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「では、私はこの事を報告してきますね。ここは安全ですから、ゆっくりしていてくださいね」
「……」
「失礼致します」
《ガチャン》
また深く礼をして、エメリアは去っていった。安全な場所、とは、まだ信用できないが、前よりは格段に安全…かもしれない。俺は手元のテーブルに置かれた美しい食べ物達を見た。きちんと俺が取れるように工夫して置いてくれている。それに、今までは食欲なんて湧かなかったのにお菓子が輝いて美味しそうに見える。震えている手を無視して、ゆっくりとった。久しぶりに口に食べ物を入れる。入れた瞬間、ほんのり甘いものが口の中を覆った。噛み砕く力がなくとも、ゆっくりと溶けていく。こんな美味しいものは久しぶりだった。あんな注射器でのよく分からない栄養剤の投与なんて、もうコリゴリ。そもそも栄養剤じゃないかもしれない。左目から自然と涙が零れ、涙を拭うため手に目に触れた時だった。
「だ、大丈夫?」
「ッ!?」
ハッと驚くとそこにはやはりさっきの子供が二人。双子のようにそっくりで光の反射か何かで青色まじっているようなの金色の目と、赤色まじりの金色の目が二個ずつ。まだ俺より小さいようで、背伸びをして、ようやく目が見えている状態。今度は驚かずに、俺は二人に出来るだけ近寄った。俺自身人と会うとは、久しぶりだ。特にこんな小さな子。でもどうしてここに入ったんだろう。二人の服を見ると、やはり装飾がすごい。昔の俺以上な事は確か。どこかで見た龍の家紋もある。
「目、痛いの?」
「え、いや、大丈夫ですよ。き、君達は…その…一体…?」
「僕はレイディオ。こっちは」
「私はディーレ。あなたは?」
「えっ、あ、わ、忘れてしまいました……」
俺は咄嗟に言ってしまった。名前なんてもう捨てたんだ。あんな家、もう、いらない…。そう相手の目を逸らし、俯いた。
「ねぇ、こっち向いてみて?」
「あ、す、すみません」
「ほらレイディオ見て!お父様の目見たい!光ってる!」
「え…」
「ほんとだ!じゃぁ、光の意味のルークて言うのはどうかな?」
「いいね!」
「や、やめてください…目は、その…」
「どうして?見ちゃダメなの…?」
女の子は首を傾げて不思議そうに見る。俺は潰された目が憎い。誰もが自然とこっちの目を見るだろう。咄嗟に隠し、目を背けた。
「怪我、酷いでしょ……?あまり見て欲しくないんです…」
「ご、ごめんなさい…」
「ごめんなさい…でも、ルークの目俺好きだよ?お父様みたいだもん!」
「お父様は、ほとんど金色だけど、ルークの水色もかっこいい!」
「うんうん!あ、そうだ、見て見て!これ作ったんだ、あげる!」
「レイディオ!?わ、私も!はい!」
「あ、ありがとうございます…!!」
俺は二人の小さな手から色鮮やかな小さな花達を貰った。ほんのりあたたかい、生き生きとしている花だった。人から貰うなんてはじめてで戸惑った。
しかし、二人はニコッと笑って喜ぶ。まだ小さくて可愛らしい…。レイディオ様とディーレ様…だ。でも、本当に一体どこの子だろう…?こんなところに日頃住んでるんだもんな。…待て、陛下って言うのって本当に王様だとしたら…。
俺は固唾を飲んだ。確かにこの子達の目、ルイビルの国王、ディオス・フェルレオ様に似ている。まさか、この子の父親が陛下なんて訳…そんなわけ、無いよな…?双子がいたなんて情報…知らないし…。
「どうしたの?」
「い、いえ!なんでもありません。これ、ありがとうございます!!」
「うん!」
「……」
「失礼致します」
《ガチャン》
また深く礼をして、エメリアは去っていった。安全な場所、とは、まだ信用できないが、前よりは格段に安全…かもしれない。俺は手元のテーブルに置かれた美しい食べ物達を見た。きちんと俺が取れるように工夫して置いてくれている。それに、今までは食欲なんて湧かなかったのにお菓子が輝いて美味しそうに見える。震えている手を無視して、ゆっくりとった。久しぶりに口に食べ物を入れる。入れた瞬間、ほんのり甘いものが口の中を覆った。噛み砕く力がなくとも、ゆっくりと溶けていく。こんな美味しいものは久しぶりだった。あんな注射器でのよく分からない栄養剤の投与なんて、もうコリゴリ。そもそも栄養剤じゃないかもしれない。左目から自然と涙が零れ、涙を拭うため手に目に触れた時だった。
「だ、大丈夫?」
「ッ!?」
ハッと驚くとそこにはやはりさっきの子供が二人。双子のようにそっくりで光の反射か何かで青色まじっているようなの金色の目と、赤色まじりの金色の目が二個ずつ。まだ俺より小さいようで、背伸びをして、ようやく目が見えている状態。今度は驚かずに、俺は二人に出来るだけ近寄った。俺自身人と会うとは、久しぶりだ。特にこんな小さな子。でもどうしてここに入ったんだろう。二人の服を見ると、やはり装飾がすごい。昔の俺以上な事は確か。どこかで見た龍の家紋もある。
「目、痛いの?」
「え、いや、大丈夫ですよ。き、君達は…その…一体…?」
「僕はレイディオ。こっちは」
「私はディーレ。あなたは?」
「えっ、あ、わ、忘れてしまいました……」
俺は咄嗟に言ってしまった。名前なんてもう捨てたんだ。あんな家、もう、いらない…。そう相手の目を逸らし、俯いた。
「ねぇ、こっち向いてみて?」
「あ、す、すみません」
「ほらレイディオ見て!お父様の目見たい!光ってる!」
「え…」
「ほんとだ!じゃぁ、光の意味のルークて言うのはどうかな?」
「いいね!」
「や、やめてください…目は、その…」
「どうして?見ちゃダメなの…?」
女の子は首を傾げて不思議そうに見る。俺は潰された目が憎い。誰もが自然とこっちの目を見るだろう。咄嗟に隠し、目を背けた。
「怪我、酷いでしょ……?あまり見て欲しくないんです…」
「ご、ごめんなさい…」
「ごめんなさい…でも、ルークの目俺好きだよ?お父様みたいだもん!」
「お父様は、ほとんど金色だけど、ルークの水色もかっこいい!」
「うんうん!あ、そうだ、見て見て!これ作ったんだ、あげる!」
「レイディオ!?わ、私も!はい!」
「あ、ありがとうございます…!!」
俺は二人の小さな手から色鮮やかな小さな花達を貰った。ほんのりあたたかい、生き生きとしている花だった。人から貰うなんてはじめてで戸惑った。
しかし、二人はニコッと笑って喜ぶ。まだ小さくて可愛らしい…。レイディオ様とディーレ様…だ。でも、本当に一体どこの子だろう…?こんなところに日頃住んでるんだもんな。…待て、陛下って言うのって本当に王様だとしたら…。
俺は固唾を飲んだ。確かにこの子達の目、ルイビルの国王、ディオス・フェルレオ様に似ている。まさか、この子の父親が陛下なんて訳…そんなわけ、無いよな…?双子がいたなんて情報…知らないし…。
「どうしたの?」
「い、いえ!なんでもありません。これ、ありがとうございます!!」
「うん!」
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