闇精霊に好かれた精霊術師(旧題:ダンジョン最下層でパーティに見捨てられた精霊術師の少年、闇精霊に気に入られ最強の精霊使いになる。)

お茶っ葉

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ニ章

27話 眠れる獅子

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 ――守りたいと思った。
 
 ――強くなりたいと願った。

 大切なものが消えてしまわないように、弱い自分から決別する為に。 
 だから重たい剣を持った。毎日頑張って振り続けた。みんなに協力してもらった。
 驚いて欲しかった。褒めて欲しかった。いつも頭に思い浮かぶのは少年の笑顔だった。

「……ニノ」

 その名前を口にすると。不思議と温かい気持ちになれた。
 傷付いた身体に力が湧いてくる。挫けそうだった心が奮い立つ。
 
 フィアが言っていた。 
 精霊は生まれた時からずっと一人。本当は誰にも頼らず生きていかないと駄目なんだって。
 だから短い間でも、大切に想ってくれる人が傍にいてくれるのは本当に幸せなことなんだって。

 トルは幸せ者だった。
 だって最初から、目の前に大好きな人がいてくれたから。大切にしてもらえたから。
 きっとこの人と出会う為に、自分が生まれてきたんだって本気で思えたから。

 だから――失いたくない。
 目の前でニノが消えそうな姿を見た時、心が張り裂けそうな気持ちになった。
 何もできなかった。ただ見ているだけしかできなかった。無力な自分が情けなかった。
 トルを、誰かを守る為にニノは何度でも傷付く。そんな姿もう見たくない。
 
 強くなりたい。強く強く強く。フィアにだってノートにだって負けたくない。
 
 いつまでも一緒にいられるように……。
 
 最後まで胸を張って隣に立てるように……。 



 ◇



「どうした!? 突っ立ったままじゃ何も変わらんぞ! 反撃する気概の一つでも見せてみろ!!」

 アーダンは徹底的にトルを狙っていた。同属性の雷の翼で蹂躙し続ける。
 義肢の調整を目的に始まった模擬試合だけど、もはや僕はただの部外者でしかない。

「……何をやっているのよ。精霊が人族に好き放題されるだなんて、トルには後でお説教ね。もうっ!」
「うっ、み、見てられないよ……ニノ君は何をやっているの! 早く助けてあげて!」

 一方的な試合を見せつけられて外野から悲鳴が上がる。
 これまで黙って見守っていた立会人の二人も、真剣な表情をしていた。

「カーレンどうするの? 一旦試合を止める? 精霊ちゃんに何かあれば一大事よ?」
「いや、このまま継続する。……あの目を見ろ。きっとこれは彼女が変わる為に必要な試練なんだ」

 立ち上がるたびに少女は押し潰される、紙屑のように吹き飛ばされる。
 それでも、トルの目は死んでいなかった。アーダンを相手に必死に喰らい付いている。

「トル……! 負けるな……!!」

 何度も止めに入ろうとした。
 だけど今は心を鬼にして堪える。その雄姿を傍で支え続ける。
 契約で繋がっているからこそわかる。彼女の激しく燃える熱い想いを信じて。

 フゥーフゥー

 戦場で荒く息を吐く少女。
 アーダンはゆっくりと歩みを進め、トドメとばかりに蹴り上げた。 
 抵抗もなくトルは地面を転がり、そして動かなくなった。

「……終わったか。最後は、呆気なかったな」

 少し残念そうな声色だった。
 アーダンは雷の翼を解いて背を向ける――それをカーレンさんが咎めた。

「まだ試合は終わっていないぞ。棄権するつもりかい?」
「何を言っているんだ? 見ていただろ、アイツはもう動かん。これ以上やると本当に死ぬぞ」
「いやいや、そもそもこれはアーダン君とニノ君の試合でしょ? 精霊ちゃんはただの助っ人よ?」
「……そうだったな。仕方がない」

