皇帝にプロポーズされても断り続ける最強オメガ

手塚エマ

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第一章 必ず勝てる賭け

第5話 一縷の望み

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 ところが、テオクウィントス国の男達が性交しても、唯一発病しなかったのが、オメガの男だけだった。

 この奇病は、テオクウィントス帝国の男達全階級の生殖に、何らかの影響を及ぼしたことは確かではあるものの、性交しても他国のオメガ男性も発症しない。

 十代前半から二十代前半までの若いオメガの男達は、健康体で生きのびて、月に一度、交尾相手を求めるフェロモンも発している。


 アルファ、ベータの男達は、本来ならば同じ階層の女性を求めるのだが、オメガのフェロモンに接すれば欲情し、オメガの少年達とも性交する。
 その際、受胎したオメガの男が出産するのは、劣性遺伝のオメガの子供だ。

 劣性遺伝のオメガしか生まれなくても、オメガとならば子供ができるかもしれない。
 そんな一縷《いちる》の望みにすがるように、テオクウィントス国の上流階級の男達は、血眼になって性交している。
 オメガの中でも、選りすぐりの美少年や美青年ばかりを収監した、王宮近くの真新しい公娼《こうしょう》で。


「そこまで言うなら賭けてもいいぞ。じゃあ、俺もダビデ提督に銅貨一枚賭けてやる」

「俺は、どっちにも賭けねぇな。アルファ連中がオメガを相手に性交しても、子供ができたって話はひとつも聞かない。子供ができれば国だって、号外ぐらいは出すだろう。結局、性交できても受胎しないか、受胎はしても流産するか死産するかの、どっちかに決まっている」

 賭けるという者、賭けないという者。
 賭けるとするなら、やはりアルベルト皇帝だと言う者や、サリオンのように確率の低いダビデ提督を、あえて選んで儲けると意気込む者とで円卓が大いに沸いた。その時だ。

「それなら俺もダビデ提督に金貨十枚、賭けてもいい」

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