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第六話 獣のように義尚と交わる彦次郎
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互いの舌を絡ませ、唾液の交換をする二人。
下腹部を屈めて小刻みに震えるたびに、いじられてもいない陰茎から射精を繰り返す彦次郎。
そんな彦次郎に義尚は言った。
「久しぶりだったというのに激しくしてすまなかった。余はしばらくそなたの口で我慢しようと思う」
「違うのです義尚様」
彦次郎は義尚の誤解を解かねばならなかった。
そうでなければ義尚は、彦次郎の腸内を愛することをしばらく止めてしまいかねなかった。いやそれよりなにより、叶うはずもない願いを、溢れ出る愛情と共に義尚に伝えなければならない彦次郎である。
「その……お尻が痛むのではありません。彦次郎のお尻はずっと義尚様のもの。毎日でも貫いて欲しいくらいなのです。
痛いのはその……彦次郎のお尻ではなく……その……心なのです」
「心……」
「はい。心でございます」
すーっ、彦次郎は息を吐いた。
しばしの沈黙。
彦次郎は切り出した。
「彦次郎は義尚様との間に子を成したいのです。 彦次郎ば誰よりも多く、義尚様のご寵愛を賜っております。その義尚様との間に子をなすことが出来ないのは不公平でございます。なので彦次郎は、義尚様のお子を孕みたいと思い……」
ここまで一気に言っ他ところで、義尚の沈黙に気付く彦次郎。
(しまっ……言わなければ良かった……)
後悔する彦次郎。
彦次郎にとって義尚の沈黙は、困惑のあまり返す言葉を失ったためのものと思われた。
この優しい主人はきっと、いま頭の中で
「男同士で子をなすことは出来ぬ」
という事実を、彦次郎にどうやって言い聞かせようか悩んでいるに違いないのである。
ご無沙汰だったひと月あまり、義尚の身辺になにがあったのかを彦次郎は知らない。知らないがきっと義尚は、表向きの難しい問題を解決するために頭を悩ましてきたのだろう。
義尚が久しぶりに足を運んでくれたというのに、自分はといえばその主人を癒やすことも忘れ、腸内に注がれるお恵みをひたすら欲し、挙げ句我意の赴くまま自らの願望を口にするばかり。
彦次郎はそのことに思い当たって、
「ごめんなさい……」
と謝った。
「何故謝る」
「え……?」
「何故謝るのかと聞いておる」
怒っているのかそうではないのか、俄には判別のつかない口調である。彦次郎は初めて義尚のことを怖いと思った。
「それは……」
公私にわたりなにかと忙しい義尚を癒やすのが、彦次郎に割り当てられたほんらいの役割であった。
そんな自分が義尚に気持ちよくしてもらっているというそれだけでも、衆道の関係では滅多にないことだというのに、そのうえ更に義尚との間に子を成したいなど、寵愛を受けて図に乗った果ての我が儘と難じられても仕方のないことであった。謝ったのはそのためだ。
彦次郎の目に涙が浮かぶ。
「己の身分も弁えず我が儘を申し上げました。子を成したいなど……うぐっ……」
我が儘ではない。
それは愛だった。
愛する人との間に子をもうけたいと思うことの、なんで我が儘と詰られる謂われがあろう。
やっぱり痛いのは心だ。
自分の感情に無理矢理蓋をしようとして、その矛盾のために心が悲鳴を上げているのだ。
「泣くな彦次郎。そなたはなにも間違ってはおらぬ」
彦次郎が聞いたのは意外すぎる義尚の言葉であった。
「え……?」
思わず聞き返す彦次郎。
義尚が続けた。
「そなたはなにも間違ってはおらぬと言った。余の方こそ、気付いてやれなくてすまなかった。
それほどまでに、余との間に子を成したいと思い詰めるまでに余のことを愛してくれていたとは思わなんだのだ。許せ……許せ彦次郎!」
「ひぃぐうぅぅぅッ!」
義尚の言葉に、彦次郎が仰け反りながらまたぞろ射精する。
「ごめんなさい。勝手にいっちゃって……」
身体と共に声も震わせる彦次郎。
義尚が、その彦次郎の柔肌に覆い被さった。
この夜だけで何度精を放ったか知れない両者。彦次郎が義尚の子を孕んだとしても不思議に思われぬほど、締め切られた一室に二人分の精液の臭いが籠もる。
