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10:救出
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フロスト宅から脱兎のごとく逃げ出した獣人二人は戻る前に飛ばされた仲間の一人を探した。
「先輩!」
「……やっぱり無理だったか」
嗅覚で探った先には胴体が潰れて絶命している獣人がいた。
「くそっ! やっぱりあいつら殺しましょうよ!」
「行くなら一人で行け。あれを相手にできると勘違いしているのならな」
「す、すみません……で、でもボスなら行けますよね!?」
「あぁ。だから帰るぞ」
「はい!」
絶命している獣人をその場に放置して獣人二人は目的の場所まで走り始める。
獣人は人間よりも瞬発力、持続力、速度があるため目的の場所まで走りっぱなしで次の日の朝にたどり着くことができた。
元々フロスト領民が暮らしていた町があり、そこに暮らしていた領民を追い出して今の獣人たちが暮らしていた。
ただし、追い出した後に人間を捕まえて奴隷にしていた。
「ほら、さっさと働け」
「は、はい」
獣人たちが人間を強制労働させているというフロスト領ではあり得ない光景が広がっていた。
本来であれば守るべきフロスト領民は守られず、人間を奴隷にしている獣人たちが守られていた。
このことをジェイダンはもちろん知らない。知っていればさすがにやめさせるようにするが獣人たちが小癪にもそれを隠し続けていた。
ここは一種のイリオス合衆国が展開されていた。
イリオス合衆国では人間を奴隷にするということが起きているためである。
さらに奴隷にされているのは人間だけではない。穏健派の獣人たちも一緒のような待遇を受けていた。
ここは過激派の獣人たちの国だった。
国であるからリーダーがおり、フロスト家から戻った二人の獣人はそのボスに今回あったことを報告するために一際大きな建物に向かった。
「おっ、戻ってきたのか」
建物に入れば少し大きな獣人が、元々の顔が分からないほどに骨格から変形しており、服が血で滴っている人間の男性の足を持って引きづっていた。
「もう一人はどうした?」
「それは、今からボスに話します」
獣人の二人が奥の部屋に進めば青ざめながら床に夥しくついた血を拭く人間の男性と、手についた血をハンカチで拭くガッチリとして大きな虎の獣人がいた。
「戻ったか。食料は徴収できたか?」
「いえ、それが、七聖者がいてできませんでした」
冷静な獣人が虎の獣人の問いかけに恐る恐る答えた。
「なに?」
七聖者の言葉を聞いた虎の獣人は恐ろしいほど低い声を出した。
そして床を拭いていた人間の男性を蹴りで頭を潰した。
「誰だ?」
「セオ・オースティンと言っていました」
「……知らない名前だな。新米か? 何があった」
「実は」
冷静な獣人が事の顛末を話そうとした。だが若い獣人と共に一切喋らなくなった。
「早く言え」
二人が急に黙ったことで少し苛立ったように急かす虎の獣人。
だが次の瞬間、二人の獣人はその身に宿す生命力と魔力をあるエネルギーに変換。そのエネルギーは辺りを吹き飛ばす爆発に変わった。
セオが二人の獣人のアカシックレコードを書き換えていた。そして遠隔で二人がボスに接触した瞬間に爆発させたのだ。
「なんだこれは……」
二人分の爆破を受けたことで全身焦げ、痛々しい肌になっているが虎の獣人は動けていた。
「なんだこれはぁ!?」
辺りに響き近くにいれば耳を塞ぎたくなるような声をあげた虎の獣人。
☆
「ちょっとヤバそうだな」
話そうとした瞬間に獣人二人を爆発させたのはいいが、あそこには人間がいるんだった。
俺のせいにするのはまだいいが、それで一番最初に当たられるのは奴隷の人間たちだ。
いや、あんなポンポン人間を殺すから腹が立っちゃった。今すぐにイリオス合衆国を滅ぼすくらいには腹が立っている。
ディナトス王国ならそれをしたところでむしろ称賛されるだろうが穏健派がいるのだからそう簡単にはできない。
