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第3章
147. 散策
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街までベイローレルさんを探しに来た僕はついでにこの街を探索することにした。
前から姉様の家に立ち寄ることはあったが街に出ることは一度もなかったからだ。
「(うわぁ…前の街の比べるとコッチは栄えてるなぁ…こんなにも違うんだ。)」
自分の住んでいる地域も王都に近いことから栄えている方だがこちらも負ける劣らず栄えている。
「(たしか姉様がこの辺は海が近いから貿易商が盛んだって言ってたよね…?)」
僕はそれを思い出し、港に向かって歩き出した。海が近付いて来るにつれ潮の匂いがキツくなってくる。
「(いくら異世界でも海は変わりないんだ。)」と思いながらボーッと港で積荷を下ろしている作業員の人達を眺める。
そんな時、声を掛けられた。
「お嬢ちゃん、こんな所でボーッとしてると海に落ちちまうぜ?」
パッと振り返るとガタイのいい毛むくじゃらのおじさんが立っていた。
「あっ、はい、気を付けます。」とペコリとお辞儀をする。
「それにしてもお嬢ちゃん、この辺じゃ見かけない顔だなぁ…。どっか違うところから来たのか?」
と顎髭を触りながら考え込んだ。
「…はい、遠くから来ました。目的地はアンバーなのでこの街で少し休憩をと思って立ち寄ったんです。」
「そうか…だいぶ遠いが大丈夫なのか?」
「はい、護衛も雇いましたし大丈夫です。」
「なら、安心だな。でもこの辺は海が近い分、貿易商が盛んでな人の出入りが激しい。タチの悪い奴もいるから気を付けなよ、お嬢ちゃんみたいに可愛い子は攫われちまう。」
おじさんは人がいいのか見知らぬ僕にも親切に教えてくれた。
「フフッ、ありがとうございます。でも僕、男ですし、多少は自分で自分の身は守れますよ?」
僕がそう言うとおじさんは驚いた顔をして、
「えっ?そうだったのか。でもお前さんはそれを抜きにしても危ないと思うけどなぁ…。」
と言ってくる。
「お気遣いありがとうございます。では、僕は護衛のところに行ってきますね。」
「ああ、その方がいい、気をつけるんだよ!」
と手を振り見送ってくれた。
再び街に戻ってきた僕はベイローレルさんを本格的に探すことにした。
「(ベイローレルさんが顔を出しそうなところ…武器屋かギルドかなぁ…?とりあえず武器屋に行ってみよっと。)」
僕は武器屋を探してフラフラと歩きまわる。
「(あー…あんなところに美味しそうな屋台がある…あそこにはデザート…。)」と散策を満喫していると背後から誰かに羽交い締めにされた。
「(えっ!何!)」と身体をよじるがビクともしない。 思わず「ベイローレルさん!」と叫んだ。すると「俺だ。」と背後から聞き慣れた声が聞こえる。
「えっ!?」と後ろを振り返ると呆れた顔のベイローレルさんがいた。
「フェンネル…お前、フラフラ歩きすぎだ。途中からお前の後を付けてきたんだが無防備にも程がある。いくら護衛の俺がいるといってももっと周りを警戒してくれ。今のが俺じゃなかったらすぐに攫われてるぞ。」
「(たしかに何も考えずに歩いてた…。)
はい…すみません。気を抜いてました。」
「お前…強いのか弱いのかよくわからないが、不意打ちには弱すぎることはたしかだ。自覚を持ってくれ、な?」
「はい…わかりました。」
僕はベイローレルさんと合流した後、先程姉様から言われたことを伝えた。それには二つ返事で了承をもらえたのでその前にギルドに寄って依頼をこなし、僕のランクを上げることになった。
「さぁ、フェンネル。俺がいるから殆どの依頼は受けれるぜ。俺に任せとけ!」
とベイローレルさんは自信満々だ。
「でも…手伝ってもらってばかりだとそれって依頼をこなしたって言うんですか?」
僕はそういうのは不正なんじゃないかと心配だった。
「そりゃあ、まぁそうだと言うやつもいるな。だから俺はあくまで手助けだ。殆どはフェンネルがこなしてくれたらいい。ホントのピンチの時だけ俺が助けてやる。」
それで納得した僕はベイローレルさんとギルドの依頼板を眺めた。
「おぉ、フェンネル、お前にピッタリのEランクの依頼があるぜ?」
「どんなのですか?」
「"屋敷の庭の草むしり"」
ベイローレルさんはニヤニヤしている。
「えぇ~…草むしりですか?そりゃあ命の心配はないですけど、疲れそうですね。」
「まぁな。ちなみにこの屋敷っていうのは依頼を受けないと場所は教えてもらえないらしいぜ。面白そうだろ?」
「たしかに…。(場所を教えれないってよっぽどなのかな?)