獣の如き交わりは、明け方まで飽くことなく続けられたのであった。
下腹部を屈めて小刻みに震えるたびに、いじられてもいない陰茎から射精を繰り返す彦次郎。
そんな彦次郎に義尚は言った。
「久しぶりだったというのに激しくしてすまなかった。余はしばらくそなたの口で我慢しようと思う」
「違うのです義尚様」
彦次郎は義尚の誤解を解かねばならなかった。
そうでなければ義尚は、彦次郎の腸内を愛することをしばらく止めてしまいかねなかった。いやそれよりなにより、叶うはずもない願いを、溢れ出る愛情と共に義尚に伝えなければならない彦次郎である。
「その……お尻が痛むのではありません。彦次郎のお尻はずっと義尚様のもの。毎日でも貫いて欲しいくらいなのです。
痛いのはその……彦次郎のお尻ではなく……その……心なのです」
「心……」
「はい。心でございます」
すーっ、彦次郎は息を吐いた。
しばしの沈黙。
彦次郎は切り出した。
「彦次郎は義尚様との間に子を成したいのです。 彦次郎ば誰よりも多く、義尚様のご寵愛を賜っております。その義尚様との間に子をなすことが出来ないのは不公平でございます。なので彦次郎は、義尚様のお子を孕みたいと思い……」
ここまで一気に言っ他ところで、義尚の沈黙に気付く彦次郎。
(しまっ……言わなければ良かった……)
後悔する彦次郎。
彦次郎にとって義尚の沈黙は、困惑のあまり返す言葉を失ったためのものと思われた。
この優しい主人はきっと、いま頭の中で
「男同士で子をなすことは出来ぬ」
という事実を、彦次郎にどうやって言い聞かせようか悩んでいるに違いないのである。
ご無沙汰だったひと月あまり、義尚の身辺になにがあったのかを彦次郎は知らない。知らないがきっと義尚は、表向きの難しい問題を解決するために頭を悩ましてきたのだろう。
義尚が久しぶりに足を運んでくれたというのに、自分はといえばその主人を癒やすことも忘れ、腸内に注がれるお恵みをひたすら欲し、挙げ句我意の赴くまま自らの願望を口にするばかり。
彦次郎はそのことに思い当たって、
「ごめんなさい……」
と謝った。
「何故謝る」
「え……?」
「何故謝るのかと聞いておる」
怒っているのかそうではないのか、俄には判別のつかない口調である。彦次郎は初めて義尚のことを怖いと思った。
「それは……」
公私にわたりなにかと忙しい義尚を癒やすのが、彦次郎に割り当てられたほんらいの役割であった。
そんな自分が義尚に気持ちよくしてもらっているというそれだけでも、衆道の関係では滅多にないことだというのに、そのうえ更に義尚との間に子を成したいなど、寵愛を受けて図に乗った果ての我が儘と難じられても仕方のないことであった。謝ったのはそのためだ。
彦次郎の目に涙が浮かぶ。
「己の身分も弁えず我が儘を申し上げました。子を成したいなど……うぐっ……」
我が儘ではない。
それは愛だった。
愛する人との間に子をもうけたいと思うことの、なんで我が儘と詰られる謂われがあろう。
やっぱり痛いのは心だ。
自分の感情に無理矢理蓋をしようとして、その矛盾のために心が悲鳴を上げているのだ。
「泣くな彦次郎。そなたはなにも間違ってはおらぬ」
彦次郎が聞いたのは意外すぎる義尚の言葉であった。
「え……?」
思わず聞き返す彦次郎。
義尚が続けた。
「そなたはなにも間違ってはおらぬと言った。余の方こそ、気付いてやれなくてすまなかった。
それほどまでに、余との間に子を成したいと思い詰めるまでに余のことを愛してくれていたとは思わなんだのだ。許せ……許せ彦次郎!」
「ひぃぐうぅぅぅッ!」
義尚の言葉に、彦次郎が仰け反りながらまたぞろ射精する。
「ごめんなさい。勝手にいっちゃって……」
身体と共に声も震わせる彦次郎。
義尚が、その彦次郎の柔肌に覆い被さった。
この夜だけで何度精を放ったか知れない両者。彦次郎が義尚の子を孕んだとしても不思議に思われぬほど、締め切られた一室に二人分の精液の臭いが籠もる。
獣の如き交わりは、明け方まで飽くことなく続けられたのであった。
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