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第二章~恋人扱編~
040 腰砕け
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フェルディナンが生殖時期を迎えてからそれが終わるまでの一週間、私はずっとフェルディナンの部屋で彼に抱かれたも同然の状態で過ごし続けた。そうして迎えた一週間目の生殖時期最後の夜は中でも一番激しくて殆ど抱かれているような状態を日夜問わず一日中繰り返され続けた。そしてとうとう最後には鳴き疲れて私は気絶するように眠ってしまっていた。
「腰が、立たない……」
生殖時期を何とか乗り越えた翌朝の私の第一声はこれだった。朝起きた時にはまるで腰砕けのような状態になっていて愕然とする。
「生殖時期の最後の日は性欲とか大分薄れてもっと軽い触れ合い程度で終わると思ってたのに……一番激しかった……」
立つことが出来ずベッドの上で座り込んでいる私とは対照的に、隣で寝ているフェルディナンは満足した顔をしてすやすやと寝息を立てている。一日中ベッドの上で四つん這いにさせられながら後ろから攻め立てられ続けた身体は疲れ切っていてあまり思う通りに動けない。行為が終わった後もフェルディナンに与えられた熱は身体の火照りと気怠い疲れという形でまざまざと残されている。
行為の間はずっとフェルディナンの動きに合わせて強く腰を引き寄せられ。太腿の間に咥え込んだフェルディナンの巨大なモノを花弁に擦り上げるように動くことを強要され続けた。そうして強制的にフェルディナンの肉体という檻に拘束されて、身体を一日中ベッドに縛り付けられているような目にあったのに、すやすやと安心し切った様子で眠っているフェルディナンの無防備な寝顔を見ていると、またその腕の中に戻りたくなってしまう。
「やっぱり可愛いのよね」
溜息を付きながら寝ているフェルディナンを起こさないようにそっと金の髪に触れてみる。見た目よりも柔らかい感触をゆっくりと撫でながら愛おしさに負けて軽くフェルディナンの唇の表面に唇を当てて少しだけその唇を甘噛みしてしまった。
「……ん」
「っ!?」
低い男の声を出しながらフェルディナンは目を瞑ったまま両手を何も身に付けていない私の身体に回してくる。フェルディナンによって脱がされた私の服と彼の服が床の上に散らばっていて、行為があったことの生々しさを感じてそれを見るだけで脳内に自動再生されてしまう。
壊れ物を扱うように優しく素肌を直に触られていると、フェルディナンの指先の動きが気持ち良くてもっと触ってほしいと思う気持ちが高まってくる。
フェルディナンは私の愛撫に応えて軽く口を開けると、ゆっくりと私の唇を食むように甘噛みを返してきた。あまりにも自然な仕草で唇を吸われてしまう。
フェルディナンの虚ろな様子からして殆ど無意識に反射的に動いているだけのようだった。唇を重ねられたから重ね返しているような。とても単純なもの。けれどそれを自然に出来る位にお互いを思い合えていることが私は何よりも嬉しかった。
フェルディナンは時間を掛けてまったりとした様子で私の唇に唇を重ね続けている。それから10分ほど経過してようやく少し満足したようでフェルディナンは私の唇から唇を離した。
「月、瑠……?」
「えっと、あの起こしちゃった? ごめんなさい」
フェルディナンが眠そうに紫混じった青い瞳を隠している瞼を薄っすらと開いた。寝惚け眼で首を傾げながら私を見ているフェルディナンの綺麗な顔と、首を傾げた拍子に砂金のように光りながらサラサラと流れる金の髪にドキッとして不覚にもときめいてしまう。
「……どうしたんだ?」
「な、なんでもないの」
「そう、か……」
とろんとした顔で呟くように返事を返すと、フェルディナンは再び瞳を閉じてしまった。そうしてまた静かに寝息を立て始めたフェルディナンの胸元で私は高鳴る心臓を抑えるのに必死だった。
……び、びっくりした。寝惚けてるだけで起きてる訳じゃないんだよね?
