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第二章
安さの秘密
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ロンメル商店の倉庫内には店頭に並べきれない装備や加工前の素材が入っていた。
中にある物を全て把握できているわけではないので、サトは箱を開けたり包みを剥がして探さなければならなかった。
「さて、どうしたもんかな。商人として不良品を売るわけにはいかないけど、かと言って装備を格安で売るわけにもいかない。困ったな……」
ライズとアリアに装備を格安で売ること自体はそれほど問題ではない。
しかし、それが噂になれば他の客達もこぞってやって来るだろう。
そして、言うのだ。
『俺達にも格安で売ってくれ』と。
馴染みの客にサービスする事は納得してもライズ達のような初見の客にサービスしておいて、他の客にしないという事に納得されない。
売れば赤字、売らなければ店の信用が落ちる。
そうならないために、ライズ達に装備を格安で売る訳にはいかないのだ。
「中古のセットなら安く売れるけど、それでも10000はキツいな。鎧だけにするか? いや、でも流石に籠手や脛当はいるだろう。それに安い中古のローブなんてないしな」
倉庫の中をブツブツ言いながら物色するサト。
小さな倉庫とはいえ結構な量がある。
やや疲れが見え始めた頃、サトは埃を被った箱を見つけて手を止めた。
「これはなんだ? 随分と古い箱だけど……おっ! これはちょうどいいかもしれないぞ!」
サトは箱を持ち出し、倉庫を出た。
店のカウンターにはロンメルとお茶を飲みながら対話するライズとアリアの姿があった。
「お待たせしたね。ちょうど良いものがあったよ」
「ほ、本当ですかっ!?」
「ありがとう!」
ライズとアリアは満面の笑みを浮かべて感謝の言葉を述べたが、それを見るロンメルの顔を渋かった。
「その箱は……お前も無茶なことを考えるのぅ。問題はないのか?」
「多少の制約はありますけど、内容的には問題ないですよ。それに決めるのは本人ですし」
あっけらかんに言うサトにロンメルは些か難色を示したが、今回の件はライズ達にも責任がないわけでもないので渋々引き下がった。
「更にお待たせして悪いね。ライズくんだったね? 君にはこの装備を。アリアさんにはこっちのを選んでみた」
「わぁ! すげぇ! これってチェインメイルだよな! しかも、籠手と脛当まで付いてる! しかも革製のマントまで!」
「ふわぁ……凄く良い生地。デザインは少し古いけど、魔力もしっかり感じられる良いローブよ!」
「これ、本当に10000でいいんですかっ!?」
興奮しながら尋ねるライズにサトは笑顔で答えた。
「はい。呪われてるし、10000でいいですよ」
「「えっ?」」
ライズとアリアは装備を手に取ったまま固まった。
中にある物を全て把握できているわけではないので、サトは箱を開けたり包みを剥がして探さなければならなかった。
「さて、どうしたもんかな。商人として不良品を売るわけにはいかないけど、かと言って装備を格安で売るわけにもいかない。困ったな……」
ライズとアリアに装備を格安で売ること自体はそれほど問題ではない。
しかし、それが噂になれば他の客達もこぞってやって来るだろう。
そして、言うのだ。
『俺達にも格安で売ってくれ』と。
馴染みの客にサービスする事は納得してもライズ達のような初見の客にサービスしておいて、他の客にしないという事に納得されない。
売れば赤字、売らなければ店の信用が落ちる。
そうならないために、ライズ達に装備を格安で売る訳にはいかないのだ。
「中古のセットなら安く売れるけど、それでも10000はキツいな。鎧だけにするか? いや、でも流石に籠手や脛当はいるだろう。それに安い中古のローブなんてないしな」
倉庫の中をブツブツ言いながら物色するサト。
小さな倉庫とはいえ結構な量がある。
やや疲れが見え始めた頃、サトは埃を被った箱を見つけて手を止めた。
「これはなんだ? 随分と古い箱だけど……おっ! これはちょうどいいかもしれないぞ!」
サトは箱を持ち出し、倉庫を出た。
店のカウンターにはロンメルとお茶を飲みながら対話するライズとアリアの姿があった。
「お待たせしたね。ちょうど良いものがあったよ」
「ほ、本当ですかっ!?」
「ありがとう!」
ライズとアリアは満面の笑みを浮かべて感謝の言葉を述べたが、それを見るロンメルの顔を渋かった。
「その箱は……お前も無茶なことを考えるのぅ。問題はないのか?」
「多少の制約はありますけど、内容的には問題ないですよ。それに決めるのは本人ですし」
あっけらかんに言うサトにロンメルは些か難色を示したが、今回の件はライズ達にも責任がないわけでもないので渋々引き下がった。
「更にお待たせして悪いね。ライズくんだったね? 君にはこの装備を。アリアさんにはこっちのを選んでみた」
「わぁ! すげぇ! これってチェインメイルだよな! しかも、籠手と脛当まで付いてる! しかも革製のマントまで!」
「ふわぁ……凄く良い生地。デザインは少し古いけど、魔力もしっかり感じられる良いローブよ!」
「これ、本当に10000でいいんですかっ!?」
興奮しながら尋ねるライズにサトは笑顔で答えた。
「はい。呪われてるし、10000でいいですよ」
「「えっ?」」
ライズとアリアは装備を手に取ったまま固まった。
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