砂上の楼閣

誠奈

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「……好きだよ、智樹……」
「え……? 今、何て……?」


 初めて聞くその言葉に、僕は驚いて閉じたばかりの瞼を持ち上げた。

「恋人同士なら、当たり前だろ?」


 そっか……、ぼくたちは今恋人ごっこ・・・をしてるんだ。
 だとしたら僕も、仮にその言葉がその場限りの冗談や噓であっても、ちゃんと応えないと……


「好き。しょ……ま」

 翔真だけじゃない、初めて口にするその言葉に、僕は少し照れて、また瞼を閉じた。

 そしてそっと重ねられた唇……


 少しだけ震えてるのは、ぼくの気の所為?


 翔真の手が僕の頬を包み、触れるだけのキスは、やがて深く、貪るようなキスに変わった。

 

「……ん、く……、んん……」

 互いの体温を感じるように舌を絡め合う激しく熱いキスに、少しだけ苦しさを感じながらも、僕の口から吐息が漏れた。

 唇が離れ、目を開けると、僕を見つめる目と視線がぶつかった瞬間、翔真は少し照れたように目を細め、クスッと笑いながら、僕の前髪を掻き上げ、額に一つキスをくれた。

「初めてだね、そんなことしてくれるの」
「そうだっけ?」


 そうだよ?


 そんな優しいキス、今までしてくれたことなかった。

「痕、付けてもいい?」

 聞かれてふと思い返してみると、今までなんて付けたことなかったかも……

 そうだよね、だって僕達は元々恋人ではないんだから。

 でも今は違う、今この瞬間だけはは僕達は恋人同士。
 

 だからそんなこと聞くんだよね?


「いい……よ?」

 僕が頷きながら言うと、翔真の唇が僕の首筋に吸い付いた。


 僅かに感じる痛みが、なんだか悲しい……


「俺のモノだって証」

 たとえ嘘だと分かっていても、なんだか嬉しくって……、何故だか分からないけど、胸の奥がジンと熱くなって……

「何、泣いてんの?」

 僕は自分が泣いてることすら気付いてなかった。

「な。泣いてないし……」

 僕は涙を誤魔化すように鼻を一つ啜ると、翔真に向かって両手を伸ばした。

「翔真、手……繋いでて?」

 いつもなら絶対にこんなこと強請ったりしないのに、翔真は躊躇うことなく手が僕の手を握り、胸元に顔を寄せた。

 そして胸の先端に軽く口付け、そのまま口に含むと、舌先で転がされ……

「はぁ……、あ……っ」

 それだけで僕の中心は熱くなって、吐き出される吐息にも甘さが混じった。

「ココも感じてるの?」

 翔真の手が僕の中心に触れる。

「やぁ……っ」

 軽く触れられただけなのに、全身に甘い痺れが走り、緩く擦られる度に、僕の身体はいつもとは違う快感に翻弄される。

「イキそう?」

 聞かれて僕がコクコクと頷くと、翔真は僕の中心を口に含んだ。

 先端をキュッと強く吸い上げられ、下腹部で渦巻いていた射精感が一気に駆け出したと思った瞬間、僕は呆気なく翔真の口に熱を吐き出した。
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