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第一章
第5話 雷の宿屋
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「この匂いじゃ流石に宿屋には入れないかな」
下水から出た体のままだからな。とはいえそろそろ日が落ちてくる。
朝にこの世界にやってきてよかったと思うべきかな。少し時間があって良かった。と言うかルガさん達がいてくれて本当に良かったよ。本当はもっとお礼をしたかったんだけどな。
色々と考えながら歩いていると芝生のある公園に差し掛かる。川が流れていて沐浴が出来そうだな。
「人はいない……今しかない!」
橋の影になっている川に下りて服を脱ぐ。異世界商店でタオルのような布を買って体を洗っていく。異世界の物しか買えないからシャンプーとかそういったものは無理だ。それでも石鹸はあるみたいだから買って使うぞ。
「は~気持ちい」
一日の終わりには必ず風呂に入る。いつもの日課が出来てよかったけど、外での入浴は恥ずかしいから急ぐぞ。
「早く済ませないと!」
「お兄さん……」
「!?」
せかせかと体を洗っていると声がかけられる。少年が荷物を置いている川辺にしゃがんでまじまじと見つめてきていた。恥ずかしいのであるものを隠すと二ヒヒと笑みを浮かべてきた。
「宿無しでしょ?」
「え?」
少年は質問してきて立ち上がる。
「うち宿屋なんだ。お金は持ってそうだし、うちにこない?」
二ヒヒと笑みを浮かべて荷物を漁る少年。お金はないんだけど、荷物はそこそこ立派になったからな。見た目では一文無しには思われないか。
「ごめんね。お金ないんだ」
「ええ!? 石鹸使ってるじゃん」
「こ、これは、えっと……」
「は~。また母ちゃんにどやされる。もういいよ、知り合ったよしみで泊めてあげる。冒険者でしょ? 明日お金用意してくれればいいからさ」
少年はそういってため息をついた。僕は急いで体を拭って服を着ると少年について歩いた。
「僕はニカ。お兄ちゃんは?」
「ハヤト」
「は~、いい金づるだと思ったんだけどな~。僕の勘も鈍ったな~」
両の手を頭の後ろで組んでため息をつくニカ。なんかごめんね。
「まあいいや、これでお客さんゼロは免れた。まあ、お金はダメそうだけど」
二カッと笑うニカ。ははは、なんかごめんって感じだ。
「物品でもいいならあるんだけど」
「んんん。いいよ無理しなくても」
「でも」
「はいはい。そういう話は母ちゃんに話して。僕はお客を連れてくるまでが仕事だから」
ニカはそういって背中を押してくる。この世界は中世ヨーロッパくらいだよね。こんなに人懐っこくて大丈夫なのだろうか?
「あんまり知らない人に近づいちゃダメだと思うぞ」
「え? ははは、兄ちゃん弱そうだもん。襲われても撃退できるよ。これでも僕、剣術のスキル持ってるもん。ほら!」
大人として忠告するとニカは腰の短剣を取り出して振り下ろして見せる。短剣だから短剣術になってしまうと思うけどな。
それでも、この世界が物騒なのは分かった。あの犬の獣人達もそうだけど、みんな腰に剣を携えてる。まあ、下水にネズミの魔物がいるくらいだもんな。
「ここが僕と母ちゃんの宿屋【雷の宿屋】だよ」
「なんかうるさそうだね」
