5 / 15
第三話「静寂が覚める前に」2
しおりを挟む
この日までに真美が計画した病院の職員に見つからないためのルートを通って病院内を歩いていく。
静まり返った病院内では足音さえ大きくフロアに響き渡って、気づかれまいと思えば思うほど忍び足になって時間がかかり、緊張感が溢れてくる。
時間は限られている、私はそのことを忘れないように胸に刻んで、ブロック床と白杖を頼りに一歩一歩確実に、焦らない様に歩いていく。
「非常階段を通っていくよ、郁恵、気を付けて」
「うん・・・」
重い扉を開いた先にある病院内の非常階段、エレベーターでの移動が当たり前の病院において、この階段を使う人ははほとんどいない。ここを通っていけばおそらく誰にも気づかれずに一階まで行けるだろう。
私は真美の肘を掴み、白杖を頼りに慎重に階段を一段一段下っていく。
一階までは時間がかかるが、焦る気持ちを抑えてなんとか歩いていく。
私自身体力がある方ではないが、長時間歩けないわけではない。それは真美も同じようで、息を切らす様子はなく足取りはまるで変わらない様子だった。
階段を降り、一階のフロアを誰にも気づかれることなく進み、裏口から私たちは外に出た。
見つかって非常ブザーでも鳴らされたらどうしようなんて考えていたけど、杞憂だった。
静まり返った病院内では足音さえ大きくフロアに響き渡って、気づかれまいと思えば思うほど忍び足になって時間がかかり、緊張感が溢れてくる。
時間は限られている、私はそのことを忘れないように胸に刻んで、ブロック床と白杖を頼りに一歩一歩確実に、焦らない様に歩いていく。
「非常階段を通っていくよ、郁恵、気を付けて」
「うん・・・」
重い扉を開いた先にある病院内の非常階段、エレベーターでの移動が当たり前の病院において、この階段を使う人ははほとんどいない。ここを通っていけばおそらく誰にも気づかれずに一階まで行けるだろう。
私は真美の肘を掴み、白杖を頼りに慎重に階段を一段一段下っていく。
一階までは時間がかかるが、焦る気持ちを抑えてなんとか歩いていく。
私自身体力がある方ではないが、長時間歩けないわけではない。それは真美も同じようで、息を切らす様子はなく足取りはまるで変わらない様子だった。
階段を降り、一階のフロアを誰にも気づかれることなく進み、裏口から私たちは外に出た。
見つかって非常ブザーでも鳴らされたらどうしようなんて考えていたけど、杞憂だった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
私の守護霊さん
Masa&G
キャラ文芸
大学生活を送る彩音には、誰にも言えない秘密がある。
彼女のそばには、他人には姿の見えない“守護霊さん”がずっと寄り添っていた。
これは——二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
ハチミツ色の絵の具に溺れたい
桃本もも
青春
大学生になったばかりの梅若佐保には、ひとつだけ悔やんでも悔やみきれないことがあった。
高校で唯一仲良くしていた美術部の後輩、茜谷まほろが事故に遭うきっかけを作ってしまったことだ。
まほろは一命を取りとめたものの、意識不明がつづいている。
まほろがいない、無味乾燥な日々。
そんな佐保のもとに、入院しているはずのまほろが現れる。
「あたし、やりたいことがあって、先輩のところに来たんです」
意識だけの存在になったまほろとの、不思議なふたり暮らしがはじまる――
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる