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慎重派彼氏を攻略せよ!恋のアクセル全開乙女!
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私は20代OL、友達からも積極的な女と言われている。
こうと決めたら一直線!
恋愛は待つより攻めるタイプだし、ぐずぐずされるのは性に合わない。
失敗したら即、次!振り返らない!
そう決めたのには理由がある。
女子高出身の私が男女共学の大学に入ってから初めて恋愛デビュー。
思わせぶりな態度の男子を待ち続けてる間に他の女に取られたり、わざと好き避けしてたら普通に嫌われた。
せっかく出来た彼氏の前でおしとやかな女の子を演じてたら、淡泊だって言われて振られた。
だからこれからはどんどん攻めていく。
障害があればそれも壊して攻めていく。
でも、せっかく付き合い始めた彼は、奥手でじれったいことこの上ない。
LINEの返信は遅いし、デートのプランも私が立てなきゃ進まない。
まるで草食系動物園の檻から脱走してきたかのような慎重さ。
でも、好きになっちゃったんだから私がリードしていかなきゃ…。
彼が奥手な理由がまだわからない。もう社会人なんだし私と付き合ったんだからもっと積極的に来て欲しい。
もしかしてまだ迷いがあるの?って思っちゃう。
彼は元カノと長く付き合っていたらしく、別れた後はしばらく落ち込んでいたという話を共通の知人から聞いていた。
もしかして、まだ未練があるのかも? それとも、他に諦めていない女がいるの?
モヤモヤを吹き飛ばすには、私が積極的に攻めるしかない!
彼の中の思い出をすべて私色に染め上げる!
これはもう恋愛というより、心理戦、長期戦、人生を賭けた壮大なプロジェクトX!
目下のところはプロジェクトS〇Xを実行することにした。
ある日のデートでグイグイ攻めた。
「ねえ、手つなごうよ!」
「え、う、うん……」
手をつないだ瞬間、彼の耳がほんのり赤くなる。かわいい……けど、まだまだ!
「腕組んでもいい?」
「え? あ、ああ……」
なんでそんなにビクビクしてるのよ!?…でもいい感じ!
「胸触ってもいいよ!」
「!!!!」
こうして、なんとか彼の奥手なバリアを強行突破、ついに初めてのお泊まりをゲット!
ラブなホテルで濃厚な夜を過ごした。
っていうか夜の彼ってこんなにすごかったのね…。
これで彼の心も完全に私のものと、安心してうっとりした気分で眠りについた。
しかし、翌朝。
目が覚めると、彼が部屋の隅でコソコソと電話をしている。「違うってば。ごめん……って。こうして謝ってるだろ。」
なにそれ、めちゃめちゃ怪しい!
まさか元カノ!? まだ続いてたの!?
私は瞬時にして頭の中で未練がましく付きまとう元カノ像を構築した。
今倒さないといけない相手が電話の向こうにいる!
全身の血が逆流するような勢いでベッドから飛び起きた。まだ裸だ。
「あんた誰!?私たちもう付き合ってるんですけど、何か!?」
彼の携帯をひったくって毅然とした声で怒鳴った。
彼は目を丸くして呆然としている。
少しの沈黙のあと、電話の向こう側から聞こえてきたのは……。
「○○の母ですが……」
……えっ?
えええええええええええ!!!!
もう、平謝りするしかなかった。
「す、すみません、…いえ、ただの通りすがりの者です!何か?とか言ってすみませんでした。」
「しっかりした彼女さんみたいで安心しました。門限に遅れるときは事前に連絡するよう貴女からも言っておいてちょうだいね。それではごゆっくり。」
電話は切れた。
私冷や汗、彼呆然。
とりあえず危機は去った。
っていうか、社会人になってまだお泊まり禁止とか、マザコンかよw
彼は気まずそうに、「いや、母さんがちょっと心配性で……」とか言い訳していたけど、こんな朝っぱらから取り調べみたいな電話するって、どんだけ厳しいのよ!?