反射的な行動だとは分かっていても。まさか応えてくれるとは思っていなかった。あまりにも優しく胸元に抱き寄せられて。またフェルディナンの腕に身を任せてしまいたくなる。
ドキドキしている自分の身体を自身で抱き締めて少し落ち着かせる。そうして触れた私の身体はフェルディナンとの行為によって全身が汗でしっとりと濡れていた。こうして自分の身体の状態を自覚させられる度に、その汗にどの位フェルディナンのものが混ざっているのか分からない位に触れ合っていた事を思い出してしまう。
昨日の様子といい、この寝顔といい。生殖時期のフェルディナンは何時にも増して色気が半端ない。一度油断して心を許してしまうと――まるで野生の獣のように強く攻められて求められてしまう。それもとびきり綺麗な紫が混じる青い瞳と黄金の毛の野獣へと変わってしまうのだから抵抗し難くて困る。何をされても許してしまいそうだ。
「……とりあえず生殖時期は終わったんだし、もう自分の部屋に戻らないと――そうしないとこれ以上何かあったら身がもたない……」
私は緩く身体に回されているフェルディナンの腕を身体からそっと外して、何も身に付けていない自分の身体にシーツを巻き付けた。そして静かに寝息を立てているフェルディナンをベッドに残して這いずるように床に降りた。
降りたというよりも床に座り込んだという方が正しいのかもしれない。気怠い疲れと火照りとで身体が何時ものように動かない。それも腰が立たないので仕方なくズルズルと足を引きずる様な格好で這いずりながら扉の方へ向かって前進する。そうしてなんとか扉の前まで辿り着いた。けれど、それから先をどうすればいいのか私は分からなかった。
うーん、フェルディナンの部屋を出てここから屋敷の使用人達に見つからずに自分の部屋まで戻るにはどうすればいいんだろう? まさかこのまま這いずりながらって訳には流石にいかないし……
私はとりあえず扉を開けて外の様子を見る事にした。扉に手を掛けて少しだけ隙間を開けてこそっと顔を出してみる。
「おはよう」
顔を出した途端、聞こえてきたのはイリヤの声だった。
「……おはようございます」
あの時はよくも置いてきぼりにしてくれましたね……と、私は恨みの籠った目を扉の直ぐ横に立っているイリヤに向けた。
「一週間お疲れ様。それと昨日は朝から晩までだったっけ? やっぱり立てなくなってる?」
「ええ、まあ……」
私から向けられる視線の意味にイリヤはちゃんと気付いている癖に、まるで他人事のように振る舞って綺麗にかわされてしまう。イリヤは何事もなかったかのようにフェルディナンの生殖時期が始まった一週間前の別れ際に見せた天使の笑みを私に向けてきた。
私達はこの一週間、一度も顔を合わせていなかった。私はずっとフェルディナンの部屋に半ば監禁状態で。外に出ることをフェルディナンは一度も許してくれなかった。当然この一週間はフェルディナン以外の人と一度も顔を合わせていない。
そしてそうなることを使用人達は皆心得ていて、食事も扉の前に何時もタイミングよく置かれていたし、何か取りに行く時はフェルディナンが正気に戻った時に部屋を出て取りに行っていた。それも出て行く時は施錠して行くという徹底ぶり。自力で部屋から出る事はほぼ不可能な状態だった。
「…………」
シーツを巻き付けただけの恰好で床に座り込みながら無言でイリヤをジーと見上げていると、イリヤは後頭部に手を当ててまいったなという顔をした。
「そんな顔して見ないでよ。一応俺も少しは心配していたんだからさ……」
「私の腰が立たなくなるのを予測して、ですか?」
「うんまあ、昨日は一日中部屋から月瑠の鳴く声が漏れていたみたいだから、そうなるんじゃないかなっとは思ってたよ」
「……まさか、ずっと扉の前にいたなんて言わないですよね?」
「いないよ。近くを通った時に聞こえてくることが多かったからそう思っただけだし。それにフェルディナンが約束したでしょ? もうしないって。だからもし二人がそういう事している最中に俺が監視してたらフェルディナンに止められる。知ってて放置はもうしないさ」
「そっか……――って、あのぉ~イリヤの方は覗き見しないって約束してくれないんですか? どちらかと言えばイリヤがしないって約束してくれれば全て丸く収まるんですけど」
フェルディナンが約束してくれたのは覗き見されているのが分かっていたらもうそのまま放置しない。と、いうことであってそれをしている張本人ではない。覗き見されていてもあまりフェルディナンは気にしていなさそうだから、私と同じ被害者というよりもどちらかと言うと第三者的な視点で物事を考えていそうな気がする。
「あー、うんまあ。そうなるよね」
「なりますよね」
イリヤにしてもフェルディナンにしても二人は私とは少し感覚がずれているようだ。そしてイリヤの方は私と約束をするつもりはないようで、私から視線を外してそっぽを向いている。隙があればまたやらかしそうな雰囲気だった。
まあもし、イリヤがまた覗き……監視しようとしてもフェルディナンが止めてくれるからまあいいかな……?