ニカがジャジャ~ンと紹介する。なんで雷なんだろう? もっと優しい名前の方がいいと思うけどな。
「母ちゃんがすぐに怒るから」
「あ~なるほど」
「って言うのは冗談で、父ちゃんが雷の魔法が得意だったんだってさ。それで」
は、ははは。なるほどね。ニカのジョークに笑っていいんだか悪いんだか……微妙な笑みを見せると『なんちゃって』と顔を赤くさせるニカ。
子供らしいっちゃ子供らしいか。
「さ~、入って入って~」
「そ、そんな押さなくて大丈夫だよ」
恥ずかしさを隠すように背中を押してくるニカ。扉を開ける前に押すもんだから鼻をぶつけてしまう。
扉を開けるといい匂いが迎えてくれて思わず息を飲んでしまう。
「お帰りニカ。ってお客さんかい?」
「うん。ハヤトさんって言うんだ~」
ニカはそういって食堂になっている部屋の席について置いてあったパンにパクつく。手招きをされて席に座るように促されたので座るとニカのお母さんに手帳を差し出される。
「泊まるんでしょ? ここに名前を記入してね」
「あ、はい」
「へへへ、母ちゃん美人でしょ?」
いい匂いを漂わせるお母さん。顔が近づいて思わず照れるとニカにからかわれてしまった。
「私はニカのお母さんのベロニカよ。よろしくね」
「はい。ハヤトですよろしく」
手帳に記入して手渡すと自己紹介をしてくれるベロニカさん。笑顔がとても綺麗で思わず顔を背けてしまう。
「二ヒヒ、みんな母ちゃんの顔をまともに見れないんだよな~」
嬉しそうに笑うニカ。まあ、自慢したくなるのは分かるな。
「あの、それで。お金はなくて」
「あら? ニカァ~?」
ニカには大丈夫と言われたが流石にダメだろうと思ってお金の話をするとベロニカさんは怖い顔になってニカを見つめた。二カッと笑うニカにため息をつくベロニカさん。
「まあいいわ。お金は後払いで」
「す、すみません」
「大丈夫。あなたは悪くないわ。ニカが無理やり連れてきたんでしょ?」
「ん~。お金持ってる感じしたんだけどね。まちがっちった」
素直に謝ると慰めてくれるベロニカさん。ニカはてへぺろっとベロを突き出すと自分の頭を叩いている。
まあ、ある意味ニカは大正解なんだよな。僕の異世界商店ってかなり有能だからな~。
「さあ、お腹すいたでしょ」
ドン! と机に食べ物が置かれる。お金がないって言ってるのに机いっぱいの料理が並ぶ。心なしかベロニカさんは嬉しそうにしてる?
「母ちゃん、久しぶりのお客さんで嬉しいんだよ。最近お客さんがめっきり減っちゃってさ」
「あ~、そうなんだ……」
「僕が呼びこんでも全然入らなくてさ~」
……あの呼び込みで入らないって結構やばいと思うな。ほぼほぼ強制だったしな。
「まあ、人を選んでたって言うのもあるんだけどね。いい人っぽい人って少ないからさ」
「僕は大丈夫だったってこと?」
「うん。僕は人を見る目はあるからね。川で体を洗いだしたときはびっくりしたけど」
最初から見てたのか……。恥ずかしくなってきた。
顔が熱くなるのを感じながらお腹を満たしていく。そういえば、この世界に来てから一度も食べ物を食べていなかったな。
今日、一日のことを考えているとまたあの声が聞こえてきた。
『料理を習得しました』
「……」
「ん? どうしたのハヤト兄ちゃん?」
「あ、いや」
声に驚いているとニカが頬を大きくして聞いてきた。そんなに食べ物を詰めるとはリスの獣人なのかな?