「悪い。ちょっと出てくる」
「は? 今から家庭菜園をするところだろ」
屋敷が直ったから次は庭園をどうにかしようとしているところでそれをマチルダさんに指摘される。
「すぐに戻ってくる。マヤ様、申し訳ございませんが少し出ます!」
「はい。セオ様のことですから重要なことなのでしょう。行ってきてください」
マヤ様の許可をもらい俺は転移魔法を使う。
残念ながら俺自身が行った場所でしか転移することができない。だが俺は半径十㎞先なら常に一瞬で蓄積される。
だから十㎞先に転移することができ、それを何度も繰り返せばすぐにさっき獣人越しに見て聞いた獣人の国が見えてきた。爆発してから一分も経っていないからまだセーフだ。
そしてすでにそこは俺の転移範囲内であり俺の範囲であればその場所にいる人はすべて把握することができる。
把握することができれば奴隷になっているすべての人間をまず俺の近くに転移させた。
「大丈夫ですか?」
転移させた人間は十三人で男性五人、女性八人だった。
転移させる前は奴隷の証である首輪がつけられていたがそれは転移させずにその場に残してきた。
「ひぃ!」
女性の一人が話しかけられたことに怯えた声をあげる。
「落ち着いてください、自分はベオウルフ騎士団所属のセオ・オースティンです。あなた方を助けに参りました」
「セオ、オースティン……?」
「ま、まさかあのセオ・オースティンか!」
「や、やった! 助けに来てくれた!」
「あぁ神よ、感謝いたします……!」
俺の名前を聞けばすぐに落ち着いて安堵の表情を浮かべている。
「これから王都に飛びます。そこなら悪い獣人もいなくて安全です」
「ま、待ってください! まだ、まだ彼らが、獣人でもいい人たちがいるんです!」
「そうだ! あの人たちは私たちを庇ってくれたんです! あの人たちも助けてください!」
どうやら穏健派の獣人たちはこの人たちを助けて、あんな仕打ちを受けているんだろう。
「もとより助けるつもりで来ました。安心して休んでください」
俺は王都のベオウルフ騎士団の一室にいるある人物のもとにこの場にいる全員で飛んだ。
「悪いルーカス。この人たちを頼むぞ」
「……セオ、君はもう少し先に連絡することを覚えた方がいいよ」
書類作業をしていたルーカスは俺にそんな文句を言ってきた。
「『ラブリンク』はそもそも持っていってないからな。連絡できないぞ」
「だからか! セオに連絡してもいつまで経っても返してくれないと僕の方に来るんだぞ!」
「そうなのか? まあ理由は伝えておいてくれ」
「君が連絡すればいいものを……」
「今は忙しいんだ。一段落すれば連絡はする。それまではちゃんと止めておいてくれ」
「無茶を言う」
こんなことはルーカスにしか頼めないことだ。
「でも君は君がやりたいようにやればいいさ! 君という輝く星がどんな活躍をするのか楽しみにしているんだからね!」
「あぁ、存分に期待しておけ。それじゃあ頼んだぞ」
「任された!」
いつも通りのルーカスで助かったと思いつつ俺は元の場所に戻った。
王都にいる間もちゃんと獣人の町を見ていたからまだ奴隷になった獣人たちには危害は与えられていない。
だが人間がいなくなったことに騒ぎになり始めている。
しかも爆発やら虎の獣人が大ケガをしていることでかなり混乱している様子だ。
そんな悪い獣人たちをよそに奴隷の獣人をすべて俺のそばに転移させた。
転移させた獣人は八人で男三人、女五人とまたしても男性が少なかった。
まー、今さっき虎の獣人が簡単に殺していたから男性が簡単に減るのだろうと予想する。
「えっ、ここは……?」
「お初にお目にかかります、自分はフロスト家に仕えている騎士、七聖者のセオ・オースティンです」
「フロスト家に!? そ、それならジェイダン様はこの現状を知られたのか!?」
「いえ。今助けたのは自分の独断です。先ほどここのことを知って、あなた方が殺されるような事態になりそうだったので助けに入りました」