じゃあそれにしてみます。なんか面白そうなので。」
「よし!じゃあこの紙、持ってくぜ!」
ベイローレルさんは意気揚々と受付に持って行った。
前から姉様の家に立ち寄ることはあったが街に出ることは一度もなかったからだ。
「(うわぁ…前の街の比べるとコッチは栄えてるなぁ…こんなにも違うんだ。)」
自分の住んでいる地域も王都に近いことから栄えている方だがこちらも負ける劣らず栄えている。
「(たしか姉様がこの辺は海が近いから貿易商が盛んだって言ってたよね…?)」
僕はそれを思い出し、港に向かって歩き出した。海が近付いて来るにつれ潮の匂いがキツくなってくる。
「(いくら異世界でも海は変わりないんだ。)」と思いながらボーッと港で積荷を下ろしている作業員の人達を眺める。
そんな時、声を掛けられた。
「お嬢ちゃん、こんな所でボーッとしてると海に落ちちまうぜ?」
パッと振り返るとガタイのいい毛むくじゃらのおじさんが立っていた。
「あっ、はい、気を付けます。」とペコリとお辞儀をする。
「それにしてもお嬢ちゃん、この辺じゃ見かけない顔だなぁ…。どっか違うところから来たのか?」
と顎髭を触りながら考え込んだ。
「…はい、遠くから来ました。目的地はアンバーなのでこの街で少し休憩をと思って立ち寄ったんです。」
「そうか…だいぶ遠いが大丈夫なのか?」
「はい、護衛も雇いましたし大丈夫です。」
「なら、安心だな。でもこの辺は海が近い分、貿易商が盛んでな人の出入りが激しい。タチの悪い奴もいるから気を付けなよ、お嬢ちゃんみたいに可愛い子は攫われちまう。」
おじさんは人がいいのか見知らぬ僕にも親切に教えてくれた。
「フフッ、ありがとうございます。でも僕、男ですし、多少は自分で自分の身は守れますよ?」
僕がそう言うとおじさんは驚いた顔をして、
「えっ?そうだったのか。でもお前さんはそれを抜きにしても危ないと思うけどなぁ…。」
と言ってくる。
「お気遣いありがとうございます。では、僕は護衛のところに行ってきますね。」
「ああ、その方がいい、気をつけるんだよ!」
と手を振り見送ってくれた。
再び街に戻ってきた僕はベイローレルさんを本格的に探すことにした。
「(ベイローレルさんが顔を出しそうなところ…武器屋かギルドかなぁ…?とりあえず武器屋に行ってみよっと。)」
僕は武器屋を探してフラフラと歩きまわる。
「(あー…あんなところに美味しそうな屋台がある…あそこにはデザート…。)」と散策を満喫していると背後から誰かに羽交い締めにされた。
「(えっ!何!)」と身体をよじるがビクともしない。 思わず「ベイローレルさん!」と叫んだ。すると「俺だ。」と背後から聞き慣れた声が聞こえる。
「えっ!?」と後ろを振り返ると呆れた顔のベイローレルさんがいた。
「フェンネル…お前、フラフラ歩きすぎだ。途中からお前の後を付けてきたんだが無防備にも程がある。いくら護衛の俺がいるといってももっと周りを警戒してくれ。今のが俺じゃなかったらすぐに攫われてるぞ。」
「(たしかに何も考えずに歩いてた…。)
はい…すみません。気を抜いてました。」
「お前…強いのか弱いのかよくわからないが、不意打ちには弱すぎることはたしかだ。自覚を持ってくれ、な?」
「はい…わかりました。」
僕はベイローレルさんと合流した後、先程姉様から言われたことを伝えた。それには二つ返事で了承をもらえたのでその前にギルドに寄って依頼をこなし、僕のランクを上げることになった。
「さぁ、フェンネル。俺がいるから殆どの依頼は受けれるぜ。俺に任せとけ!」
とベイローレルさんは自信満々だ。
「でも…手伝ってもらってばかりだとそれって依頼をこなしたって言うんですか?」
僕はそういうのは不正なんじゃないかと心配だった。
「そりゃあ、まぁそうだと言うやつもいるな。だから俺はあくまで手助けだ。殆どはフェンネルがこなしてくれたらいい。ホントのピンチの時だけ俺が助けてやる。」
それで納得した僕はベイローレルさんとギルドの依頼板を眺めた。
「おぉ、フェンネル、お前にピッタリのEランクの依頼があるぜ?」
「どんなのですか?」
「"屋敷の庭の草むしり"」
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「えぇ~…草むしりですか?そりゃあ命の心配はないですけど、疲れそうですね。」
「まぁな。ちなみにこの屋敷っていうのは依頼を受けないと場所は教えてもらえないらしいぜ。面白そうだろ?」
「たしかに…。(場所を教えれないってよっぽどなのかな?)
じゃあそれにしてみます。なんか面白そうなので。」
「よし!じゃあこの紙、持ってくぜ!」
ベイローレルさんは意気揚々と受付に持って行った。
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