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第二章
39『お荷物とトサカ鳥の照り焼き』
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「それで、どういう事だったんですか?」
食後の、甘いめのミルクティーを渡しながらアンナリーナが聞く。
「まったく、呆れ果てた話なんだよ」
ゲルトが横から口を挟む。
「今日、これから到着する予定の馬車は “ 貸切 ”で、借主とその従者兼護衛が乗ってたそうなんだが……魔獣に襲われてその従者の他、護衛に雇った数人もやられたらしい。
ここで俺たちが呆れるのは、普通はな嬢ちゃん、乗り合い馬車って言うのは固定の護衛が付いてるもんなんだよ。
俺たちだってザルバさん個人に雇われてるんだ」
それなりの期間、寝食を共にし信頼関係を結んだ護衛と、そうでないものとの差は歴然であって、今回はそれが災いした。
「その借主は護衛を “ 見目の良さ ”で選んだらしい。
その馬車専属の、元々の護衛を解雇させてな」
「……女? 貴族?じゃないわよね」
「ああ、貴族じゃない。いっそ貴族だった方がどれだけマシだったか……
年季のあけた、売れっ子娼婦だった女だ」
「最低ー」
「とりあえず、面倒な女なんだよ。
嬢ちゃんには近づかないように言っておく。大丈夫だ」
「絶対に関わり合いたくない」
「俺だって関わりたくない」
今まで黙って、ゲルトに説明を任せていたザルバが口を開いた。
「交信水晶を使って、組合と散々遣り取りをしてやっと認めさせた。
今回俺がする事は、その馬車が “ 後ろをついて来ることを認める ”事のみ。
一切の手助けはしない、って事だ」
ザルバが言葉を切った後、フランクがゲルトと視線を交わしていた。
ザルバとゲルトとフランク。
彼ら3人がアンナリーナと知り合って、まだ大した時が経ったわけではないが、彼らはとっくに彼女の異常さに気づいていた。
特に、直接脅されたフランクは見るからに従順になって、誰が雇い主かわからないほどだ。
「夕食はトサカ鳥にしようねって、フランクと約束したの」
と、かわいい顔で笑われても、その手に持っている肉切り包丁が怖い。
即席の、切り株のまな板のうえでモミジの部位を切り落としているさまは、大の大人でも裸足で逃げ出すほどホラーだ。
生活魔法と料理魔法を操り、時短までして味にこだわるのも常人ではありえない。
「美味えぇ!嬢ちゃん美味えよ!」
「ふんふん、そうでしょう、そうでしょう?!」
トサカ鳥の腿一本分、丸ごと齧りついて開口一番、フランクが叫んだ。
ザルバとゲルトもしきりに頷いている。
彼らが感嘆するのも、実はこの味付けは【異世界買物】で購入した、某メーカーの照り焼きのタレを使っているからなのだ。
それを、つけ置きする時間がなかったので、魔法で浸透させてから焼いただけなのだが皆さん殊の外お喜びである。
「ねぇ、モモはもうないけど他のところも焼く?」
「もちろん!」
男たちはよく食べる。
それなりに年の云ったザルバでも、アンナリーナの常識からみると結構食べる方だが、ゲルトとフランクはその上をいく。
競い合うように肉を食べ、パンを齧る。
アンナリーナの分の山賊焼を誰が食べるかでも揉めるのだ。
「なあ、それ何食べてるの?」
見ているだけで食欲の落ちたアンナリーナが、パンに千切りしたキャベツと照り焼きを挟み、それにマヨネーズをかけて食べていると目敏いフランクが声をかけてきた。
その時、危機察知が働いたアンナリーナは男3人の分も照り焼きロールを作り続けた。
食後の、甘いめのミルクティーを渡しながらアンナリーナが聞く。
「まったく、呆れ果てた話なんだよ」
ゲルトが横から口を挟む。
「今日、これから到着する予定の馬車は “ 貸切 ”で、借主とその従者兼護衛が乗ってたそうなんだが……魔獣に襲われてその従者の他、護衛に雇った数人もやられたらしい。
ここで俺たちが呆れるのは、普通はな嬢ちゃん、乗り合い馬車って言うのは固定の護衛が付いてるもんなんだよ。
俺たちだってザルバさん個人に雇われてるんだ」
それなりの期間、寝食を共にし信頼関係を結んだ護衛と、そうでないものとの差は歴然であって、今回はそれが災いした。
「その借主は護衛を “ 見目の良さ ”で選んだらしい。
その馬車専属の、元々の護衛を解雇させてな」
「……女? 貴族?じゃないわよね」
「ああ、貴族じゃない。いっそ貴族だった方がどれだけマシだったか……
年季のあけた、売れっ子娼婦だった女だ」
「最低ー」
「とりあえず、面倒な女なんだよ。
嬢ちゃんには近づかないように言っておく。大丈夫だ」
「絶対に関わり合いたくない」
「俺だって関わりたくない」
今まで黙って、ゲルトに説明を任せていたザルバが口を開いた。
「交信水晶を使って、組合と散々遣り取りをしてやっと認めさせた。
今回俺がする事は、その馬車が “ 後ろをついて来ることを認める ”事のみ。
一切の手助けはしない、って事だ」
ザルバが言葉を切った後、フランクがゲルトと視線を交わしていた。
ザルバとゲルトとフランク。
彼ら3人がアンナリーナと知り合って、まだ大した時が経ったわけではないが、彼らはとっくに彼女の異常さに気づいていた。
特に、直接脅されたフランクは見るからに従順になって、誰が雇い主かわからないほどだ。
「夕食はトサカ鳥にしようねって、フランクと約束したの」
と、かわいい顔で笑われても、その手に持っている肉切り包丁が怖い。
即席の、切り株のまな板のうえでモミジの部位を切り落としているさまは、大の大人でも裸足で逃げ出すほどホラーだ。
生活魔法と料理魔法を操り、時短までして味にこだわるのも常人ではありえない。
「美味えぇ!嬢ちゃん美味えよ!」
「ふんふん、そうでしょう、そうでしょう?!」
トサカ鳥の腿一本分、丸ごと齧りついて開口一番、フランクが叫んだ。
ザルバとゲルトもしきりに頷いている。
彼らが感嘆するのも、実はこの味付けは【異世界買物】で購入した、某メーカーの照り焼きのタレを使っているからなのだ。
それを、つけ置きする時間がなかったので、魔法で浸透させてから焼いただけなのだが皆さん殊の外お喜びである。
「ねぇ、モモはもうないけど他のところも焼く?」
「もちろん!」
男たちはよく食べる。
それなりに年の云ったザルバでも、アンナリーナの常識からみると結構食べる方だが、ゲルトとフランクはその上をいく。
競い合うように肉を食べ、パンを齧る。
アンナリーナの分の山賊焼を誰が食べるかでも揉めるのだ。
「なあ、それ何食べてるの?」
見ているだけで食欲の落ちたアンナリーナが、パンに千切りしたキャベツと照り焼きを挟み、それにマヨネーズをかけて食べていると目敏いフランクが声をかけてきた。
その時、危機察知が働いたアンナリーナは男3人の分も照り焼きロールを作り続けた。
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