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048 誓い…?
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庭の端っこの方に大きな木があります。周りにお花が咲き誇っているわけでもないし、絶景が広がっているわけでも無いんですが、私はこの木が大好きです。
「見事に咲いているな…」
「ちょうど今が見頃なんです。綺麗な白いお花は小ぶりですが……私はとても好きなお花なんです。匂いもとてもいい香りなんですよ。」
この木はお花は違いますが、匂いは前世でいうと金木犀のようなとても良い香りです。
前世が少し恋しくなるとこの木のそばに来てゆっくりとした時を過ごします……。
「あと、赤い実を付けるんです。その実は染料にもなるんですが、とっても綺麗な赤い色なんです!……オルセイン様の瞳の色に似ていますね」
実をつけた後は大量に落ちてしまうので…うっかり踏んだりすると落ちないからサリィに近づかないでって口酸っぱく言われてるけど……
今度実がなったら拾っておきましょう♪オルセイン様カラーなら落ちなくても良いわ!!サリィに怒られてもいい!……怖いけどね!!
「そっ、そうか……」
ああ……オルセイン様の笑顔……プライスレス……
「エレーヌ……今日はありがとう……」
「えっ?!いえいえ…お礼は私の方が……
あと、父と兄が失礼なことを言って…申し訳ありませんでした…。」
「そのことは気にしないで良い。義父上も義兄上も、エレーヌのことが心配だったんだろう…。変な噂の、しかも醜い男がそばにいたら当然の反応だと思う。」
「……オルセイン様。私は、家族と愛する方の悪口を聞くと悲しくなります。そして悪口を言った方に対して腹ただしくなります。ですから、例えご本人の口からでも、愛する方の悪口は聞きたくありません!」
いくらオルセイン様でも聞きたくありません!オルセイン様はまだご自分を卑下することを当然のように考えてしまうので、悲しいです…。これはこっ、こっ、婚約をしたら私が沢山伝えないとですね!うふふ…♪
「エレーヌ……すまない。」
「ふぇっ?!」
オルセイン様に、オルセイン様に、ぎゅっとしてもらってますー!!!なんかご褒美でしょうか?!今オルセイン様に怒っていたんですよ?でもでもオルセイン様の腕の中好きなんです~!!
しっかりと背中に手を回してオルセイン様の腕の中を堪能します。私の大好きな胸筋…厚みがあって素敵だわ……。腰も私よりも倍以上あるわ……。裸で抱き合ったら気持ち良さそうですよね………。
「エレーヌが俺の為に怒ってくれるのは嬉しく思う…だが、なかなか自身の認識は変えることは難しい……。すまない。」
……私も前世が彼氏無しの喪女だったのでいきなり今は美人ですよー!自信持って!って言われても……なかなか自信持て無いわね……。
「オルセイン様の仰ることは分かります。今までそれで頑張ってこられてたのにいきなり変えるのは難しいことも………。
でも、私はオルセイン様の逞しい身体もカッコいいお顔も、とても紳士でお優しい性格も大好きだって何度でも言います。だから少しづつでもいいので……信じてください。そして心無い事を言う方を、仕方がないと諦めないでください……。」
「ああ。………俺も万が一エレーヌが悪く言われたらむかつくし、悲しい気持ちになるな……。まぁエレーヌを悪く言う奴なんていないと思うが。」
「うふふ♪もし、そうなったら今度はオルセイン様が怒ってくださいね。」
「そうだな。その時はエレーヌの良いところをいっぱい言おう。」
「まぁ!楽しみですわ…うふふ」
女性のいじめや嫌味はちょっと陰険なので、正面切って言う人は少ないかもしれないですが…オルセイン様がいらっしゃれば怖くないですね…。
「エレーヌ……。何にも準備していなくて情け無いんだが………いや、そんなの関係ないな。
エレーヌ・ジュグラリス殿、私オルセイン・シュレヴィッツは生涯貴女を愛し、守り抜く事を誓います。どうか私と共に歩んでくれませんか?」
片膝ついて、私の左手を取りながら宣誓される姿はまるで物語の王子様のようで……
すぐに返事をしたいのに、オルセイン様の手を取りたいのに……私の目から涙が溢れでて………とてもオルセイン様に見せられません!!乙女心的に今の顔はNGです!!どうか鼻水は出ないで……!!
「本来なら揃いの装飾を用意するべきなんだが……まさか今日、エレーヌの義母上から婚約の許しが出ると思わず……すまない。」
「いいえ……いいえ、オルセイン様。そのような物はいりません…!!オルセイン様のお心がとても嬉しいのです。……オルセイン様、私はまだまだ未熟で子供っぽいところもいっぱいあると思います。ですが、私も貴方の事を生涯愛し、貴女の心を守る事を誓います。」
「エレーヌ……。」
ああ…大変……隊服が汚れてしまうけど……
泣き止まない私をオルセイン様はそっと抱きしめてくださり、私は大きな胸元に縋り付いてしまう。胸元が私の涙で汚れてしまうけど……ちょっとだけ許してください。なんならこちらの隊服、喜んで買い取ります。シャツと一緒に家宝にします。
「うふふ……」
「どうした?」
「いえ、なんでもありません……。幸せだなぁって思いまして……」
「俺も……幸せだ。」
2人で見つめあうと笑ってしまう。これからまだまだ決めることは沢山あるし、オルセイン様のご実家に認めてもらわないといけない…。オルセイン様を狙っている女性と戦うこともあるかもしれない……。
前世からの恋愛初心者だし、腐女子だし……あれ?良いところ無いかも?……でも今日のことを胸に刻み、オルセイン様と共に歩んでいけば大丈夫だと思う。
オルセイン様のお顔を見つめるとどちらともなく唇を合わせると、柔らかな風が吹き懐かしい金木犀のような香りが2人を包んだ。
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遅くなってしまい申し訳ありません。
これで第1部は終わりです!
ここまで読んでくださりありがとうございます。
まだまだ主人公の変態っぷりを書きたいような……迷います……
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