私は小さく溜息を付いてから改めてイリヤに向き直った。
「イリヤ、お願いがあるんだけど」
「なんだい?」
人の良さそうなお兄さんの顔でイリヤは赤い瞳を緩めて笑っている。
「私を私の部屋まで連れて行ってほしいの」
私の言葉を聞いた瞬間イリヤの顔が固まった。
「それってつまり、君を抱き上げて君の部屋まで送ってほしいってこと?」
今は無邪気な子供のような顔をして眠っているフェルディナンが起きてしまった時の事を思うと、早々に逃げ出した方が無難だ。これ以上ああいう行為をされては身がもたない。
「そういうことです」
イリヤは少し嫌な顔をした。
「それ、もしフェルディナンにばれたら俺殺されそうなんだけど……ばれたらというか確実にばれるんだけど」
「……そうですよね」
「「…………」」
私達は二人で同時に沈黙してお互いに見つめ合っていた。
これは……目線を先に反らした方が負けるっ!
そう直感して私は瞬き一つしないでイリヤの顔をジッと見つめ続けた。そうして互いに無言の攻防が続いて先に折れたのはイリヤの方だった。
「……ふぅ、あーもう分かったよ! 俺の負け!」
長い肩にかかっている銀髪を乱暴に払いのけて、イリヤは私の前にやってきた。
「フェルディナンには自力で何とかしたっていうんだよ? どうせばれるだろうけどさっ」
不機嫌そうにそう言って目の前に立ったイリヤに私はコクコクと頷いて幼子のようにイリヤに向かって手を伸ばしてしまった。兄の様な存在のイリヤに甘え切っている自分の行動をどう思われてしまったのか気になったけれど、当の本人は顔色一つ変えずにこちらを見ている。
イリヤは床の上で座り込んでいる私の前に軽く屈み込んでからそっと私を抱き上げてくれた。しなやかな見た目よりも力のある腕にふわっと抱き上げられて少しだけ気恥ずかしさに目を泳がせている私に、イリヤはふっと深紅の瞳を細めると口元から僅かに八重歯を覗かせて笑った。
今迄はドタバタした状況が続いてフェルディナンに付きっきりだったし、イリヤの行動に振り回されることが多くてすっかり忘れていたけれど、彼が何処かの貴族か王族かといった王子様的な容姿の持ち主だったという事を私はハッキリと思い出してしまった。
エロティックな雰囲気と獰猛さを兼ね備えた月光の似合う美貌。そんなイリヤにシーツ一枚を体に巻き付けただけの恰好で抱き上げられているなんて傍から見たらかなり誤解を受けそうな場面だった。
「あの、イリヤ。早く部屋に連れて行ってほしいのだけど……」
動揺を隠す為に早口で話す私に、イリヤは怪訝な表情を向けた。
「……何だかその言い方って、男としてはちょっと危ない感じがするんだけど」
「危ない?」
「うん、……まあいいや」
不思議そうな顔をしている私を見てイリヤは何でもないと首を横に振って一人で納得してしまった。フェルディナンの部屋の扉を静かに閉めてイリヤは私を両手で抱き上げたまま私の部屋に向かって歩き出した。
私の部屋に到着するとイリヤは部屋の中に入ってそっと私をベッドの上に降ろしてくれた。すごく大切にされていると勘違いしてしまいそうになる位に優しく扱われて。私は思わずイリヤから目線を外してしまう。
私はイリヤのことお兄ちゃんみたいに大切な存在だと思ってるけど、イリヤにとって私はどういう存在なのかどう思われているのかは分からないんだから、あまり期待しないようにしないと……
間接的とはいえイリヤの恋人だった結良が獣人との抗争に巻き込まれて亡くなった元凶の一つが私であることは変えようがない。
卯佐美結良――彼女はイリヤの大切な人で恋人。イリヤと結婚を誓い合った仲で。私の前にこの乙女ゲーム世界にいた異邦人。私と同じ世界から来た私と同い年の16歳の女の子。4月2日に獣人との抗争に巻き込まれて亡くなった。
