読切ホラー短編集

怖いと思うかは人それぞれ

※

※

お盆に実家の墓参りに、未婚の兄と私は子連れで来ていた。

兄は長子を連れ墓の前で長子に曾祖父さんがいるんだよと語り。

私はまだ小さい第二子が降りたがらないため、墓の見える所に車を止めていたから第二子と車内で待っていた。
車内から、申し訳ないとは思いつつもお参りをした。


実家に帰宅後

兄は私達の幼い頃のアルバムを引っ張りだして長子に見せていた。第二子は興味なさげに玩具で遊んでいたが。長子はアルバムを兄と見ていた。

そんな時、教えたはずはないのに長子が
「ひぃちゃん！」

と、幼い私と写っていた祖父を指さした。

「教えたのか？」

兄に言われ、私は首を振った。

「ひぃちゃんいた。ひぃちゃん、ばいばいした」

長子が言った。

確かに、兄は墓参り後に墓に曾祖父さんがいるよと伝え、曾祖父さんにバイバイしよう。と、墓前から車に戻り実家に帰宅してアルバムを見せていた。

見えないから、わからないが長子は見える子なんだと兄と私は思うことにした。