しかし、驚きだ。食べ物を食べて料理のスキルを得たってことか。
ニカの口ぶりではスキルって結構貴重なものだと思うんだけどな。
「ここがハヤト兄ちゃんの部屋ね。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
お腹を満たして部屋に案内される。本当に他のお客さんはいないみたいだな。部屋はベッドと机と椅子、それにチェストがあるだけの簡素な物。
とにかく、今日得たものを確認していこう。
伊勢川 隼人 (イセガワ ハヤト)
LV 3
【体力】30
【魔力】18
【筋力】20
【生命力】18
【命中性】20
【敏捷性】21
【知力】15
【精神力】18
スキル
【学習アシスト】【ブラリカ語】【軽装】【棒術】【剣術】【短剣術】【料理】
異世界商店 4万G
【入店】【退店】
「簡単にスキルが得られて、買い物もし放題か……」
うん、チートだ。
それにしても、ルガさん達に恩が返せなかったのはなんか心残りだな。まあ、後々考えていけばいいか。とにかく、この町での暮らしを考えていこう。
下水から出た体のままだからな。とはいえそろそろ日が落ちてくる。
朝にこの世界にやってきてよかったと思うべきかな。少し時間があって良かった。と言うかルガさん達がいてくれて本当に良かったよ。本当はもっとお礼をしたかったんだけどな。
色々と考えながら歩いていると芝生のある公園に差し掛かる。川が流れていて沐浴が出来そうだな。
「人はいない……今しかない!」
橋の影になっている川に下りて服を脱ぐ。異世界商店でタオルのような布を買って体を洗っていく。異世界の物しか買えないからシャンプーとかそういったものは無理だ。それでも石鹸はあるみたいだから買って使うぞ。
「は~気持ちい」
一日の終わりには必ず風呂に入る。いつもの日課が出来てよかったけど、外での入浴は恥ずかしいから急ぐぞ。
「早く済ませないと!」
「お兄さん……」
「!?」
せかせかと体を洗っていると声がかけられる。少年が荷物を置いている川辺にしゃがんでまじまじと見つめてきていた。恥ずかしいのであるものを隠すと二ヒヒと笑みを浮かべてきた。
「宿無しでしょ?」
「え?」
少年は質問してきて立ち上がる。
「うち宿屋なんだ。お金は持ってそうだし、うちにこない?」
二ヒヒと笑みを浮かべて荷物を漁る少年。お金はないんだけど、荷物はそこそこ立派になったからな。見た目では一文無しには思われないか。
「ごめんね。お金ないんだ」
「ええ!? 石鹸使ってるじゃん」
「こ、これは、えっと……」
「は~。また母ちゃんにどやされる。もういいよ、知り合ったよしみで泊めてあげる。冒険者でしょ? 明日お金用意してくれればいいからさ」
少年はそういってため息をついた。僕は急いで体を拭って服を着ると少年について歩いた。
「僕はニカ。お兄ちゃんは?」
「ハヤト」
「は~、いい金づるだと思ったんだけどな~。僕の勘も鈍ったな~」
両の手を頭の後ろで組んでため息をつくニカ。なんかごめんね。
「まあいいや、これでお客さんゼロは免れた。まあ、お金はダメそうだけど」
二カッと笑うニカ。ははは、なんかごめんって感じだ。
「物品でもいいならあるんだけど」
「んんん。いいよ無理しなくても」
「でも」
「はいはい。そういう話は母ちゃんに話して。僕はお客を連れてくるまでが仕事だから」
ニカはそういって背中を押してくる。この世界は中世ヨーロッパくらいだよね。こんなに人懐っこくて大丈夫なのだろうか?
「あんまり知らない人に近づいちゃダメだと思うぞ」
「え? ははは、兄ちゃん弱そうだもん。襲われても撃退できるよ。これでも僕、剣術のスキル持ってるもん。ほら!」
大人として忠告するとニカは腰の短剣を取り出して振り下ろして見せる。短剣だから短剣術になってしまうと思うけどな。
それでも、この世界が物騒なのは分かった。あの犬の獣人達もそうだけど、みんな腰に剣を携えてる。まあ、下水にネズミの魔物がいるくらいだもんな。
「ここが僕と母ちゃんの宿屋【雷の宿屋】だよ」
「なんかうるさそうだね」
ニカがジャジャ~ンと紹介する。なんで雷なんだろう? もっと優しい名前の方がいいと思うけどな。
「母ちゃんがすぐに怒るから」
「あ~なるほど」
