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第二章 死がふたりを分かつとも
第46話 本能ではなく
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ダビデが自分を輪姦しようとしたことも、饗宴を盛り上げる余興の一種だ。
遊びにすぎない。
絶対的な弱者を思う存分踏みにじる、 嗜虐に酔って興奮し、昂ぶるという歪んだ欲でしようとした。
アルファやベータの男達は、発情期のフェロモンを発していない、オメガの男とでも性交する。それらの行為は強姦だ。フェロモンに触発をされ、本能でオメガを求めてはいない。
ただし、ひと月に七日間、オメガに訪れる発情期に、アルファやベータに犯されて、射精をされたら、オメガはどんなに不本意でも、妊娠する可能性は否めない。
そして生まれた子供は、父親のアルファやベータの『所有物』として奴隷にされるか、奴隷商人に売り飛ばされてしまうかの、どちらかだ。
そのため、レナはアルベルト以外の客を取らざるを得ない時には、必ず避妊薬を服用する。
アルファやベータの男達を欲情させるフェロモンを、発しなくては仕事にならない公娼では、男娼のオメガは年中フェロモンを分泌し続ける錠剤の服用強いられる。
床入り前に避妊薬を飲まなければ、アルベルト以外の客の子供を身籠ってしまう恐れがある。
レナは何としてでもアルベルトの世継ぎを産み、皇妃として迎え入れられたがっている。
皇帝アルベルト以外の子を孕む選択肢は、レナの中には存在しない。
それほどまでにアルベルトを慕うレナを苦しませてまで、アルベルトの『遊び』に付き合う理由は一切なかった。
今までは。
だけど、と胸の中で呟いて、サリオンは起き上がる。
ベッドの端に腰かけて、片手で額を覆いつつ、瞳を虚ろに彷徨わせた。
もし、アルベルトが本気だったら、どうなるのか。
番のいないアルファが、フェロモンも発していない、オメガの男を求める動機はひとつだけ。
本能ではなく、それは恋。
もし本当に、彼には嘘がないのなら、アルベルトほど一途に真摯に恋してくれるアルファは他にないだろう。
番だった亡きユーリスを除いては。
「……どうしよう」
遊びにすぎない。
絶対的な弱者を思う存分踏みにじる、 嗜虐に酔って興奮し、昂ぶるという歪んだ欲でしようとした。
アルファやベータの男達は、発情期のフェロモンを発していない、オメガの男とでも性交する。それらの行為は強姦だ。フェロモンに触発をされ、本能でオメガを求めてはいない。
ただし、ひと月に七日間、オメガに訪れる発情期に、アルファやベータに犯されて、射精をされたら、オメガはどんなに不本意でも、妊娠する可能性は否めない。
そして生まれた子供は、父親のアルファやベータの『所有物』として奴隷にされるか、奴隷商人に売り飛ばされてしまうかの、どちらかだ。
そのため、レナはアルベルト以外の客を取らざるを得ない時には、必ず避妊薬を服用する。
アルファやベータの男達を欲情させるフェロモンを、発しなくては仕事にならない公娼では、男娼のオメガは年中フェロモンを分泌し続ける錠剤の服用強いられる。
床入り前に避妊薬を飲まなければ、アルベルト以外の客の子供を身籠ってしまう恐れがある。
レナは何としてでもアルベルトの世継ぎを産み、皇妃として迎え入れられたがっている。
皇帝アルベルト以外の子を孕む選択肢は、レナの中には存在しない。
それほどまでにアルベルトを慕うレナを苦しませてまで、アルベルトの『遊び』に付き合う理由は一切なかった。
今までは。
だけど、と胸の中で呟いて、サリオンは起き上がる。
ベッドの端に腰かけて、片手で額を覆いつつ、瞳を虚ろに彷徨わせた。
もし、アルベルトが本気だったら、どうなるのか。
番のいないアルファが、フェロモンも発していない、オメガの男を求める動機はひとつだけ。
本能ではなく、それは恋。
もし本当に、彼には嘘がないのなら、アルベルトほど一途に真摯に恋してくれるアルファは他にないだろう。
番だった亡きユーリスを除いては。
「……どうしよう」
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