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野生のアイアイは人間に見つかると殺されて埋められる

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私は蜘蛛が怖くて仕方ありません。

幼い頃、世の中で一番強い生き物は父親でしたが、その父が蜘蛛を怖がっていました。

ある日、父と2人でお風呂に入っていた時のこと、壁に大人の手のひらサイズの蜘蛛が張り付いていました。

親子の風呂タイムを楽しんでいましたが、蜘蛛が視界に入った瞬間に父は裸で洗面所に逃げていきました。

世界で一番強いと思っていた父が裸で逃げ出す程怖い生き物と対峙した私は死を覚悟します。

約1分後、母親が筒状にした新聞紙を手に蜘蛛討伐に現れました。

聖剣を手にした女神のように見えたのを覚えています。

大人になった今でも蜘蛛は苦手で気味が悪いと思っていますが、世界には人間に嫌われている動物が他にもたくさんいます。

日本では童謡で知られている「お猿さん」の「アイアイ」ですが、生息地マダガスカルでは「悪魔の使い」と言われ不吉の象徴として忌み嫌われています。

童謡のアイアイは可愛い印象ですが、実物のアイアイは全身真っ黒な毛にコウモリのような尖った耳と異常に長い中指を持っており、まさに悪魔のような姿をしています。

さらに、雑食でなんでも食べるアイアイは人間の農作物を荒らす為、現地の人からとても嫌われています。

そしてここからが恐ろしい話ですが、マダガスカルの人達は野生のアイアイを見つけると殺して白い布に包んで地面に埋めるそうです。

…怖すぎる話ですよね。

完全に人間側が悪魔。

蜘蛛よりも、アイアイよりも、それを殺す人間が一番怖い生き物ですね。

悪魔とは何なのか、正義とは何なのか、人間とは何なのか、様々な事を考えさせられます。

とはいえ、私も蚊を殺すこともありますし、母は蜘蛛も殺します。

ですので、アイアイを殺すマダガスカル人が悪という訳では無いと思います。

でも、怖いですよね…

「白い布に入れて埋める」というのが儀式じみていて想像する事さえおぞましいです。


私がアイアイを可哀想と感じるのは、あの可愛らしい童謡で知っていたからだと思います。

もしアイアイの動揺を知らなかったとして、悪魔のような猿が殺されると知っても同情はしないはずです。

という事は、世界中でアイアイの童謡が歌われるようになれば、アイアイの保護活動が活発になるかもしれません。

アイアイのためにも童謡を忘れないようにしようと思います。
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