家を建てたら創造神に壊されたので、神界に就職しました

猫吉

文字の大きさ
2 / 7

第2話 就職

しおりを挟む
創造神リュクス 
この異世界を創造したとされる神様だ。世界全体で信仰されているが特に文化が根強い南半球では家庭に一つマスコットが置かれているくらいだ、が…

見るからにただの少年…というかクソガキ…
「で、働く気にはなった?」
目を輝かせ近寄って来る。
「あのね?」
「ん?」
「そもそもなんで俺が働くことになってるんですか?」
首を傾げる
「いや、だって君以上に未練ないでしょ?」

…は?!

「いや俺にだって未練くらいありますよ!商売だってもっと繁盛させたかったし、彼女も欲しかったし、家だって…あ?!家!」
まだあのクソガキは何も知らないかのように首を傾げている。

「え、だってさぁ…」

「まず第一に君がやってら商売…もうすぐ潰れるよ?」

「え?」
「これ真面目な話。君シャンプー作り売りしてたでしょ?」
「はぁ…」
「1年後エクレシア共和国で大規模石鹸工場が新設されて君の商売終わるんだよ」
「は?」
「第ニに君に彼女できるわけないじゃん」
「うグッ…」
「第三に家だってもうなくなったじゃん」

「いやお前のせいだろうが!!!」
「だから家くらい用意するから働いてよ!ね?」

こいつクソガキなだけじゃなくバカでもあるのか?自分の家壊した奴に散々バッシングされた挙句僕のところで働かないか?だと?!そんなのウケる奴いねーだろ!!ていうかこいつの親どこだよ!!どんな教育してんだよ!!!

「そんなことより親御さん連れてきてくれるかな?」
少年があからさまにこいつ何言ってるんだ?という顔になる。
数秒またフリーズしたが何を思いついたのか少年は急に立ち上がった。
「あ!そういうこと?!まだ僕が創造神だって信用できないの?君理解力少ないね!」
「あ゛?」
やはり殴ろうか?

すると少年は何もない草原に手をかざす。
「まぁ見ててよ」

次の瞬間、突然目の前に壁ができた。
いや、壁というより柵だ。
見上げると目の前に立派な門が建っていた。
柵の奥にはまるで古の王族のものかのような巨大で…さらにおしゃれな洋館が建っていた。
庭は花が乱れ咲き、大きな噴水まである。まるで楽園のようだ。
「はい。ここ君の家ね。これで信じてくれる?」
ん?君って誰だ?…
「…え?…これだけじゃ物足りない?」

「全く要求多いなぁ~」
再び手をかざすと屋敷の隣に温泉旅館のような建物が出来上がる。

何が起こっているのだろうか?
これは魔法なのか?夢なのか?
「…まだあるの?…」
再び手をかざすと今度は屋敷の横に特大プールが出来上がる。

「これでいいよね?流石に…」
「いや…」
「ん?」
「この屋敷誰の?」
少年は再び顔をしかめる。
「そりゃ君のものに決まってるでしょ?話聞いてなかったの?」
君…
「え?!俺?」

「なんだよ…もうちょっと喜んでくれるかと思ったのに…」
いや喜ぶとかの問題じゃないでしょ。
何だよこのおしゃれな豪邸は!!!!さらにプール付き温泉宿付き?いったい何が何でどうしてそうなった?!