 アーダンは面倒臭そうに戻ってくる。
 どうやら最初から僕の調整はおまけで、トルの修行が目的だったのかもしれない。

「まぁ待て。そう焦る必要もないだろ。時間はあるんだし、少し休息を挟もう――唐突だが、アーダン君は雷属性についてどこまで知っているんだい?」
「……は? 何だ突然。それは今関係ある話なのか?」
「少しは聞いていってくれよ、君も慣れない精霊魔法で疲れただろ?」
「チッ……好きにしろ」

 カーレンさんは急に僕たちに話を振ってくる。
 アーダンはいぶかしみながらもそれに付き合っていた。
 流石に連戦は厳しいのか、一息つきたいらしい。

「……詳しくは知らんが、風属性から派生した守りを捨て力と速さに特化した属性だろ? ……あの精霊にはそういったものはなかったがな。終始、甘っちょろい生温い攻め方をしていた」
「それもそうだ。最初からあの子が本気で戦っていれば、君はただでは済まされなかっただろうからね」
「…………どういう事だ? まさか、俺が手を抜かれていたと言いたいのか?」
「違う違う、手を抜いたんじゃなく無意識に抑えていたんだよ。雷属性の使い手の多くはその過激な性質とは真逆で温厚な性格の持ち主が多い。それは何故かって、本気を出せば敵も味方も己すらも破壊してしまうからなんだよ。ここぞといった時にしか本気を出せないよう、脳が制限リミッターを掛けているんだ。俺たちだって常に全力を出して動いている訳じゃないだろう?」

 人の身体は常に脳によって管理され、過剰な負荷で肉体が傷付かないよう制限を受けていると聞く。
 雷属性はその制限を一時的に取り除く。だからこそ技の一つ一つが強力であり、また反動も激しい。
 トルは雷を司る精霊だ。当然、掛けられている制限は人の比じゃない。
 
 そして解き放たれる力もまた……。

「雷属性はやっぱり扱い辛いからね。好んで使う奴の大半が変わり者の上級冒険者ばかり。だからそこまで知名度はないけど。……俺たちの中では彼らの事をこう呼んでいるんだ――眠れる獅子、と」

 そう言ってカーレンさんは草原を指し示す。
 その先には深い傷を負いながらも尚、闘志を燃やす少女の姿があった。

 フゥーフゥー
 
「なっ……ば、馬鹿な!? まだ立つというのか!!」
「凄いわね……あの子、どういう根性をしているのよ……!」

 トルの周囲をバチバチと火花が散っていた。属性力が渦を巻いている。
 ただ目の前の敵を倒す為に、自らの壁を超える為に、己に鞭を打ち血を吐きながら前を向いていた。

「ほら、アーダン君も前を向け! 彼女が目を覚ますぞ!!」
「ッ!!」

 アーダンが慌てて走り出す。
 それと同時にトルが消えた、視界が激しく点滅する。
 強光を放った雷網サンダーネットが四方から伸び、戦場を切り取る巨大な籠を作り上げた。
 鋼糸も操り、獣を捕らえる鋼籠は電流によって強引に切り開く事も、抜け出す事も困難にしている。
 
「クッ、これではまともに剣が振れん! 舐めた真似を!!」

 籠の中でもがく男を前にして、地面を削り滑り現れたトルが姿勢を低く構える。
 鋭い眼光で獲物の音を確認すると、腕を広げて疾走を開始する。両腕の先から爪が伸びていた。

「…………裂く」

 目にも止まらぬ速度で張り巡らされた鋼糸をバネに空中を飛び交う。
 腕の先に装着された雷爪が、触れる物を手当たり次第に切り刻んでいく。

「クソッ! このままじゃマズイ!! 雷の翼!!」

 接触が致命傷になると判断したアーダンが雷の翼で逃れようとする。
 だがもう遅い。疾風の加護を纏っていても行動が二手三手遅れてしまっている。

「……はじ……けろ!!」
「俺を守れ!! 土壁アースウォール!!!!」

 雷爪が弾け数百にも及ぶ小さな宝珠オーブが弾丸となって、高範囲に降り注いだ。
 大気が揺れ、大岩が砕け、草原が燃え広がっていく。大地の加護を貫いて軽鎧に傷が付いた。
 展開された土壁を相性を無視して上から強引に叩き壊していく。
 