――私は彼女の事をその程度にしか知らない。
*
「イリヤは結良を助けに行けなかった。――いや、行くことが出来なかったというのが正しいな。結良が死にかけている時、イリヤは俺が依頼した仕事に出ていた。だからイリヤは結良の危機に気付くことが出来なかった」
「イリヤに依頼した仕事って、何なの?」
「結良の次に来る異邦人が現れる場所の特定だ」
「それって、まさか……」
「月瑠――君のことだ」
*
あの時のフェルディナンとの会話を思い出すと何時も、イリヤに嫌われたくないという思いが募って切ない気持ちになる。どうしてもその事についてイリヤにどう思っているのか聞く勇気がない。嫌われたくなくて私はそれを等閑にしてしまっていた。
「ありがとうイリヤ」
部屋に連れて来てくれたお礼を言ってベッドの横に立っているイリヤを見上げた。
「どういたしまして。それにしてもフェルディナンは相当君に弱いよね」
イリヤは腰に手を当てて面白そうな表情で私を見ている。
「弱いって何の事ですか?」
「普通は還元剤なんて使ったら、もっと暴走していてもおかしくないところなのに、一応寸でのところで留まって君の反応を確かめていたからさ」
「私の反応って……」
「月瑠に嫌われたくないから月瑠が大丈夫そうかどうか、様子を見ていたって感じだったかな」
嫌われたくないという単語がイリヤの口から出てきたことにドキッとする。なんとか冷静を装って私は返事を返した。
「様子を見ていたって?」
「少なくとも俺が一緒に月瑠達といた時のフェルディナンは、月瑠からそういう事をしていいって許可が下りるのをずっと大人しく待っているみたいだったけど?」
「私の許可……」
そう言われてみれば確かにフェルディナンは子犬のような顔をして私の様子をずっと見ていたような気がした。いきなり強引になっても肝心のところでは私がいいと思うまで手を出さないで待っていた気がする。
「そう言えばそんな感じもしたような気がします」
「あの選びたい放題、選り取り見取りでそういう相手には一度も苦労したことのないような人が、そこまで気を遣う相手何てそうそういないと思うけど」
「え、えらびたいほうだい……っ!?」
「えっと、あのさ。月瑠? 反応してほしい所はそこじゃないんだけど」
「だってぇ!」
涙目でイリヤを見返すとイリヤはやれやれと言った様子で私の頭をポンポン叩いた。
「今は月瑠しかいないんだからいいじゃないか」
「そうなんだけど、改めてそう言うこと聞いちゃうとどうにも……」
「だからフェルディナンは極力月瑠にそういう話しないんだろうね」
「うっ、確かにフェルディナンは聞いても全く話てくれないです」
「そうだろうね。好きな相手を泣かせるような話はしたくないと思うよ?」
「……あの、じゃあイリヤは教えてくれる? 具体的なこと」
「……それってフェルディナンの相手がどういう奴だったか話せって事?」
「えっと、うん。まああの、何というか……どうせショックを受けるならフェルディナンがどういう人が好きなのか知りたいなって思って」
といっても相手は全員男の人だからあまり参考にはならなそうだけど。どちらかというと女体化した時の姿を参考にさせてもらえたら有難い。
「フェルディナンの好みが知りたいなら本人に直接聞いた方がいいと思うけどな」
「教えてくれないの?」
「ここで月瑠に余計なこと言ってフェルディナンの不興を買いたくないんだよ」
イリヤが何も教えてくれないことに駄々を捏ねる子供の様にムウッとして頬を膨らませながらベッドの上で不貞腐れていると、イリヤは苦笑しながらとても穏やかな顔で私の頭を優しく撫でた。
「――ねえ、月瑠。俺はさ、二人共大好きなんだよ」
「イリヤ……?」
