乙女ゲーム世界で少女は大人になります

薄影メガネ

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第三章~新妻扱編~

♀073 猫語混じりの言葉

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 あれから私はフェルディナンに着ていた衣服を全部綺麗に剥ぎ取られてしまい。服を脱いだフェルディナンの裸体の下で互いに素肌を重ね合わせていた。と、言ってもまだ先へは進んでいない何故なら私がそれをすることをつたない猫語で相当に渋っていたからだ。

「ふぇ、フェルディニャン!? ほんきにゃ?」
「本気も何も俺は先程からずっと君を抱きたいと言っているんだが……」

 どうして伝わらないんだ? と不思議そうに首を傾げて。それからフェルディナンは私の局部にフェルディナンの巨大なモノを押し当ててその本気度を教えてくれた。ベッドの上に押し倒されているから突然当てられたそれを私は拒むことも出来ない。

「にゃぁ!?」
「そんなに驚く事では無いと思うんだが……」
「にゃっ、にゃっ、にゃっ……にゃってぇ~~~」

 こんな姿になってしまった自分が情けないやら心細いやら。何だか色々な感情が頭の中をごちゃごちゃしていて落ち着かない。それなのにフェルディナンは反対にものすごく楽しそうだ。どうしてそう気持ちを分かってくれないのかと悲しくなって遂に泣き出してしまった。その何時になく落ち込んだ様子から、私が本気で泣いているのが分かったようで流石さすがのフェルディナンも顔色を変えた。

「……月瑠? どうして泣くんだ……」
「にゃって、にゃってぇ~わにゃし、いにゃ、にゃこだもにゃ~」
「……今、自分は猫だと言ったのか?」
「フェルディニャンのばにゃ~~~~っ! ふにゃ~ん」
「…………」

 猫語混じりの奇怪な言葉でにゃんにゃんと緩すぎるくらい緩く泣きじゃくってしまったら、フェルディナンがピタッと動かなくなった。ビックリした顔をして静止して、それからギリッと奥歯を噛み締める音が聞こえた。

「全く君って人は……っ! 仕方ないな……分かった。降参する。これ以上はしない。だから何だかよく分からないがそう泣かないでくれ」
 
 フェルディナンが何を言っているのか分からなくて、私は桜色の瞳を涙で濡らしながらフェルディナンを見返した。

「にゃ? にゃに?」
「君を抱くのを諦めると言ったんだ」
「にゃっ?」
「だからっ諦めて抱かないと言ったんだ!」

 フェルディナンがチッと舌打ちして苛立いらだたしげに声を上げたけれど、全く怖くはなかった。何故ならフェルディナンの方が傷ついた表情をしていたからだ。これ以上私を刺激するような事を言わないようにと、こらえてキッパリと要点だけ言い切ってから、歯を食いしばるようにしてしかめっ面で目を細めている。
 そして最終的には、くそっ! と悪態をついて私の上にポスッと力無く身体を預けてきた。ずっしりと体重をかけられてはいるものの。私をそれ以上どうこうする気は言葉通りないようで、フェルディナンはふて腐れて私の胸に頭を預けたまま目をつぶってしまった。

「……フェルディニャン?」

 大丈夫かな? と私の胸元にあるフェルディナンの柔らかい金髪を撫でる。ふて寝してしまった夫に、今度は私の方が困る番だった。

「フェルディニャン?」

 さらさらの金の髪をゆっくりとなでなでして。それからもう一度名前を呼んでも答えてくれない。目を伏せて口を不機嫌に結んでいる姿はお気に入りの玩具おもちゃを取り上げられた子供のようだ。 

「そんにゃにしたいにゃ?」
「…………」
 
 夫婦になってからというもの。フェルディナンは時折、こうして素直に感情を表して子供のように甘えるようになった。手を焼くのも確かだが。同時に可愛いと思ってしまうのだから仕方ない。かたくなに返答を拒んでいる大きな子供が機嫌を直してくれるように、その綺麗な顔ごとギュッと胸元に抱えるようにして抱き締めた。

「フェルディニャン~? いいこにゃからきげんにゃおしてほしいにゃ」
「…………」
「やっぱりフェルディニャンはかわい~にゃ~」
「…………」
「このにゃにゃねむにゃ? にゃらっ、わにゃしこもりうにゃうたうにゃ!」
「…………」
「ねむれにゃ~んこ木のうにゃ~……」