こうして私の「彼を上書き計画」は、「マザコン脱却大作戦」という思わぬ方向へと変更を迫られたのであった。
こうと決めたら一直線!
恋愛は待つより攻めるタイプだし、ぐずぐずされるのは性に合わない。
失敗したら即、次!振り返らない!
そう決めたのには理由がある。
女子高出身の私が男女共学の大学に入ってから初めて恋愛デビュー。
思わせぶりな態度の男子を待ち続けてる間に他の女に取られたり、わざと好き避けしてたら普通に嫌われた。
せっかく出来た彼氏の前でおしとやかな女の子を演じてたら、淡泊だって言われて振られた。
だからこれからはどんどん攻めていく。
障害があればそれも壊して攻めていく。
でも、せっかく付き合い始めた彼は、奥手でじれったいことこの上ない。
LINEの返信は遅いし、デートのプランも私が立てなきゃ進まない。
まるで草食系動物園の檻から脱走してきたかのような慎重さ。
でも、好きになっちゃったんだから私がリードしていかなきゃ…。
彼が奥手な理由がまだわからない。もう社会人なんだし私と付き合ったんだからもっと積極的に来て欲しい。
もしかしてまだ迷いがあるの?って思っちゃう。
彼は元カノと長く付き合っていたらしく、別れた後はしばらく落ち込んでいたという話を共通の知人から聞いていた。
もしかして、まだ未練があるのかも? それとも、他に諦めていない女がいるの?
モヤモヤを吹き飛ばすには、私が積極的に攻めるしかない!
彼の中の思い出をすべて私色に染め上げる!
これはもう恋愛というより、心理戦、長期戦、人生を賭けた壮大なプロジェクトX!
目下のところはプロジェクトS〇Xを実行することにした。
ある日のデートでグイグイ攻めた。
「ねえ、手つなごうよ!」
「え、う、うん……」
手をつないだ瞬間、彼の耳がほんのり赤くなる。かわいい……けど、まだまだ!
「腕組んでもいい?」
「え? あ、ああ……」
なんでそんなにビクビクしてるのよ!?…でもいい感じ!
「胸触ってもいいよ!」
「!!!!」
こうして、なんとか彼の奥手なバリアを強行突破、ついに初めてのお泊まりをゲット!
ラブなホテルで濃厚な夜を過ごした。
っていうか夜の彼ってこんなにすごかったのね…。
これで彼の心も完全に私のものと、安心してうっとりした気分で眠りについた。
しかし、翌朝。
目が覚めると、彼が部屋の隅でコソコソと電話をしている。「違うってば。ごめん……って。こうして謝ってるだろ。」
なにそれ、めちゃめちゃ怪しい!
まさか元カノ!? まだ続いてたの!?
私は瞬時にして頭の中で未練がましく付きまとう元カノ像を構築した。
今倒さないといけない相手が電話の向こうにいる!
全身の血が逆流するような勢いでベッドから飛び起きた。まだ裸だ。
「あんた誰!?私たちもう付き合ってるんですけど、何か!?」
彼の携帯をひったくって毅然とした声で怒鳴った。
彼は目を丸くして呆然としている。
少しの沈黙のあと、電話の向こう側から聞こえてきたのは……。
「○○の母ですが……」
……えっ?
えええええええええええ!!!!
もう、平謝りするしかなかった。
「す、すみません、…いえ、ただの通りすがりの者です!何か?とか言ってすみませんでした。」
「しっかりした彼女さんみたいで安心しました。門限に遅れるときは事前に連絡するよう貴女からも言っておいてちょうだいね。それではごゆっくり。」
電話は切れた。
私冷や汗、彼呆然。
とりあえず危機は去った。
っていうか、社会人になってまだお泊まり禁止とか、マザコンかよw
彼は気まずそうに、「いや、母さんがちょっと心配性で……」とか言い訳していたけど、こんな朝っぱらから取り調べみたいな電話するって、どんだけ厳しいのよ!?
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