私は突然何の話だろうと目を白黒させて、怒っていた事も忘れたようにイリヤを見てしまった。驚いている私の反応に構わずイリヤは本当に大切なものを見るような視線を私に向けて来る。
「だから二人を見守るのは俺の役目だって思ってる。亡くなった結良の分までね」
そう言うイリヤの赤い瞳が心なしか切ない光を放っているように見えた。
「腰が、立たない……」
生殖時期を何とか乗り越えた翌朝の私の第一声はこれだった。朝起きた時にはまるで腰砕けのような状態になっていて愕然とする。
「生殖時期の最後の日は性欲とか大分薄れてもっと軽い触れ合い程度で終わると思ってたのに……一番激しかった……」
立つことが出来ずベッドの上で座り込んでいる私とは対照的に、隣で寝ているフェルディナンは満足した顔をしてすやすやと寝息を立てている。一日中ベッドの上で四つん這いにさせられながら後ろから攻め立てられ続けた身体は疲れ切っていてあまり思う通りに動けない。行為が終わった後もフェルディナンに与えられた熱は身体の火照りと気怠い疲れという形でまざまざと残されている。
行為の間はずっとフェルディナンの動きに合わせて強く腰を引き寄せられ。太腿の間に咥え込んだフェルディナンの巨大なモノを花弁に擦り上げるように動くことを強要され続けた。そうして強制的にフェルディナンの肉体という檻に拘束されて、身体を一日中ベッドに縛り付けられているような目にあったのに、すやすやと安心し切った様子で眠っているフェルディナンの無防備な寝顔を見ていると、またその腕の中に戻りたくなってしまう。
「やっぱり可愛いのよね」
溜息を付きながら寝ているフェルディナンを起こさないようにそっと金の髪に触れてみる。見た目よりも柔らかい感触をゆっくりと撫でながら愛おしさに負けて軽くフェルディナンの唇の表面に唇を当てて少しだけその唇を甘噛みしてしまった。
「……ん」
「っ!?」
低い男の声を出しながらフェルディナンは目を瞑ったまま両手を何も身に付けていない私の身体に回してくる。フェルディナンによって脱がされた私の服と彼の服が床の上に散らばっていて、行為があったことの生々しさを感じてそれを見るだけで脳内に自動再生されてしまう。
壊れ物を扱うように優しく素肌を直に触られていると、フェルディナンの指先の動きが気持ち良くてもっと触ってほしいと思う気持ちが高まってくる。
フェルディナンは私の愛撫に応えて軽く口を開けると、ゆっくりと私の唇を食むように甘噛みを返してきた。あまりにも自然な仕草で唇を吸われてしまう。
フェルディナンの虚ろな様子からして殆ど無意識に反射的に動いているだけのようだった。唇を重ねられたから重ね返しているような。とても単純なもの。けれどそれを自然に出来る位にお互いを思い合えていることが私は何よりも嬉しかった。
フェルディナンは時間を掛けてまったりとした様子で私の唇に唇を重ね続けている。それから10分ほど経過してようやく少し満足したようでフェルディナンは私の唇から唇を離した。
「月、瑠……?」
「えっと、あの起こしちゃった? ごめんなさい」
フェルディナンが眠そうに紫混じった青い瞳を隠している瞼を薄っすらと開いた。寝惚け眼で首を傾げながら私を見ているフェルディナンの綺麗な顔と、首を傾げた拍子に砂金のように光りながらサラサラと流れる金の髪にドキッとして不覚にもときめいてしまう。
「……どうしたんだ?」
「な、なんでもないの」
「そう、か……」
とろんとした顔で呟くように返事を返すと、フェルディナンは再び瞳を閉じてしまった。そうしてまた静かに寝息を立て始めたフェルディナンの胸元で私は高鳴る心臓を抑えるのに必死だった。
……び、びっくりした。寝惚けてるだけで起きてる訳じゃないんだよね?