「もしうちで働いてくれるならこれあげるよ」
「俺に?!」
「ほんと話し聞いてないね。だから彼女もできないんだよ。」
「それとこれとは関係ねーよ!!!!」
うん。たぶんこれ夢か詐欺だろ。詐欺だったらヤバいなたぶんこれ受け入れたら過労死するくらいの仕事はいるとか屋敷没収とか…

でも待てよ…なんでこいつが俺の商売知ってるんだ?俺はたしかに石鹸を売ってた…だが、シャンプーは原材料が高いから王妃さまにしか売ってない。それも厳密に管理してたからバレることはないはず…

まさか…

「君、本当に創造神なの?」
「だからそう言ってるじゃん。」

え?…俺本当に創造神に殴ろうとしてたの?俺、死ぬの?やなんだけど…
「で、それでさ報酬なんだけど…」
ん?報酬?家以外もあるの?
少年が天に手をかざすと大量の袋が足元に降ってくる。
「月収、金貨三億五千万枚(約三億五千万円)でどう?」


「…は?」
神界は恐ろしいくらいのインフレなのだろうか?
「あの…」
「物足りない?じゃあ」
また少年が手をかざそうとしたのでとめる。
「金貨って人間の使う金貨ですよね…」
「そうだけど…」

月収だよな…それ一生豪遊できるじゃん!これだけあるならアンティーク家具いくつ買えるんだよ!っ…危ない危ない持ってかれるところだった…
「…で、仕事内容はなんなんですか?…」
少年は満面の笑みになる。
「僕ら上級神神の会議に参加することだよ」
「上級神?」
「あ!神界にも地位?みたいなのがあって上級神は例えば炎のイグ君とか水のリリアちゃんとか…」
炎の神イグニスと水の女神リリアのことだよな?それ…
「というかなんで一般人の俺がその神様たちの会議に?」
すると少年は急に気難しい顔になりどこからか地球儀を出す。
「せっかく作った世界なら平和にしたいじゃん」
地球儀をくるくると回す。するとどういう原理か地球儀に描いてある国境が縮んだり広がったりを繰り返す。
「なのにこれだよ」
しばらくするとはじめは10数だった国が分離したりなどしていつの間にか見覚えのある地図になっていた。しかしいまだに国境はかわり続ける。
「これじゃあ何しても埒が明かないから一般人の視点も取り入れようと思ったわけ」
なるほど。納得はできる。確かに前世でも物事が滞ったときに別の視点を入れてみることはよくあった。

でも、なぁ…まだ腑には落ちない…
「あ、ちなみに3食付きのボーナス付きで週休二日・定時は12時で――」
「やります」

こうして俺は神界に就職することとなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

わたし、不正なんて一切しておりませんけど!!

頭フェアリータイプ
ファンタジー
書類偽装の罪でヒーローに断罪されるはずの侍女に転生したことに就職初日に気がついた!断罪なんてされてたまるか!!!

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

戦えない魔法で追放された俺、家電の知識で異世界の生存率を塗り替える

yukataka
ファンタジー
安全を無視したコスト削減に反対した結果、 家電メーカーの開発エンジニア・三浦恒一は「価値がない」と切り捨てられた。 降格先の倉庫で事故に巻き込まれ、彼が辿り着いたのは――魔法がすべてを決める異世界だった。 この世界では、魔法は一人一つが常識。 そんな中で恒一が与えられたのは、 元の世界の“家電”しか召喚できない外れ魔法〈異界家電召喚〉。 戦えない。派手じゃない。評価もされない。 だが、召喚した家電に応じて発現する魔法は、 戦闘ではなく「生き延びるための正しい使い方」に特化していた。 保存、浄化、環境制御―― 誰も見向きもしなかった力は、やがて人々の生活と命を静かに支え始める。 理解されず、切り捨てられてきた男が選ぶのは、 英雄になることではない。 事故を起こさず、仲間を死なせず、 “必要とされる仕事”を積み上げること。 これは、 才能ではなく使い方で世界を変える男の、 静かな成り上がりの物語。

祝☆聖女召喚!そして国が滅びました☆

ラララキヲ
ファンタジー
 魔物の被害に疲れた国は異世界の少女に救いを求めた。 『聖女召喚』  そして世界で始めてその召喚は成功する。呼び出された少女を見て呼び出した者たちは……  そして呼び出された聖女は考える。彼女には彼女の求めるものがあったのだ……── ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げてます。

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

処理中です...