 ご機嫌を取るつもりが段々別の方向へと走り出してしまう。それも何だか妙に楽しくなってきて、調子に乗って適当な歌を幾つか歌いながら手持ち無沙汰にフェルディナンの綺麗な金の髪をクルクル指にからめたりして、半ば遊び始めてしまった私にフェルディナンがついに白旗をあげた。

「……っ……くれ」
「にゃ?」
「……頼むから、歌うのはやめてくれ……」

 失礼にも公害だと言わんばかりのしかめっ面でフェルディナンが渋々と表を上げた。騒音被害にでもあったかのようなげんなりとした顔にちょっぴり傷つく。ので、復讐とばかりに猫語混じりの適当な歌をにゃんにゃんと延々えんえん、フェルディナンの耳元で歌い続けていたら今度こそフェルディナンが切れた。

「まったく君は本当に……いい加減にしないかっ!」
「にゃぁっ!?」

 フェルディナンにとっては軽い注意程度のものだったとしても、私にとってはビリビリと雷が落ちたような衝撃と迫力に、思わず全身の毛を逆立てて白い耳をピンッと立ててしまった。そうして桜色の目をまん丸く見開いてパチパチさせていたら、フェルディナンが分かりやすいくらいハッキリと深く溜息を付いたので、私は思わず口をとがらせて不満を吐き出していた。
 と、言っても耳はへにゃっとしているし。尻尾も力無く垂れ下がっている。そして情けない表情をしているのは、音痴だという自覚があるからと言うわけではない。そう、断じてそういう訳ではない。

「わ、わにゃし、おんちにゃないにゃ?」
「……それに関しては深く話をしないことにする」
「にゃ!?」
「それともそんなにどう思われているのか知りたいのか?」
「そ、そんにゃにひどいにゃか?」
「…………」
「にゃんでそこでだまるにゃ!」
 
 あん音痴おんちだと言われて抗議を含めた目でジーッとにらみ付けていたら、意地悪な表情をそれまで浮かべていたフェルディナンの顔付きが真剣なものへと変わった。

「……そうだな、とりあえず君が元気になったようで安心した」
「にゃ……」

 悔しいけれど。このまま流されてフェルディナンとしてもいいかなと思えるくらいに、先程までこんがらがっていた気持ちが話をしているうちにほだされて、素直になってきているのが嫌でも分かる。だからせめてもと私の方から手を伸ばして半ば強引にフェルディナンを自分の方へ引き寄せた。
 不意を突かれて一瞬紫混じった青い瞳を見開いたフェルディナンの整った唇に舌を差し入れ、両腕をフェルディナンの首筋にギュッと強くまわして深く唇を合わせた。
 強引に奪うようなキスをしても、フェルディナンは私のなすがままに侵入を許して大人しく唇を開いて応えてくれる。その優しさが嬉しくて益々深く唇を重ねると身体がきしむほど強く抱き締められた。素肌が触れ合う感触が気持ちいい。離れがたい思いがそうしてどんどんつのっていく。
 そして、それから少しして私の方から唇を離すと、フェルディナンの指先が唾液で濡れて赤くなった唇に触れてきて、そっと優しく唇の形をなぞられる。ただ指先で軽く触れられただけなのに、ゾクリとするくらいの気持ちよさに身体が一瞬震えてしまう。

「……君は誰よりも俺を怒らせるが、誰よりも機嫌を直すのが得意なんだな……」

 局部に当たっていたフェルディナンのそそり立つ巨大な一物が、更に大きくなっている事に気が付いてしまった。それのあまりの大きさと固さにこれからの行為への期待にドキッとして、自分の姿形が何時もと違うことも関係なくなるくらいにフェルディナンが欲しくなる。

「にゃ……」

 物欲しそうな目で私を見下ろすフェルディナンを見つめ返したら、フェルディナンの指先が私の秘所にそっと触れてきた。そしてその武骨ぶこつな男の指で花弁を割り開かせると、次の瞬間、その指の根元まで一気に深々と埋め込まれてしまった。花弁を押し広げて入れたばかりなのにもうクチュクチュと卑猥ひわいな音がハッキリと聞こえてくる。
 腰を掴まれ更に強く太い指先を埋め込まれてずるずると愛液をからませながら引っ張り出される。そうして濡れた指先で何度も何度も容赦なく激しい出し入れを繰り返されてはどうしても身体がり上がってしまう。