「って言うのは冗談で、父ちゃんが雷の魔法が得意だったんだってさ。それで」
は、ははは。なるほどね。ニカのジョークに笑っていいんだか悪いんだか……微妙な笑みを見せると『なんちゃって』と顔を赤くさせるニカ。
子供らしいっちゃ子供らしいか。
「さ~、入って入って~」
「そ、そんな押さなくて大丈夫だよ」
恥ずかしさを隠すように背中を押してくるニカ。扉を開ける前に押すもんだから鼻をぶつけてしまう。
扉を開けるといい匂いが迎えてくれて思わず息を飲んでしまう。
「お帰りニカ。ってお客さんかい?」
「うん。ハヤトさんって言うんだ~」
ニカはそういって食堂になっている部屋の席について置いてあったパンにパクつく。手招きをされて席に座るように促されたので座るとニカのお母さんに手帳を差し出される。
「泊まるんでしょ? ここに名前を記入してね」
「あ、はい」
「へへへ、母ちゃん美人でしょ?」
いい匂いを漂わせるお母さん。顔が近づいて思わず照れるとニカにからかわれてしまった。
「私はニカのお母さんのベロニカよ。よろしくね」
「はい。ハヤトですよろしく」
手帳に記入して手渡すと自己紹介をしてくれるベロニカさん。笑顔がとても綺麗で思わず顔を背けてしまう。
「二ヒヒ、みんな母ちゃんの顔をまともに見れないんだよな~」
嬉しそうに笑うニカ。まあ、自慢したくなるのは分かるな。
「あの、それで。お金はなくて」
「あら? ニカァ~?」
ニカには大丈夫と言われたが流石にダメだろうと思ってお金の話をするとベロニカさんは怖い顔になってニカを見つめた。二カッと笑うニカにため息をつくベロニカさん。
「まあいいわ。お金は後払いで」
「す、すみません」
「大丈夫。あなたは悪くないわ。ニカが無理やり連れてきたんでしょ?」
「ん~。お金持ってる感じしたんだけどね。まちがっちった」
素直に謝ると慰めてくれるベロニカさん。ニカはてへぺろっとベロを突き出すと自分の頭を叩いている。
まあ、ある意味ニカは大正解なんだよな。僕の異世界商店ってかなり有能だからな~。
「さあ、お腹すいたでしょ」
ドン! と机に食べ物が置かれる。お金がないって言ってるのに机いっぱいの料理が並ぶ。心なしかベロニカさんは嬉しそうにしてる?
「母ちゃん、久しぶりのお客さんで嬉しいんだよ。最近お客さんがめっきり減っちゃってさ」
「あ~、そうなんだ……」
「僕が呼びこんでも全然入らなくてさ~」
……あの呼び込みで入らないって結構やばいと思うな。ほぼほぼ強制だったしな。
「まあ、人を選んでたって言うのもあるんだけどね。いい人っぽい人って少ないからさ」
「僕は大丈夫だったってこと?」
「うん。僕は人を見る目はあるからね。川で体を洗いだしたときはびっくりしたけど」
最初から見てたのか……。恥ずかしくなってきた。
顔が熱くなるのを感じながらお腹を満たしていく。そういえば、この世界に来てから一度も食べ物を食べていなかったな。
今日、一日のことを考えているとまたあの声が聞こえてきた。
『料理を習得しました』
「……」
「ん? どうしたのハヤト兄ちゃん?」
「あ、いや」
声に驚いているとニカが頬を大きくして聞いてきた。そんなに食べ物を詰めるとはリスの獣人なのかな?
しかし、驚きだ。食べ物を食べて料理のスキルを得たってことか。
ニカの口ぶりではスキルって結構貴重なものだと思うんだけどな。
「ここがハヤト兄ちゃんの部屋ね。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
お腹を満たして部屋に案内される。本当に他のお客さんはいないみたいだな。部屋はベッドと机と椅子、それにチェストがあるだけの簡素な物。
とにかく、今日得たものを確認していこう。
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【魔力】18
【筋力】20
【生命力】18
【命中性】20
【敏捷性】21
【知力】15
【精神力】18
スキル
【学習アシスト】【ブラリカ語】【軽装】【棒術】【剣術】【短剣術】【料理】
異世界商店 4万G
【入店】【退店】
「簡単にスキルが得られて、買い物もし放題か……」
うん、チートだ。
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