「それじゃああなたが人間たちを助けてくださったの!?」
「はい。人間たちはすでに王都に転移させました。あそこなら獣人に怯えることはありません」
「そう、よね……獣人がいたら、怖いですものね」
俺の言葉を理解してくれた女性。
「あなた方はフロスト家に。さすがに王都には匿えませんから」
蹂躙されているディナトス王国の王都に行くことを想像したのか、顔を強張らせていた獣人たちがほとんどだった。
「はい、お願いします」
獣人たちは全員頭を下げてきた。
「お任せください。フロスト家に仕える騎士として、獣人であるあなた方をお守りいたします」
俺と獣人たちはフロスト家の屋敷の前に転移した。
本当に俺の『アストラル・アニムス』と『転移魔法』の組み合わせは最強だ。
転移魔法の本来の名前は空間魔法で、自身が展開する空間を操るというものだったがアストラル・アニムスは自身が認識している場所すべてが対象になるからこの星の上なら認識さえしていればどこでも転移できる。
「ん?」
「へ?」
ちょうど屋敷から出てきたマチルダさんとマヤ様が転移してきた俺たちにすぐ気がついた。
「マヤ様、ただいま戻りました」
「マチルダ!」
一人の獣人の女性がマチルダさんを見るや否やマチルダさんに駆け寄った。
「り、リオ、なのか……?」
アメリアと呼ばれた狐の獣人の女性は俺が救った時は何事もないような澄ました顔をしていたがマチルダさんを呼ぶ時はかなり嬉しそうにしていた。
「そうじゃ、妾じゃよ。マチルダ、元気でよかった……!」
「お、お前は、オーガモスの時に死んだんじゃ……!」
「討伐に向かったのは半分だけだったのじゃ。もう半分はあいつらに捕らわれていた」
「あぁ……それは何よりだ」
マチルダさんは少しだけ安堵したような表情を浮かべ、どこか重荷が軽くなったような、そんな感じだった。
「セオ様。これは一体どういうことですか?」
「それについてはジェイダン様を交えてご説明します。それから今はこの方々に休んでもらわないといけません」
「はい、分かりました。とりあえずお父様を呼んできます」
やっぱり俺がいると俺の能力が有能だから色々なことが早々に解決していくな。
「先輩!」
「……やっぱり無理だったか」
嗅覚で探った先には胴体が潰れて絶命している獣人がいた。
「くそっ! やっぱりあいつら殺しましょうよ!」
「行くなら一人で行け。あれを相手にできると勘違いしているのならな」
「す、すみません……で、でもボスなら行けますよね!?」
「あぁ。だから帰るぞ」
「はい!」
絶命している獣人をその場に放置して獣人二人は目的の場所まで走り始める。
獣人は人間よりも瞬発力、持続力、速度があるため目的の場所まで走りっぱなしで次の日の朝にたどり着くことができた。
元々フロスト領民が暮らしていた町があり、そこに暮らしていた領民を追い出して今の獣人たちが暮らしていた。
ただし、追い出した後に人間を捕まえて奴隷にしていた。
「ほら、さっさと働け」
「は、はい」
獣人たちが人間を強制労働させているというフロスト領ではあり得ない光景が広がっていた。
本来であれば守るべきフロスト領民は守られず、人間を奴隷にしている獣人たちが守られていた。
このことをジェイダンはもちろん知らない。知っていればさすがにやめさせるようにするが獣人たちが小癪にもそれを隠し続けていた。
ここは一種のイリオス合衆国が展開されていた。
イリオス合衆国では人間を奴隷にするということが起きているためである。
さらに奴隷にされているのは人間だけではない。穏健派の獣人たちも一緒のような待遇を受けていた。
ここは過激派の獣人たちの国だった。
国であるからリーダーがおり、フロスト家から戻った二人の獣人はそのボスに今回あったことを報告するために一際大きな建物に向かった。
「おっ、戻ってきたのか」
建物に入れば少し大きな獣人が、元々の顔が分からないほどに骨格から変形しており、服が血で滴っている人間の男性の足を持って引きづっていた。
