょうか?」

降参です。またお母様やジェシーに溜め息をつかれてしまうわ……。お母様のお説教…怖い…。


「えっ?!………そいつは、貴女の好きな人ではないのか……?」

「えっ?私が好きなのはオルセイン様だけですよ?」

「あっ、ありがとう………」


あぁ…真っ赤になって可愛いわ………。ちょっとだけそばに寄っちゃいましょう!うふふ♪


「オルセイン様、どうしていきなり私の好きな人が"ウォーシュリー"という事になってしまったのですか?
私、先程オルセイン様からお気持ちを頂けてとても嬉しかったのですが……何か不安なことをしてしまいましたか?」


先程確かにオルセイン様から気持ちを頂けて、私もお返し出来たと思ったのですが……。
疑われているのは心外ですわ!こんなにもオルセイン様の事を愛していますのに!!
あまりにも疑われているのは私も悲しいので、これはオルセイン様の使用済タオルを頂けないと許せませんわ!!…うふふ♪

勝手にオルセイン様グッズを増やそうとしていると、不思議そうな顔をしてオルセイン様は再度こちらを向いてくださいました。


「エレーヌ、すまない……。実は先程貴女が寝ている時に、"ウォーシュリー好き"と言っていたから………別の好きな男でもいるのかと……」

「えぇっ?!そんな方はいませんわ!!」

「初恋の人とか……それとも元恋人とか……」

「いません!私は初恋も恋人もオルセイン様だけです!オルセイン様が私の初めての人です!!」

「ハっ、ハジメテノヒト……?!」

「そうですよ……。オルセイン様ったら酷いですわ!」


プイッと顔を背けると、隣で「えっ?えぇっ?!」っと焦っている声が聞こえるが、ちょっと聞こえないフリです!

まぁ考えると私の寝言が原因なのですが…
ちょっとそこは置いときましょう!オルセイン様が私の愛を自信もって欲しいです。
私からこんなにも愛されている事を自覚して、いっぱいいっぱい私とイチャイチャして欲しいですわ♪


「エレーヌ……疑って悪かった……。どうしたら許してくれるか……?」

「………………ちゅーしてくれたら……」

「えっ?!」

「オルセイン様から、ちゅーして欲しい…です。」


きゃ~!!自分で言ってとても恥ずかしいです!!顔から火が出そうなくらい熱いです!!

オルセイン様…引いてないかしら…?


「……喜んで…」


私の頬を大きな手で向きを変えさせられ、オルセイン様の美しいお顔がドアップ!!しかも直視したら私が溶けてしまいそうな程の笑顔!!………私溶けてないわよね?


すりぃっと私の頬を撫でられると、この続きを期待してしまい目を瞑ると…
オルセイン様はフッと笑い、唇を合わせてくださった。チュッと軽いリップ音がして、恥ずかしくなるが、物足りずオルセイン様を見上げる。


「くくっ、エレーヌは可愛いな…もっとしようか?」

「えぇ…もっとしてください。」


頭がぼうっとする…。これからの気持ちの良さを考えると身体が震える…。

頭に手を回され、逃げ場がなくなる…。それが嬉しいとも思ってしまう……。


顔が近づいていき、チュッと口を合わせたらどんどん深く甘い口づけを繰り返す………

オルセイン様は私を抱きしめてくださり、筋肉の熱さに背筋がゾクゾクと快感が這い上がる………。


「んっ……ぁ………はぁ…」


オルセイン様の舌が口内を隈なく貪り、またもや息が出来ない……。縋りつきたくとも、オルセイン様は上半身は裸だから筋肉の凹凸にさらにときめくばかりだ。


「…んはっ……はぁ…はぁ…」

漸く口を離してもらい、酸素が足りずオルセイン様の胸元へなだれ込むように倒れるが、オルセイン様が難なく抱きとめてくださった。

「おりゅせぃんさまぁ……すきぃ…」

「…はぁ……俺もだ……」

オルセイン様にぎゅっとさらに力強く抱きしめられると、もぅ正常な思考など何処かへ飛んでしまいそう…!!

頭を撫でてもらいながら、筋肉を堪能できるこの時間はとても幸せだわ………うふふ♪

まったりと幸せを堪能していると

「しかし…ウォーシュリーとは誰だったのだろうか…?」

「そういえば…」

私の寝言とは言え、オルセイン様以外の名前を好きと言ったのですから気になります…。

「私はウォーシュリーとはっきりと言いましたか?」

「いや、そう言われると途切れ途切れだったな。
辛うじてウォーシュリーと聞こえただけだから…。オーシュとかか…?」

「うーん…オーシュという知り合いも居ませんが……?」


ウォーシュリー……オーシュ……?うーん…?さっぱりわからないです……。オルセイン様のお心を晴らすためにもはっきりさせたいのですが………。

あの時の夢でも、オルセイン様しか出てきてませんし……夢……そういえば、夢の中でオルセイン様のお尻の事を考えていたような……?

"ウォーシュリー"、"オーシュ"………"オーシュリ"?…………もしかして……"おーしゅり"……つまり………"お尻"……?

えっ?まさか……私"お尻好き"って寝言で言っちゃったの??えっ?!

いや~~~!!恥ずかしすぎるわ!!!

でもでもその可能性が一番高いわ!!
どうしましょう………!!オルセイン様のお心は晴らしたいですが、寝言でオルセイン様のお尻好き~って言っていたみたいです~ってのは……無理!言えません!!


「エレーヌ?」

「ひえっ!」

ちょっと不審な声を出しちゃいましたよ!恥ずかしさ倍増です!!

「どうかしたか?」

「いえ!なんでもありません!!」

あぁ~怪しや倍増ですね……。

「その、俺から聞いといてなんだが…。
もぅ気にしてないからな…。最初は夢にまで出てくる恋しい男が他にいるのかと…気になったが……エレーヌを信じる。」



ああああぁぁぁ!!もの凄い罪悪感が…!!
ぎゅっと抱きしめてくださり、私を信じると言ってくださったのはとてもとても嬉しいのですが…!!


でも今正直に"実はオルセイン様のお尻が触りたくて夢に出てきちゃったんです"…とは言えない!!ドン引きされちゃうわ!!


………うん。この事は墓まで持っていきましょう。


謎のウォーシュリーさんは一刻も早くオルセイン様から消えますように………!!








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