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第四章
176『空間魔法と錬金医薬師』
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「私たちは、短い休憩を別として基本、停止せずにこの先の町【衛星都市グハームト】に向かいます。
その間、特にこの数日はかなりの速度で駆け抜ける予定です」
アンナリーナの言葉に男たちは絶句した。
「悠長に野営地で野営する余裕はありません。多少不便かもしれませんが我慢して下さい」
最初の混乱が収まり、昼食であるスパゲッティ……日本人には懐かしいナポリタンを食した後、アンナリーナはそう話し始めた。
「グハームトか。
ここから約10日かかる、アシードまでの間にある2つの町のひとつだな」
ダマスクが腕組みしたまま、テーブルに広げられた地図に見入っていた。
「監視はしているけど、私としてはこのあたりの村は信用出来ないの。
だから町まではなるべく早く到着したいの」
おそらく、普通に旅をして10日の旅程なら、昼夜通して駆け抜ければ5日ほどで到着するだろう。
疲労の色の濃いアンナリーナはこの時点で奥の部屋に下がり、あとに残されたテオドールは質問ぜめにされることとなる。
相変わらず、常識はずれに豪華な夕食の後、アンナリーナが仮眠ののち整えた、乗客となった男たちの寝室に案内した。
「こちらの個室はバルトリさんが使って下さい。
他の方たちはこの2つの部屋に分かれて休んで下さい。トイレは各部屋に付いてます。使い方は熊さんが説明しますのでよろしくです」
しれっと口にするがとんでもない事だ。これも【空間魔法】のなせる技で空間付与を行ったのだが、これは凡人の理解を越えた。
「リーナ殿、少し良いか?」
予想していたバルトリからの声かけは思ったよりも遅かった。
早ければ当日にでも来るかと思っていたアンナリーナだったが、さすがに頭の中がいっぱいで許容範囲を超えたのだろう。現に初日の夜は体調を崩して、翌日は部屋から出てこなかったほどだ。
おそらく、諸々の疲れが一気に出たのだろう。アラーニェから事情を聞いて薬を処方したものだ。
「あまり詳しい事は聞いて欲しくないのですが……しょうがないですね」
「あなたは……何者ですか?」
「それはバルトリさんがどれだけ黙っていられるか、で、答えが変わってきますね」
ぶわりと、アンナリーナの身体から魔力が溢れ出る。
それは魔力の少ない平民を威圧するには充分な量だった。
「わ、わたしはあなたに命を救って頂いた存在だ。
あなたの不利益になる事は、絶対にしないと誓う」
「そうね、まあ……いいわ。
嘘をついたら、簡単にあなたの命、刈り取ると思いなさい」
バルトリの全身から脂汗が噴き出し、握り潰されそうに心臓が痛んだ。
アンナリーナが威圧をとくと、同時に痛みから解放される。
この少女は高位の魔法使いだと、バルトリは悟った。
「私は、ハルメトリア王立魔法学院所属の【練金薬師】です。
……バルトリさん、今回の件で一番重症だったのはあなたでした。
私たちが発見した時、あなたはいくつかの内臓が破裂していて、瀕死の状態だったのです。
私は躊躇わずに【治癒魔法】を使って緊急処置を行ったのです」
バルトリは絶句する。
「では、あなたは【練金“医”薬師】?」
「そうですね。
ちなみにこれは学院にも明らかにしてません。気づいている方はいるでしょうけどね」
再び、ジリジリと圧がかかってくる。
「魔力の残滓があるので、わかる者にはわかるでしょう。
なので、上手くごまかしたほうがご自分のためですよ」
バルトリは屈服した。
その間、特にこの数日はかなりの速度で駆け抜ける予定です」
アンナリーナの言葉に男たちは絶句した。
「悠長に野営地で野営する余裕はありません。多少不便かもしれませんが我慢して下さい」
最初の混乱が収まり、昼食であるスパゲッティ……日本人には懐かしいナポリタンを食した後、アンナリーナはそう話し始めた。
「グハームトか。
ここから約10日かかる、アシードまでの間にある2つの町のひとつだな」
ダマスクが腕組みしたまま、テーブルに広げられた地図に見入っていた。
「監視はしているけど、私としてはこのあたりの村は信用出来ないの。
だから町まではなるべく早く到着したいの」
おそらく、普通に旅をして10日の旅程なら、昼夜通して駆け抜ければ5日ほどで到着するだろう。
疲労の色の濃いアンナリーナはこの時点で奥の部屋に下がり、あとに残されたテオドールは質問ぜめにされることとなる。
相変わらず、常識はずれに豪華な夕食の後、アンナリーナが仮眠ののち整えた、乗客となった男たちの寝室に案内した。
「こちらの個室はバルトリさんが使って下さい。
他の方たちはこの2つの部屋に分かれて休んで下さい。トイレは各部屋に付いてます。使い方は熊さんが説明しますのでよろしくです」
しれっと口にするがとんでもない事だ。これも【空間魔法】のなせる技で空間付与を行ったのだが、これは凡人の理解を越えた。
「リーナ殿、少し良いか?」
予想していたバルトリからの声かけは思ったよりも遅かった。
早ければ当日にでも来るかと思っていたアンナリーナだったが、さすがに頭の中がいっぱいで許容範囲を超えたのだろう。現に初日の夜は体調を崩して、翌日は部屋から出てこなかったほどだ。
おそらく、諸々の疲れが一気に出たのだろう。アラーニェから事情を聞いて薬を処方したものだ。
「あまり詳しい事は聞いて欲しくないのですが……しょうがないですね」
「あなたは……何者ですか?」
「それはバルトリさんがどれだけ黙っていられるか、で、答えが変わってきますね」
ぶわりと、アンナリーナの身体から魔力が溢れ出る。
それは魔力の少ない平民を威圧するには充分な量だった。
「わ、わたしはあなたに命を救って頂いた存在だ。
あなたの不利益になる事は、絶対にしないと誓う」
「そうね、まあ……いいわ。
嘘をついたら、簡単にあなたの命、刈り取ると思いなさい」
バルトリの全身から脂汗が噴き出し、握り潰されそうに心臓が痛んだ。
アンナリーナが威圧をとくと、同時に痛みから解放される。
この少女は高位の魔法使いだと、バルトリは悟った。
「私は、ハルメトリア王立魔法学院所属の【練金薬師】です。
……バルトリさん、今回の件で一番重症だったのはあなたでした。
私たちが発見した時、あなたはいくつかの内臓が破裂していて、瀕死の状態だったのです。
私は躊躇わずに【治癒魔法】を使って緊急処置を行ったのです」
バルトリは絶句する。
「では、あなたは【練金“医”薬師】?」
「そうですね。
ちなみにこれは学院にも明らかにしてません。気づいている方はいるでしょうけどね」
再び、ジリジリと圧がかかってくる。
「魔力の残滓があるので、わかる者にはわかるでしょう。
なので、上手くごまかしたほうがご自分のためですよ」
バルトリは屈服した。
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