「にゃぁっ!? ひっにゃぁぁあ!」

 指の本数を増やしてクチュクチュと水音を立てながら私の身体を慣らしていくフェルディナンのたくましい身体に抱きついて、ひたすら快感に耐えながらも身体がどんどんフェルディナンに合うように馴染ませられるのを感じて、自分の身体が別のものに変えられてしまうような気がしてちょっとだけ怖くなる。

「そろそろ平気そうだが……」
「にゃぁっ……!」

 そう言ってフェルディナンは私の中から指をズルッと抜き出した。フェルディナンの指はその根元までしっとりと濡れていた。部屋の明かりに反射して鈍く光り、透明な粘り気のある液体にまみれた指を見せつけられてカァッと頬が熱くなる。

「やにゃぁ! そんにゃのみせにゃいでっ!」

 う~と涙目で嫌々と首を横に振る私の様子に満足して、フェルディナンは再び花弁を割って指を奥深くまで差し入れた。今度は膣内にある指先を小刻みに動かしてくちくちと膣内をきまわしてされてしまう。そうして沢山触れられると、どうしてもその先にあるものへの期待に反応して、秘所から大量の愛液があふれて出す。ポタポタと滴るくらいに出てきた愛液がフェルディナンの指とシーツを汚した。

「ひにゃぁっ! やにゃぁ~」

 膣内の刺激にあえぎ声をあげて、必死にフェルディナンを見上げると。その綺麗な顔は興奮に汗ばんでいて頬が赤く上気じょうきしている。荒い息を吐き出すその様子からして、私の花弁を指先でほぐしながら丹念に出し入れを繰り返しているフェルディナンも、実は相当に我慢しているのは同じだった。
 欲しいと強く目で訴えたらフェルディナンはズルッと花弁から指を抜いて、それから間髪かんぱつ入れずに自身の巨大なそそり立つモノを私の秘所にあてがい一気に刺し貫いた。

「にゃぁっ! ひっ……にゃぁあんっ」
「月瑠のここ、こんなにすんなり根元まで入るくらい欲しがっているな……」

 そこは素直に認めるところだったのに、気恥ずかしさが邪魔をして涙で頬を濡らしながら、違うもの! と首をふるふる横に振ってしまったのが間違いだった。フェルディナンはそんな私を行為の最中だというのに仕方ないなとあきれたような顔で見られてしまう。

「そうか……ならば、俺を欲しいと泣いて懇願こんがんするようにしてやろうか?」
「にゃ、にゃにを、いってるにゃ……?」
「素直になれないのなら素直になれるようにすると言っているんだ」
「……にゃっ? ――っ!? にゃぁあっ!」

 フェルディナンは私の中にある自身の巨大な一物を更に大きくして、ズッズッと力強く花弁を押し広げてその根元まで埋め込むようにして激しく動き始めてしまった。フェルディナンの強靭きょうじんな肉体からしたたる汗が、私の身体から流れる汗と混ざりあい。まるで互いの身体が同化していくようにしっとりと身体が重なり合う。そして、腰を振って絶えず突き上げられる股間からの強い快感に、どうしても反応してゆるゆると腰が動くのを私は止められないでいる。

「やにゃ~フェルディニャンやにゃぁ~」
 
 猫語混じりだとどうにも嫌だと否定しきれない。そしてそれを感じているのはフェルディナンも同じで……

「先程からずっと思っていたことだが、猫語混じりだと君は随分ずいぶんと甘ったるい声で鳴くんだな……」
「ふみゃぁ……」

 甘ったるいと聞いて、私が反省するように情けない声を出してシュンッとしおれると、今度は文句を言われてしまった。

「……可愛い過ぎるのにも程がある。君は俺をどれだけ狂わせれば気が済むんだ?」
「にゃっ……?」
「だからもっと鳴かせたくなる」
「にゃぁっ!? にゃっ、にゃにいっ……――っ! にゃ――っ!」 

 私からの問いかけを無視してフェルディナンは私の指に指をからめながらベッドに強くその手を押し付けた。互いの股間から聞こえてくる結合の音が、段々と大きくなっていくのが分かるくらいの激しさで、フェルディナンは力強く腰を動かしてそれを必死にくわえ込んでいる花弁を最大まで開かせて容赦なく深々と突き上げる。
 フェルディナンに組み敷かれてその雄の強さに、にゃあにゃあ鳴き通して涙で瞳を濡らしている私をフェルディナンは静かに見下ろしながら、猫語混じりの言葉にあおられて更に強い突き上げを続けた。
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