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第一章
魔剣 テラーヴァイト
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鉄のロングソード(金属疲労)
鉄で出来た剣。金属疲労のため鉄の強度が落ちている。相場1000ルーク。
鋼鉄のロングスピア(錆)
鋼鉄製の刃が付いた槍。柄の接合部分が錆ついている。相場3万ルーク。
回復薬(水増し)
回復薬を5倍の水で薄めた物。気休め程度の効果しかない。相場500ルーク。
「やれやれ……なんだかマトモな物が少ないなぁ」
サトは市を見回りながら溜息をついていた。
立ち並ぶ露店には行商人達が大声で景気の良いことを叫んでいるが、商品の中身はほとんどがガラクタや粗悪品ばかりだった。
もちろんマトモな商品もあるが、ほとんどが適正価格より高値であり、サトが買っても利益が出るものはなかった。
雑多な商品が並ぶ中をあれこれ考えながら周る事ができたらもう少し楽しめたのかもしれないが、鑑定能力のあるサトには一目で価値がわかってしまうので、買い物を素直に楽しめなくなっていた。
「何か掘り出し物でもあればと思ったんだけど……そう簡単にあるわけないか」
そう落胆し、一通り市を見回ったら帰ろうとした時だった。
しっかりとした屋台を構えた露店の前でサトは足を止めた。
それを見た店主がすかさず声をかける。
「よぉ、いらっしゃい! 兄さんはハンターか? 武器を持ってないところを見ると新米かい? だったら、ウチで武器を買うといい! これなんかダンジョンから出た名剣で……」
「いや、すいません。こっちの樽に入ってる剣はなんですか?」
店主が薦める派手な装飾の剣を無視して、サトは店の端に置かれた樽に雑に差し込まれた剣の束を指した。
「あ? ああ、なんだ。金無しかい……そこに入ってるのは古い剣や錆ついた剣だ。1本1000ルーク、3本なら2800ルークにしてやる。好きに選びな」
店主はそう言うとサトに興味を無くしたように、他の客の相手をし始めた。
サトは隠れてニヤリと笑うと、樽に入った剣達を見つめる。
すると脳裏に言葉が浮かんできた。
鉄のショートソード(錆)
鋼鉄のロングソード(罅あり)
鉄のブロードソード(欠け)
魔剣テラーヴァイト
青銅のブロードソード
鉄のカトラス
「親父さん、この剣とこの剣、それからこれをもらうよ。2800だったね? はい」
「ん? ああ、毎度。また金が出来たら来な。次はマトモな剣を売ってやるからよ」
素っ気ない態度で金を受け取ると、店主は先程の派手な装飾の剣を別の客に薦めていた。
サトは3本の剣を抱えて店を離れた。
「マトモな剣か……親父さんにはどう見えてるのかなぁ」
サトは少し離れた場所から店を振り返ると、客が派手な剣を買っているのが目に入った。
サトはその剣を見る。
鉄のロングソード
鉄で出来た剣。過度な装飾により強度が低下しているため、実用性はない。
装飾自体も雑な造りで、美術品としての価値も低い。
相場8000ルーク。
「普通の鉄のロングソードなら1万だってのに……」
サトはそう呟くと人混みから離れた場所にある椅子に腰かけ、買った剣を見た。
青銅のブロードソード
鉄のカトラス
魔剣テラーヴァイト
「魔剣か……掘り出し物、あるじゃないの」
ほくそ笑みながら、薄汚れたロングソードにしか見えない魔剣を見つめた。
鉄で出来た剣。金属疲労のため鉄の強度が落ちている。相場1000ルーク。
鋼鉄のロングスピア(錆)
鋼鉄製の刃が付いた槍。柄の接合部分が錆ついている。相場3万ルーク。
回復薬(水増し)
回復薬を5倍の水で薄めた物。気休め程度の効果しかない。相場500ルーク。
「やれやれ……なんだかマトモな物が少ないなぁ」
サトは市を見回りながら溜息をついていた。
立ち並ぶ露店には行商人達が大声で景気の良いことを叫んでいるが、商品の中身はほとんどがガラクタや粗悪品ばかりだった。
もちろんマトモな商品もあるが、ほとんどが適正価格より高値であり、サトが買っても利益が出るものはなかった。
雑多な商品が並ぶ中をあれこれ考えながら周る事ができたらもう少し楽しめたのかもしれないが、鑑定能力のあるサトには一目で価値がわかってしまうので、買い物を素直に楽しめなくなっていた。
「何か掘り出し物でもあればと思ったんだけど……そう簡単にあるわけないか」
そう落胆し、一通り市を見回ったら帰ろうとした時だった。
しっかりとした屋台を構えた露店の前でサトは足を止めた。
それを見た店主がすかさず声をかける。
「よぉ、いらっしゃい! 兄さんはハンターか? 武器を持ってないところを見ると新米かい? だったら、ウチで武器を買うといい! これなんかダンジョンから出た名剣で……」
「いや、すいません。こっちの樽に入ってる剣はなんですか?」
店主が薦める派手な装飾の剣を無視して、サトは店の端に置かれた樽に雑に差し込まれた剣の束を指した。
「あ? ああ、なんだ。金無しかい……そこに入ってるのは古い剣や錆ついた剣だ。1本1000ルーク、3本なら2800ルークにしてやる。好きに選びな」
店主はそう言うとサトに興味を無くしたように、他の客の相手をし始めた。
サトは隠れてニヤリと笑うと、樽に入った剣達を見つめる。
すると脳裏に言葉が浮かんできた。
鉄のショートソード(錆)
鋼鉄のロングソード(罅あり)
鉄のブロードソード(欠け)
魔剣テラーヴァイト
青銅のブロードソード
鉄のカトラス
「親父さん、この剣とこの剣、それからこれをもらうよ。2800だったね? はい」
「ん? ああ、毎度。また金が出来たら来な。次はマトモな剣を売ってやるからよ」
素っ気ない態度で金を受け取ると、店主は先程の派手な装飾の剣を別の客に薦めていた。
サトは3本の剣を抱えて店を離れた。
「マトモな剣か……親父さんにはどう見えてるのかなぁ」
サトは少し離れた場所から店を振り返ると、客が派手な剣を買っているのが目に入った。
サトはその剣を見る。
鉄のロングソード
鉄で出来た剣。過度な装飾により強度が低下しているため、実用性はない。
装飾自体も雑な造りで、美術品としての価値も低い。
相場8000ルーク。
「普通の鉄のロングソードなら1万だってのに……」
サトはそう呟くと人混みから離れた場所にある椅子に腰かけ、買った剣を見た。
青銅のブロードソード
鉄のカトラス
魔剣テラーヴァイト
「魔剣か……掘り出し物、あるじゃないの」
ほくそ笑みながら、薄汚れたロングソードにしか見えない魔剣を見つめた。
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