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俺も少しでもオディル様の相手になれるように必死について行った。ここで終わってしまえばカイル様達に教えてもらった訓練の意味が無くなるみたいに思ったから。俺だってずっと練習していた。夜も、早朝だってずっと剣を握っていた。避けたり受け流す技は千度カイル様とやったものだ。
「はぁっ!!」
《バァンッ、ガンッ》
「ルークって流すの上手いな。カイルと同じじゃん」
「オディル様もすごい力です…流そうにも重くて手が持ちませんよ」
「じゃ、攻撃してみたーらッ」
《ガツンッ!!》
オディル様の再び激重い剣が俺の頭上から振り落とされる。辺りにも重い音が響き渡った。何とか耐えたものの、やはり手がジンジンする。こんな攻撃をずっと流すなんてこと出来ない。
「ほら?攻撃、反撃のやり方分かるでしょ?」
「……はぁっ!!」
《ガツンッ》
「おっと!?」
俺は初めてオディル様の剣を押しのけ、横から剣を入れた。オディル様は少し驚いた表情を浮かべた後に笑みを浮かべる。その笑みは深く、戦っている俺には不気味な笑みに見えてしまう。
「なかなか~、ほら、もっとやって見せて」
「はぁぁぁっ!!」
鈍い音が辺りに響き渡った。オディル様も華麗に技で俺の攻撃を受け止める。俺は多少の配慮もしながらも、出来るだけ強く攻撃を何度も繰り返した。徐々にオディル様の笑顔が増えていることに気付いたからだ。
でも、これはオディル様だけではなく、俺も楽しくなっていったことも理由の一つにあった。勝敗を決めた決闘。それも、先生やベテランの大人達では無い。オディル様も十分に強い、でも楽しい。本で読んだけど、これがいわゆる友達と稽古してる感覚なのだろうか。
「どうでしょう?」
「いい感じ。でも俺を倒したら勝ちだからな。ここから本気の勝負だ」
「かしこまりましたッ」
そう返事した後、急にオディル様の雰囲気がガラリと変わり、そうして再びお互いに走り込んだ。そして、目の前にオディル様の剣と俺の剣が当たろうとしていた。思いっきり力を入れて、下から薙ぎ払う。剣を飛ばせばいいんだから。オディル様はそれをわかって上から剣を振るおうと強く力を入れた表情。そしてようやく剣が当たろうとした、その時だった─
《オディル様っ!!》
「「ッ!?」」
いきなり誰かの声と共に剣があたる真ん中から見たことの無い大人の人が出てきて、俺は驚き止めるまもなく剣を奮ってしまった。
しかし、男の人は両刀で素早く移動し、そして凄い力で俺の剣を宙に弾いた。
俺は彼のありえないほど強い力に耐えきれず、床に倒れ込んだ。手がジンジンと痛むものの、すぐに顔を見上げたところ、死を覚悟した。
目の前、目のスレスレに輝いた剣と、俺を睨みつけ、オディル様を隠すようにして立つ男の人がいた。黒い髪に鋭い赤色の目、そして漆黒のマントに包まれている男性、身長もあまりにも大きく、身体が震えた。
「はぁっ!!」
《バァンッ、ガンッ》
「ルークって流すの上手いな。カイルと同じじゃん」
「オディル様もすごい力です…流そうにも重くて手が持ちませんよ」
「じゃ、攻撃してみたーらッ」
《ガツンッ!!》
オディル様の再び激重い剣が俺の頭上から振り落とされる。辺りにも重い音が響き渡った。何とか耐えたものの、やはり手がジンジンする。こんな攻撃をずっと流すなんてこと出来ない。
「ほら?攻撃、反撃のやり方分かるでしょ?」
「……はぁっ!!」
《ガツンッ》
「おっと!?」
俺は初めてオディル様の剣を押しのけ、横から剣を入れた。オディル様は少し驚いた表情を浮かべた後に笑みを浮かべる。その笑みは深く、戦っている俺には不気味な笑みに見えてしまう。
「なかなか~、ほら、もっとやって見せて」
「はぁぁぁっ!!」
鈍い音が辺りに響き渡った。オディル様も華麗に技で俺の攻撃を受け止める。俺は多少の配慮もしながらも、出来るだけ強く攻撃を何度も繰り返した。徐々にオディル様の笑顔が増えていることに気付いたからだ。
でも、これはオディル様だけではなく、俺も楽しくなっていったことも理由の一つにあった。勝敗を決めた決闘。それも、先生やベテランの大人達では無い。オディル様も十分に強い、でも楽しい。本で読んだけど、これがいわゆる友達と稽古してる感覚なのだろうか。
「どうでしょう?」
「いい感じ。でも俺を倒したら勝ちだからな。ここから本気の勝負だ」
「かしこまりましたッ」
そう返事した後、急にオディル様の雰囲気がガラリと変わり、そうして再びお互いに走り込んだ。そして、目の前にオディル様の剣と俺の剣が当たろうとしていた。思いっきり力を入れて、下から薙ぎ払う。剣を飛ばせばいいんだから。オディル様はそれをわかって上から剣を振るおうと強く力を入れた表情。そしてようやく剣が当たろうとした、その時だった─
《オディル様っ!!》
「「ッ!?」」
いきなり誰かの声と共に剣があたる真ん中から見たことの無い大人の人が出てきて、俺は驚き止めるまもなく剣を奮ってしまった。
しかし、男の人は両刀で素早く移動し、そして凄い力で俺の剣を宙に弾いた。
俺は彼のありえないほど強い力に耐えきれず、床に倒れ込んだ。手がジンジンと痛むものの、すぐに顔を見上げたところ、死を覚悟した。
目の前、目のスレスレに輝いた剣と、俺を睨みつけ、オディル様を隠すようにして立つ男の人がいた。黒い髪に鋭い赤色の目、そして漆黒のマントに包まれている男性、身長もあまりにも大きく、身体が震えた。
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