「もう一人はどうした?」
「それは、今からボスに話します」
獣人の二人が奥の部屋に進めば青ざめながら床に夥しくついた血を拭く人間の男性と、手についた血をハンカチで拭くガッチリとして大きな虎の獣人がいた。
「戻ったか。食料は徴収できたか?」
「いえ、それが、七聖者がいてできませんでした」
冷静な獣人が虎の獣人の問いかけに恐る恐る答えた。
「なに?」
七聖者の言葉を聞いた虎の獣人は恐ろしいほど低い声を出した。
そして床を拭いていた人間の男性を蹴りで頭を潰した。
「誰だ?」
「セオ・オースティンと言っていました」
「……知らない名前だな。新米か? 何があった」
「実は」
冷静な獣人が事の顛末を話そうとした。だが若い獣人と共に一切喋らなくなった。
「早く言え」
二人が急に黙ったことで少し苛立ったように急かす虎の獣人。
だが次の瞬間、二人の獣人はその身に宿す生命力と魔力をあるエネルギーに変換。そのエネルギーは辺りを吹き飛ばす爆発に変わった。
セオが二人の獣人のアカシックレコードを書き換えていた。そして遠隔で二人がボスに接触した瞬間に爆発させたのだ。
「なんだこれは……」
二人分の爆破を受けたことで全身焦げ、痛々しい肌になっているが虎の獣人は動けていた。
「なんだこれはぁ!?」
辺りに響き近くにいれば耳を塞ぎたくなるような声をあげた虎の獣人。
☆
「ちょっとヤバそうだな」
話そうとした瞬間に獣人二人を爆発させたのはいいが、あそこには人間がいるんだった。
俺のせいにするのはまだいいが、それで一番最初に当たられるのは奴隷の人間たちだ。
いや、あんなポンポン人間を殺すから腹が立っちゃった。今すぐにイリオス合衆国を滅ぼすくらいには腹が立っている。
ディナトス王国ならそれをしたところでむしろ称賛されるだろうが穏健派がいるのだからそう簡単にはできない。
「悪い。ちょっと出てくる」
「は? 今から家庭菜園をするところだろ」
屋敷が直ったから次は庭園をどうにかしようとしているところでそれをマチルダさんに指摘される。
「すぐに戻ってくる。マヤ様、申し訳ございませんが少し出ます!」
「はい。セオ様のことですから重要なことなのでしょう。行ってきてください」
マヤ様の許可をもらい俺は転移魔法を使う。
残念ながら俺自身が行った場所でしか転移することができない。だが俺は半径十㎞先なら常に一瞬で蓄積される。
だから十㎞先に転移することができ、それを何度も繰り返せばすぐにさっき獣人越しに見て聞いた獣人の国が見えてきた。爆発してから一分も経っていないからまだセーフだ。
そしてすでにそこは俺の転移範囲内であり俺の範囲であればその場所にいる人はすべて把握することができる。
把握することができれば奴隷になっているすべての人間をまず俺の近くに転移させた。
「大丈夫ですか?」
転移させた人間は十三人で男性五人、女性八人だった。
転移させる前は奴隷の証である首輪がつけられていたがそれは転移させずにその場に残してきた。
「ひぃ!」
女性の一人が話しかけられたことに怯えた声をあげる。
「落ち着いてください、自分はベオウルフ騎士団所属のセオ・オースティンです。あなた方を助けに参りました」
「セオ、オースティン……?」
「ま、まさかあのセオ・オースティンか!」
「や、やった! 助けに来てくれた!」
「あぁ神よ、感謝いたします……!」
俺の名前を聞けばすぐに落ち着いて安堵の表情を浮かべている。
「これから王都に飛びます。そこなら悪い獣人もいなくて安全です」
「ま、待ってください! まだ、まだ彼らが、獣人でもいい人たちがいるんです!」
「そうだ! あの人たちは私たちを庇ってくれたんです! あの人たちも助けてください!」
どうやら穏健派の獣人たちはこの人たちを助けて、あんな仕打ちを受けているんだろう。
「もとより助けるつもりで来ました。安心して休んでください」
俺は王都のベオウルフ騎士団の一室にいるある人物のもとにこの場にいる全員で飛んだ。