「ぐ、ぐおおおおおおおおおおおおお!!」

 武具を破壊されアーダンが咆哮する。その身体から焼けた匂いと赤い血を流す。
 それと同時にトルの全身からも血が噴き出した。再度爪を生み出し大地に傷を刻む。

「うぐっ……あああああああ、うああああああ…………!!」

 満身創痍で目もまともに見えていないのか、トルは手当たり次第に暴れ回っている。
 自傷に次ぐ自傷、手負いの獣は身を削って更に翼を広げる。普段の可愛らしさとは無縁の禍々しさ。
  
「……いいだろう。これで最後だ!! 全てを賭けて俺に挑んで来い!!」
「…………!!」

 アーダンはわざと自分の位置を知らせるように叫んでいた。
 トルは無言のまま標的を定めると全力で飛び出す、吹き荒れる風に自らの血と属性力を乗せ翼を操る。

「火属性と土属性を付与、《強撃》――大地の斧ガイアクラッシャー!! コイツで終わりだああああああああ!!」

 真正面からの両者相打ち覚悟の特攻。防御も何も先の事すら考えられていない。
 ただ一直線に敵を貫く為に、必殺の一撃は文字通り確実に息の根を止めるよう放たれている。
 ここまで邪魔にならないように黙って見ていたけど、これだけは何が何でも止めないと二人が死ぬ!

「トル!! 目を覚ませ!! 正面から飛び込む馬鹿があるか!! 心まで獣になっちゃ駄目だよ!!」
「…………ニノ……!? だ、駄目!!」

 間に入った僕を見て正気に戻ったのか、トルは慌てて身体を動かし何度も跳ねながら地面を転がる。
 それを確認した後に闇属性を解放、アーダンの生み出した複合属性を打ち消す。

 それでも既に振り下ろされていた物理的な一撃までは防げない。
 弱体化しても尚、強力な大地の斧は僕とトルを巻き込んで爆発した。 

「はぁ……はぁ……邪魔が入ったが……これで本当の、最後、俺の勝ちだ……!」

 力尽き倒れる少女の前で剣を振り上げている。
 思えばこの男も獣だった。戦いの熱に浮かされ理性を失い、敵を倒す事しか考えられていない。
 勝敗は既に決しているというのに。  

「……アーダンそこまでだ、後ろは取ったよ。強化は切れているんだろ?」

 立ち込める砂煙の中、背中に短剣を突き付ける。

「……ニノ、テメェはそれでいいのか? こんな拾ったような勝ちでお前は満足なのかよ?」
「形がどうであれ勝ちは勝ちだよ。それとも今から僕と殺り合う? 手負いだろうと容赦はしないけど」
「…………チッ」
 
 勝ち目がないとわかったのかアーダンが武器を手放した。その場に座って不貞腐れる。
 無視して僕は倒れたトルを抱きかかえた。酷い怪我だった。無事なところを探す方が難しい。
 その殆どが力の反動。自分を傷付ける事を厭わない覚悟が生み出した傷だ。

「……ごほっごほっ……ごめん……なさい。勝てな……かった」
「どうして謝るの? 試合には勝てたし、僕が止めなきゃトルもアーダンに勝っていたよ。本当に驚いたよ、見違えるほど強くなったね?」

 目元の涙を拭って、優しく頬を撫でる。
 少なくとも僕の中で彼女の強さは、努力は十分過ぎるほど伝わっている。
 それでもトルは、震える声で何度も謝り続けた。

「……もっと、強く、ならないと……また……ニノが……嫌だ……」
「僕がどうしたの?」
「消えな……いで。トルを……置いて……いかないで」
「…………」

 あぁ、そうか。やっと理解した。
 彼女の中で光の精霊との戦いが、今も脳裏に強く焼き付いているんだ。
 消滅しかけた僕の姿を覚えていて、それで強くなろうとしたんだ。全ては僕の為に。