反射的な行動だとは分かっていても。まさか応えてくれるとは思っていなかった。あまりにも優しく胸元に抱き寄せられて。またフェルディナンの腕に身を任せてしまいたくなる。
ドキドキしている自分の身体を自身で抱き締めて少し落ち着かせる。そうして触れた私の身体はフェルディナンとの行為によって全身が汗でしっとりと濡れていた。こうして自分の身体の状態を自覚させられる度に、その汗にどの位フェルディナンのものが混ざっているのか分からない位に触れ合っていた事を思い出してしまう。
昨日の様子といい、この寝顔といい。生殖時期のフェルディナンは何時にも増して色気が半端ない。一度油断して心を許してしまうと――まるで野生の獣のように強く攻められて求められてしまう。それもとびきり綺麗な紫が混じる青い瞳と黄金の毛の野獣へと変わってしまうのだから抵抗し難くて困る。何をされても許してしまいそうだ。
「……とりあえず生殖時期は終わったんだし、もう自分の部屋に戻らないと――そうしないとこれ以上何かあったら身がもたない……」
私は緩く身体に回されているフェルディナンの腕を身体からそっと外して、何も身に付けていない自分の身体にシーツを巻き付けた。そして静かに寝息を立てているフェルディナンをベッドに残して這いずるように床に降りた。
降りたというよりも床に座り込んだという方が正しいのかもしれない。気怠い疲れと火照りとで身体が何時ものように動かない。それも腰が立たないので仕方なくズルズルと足を引きずる様な格好で這いずりながら扉の方へ向かって前進する。そうしてなんとか扉の前まで辿り着いた。けれど、それから先をどうすればいいのか私は分からなかった。
うーん、フェルディナンの部屋を出てここから屋敷の使用人達に見つからずに自分の部屋まで戻るにはどうすればいいんだろう? まさかこのまま這いずりながらって訳には流石にいかないし……
私はとりあえず扉を開けて外の様子を見る事にした。扉に手を掛けて少しだけ隙間を開けてこそっと顔を出してみる。
「おはよう」
顔を出した途端、聞こえてきたのはイリヤの声だった。
「……おはようございます」
あの時はよくも置いてきぼりにしてくれましたね……と、私は恨みの籠った目を扉の直ぐ横に立っているイリヤに向けた。
「一週間お疲れ様。それと昨日は朝から晩までだったっけ? やっぱり立てなくなってる?」
「ええ、まあ……」
私から向けられる視線の意味にイリヤはちゃんと気付いている癖に、まるで他人事のように振る舞って綺麗にかわされてしまう。イリヤは何事もなかったかのようにフェルディナンの生殖時期が始まった一週間前の別れ際に見せた天使の笑みを私に向けてきた。
私達はこの一週間、一度も顔を合わせていなかった。私はずっとフェルディナンの部屋に半ば監禁状態で。外に出ることをフェルディナンは一度も許してくれなかった。当然この一週間はフェルディナン以外の人と一度も顔を合わせていない。
そしてそうなることを使用人達は皆心得ていて、食事も扉の前に何時もタイミングよく置かれていたし、何か取りに行く時はフェルディナンが正気に戻った時に部屋を出て取りに行っていた。それも出て行く時は施錠して行くという徹底ぶり。自力で部屋から出る事はほぼ不可能な状態だった。
「…………」
シーツを巻き付けただけの恰好で床に座り込みながら無言でイリヤをジーと見上げていると、イリヤは後頭部に手を当ててまいったなという顔をした。
「そんな顔して見ないでよ。一応俺も少しは心配していたんだからさ……」
「私の腰が立たなくなるのを予測して、ですか?」
「うんまあ、昨日は一日中部屋から月瑠の鳴く声が漏れていたみたいだから、そうなるんじゃないかなっとは思ってたよ」
「……まさか、ずっと扉の前にいたなんて言わないですよね?」
「いないよ。近くを通った時に聞こえてくることが多かったからそう思っただけだし。それにフェルディナンが約束したでしょ? もうしないって。だからもし二人がそういう事している最中に俺が監視してたらフェルディナンに止められる。知ってて放置はもうしないさ」
「そっか……――って、あのぉ~イリヤの方は覗き見しないって約束してくれないんですか? どちらかと言えばイリヤがしないって約束してくれれば全て丸く収まるんですけど」
フェルディナンが約束してくれたのは覗き見されているのが分かっていたらもうそのまま放置しない。と、いうことであってそれをしている張本人ではない。覗き見されていてもあまりフェルディナンは気にしていなさそうだから、私と同じ被害者というよりもどちらかと言うと第三者的な視点で物事を考えていそうな気がする。
「あー、うんまあ。そうなるよね」
「なりますよね」
イリヤにしてもフェルディナンにしても二人は私とは少し感覚がずれているようだ。そしてイリヤの方は私と約束をするつもりはないようで、私から視線を外してそっぽを向いている。隙があればまたやらかしそうな雰囲気だった。
まあもし、イリヤがまた覗き……監視しようとしてもフェルディナンが止めてくれるからまあいいかな……?
