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最終話「太陽と月のメロディー」1
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誰かを傷つけることになっても
誰かに迷惑を掛けることになっても
それでも
与えられた希望を胸に
歩み続けること
それは・・・
それは繋がりあう心を信じることで
不安と焦燥を乗り越えることで
それは、とても恐ろしいことで
それでも私は、それと向き合う覚悟を決めた
その先に、誰にも見えない、私だけの光があることを信じて
最終話「太陽と月のメロディー」
どれくらいの時間気絶していたのか、私にはわからなかったが、意識を取り戻した。
さっきよりも意識がはっきりしている、生まれ変わったような心地だった。
「真美、ごめん、私はもう行かなきゃね。大切なこと、たくさん教えてくれてありがとう。
私、頑張ってみる、だから見守っていてね。真美はずっと私の一番の友達だから」
長い間、悩んできたけど、やっと心の整理がついた。
必要なのは勇気だった。自分から踏み出す勇気。
自分に限界を決めた時点で、全部決まってしまう、”できること””できないこと”、でもこれからは自分で決める、そして証明する。
今もこうして自分で踏み出せる足があるから、踏み出す勇気をくれた真美のためにも、私は一人でも、真美の手助けがありながらもあの海まで行けたんだから、それを私は信じる。
私は決意を固め、真美の手を放して、もう一度布団を中に優しく戻すと、そのまま振り返ることなく静まり返った霊安室を出た。
*
(奈美さんに会いに行こう)
霊安室を出た私は思った。
おそらくこのカードキーは奈美さんのものだろう、ちゃんと返しに行かなければ。それに伝えなければならないことがある。
ここまでどうやってやってきたのか、まるで道順は分からなかったが、悩んでいる暇があったら足を動かせの精神で歩を進めていると、悩んでいた割に簡単に元の知っている場所に出ることができた。
私はナースステーションにいるはずの奈美さんの元へ向かう。
しかし、残念ながらたどり着いたとしても奈美さんが見えるわけではないのでキョロキョロしていた。
「郁恵ちゃん、こっちよ」
声がした方に向かって進む、ありがたいことに奈美さんは起きていて、こんな時間まで深夜勤務として働いていたようだ。
「目が覚めたのね、よかったわ」
奈美さんの前までやって来た、優しい声に安心した。
「でも、時間が分からなくて、今何時ですか?」
「0時を過ぎたところね、今は夜勤の人しかいないわ」
「もうそんな時間・・・、あの・・・、私の携帯は? 部屋を探してもなくって」
とりあえず携帯がないと何もできない私は確認することにした。
「私が預かってるわ。目を覚めたら渡そうと思ってたの、貴重品ですからね」
「よかった・・・」
携帯が無事であることを聞いて私は安堵した。私は奈美さんが保管してくれていた携帯を受け取った。
「それで、これを返そうと思って。部屋に置いてありました、奈美さんのかと思って」
私はカードキーを奈美さんに見せた。
「そう、見つけてくれたのね、わざわざ持ってきてくれてありがとう。
・・・、それで、ちゃんとお別れはできた?」
奈美さんはすべてを見透かしたように小声で言った。奈美さんでもこんな怖いことを言うのか、そんなことを思いつつ、この人に隠し事は出来ない、そう直感で思った。
「はい・・・、おかげさまで」
私の表情だけで全部わかってしまったのかなと、そんな事まで思いながら、私はそう言うのが精一杯だった。
「そう、役に立ったようでよかったわ、このことは絶対内緒よ」
「それは、分かってます」
「うんうん、よろしい。でも、そうね、やっぱりあなた達は繋がっていたのね」
私と真美の事を言っているんだろう。たとえ離れていても、どこかで引き寄せあう関係、特別な何かがあるとしか考えられない奇跡が私と真美の間にはあった。その繋がりのようなものを真美さんも感じ取っているんだろう。
でも、意識がはっきりした今、無意識に盲目になっていたことに私は気づいてしまっていた。
「奈美さん、目が覚めたらお腹が空いてしまって」
私は他に色々と言いたいことがあったはずなのに、考えるより先に本能的に口から言葉が出てしまっていた。
「わかったわ、目が覚めたら食べてもらおうと思って用意していたものがあるから、温めて部屋まで持っていくわ。先に部屋で待っていてくれる?」
「はい、分かりました、夜遅くすいません・・・」
「いいのよ、無事でいてくれたら」
私は奈美さんの言葉を聞いて、ありがたく思いながら大人しく部屋に戻った。