「……僕はもう、消えないよ。絶対に一人で置いて行ったりはしない。だから安心して? ずっと隣にいるから、これは約束」
「……やく……そく」 
 
 手を強く握り約束を交わす。
 それで安心したのかトルは安らかな寝顔で眠りについた。
 その手の温もりを感じながら、二度と彼女を悲しませない事を誓う。
 
 僕も、もっと強くならないといけない。



 ◇



「はぁ……トルったら満足そうに寝ちゃって、これじゃお説教ができないじゃない」
「今はそっとしておいてあげて、今日までずっと頑張っていたみたいだし」

 ニノがトルを抱えて戻ってくる。
 それが羨ましいのかフィアーが暴れている。

「……ニノが私にも見せた事がない表情をしてる……ぐぬぬ、生意気ね! 今すぐそこを降りなさい!」
「お、落ち着いて、フィアーちゃんだって実は心配で仕方がなかった癖に!」
「違うわよ! 私はただ情けないトルに腹が立っていただけ!」
「もう、素直じゃないんだからぁ」
 
 試合の後だというのにワイワイ騒ぎ立てる四人。
 その様子をアーダンは遠巻きに見ていた。アーシェが回復魔法で怪我を直していく。
 彼もまた全身に酷い怪我を負っていた、精霊は人と違い自然治癒能力が高いので後回しだ。
 
「……相変わらずやかましい連中だ」
「惜しかったわね、アーダン君。ニノ君に負けず劣らず君も中々やるじゃない。でも、最後のは感心しないかな、今時相打ち覚悟だなんて流行らないわよ? もっと自分の命を大事にしないと! 無鉄砲なのは若者らしいけどね」
「やめろ! 馴れ馴れしい!!」

 アーシェがそう言ってアーダンのお尻を叩いた。
 三重の強化を施した後だというに、どこにそんな活力があるというのだろうか。
 火傷痕は多少残っていたが、それ以外の傷は全て彼女によって塞がれていた。

「少々熱くなり過ぎたな若人。まっ鼻っから勝つつもりで戦っていた訳じゃなさそうだけど?」
「うっせぇ……お前も大して歳は離れていないだろ」
「ははは、案外。君も素直じゃないみたいで」

 精霊の力を手に入れる目的があったにしろ、それだけの為にアーダンはトルを鍛えた訳じゃない。
 一応、彼なりに命を助けてもらった恩義は払ったつもりだった。熱くなってかなり脱線していたが。

「あの精霊に余計な技術を教えたのはお前だろ、俺は鋼糸の使い方までは教えていないぞ?」
「あ、バレた? いやーあの精霊ちゃん何でもすぐに吸収しちゃうもんだから教え甲斐があってね、将来が有望だね。時間さえあれば他の技も教えてあげたかったんだけど」

 ヘラヘラと笑いながら種明かしをするカーレン。
 初めて会った時からアーダンにはこの男が胡散臭く見えていた。
 見た目は二十代、だが偶に見せる達観した表情はそれ以上の積み重ねを経ているようにも思える。
 要するによくわからない怪しい人物だった。超級冒険者は大体が変人揃いというのは正解らしい。

「……お前は一体何が目的なんだ? 超級も素人にかまけていられるほど暇じゃないだろうに。ポートセルトの低い水準のギルドに留まって、俺たちに力を与えてどうするつもりだ?」

 精霊と唯一契約しているニノはともかく。
 ただの一介の戦士に過ぎない自分にまで義手が用意されているとは思っていなかった。
 この右腕の銀腕にどれだけの価値があるのか、元貴族であるアーダンはよく理解している。
 おかげで引退は逃れられたが素直に感謝を告げられない。理由のわからない善意は恐怖を孕む。

 そうだなと、前置きを入れてカーレンは今だに騒ぎ続けている四人を遠い眼差しで見つめる。

「いずれ世界に降りかかるであろう災厄に備えるのも俺たち《八剣神》の仕事なんでね。君たちに送った腕もその一環みたいなもんだよ」
「……意味がわからん」
「今はわからなくていい。君たちはそのまま互いに高め合って強くなってくれ。それが俺の願いだ」
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