「悪いルーカス。この人たちを頼むぞ」
「……セオ、君はもう少し先に連絡することを覚えた方がいいよ」
書類作業をしていたルーカスは俺にそんな文句を言ってきた。
「『ラブリンク』はそもそも持っていってないからな。連絡できないぞ」
「だからか! セオに連絡してもいつまで経っても返してくれないと僕の方に来るんだぞ!」
「そうなのか? まあ理由は伝えておいてくれ」
「君が連絡すればいいものを……」
「今は忙しいんだ。一段落すれば連絡はする。それまではちゃんと止めておいてくれ」
「無茶を言う」
こんなことはルーカスにしか頼めないことだ。
「でも君は君がやりたいようにやればいいさ! 君という輝く星がどんな活躍をするのか楽しみにしているんだからね!」
「あぁ、存分に期待しておけ。それじゃあ頼んだぞ」
「任された!」
いつも通りのルーカスで助かったと思いつつ俺は元の場所に戻った。
王都にいる間もちゃんと獣人の町を見ていたからまだ奴隷になった獣人たちには危害は与えられていない。
だが人間がいなくなったことに騒ぎになり始めている。
しかも爆発やら虎の獣人が大ケガをしていることでかなり混乱している様子だ。
そんな悪い獣人たちをよそに奴隷の獣人をすべて俺のそばに転移させた。
転移させた獣人は八人で男三人、女五人とまたしても男性が少なかった。
まー、今さっき虎の獣人が簡単に殺していたから男性が簡単に減るのだろうと予想する。
「えっ、ここは……?」
「お初にお目にかかります、自分はフロスト家に仕えている騎士、七聖者のセオ・オースティンです」
「フロスト家に!? そ、それならジェイダン様はこの現状を知られたのか!?」
「いえ。今助けたのは自分の独断です。先ほどここのことを知って、あなた方が殺されるような事態になりそうだったので助けに入りました」
「それじゃああなたが人間たちを助けてくださったの!?」
「はい。人間たちはすでに王都に転移させました。あそこなら獣人に怯えることはありません」
「そう、よね……獣人がいたら、怖いですものね」
俺の言葉を理解してくれた女性。
「あなた方はフロスト家に。さすがに王都には匿えませんから」
蹂躙されているディナトス王国の王都に行くことを想像したのか、顔を強張らせていた獣人たちがほとんどだった。
「はい、お願いします」
獣人たちは全員頭を下げてきた。
「お任せください。フロスト家に仕える騎士として、獣人であるあなた方をお守りいたします」
俺と獣人たちはフロスト家の屋敷の前に転移した。
本当に俺の『アストラル・アニムス』と『転移魔法』の組み合わせは最強だ。
転移魔法の本来の名前は空間魔法で、自身が展開する空間を操るというものだったがアストラル・アニムスは自身が認識している場所すべてが対象になるからこの星の上なら認識さえしていればどこでも転移できる。
「ん?」
「へ?」
ちょうど屋敷から出てきたマチルダさんとマヤ様が転移してきた俺たちにすぐ気がついた。
「マヤ様、ただいま戻りました」
「マチルダ!」
一人の獣人の女性がマチルダさんを見るや否やマチルダさんに駆け寄った。
「り、リオ、なのか……?」
アメリアと呼ばれた狐の獣人の女性は俺が救った時は何事もないような澄ました顔をしていたがマチルダさんを呼ぶ時はかなり嬉しそうにしていた。
「そうじゃ、妾じゃよ。マチルダ、元気でよかった……!」
「お、お前は、オーガモスの時に死んだんじゃ……!」
「討伐に向かったのは半分だけだったのじゃ。もう半分はあいつらに捕らわれていた」
「あぁ……それは何よりだ」
マチルダさんは少しだけ安堵したような表情を浮かべ、どこか重荷が軽くなったような、そんな感じだった。
「セオ様。これは一体どういうことですか?」
「それについてはジェイダン様を交えてご説明します。それから今はこの方々に休んでもらわないといけません」
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