変態転生令嬢が強面不細工を狙う

狗沙萌稚

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041 被害者視点…?(Part7)

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俺は、そろそろ、死ぬかもしれない…。
いや、死にたくは無いが。今が一番の幸せなのは間違いない。こんな幸せは生まれ変わっても得られない…。

俺に、人生で初めての彼女ができた…。
ゆくゆくは婚約者になってもらい、一生一緒にいれるように妻となってもらいたい程、美しく、中身もとても可愛い女性。

夢なのでは…っとエレーヌと別れてから何度も思いそうになったが、自分のシャツが無いのを確認して、夢では無いと実感できる…。

「…ある意味シャツを渡してよかったな。」

だからかシャツを着ると区別つかなくなりそうなのでまだ団服の下は裸だ。
どうせ今日は書類を少し片付けたら帰れるから少しくらいはいいかと思っている。


ーーーーーートントントンッ

「誰だ?」

「第1部隊のザガリです。入室してもよろしいでしょうか?」

「ああ、入れ。」


失礼します、っと丁寧に礼をしながら入室してくる。第1部隊の隊長を務めるだけあってガタイも良い。俺もうかうかしていると負けてしまうな…。

中へ促すとすぐに俺のそばにやってきて、心なしか嬉しそうな顔をしている。




「どうかしたか?」

「いや、この前話してた白薔薇姫とのデートは上手くいったんだな」

「ぐっ…!!……俺はそんなに分かりやすいのか…?」

「いや?顔がいつもより怖いから機嫌が悪そうだが、覇気が無いから浮かれているのかとカマをかけた。」

「なっ………!!」


駄目だ…。ニヤニヤしてて腹ただしいが、今の俺ではこいつの言葉を反論できない。
思わず視線を逸らすが、ニヤニヤしているのは分かる。




ーーーーーーートントントンッガチャッ


「ヤッホー♪遊びにきたよ~!」

「「団長!」」

「オルは相変わらず顔が怖いね~ザックは相変わらず平凡だね~」

「「ほっといてください!!」」


仲良し~っとケタケタ笑っている……
忙しいハズの2人が一々俺の部屋に集まらないでもいいのに……来た理由が分かるから余計に嫌だ。さっさと帰ればよかった……。

「今日はどうだった~?今日のデートでこの前話したアレ、言ってみたんだろう?」

「ええ。騙すみたいで気が引けましたが……」


ほうほうっといった顔で近づいてこないで欲しい。この人は見た目は少年のようなのに一々言動がオッさんくさい……いや、オッさんの年齢だったな。

「そんじゃ詳しく話してくれるよな~♪」

オッさんのワクワクは可愛くないな。
というか勝手にソファーに座るな!ザックも座るな!止めろ!!


2人とも完璧に居座るつもりみたいだ…。俺は諦めてお茶を淹れてやるために立ち上がった。
……この前淹れたお茶よりも渋くなるのはわざとではない。偶然だ。
俺が淹れたお茶を飲んだ2人が、若干顔が歪んでいるのを見て、少しだけ溜飲が下がった。

「そんで?白薔薇姫に地位を捨てたらどうするって質問したんだろう?なんて答えたんだ?」

「ええと……その話をしたら…何故か冒険者になることになって……役に立つから置いてかないで……と…べっ、勉強もするから…と」

「ほぉ~!!流石白薔薇姫、惑わされないか!ん?勉強とは?」

「いや、よく分からないが…野外料理や護身術、火のおこしかたとか……」

「は?白薔薇姫はどこの秘境に行くつもりだ?」

「今時野外で泊まり込みの事なんてそうそうありませんよね……白薔薇姫は天然な方ですね……くっ!」


2人した必死で笑いを堪えてる……というかザックは笑ってやがる……このやろ………

「んで?その後は?」

話が流れるかと思ったが……やはり駄目か

「………付き合うことになった。」

思わず小さい声になったが、2人には聞こえてきているのだろう。もう一度なんて恥ずかしくて言えないからな。


……………大人しいな。いや、大人しいのはありがたいが………?
気になって目線を2人に戻すと、なんと2人とも目に涙を溜めてプルプルしている……?

「おっ、おい……どうした?」

「よがっだなー!!!お前の事小さい頃から知ってるから、俺は嬉しくって嬉しくって…!!」

「本当に……ずっと一緒にいて……侯爵家なのに平民の俺を差別することなくて……俺が婚約した時も一緒に喜んでくれて……」


うわーんと団長が声をあげながら泣いている……なんか…俺よりも泣いているよな……?
まぁこの2人には本当に世話になった。侯爵家嫡男の重圧、結婚して子を産んでもらう事を諦めていてもどうしたって考えて考えてしまい、どうにもならなくて心が壊れそうになった。そんな時と2人は模擬試合だ~とか鍛錬行くぞ~とか発散に付き合ってくれたな……。
自分のことのように喜んでくれるのが、少しこそばゆい感じがするな……まぁ、嫌では…ない。


「嬉しい……ことなんだが……でもやっぱり相手があの白薔薇姫だと……やっぱりやっぱりずりぃよ~!!オルお前羨ましすぎるわ~!!」

「うわぁ!」

油断した!いきなり手刀が目の前を襲われて慌てて避けた。ギリギリだったぞ!危なかった!

「いきなり何をするんですか!」

「うるへー!嬉しいと羨ましいのが、なんか、ごちゃ混ぜになる!」

「まぁまぁ団長、確かにあの白薔薇姫とこれからアレやらコレやらするのは羨ましいですが、」

「エレーヌで邪な妄想などするな!」

「こわっ!」

「はいはい。私は婚約者がいるからしませんよー。でもこれからオルセインは、白薔薇姫の家族にあって婚約の許可など取らないといけないから……ふっ、大変…だな!」

「笑うな……俺も噂くらいは聞いた事がある…」

「ああ、ジュグラリス家の鉄壁の防御の話か!あそこは前々当主までは武芸に秀でてたらしいが、前当主から文官になったんだよな……でも前々当主からの教育か、今の当主もその息子も結構腕が立つらしいぞ?第1の団長からの情報だから間違いないだろ」

「へぇ!私は白薔薇姫の父君と兄君はたいそう可愛がっていて、男の影があったら大変らしいとは聞いていたんですが……。
でもオルセインだったら多少腕が立つといっても問題ないでしょう?」

「単純な力比べならなんも問題無いけど~
将来のお義父様とお義兄様だからね~♪
そこら辺もやり辛いけど、中々頭が切れる方々らしいから攻略前にいつの間にか相手が自滅しているらしい……行方をくらます奴もいるとか……
やり方などは一切不明なんだって!だから白薔薇姫の婚約者とか恋人の話って一切出なかったんだって~ちなみにこれは嫁からの情報!」

「うわぁ…オルセイン…がんばれ…」


確かにジュグラリス当主と、その息子の話は噂話程度には聞いたことがあるが……
まさかそこまでとは……
てっきり武芸にも秀でてるから、娘を嫁にするなら俺を倒せ!っくらいかと……
どんなことになるのだろう……不安もあるが、エレーヌを手放すとかはもう考えられない。

「確かに…俺がエレーヌのご家族の方々に受け入れてもらえるか不安はあるが……
でも諦めることなんてできない。俺は認めて貰える様頑張ってみる…!」


宣言すると余計身が引き締まる……。エレーヌの気持ちを信じて、困難にも立ち向かって行こう!!













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