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第四章
229『初接触』
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【ブエルネギア大陸】旧魔族国、魔人領ドゥンケルス。
魔人領に多々ある衛星都市のひとつだ。
この大陸では本当の意味での王国や帝国というものは絶えて久しい。
厳密に言えば国王や帝王と呼ばれる者たちがいないわけではない。
だが政は完全に民主化され、今の王たちは単に国の象徴となっていた。
そのドゥンケルスの町に入る正門である南門には、この町に入るための関所があった。
ここには多数の兵が配置され、日々通行者の検問と入町料の徴収が行われていた。
ようやく門の前に並ぶ行列の最後尾に着いたアンナリーナは、その巨大な門を見上げてびっくりしていた。
これは、この大陸には巨人族もいて、この国の建物は彼らのために大振りに出来ているためだ。確かに目の前の馬車もかなり大きい。
「こんにちは」
ようやく順番が回ってきたアンナリーナが、笑顔で挨拶する。
するとペアで対応していた兵士たちが、一瞬困惑したように顔をしかめた。そして一人が番所のような部屋に入っていく。
そしてすぐに別のペアが出てきて、アンナリーナの後ろに並んでいた者たちへの対応を始める。
アンナリーナは手招きされて列から外れた。
「ようこそお嬢さん。
お嬢さんは “ 異邦人 ”だね?
同行者はいないの?」
兵士に連れていかれた部屋の中には、兵士たちよりいくらか年上の男が待っていて、アンナリーナに座るように勧めると自分も座った。
そして、いくらか訛りのある大陸共通語で話しかけてきた。
「あの……私」
口籠るアンナリーナを見て、訳ありと判断した男は優しく話しを続けた。
「お嬢さんはこの大陸の住人ではないね?
この言葉を話すのはあちらの大陸の人間だ。しかし珍しいね。
この町に “ 異邦人 ”がやってくるのは、かなり珍しい事なんだよ?」
「あの、私……乗っていた船が沈没して……備え付けられていたボートに乗って脱出したんです。
それから何日か経って砂浜に上陸して、それから歩いてここに来ました」
「何?! 船が沈没?!
それは一体いつの事だ?」
男の顔つきが変わった。
アンナリーナの肩を掴んで揺さぶらんばかりだ。
「わかり……ません。
海に何日いたのか、わからないのです。上陸してからは5日?そのくらいです」
男に指図された兵士が慌てて部屋を出て行く。質問は続いた。
「お嬢さんはずっとひとり?
同行者は?」
「3人、一緒でした。
でもここに来るまでにはぐれてしまって」
それだけで男は察した。
どのような道筋をたどってここまで来たのか、その行程の間にひとり、またひとりと削れて行きながらこの少女を守ったのだろう。
男は、力尽きただろう、この少女の同行者の冥福を祈った。
「それでも。
よく無事にたどり着いたね。
ようこそドゥンケルスへ。
私はこの関所を束ねているエンドルティーノ。
少し休憩して、お嬢さんの詳しい話を聞こうか」
どうやら、つつがなく潜り込めたようだ。
アンナリーナはしめしめと内心でほくそ笑んだ。
「はい、ありがとうございます」
魔人領に多々ある衛星都市のひとつだ。
この大陸では本当の意味での王国や帝国というものは絶えて久しい。
厳密に言えば国王や帝王と呼ばれる者たちがいないわけではない。
だが政は完全に民主化され、今の王たちは単に国の象徴となっていた。
そのドゥンケルスの町に入る正門である南門には、この町に入るための関所があった。
ここには多数の兵が配置され、日々通行者の検問と入町料の徴収が行われていた。
ようやく門の前に並ぶ行列の最後尾に着いたアンナリーナは、その巨大な門を見上げてびっくりしていた。
これは、この大陸には巨人族もいて、この国の建物は彼らのために大振りに出来ているためだ。確かに目の前の馬車もかなり大きい。
「こんにちは」
ようやく順番が回ってきたアンナリーナが、笑顔で挨拶する。
するとペアで対応していた兵士たちが、一瞬困惑したように顔をしかめた。そして一人が番所のような部屋に入っていく。
そしてすぐに別のペアが出てきて、アンナリーナの後ろに並んでいた者たちへの対応を始める。
アンナリーナは手招きされて列から外れた。
「ようこそお嬢さん。
お嬢さんは “ 異邦人 ”だね?
同行者はいないの?」
兵士に連れていかれた部屋の中には、兵士たちよりいくらか年上の男が待っていて、アンナリーナに座るように勧めると自分も座った。
そして、いくらか訛りのある大陸共通語で話しかけてきた。
「あの……私」
口籠るアンナリーナを見て、訳ありと判断した男は優しく話しを続けた。
「お嬢さんはこの大陸の住人ではないね?
この言葉を話すのはあちらの大陸の人間だ。しかし珍しいね。
この町に “ 異邦人 ”がやってくるのは、かなり珍しい事なんだよ?」
「あの、私……乗っていた船が沈没して……備え付けられていたボートに乗って脱出したんです。
それから何日か経って砂浜に上陸して、それから歩いてここに来ました」
「何?! 船が沈没?!
それは一体いつの事だ?」
男の顔つきが変わった。
アンナリーナの肩を掴んで揺さぶらんばかりだ。
「わかり……ません。
海に何日いたのか、わからないのです。上陸してからは5日?そのくらいです」
男に指図された兵士が慌てて部屋を出て行く。質問は続いた。
「お嬢さんはずっとひとり?
同行者は?」
「3人、一緒でした。
でもここに来るまでにはぐれてしまって」
それだけで男は察した。
どのような道筋をたどってここまで来たのか、その行程の間にひとり、またひとりと削れて行きながらこの少女を守ったのだろう。
男は、力尽きただろう、この少女の同行者の冥福を祈った。
「それでも。
よく無事にたどり着いたね。
ようこそドゥンケルスへ。
私はこの関所を束ねているエンドルティーノ。
少し休憩して、お嬢さんの詳しい話を聞こうか」
どうやら、つつがなく潜り込めたようだ。
アンナリーナはしめしめと内心でほくそ笑んだ。
「はい、ありがとうございます」
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