奈美さんは一体今日何時間働いてるんだ・・・、考えるべきではない事だと思いつつも、さすがに心配になった。
誰かに迷惑を掛けることになっても
それでも
与えられた希望を胸に
歩み続けること
それは・・・
それは繋がりあう心を信じることで
不安と焦燥を乗り越えることで
それは、とても恐ろしいことで
それでも私は、それと向き合う覚悟を決めた
その先に、誰にも見えない、私だけの光があることを信じて
最終話「太陽と月のメロディー」
どれくらいの時間気絶していたのか、私にはわからなかったが、意識を取り戻した。
さっきよりも意識がはっきりしている、生まれ変わったような心地だった。
「真美、ごめん、私はもう行かなきゃね。大切なこと、たくさん教えてくれてありがとう。
私、頑張ってみる、だから見守っていてね。真美はずっと私の一番の友達だから」
長い間、悩んできたけど、やっと心の整理がついた。
必要なのは勇気だった。自分から踏み出す勇気。
自分に限界を決めた時点で、全部決まってしまう、”できること””できないこと”、でもこれからは自分で決める、そして証明する。
今もこうして自分で踏み出せる足があるから、踏み出す勇気をくれた真美のためにも、私は一人でも、真美の手助けがありながらもあの海まで行けたんだから、それを私は信じる。
私は決意を固め、真美の手を放して、もう一度布団を中に優しく戻すと、そのまま振り返ることなく静まり返った霊安室を出た。
*
(奈美さんに会いに行こう)
霊安室を出た私は思った。
おそらくこのカードキーは奈美さんのものだろう、ちゃんと返しに行かなければ。それに伝えなければならないことがある。
ここまでどうやってやってきたのか、まるで道順は分からなかったが、悩んでいる暇があったら足を動かせの精神で歩を進めていると、悩んでいた割に簡単に元の知っている場所に出ることができた。
私はナースステーションにいるはずの奈美さんの元へ向かう。
しかし、残念ながらたどり着いたとしても奈美さんが見えるわけではないのでキョロキョロしていた。
「郁恵ちゃん、こっちよ」
声がした方に向かって進む、ありがたいことに奈美さんは起きていて、こんな時間まで深夜勤務として働いていたようだ。
「目が覚めたのね、よかったわ」
奈美さんの前までやって来た、優しい声に安心した。
「でも、時間が分からなくて、今何時ですか?」
「0時を過ぎたところね、今は夜勤の人しかいないわ」
「もうそんな時間・・・、あの・・・、私の携帯は? 部屋を探してもなくって」
とりあえず携帯がないと何もできない私は確認することにした。
「私が預かってるわ。目を覚めたら渡そうと思ってたの、貴重品ですからね」
「よかった・・・」
携帯が無事であることを聞いて私は安堵した。私は奈美さんが保管してくれていた携帯を受け取った。
「それで、これを返そうと思って。部屋に置いてありました、奈美さんのかと思って」
私はカードキーを奈美さんに見せた。
「そう、見つけてくれたのね、わざわざ持ってきてくれてありがとう。
・・・、それで、ちゃんとお別れはできた?」
奈美さんはすべてを見透かしたように小声で言った。奈美さんでもこんな怖いことを言うのか、そんなことを思いつつ、この人に隠し事は出来ない、そう直感で思った。
「はい・・・、おかげさまで」
私の表情だけで全部わかってしまったのかなと、そんな事まで思いながら、私はそう言うのが精一杯だった。
「そう、役に立ったようでよかったわ、このことは絶対内緒よ」
「それは、分かってます」
「うんうん、よろしい。でも、そうね、やっぱりあなた達は繋がっていたのね」
私と真美の事を言っているんだろう。たとえ離れていても、どこかで引き寄せあう関係、特別な何かがあるとしか考えられない奇跡が私と真美の間にはあった。その繋がりのようなものを真美さんも感じ取っているんだろう。
でも、意識がはっきりした今、無意識に盲目になっていたことに私は気づいてしまっていた。
「奈美さん、目が覚めたらお腹が空いてしまって」
私は他に色々と言いたいことがあったはずなのに、考えるより先に本能的に口から言葉が出てしまっていた。
「わかったわ、目が覚めたら食べてもらおうと思って用意していたものがあるから、温めて部屋まで持っていくわ。先に部屋で待っていてくれる?」
「はい、分かりました、夜遅くすいません・・・」
「いいのよ、無事でいてくれたら」
私は奈美さんの言葉を聞いて、ありがたく思いながら大人しく部屋に戻った。
奈美さんは一体今日何時間働いてるんだ・・・、考えるべきではない事だと思いつつも、さすがに心配になった。
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