私は小さく溜息を付いてから改めてイリヤに向き直った。
「イリヤ、お願いがあるんだけど」
「なんだい?」
人の良さそうなお兄さんの顔でイリヤは赤い瞳を緩めて笑っている。
「私を私の部屋まで連れて行ってほしいの」
私の言葉を聞いた瞬間イリヤの顔が固まった。
「それってつまり、君を抱き上げて君の部屋まで送ってほしいってこと?」
今は無邪気な子供のような顔をして眠っているフェルディナンが起きてしまった時の事を思うと、早々に逃げ出した方が無難だ。これ以上ああいう行為をされては身がもたない。
「そういうことです」
イリヤは少し嫌な顔をした。
「それ、もしフェルディナンにばれたら俺殺されそうなんだけど……ばれたらというか確実にばれるんだけど」
「……そうですよね」
「「…………」」
私達は二人で同時に沈黙してお互いに見つめ合っていた。
これは……目線を先に反らした方が負けるっ!
そう直感して私は瞬き一つしないでイリヤの顔をジッと見つめ続けた。そうして互いに無言の攻防が続いて先に折れたのはイリヤの方だった。
「……ふぅ、あーもう分かったよ! 俺の負け!」
長い肩にかかっている銀髪を乱暴に払いのけて、イリヤは私の前にやってきた。
「フェルディナンには自力で何とかしたっていうんだよ? どうせばれるだろうけどさっ」
不機嫌そうにそう言って目の前に立ったイリヤに私はコクコクと頷いて幼子のようにイリヤに向かって手を伸ばしてしまった。兄の様な存在のイリヤに甘え切っている自分の行動をどう思われてしまったのか気になったけれど、当の本人は顔色一つ変えずにこちらを見ている。
イリヤは床の上で座り込んでいる私の前に軽く屈み込んでからそっと私を抱き上げてくれた。しなやかな見た目よりも力のある腕にふわっと抱き上げられて少しだけ気恥ずかしさに目を泳がせている私に、イリヤはふっと深紅の瞳を細めると口元から僅かに八重歯を覗かせて笑った。
今迄はドタバタした状況が続いてフェルディナンに付きっきりだったし、イリヤの行動に振り回されることが多くてすっかり忘れていたけれど、彼が何処かの貴族か王族かといった王子様的な容姿の持ち主だったという事を私はハッキリと思い出してしまった。
エロティックな雰囲気と獰猛さを兼ね備えた月光の似合う美貌。そんなイリヤにシーツ一枚を体に巻き付けただけの恰好で抱き上げられているなんて傍から見たらかなり誤解を受けそうな場面だった。
「あの、イリヤ。早く部屋に連れて行ってほしいのだけど……」
動揺を隠す為に早口で話す私に、イリヤは怪訝な表情を向けた。
「……何だかその言い方って、男としてはちょっと危ない感じがするんだけど」
「危ない?」
「うん、……まあいいや」
不思議そうな顔をしている私を見てイリヤは何でもないと首を横に振って一人で納得してしまった。フェルディナンの部屋の扉を静かに閉めてイリヤは私を両手で抱き上げたまま私の部屋に向かって歩き出した。
私の部屋に到着するとイリヤは部屋の中に入ってそっと私をベッドの上に降ろしてくれた。すごく大切にされていると勘違いしてしまいそうになる位に優しく扱われて。私は思わずイリヤから目線を外してしまう。
私はイリヤのことお兄ちゃんみたいに大切な存在だと思ってるけど、イリヤにとって私はどういう存在なのかどう思われているのかは分からないんだから、あまり期待しないようにしないと……
間接的とはいえイリヤの恋人だった結良が獣人との抗争に巻き込まれて亡くなった元凶の一つが私であることは変えようがない。
卯佐美結良――彼女はイリヤの大切な人で恋人。イリヤと結婚を誓い合った仲で。私の前にこの乙女ゲーム世界にいた異邦人。私と同じ世界から来た私と同い年の16歳の女の子。4月2日に獣人との抗争に巻き込まれて亡くなった。
――私は彼女の事をその程度にしか知らない。
*
「イリヤは結良を助けに行けなかった。――いや、行くことが出来なかったというのが正しいな。結良が死にかけている時、イリヤは俺が依頼した仕事に出ていた。だからイリヤは結良の危機に気付くことが出来なかった」
「イリヤに依頼した仕事って、何なの?」
「結良の次に来る異邦人が現れる場所の特定だ」
「それって、まさか……」
「月瑠――君のことだ」
*
あの時のフェルディナンとの会話を思い出すと何時も、イリヤに嫌われたくないという思いが募って切ない気持ちになる。どうしてもその事についてイリヤにどう思っているのか聞く勇気がない。嫌われたくなくて私はそれを等閑にしてしまっていた。
「ありがとうイリヤ」
部屋に連れて来てくれたお礼を言ってベッドの横に立っているイリヤを見上げた。
「どういたしまして。それにしてもフェルディナンは相当君に弱いよね」
イリヤは腰に手を当てて面白そうな表情で私を見ている。
「弱いって何の事ですか?」
「普通は還元剤なんて使ったら、もっと暴走していてもおかしくないところなのに、一応寸でのところで留まって君の反応を確かめていたからさ」
「私の反応って……」
「月瑠に嫌われたくないから月瑠が大丈夫そうかどうか、様子を見ていたって感じだったかな」
嫌われたくないという単語がイリヤの口から出てきたことにドキッとする。なんとか冷静を装って私は返事を返した。
「様子を見ていたって?」
「少なくとも俺が一緒に月瑠達といた時のフェルディナンは、月瑠からそういう事をしていいって許可が下りるのをずっと大人しく待っているみたいだったけど?」
「私の許可……」
そう言われてみれば確かにフェルディナンは子犬のような顔をして私の様子をずっと見ていたような気がした。いきなり強引になっても肝心のところでは私がいいと思うまで手を出さないで待っていた気がする。
「そう言えばそんな感じもしたような気がします」
「あの選びたい放題、選り取り見取りでそういう相手には一度も苦労したことのないような人が、そこまで気を遣う相手何てそうそういないと思うけど」
「え、えらびたいほうだい……っ!?」
「えっと、あのさ。月瑠? 反応してほしい所はそこじゃないんだけど」
「だってぇ!」
涙目でイリヤを見返すとイリヤはやれやれと言った様子で私の頭をポンポン叩いた。
「今は月瑠しかいないんだからいいじゃないか」
「そうなんだけど、改めてそう言うこと聞いちゃうとどうにも……」
「だからフェルディナンは極力月瑠にそういう話しないんだろうね」
「うっ、確かにフェルディナンは聞いても全く話てくれないです」
「そうだろうね。好きな相手を泣かせるような話はしたくないと思うよ?」
「……あの、じゃあイリヤは教えてくれる? 具体的なこと」
「……それってフェルディナンの相手がどういう奴だったか話せって事?」
「えっと、うん。まああの、何というか……どうせショックを受けるならフェルディナンがどういう人が好きなのか知りたいなって思って」
といっても相手は全員男の人だからあまり参考にはならなそうだけど。どちらかというと女体化した時の姿を参考にさせてもらえたら有難い。
「フェルディナンの好みが知りたいなら本人に直接聞いた方がいいと思うけどな」
「教えてくれないの?」
「ここで月瑠に余計なこと言ってフェルディナンの不興を買いたくないんだよ」
イリヤが何も教えてくれないことに駄々を捏ねる子供の様にムウッとして頬を膨らませながらベッドの上で不貞腐れていると、イリヤは苦笑しながらとても穏やかな顔で私の頭を優しく撫でた。
「――ねえ、月瑠。俺はさ、二人共大好きなんだよ」
「イリヤ……?」
私は突然何の話だろうと目を白黒させて、怒っていた事も忘れたようにイリヤを見てしまった。驚いている私の反応に構わずイリヤは本当に大切なものを見るような視線を私に向けて来る。
「だから二人を見守るのは俺の役目だって思ってる。亡くなった結良の分までね」
そう言うイリヤの赤い瞳が心なしか切ない光を放っているように見えた。
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筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
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辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
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