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体だけでも
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「お母さんが夜の仕事してたから興味あったの?」
千紘は疑問をそのまま口にした。複雑な家庭環境を聞いたら、その先も知りたくなった。
「それとは別なんだよなぁ。ホストは興味なかったし、とりあえず金になればいいかって思った。No.1になったら、それなりに可愛い子も指名してくれるようになったからラッキーって」
「じゃあ、お母さんがお客さんと一緒に住んでた気持ちもわかるんだ?」
千紘はそう聞きながら切ない気持ちになった。凪の言い方は、既に可愛いと思っている客が指名してくれていて、それを喜んでいるようだったから。このまま凪も客と一緒に住み始めたりするのかもしれない。なんて事を考えた。
しかし凪はおかしそうにははっと乾いた笑いで肩を揺らした。
「ないない。そもそも風俗に通ってるような女を彼女にしようなんて思わない。彼氏いる子もいるし、既婚者もいる。本気で惚れてくれる子もいるけど、他のセラピストを指名してても店が違えばこっちはわからない。しょせん金だけの繋がりでしかないんだから、信用なんかできないし」
「んー。じゃあ、可愛いと思うだけってこと?」
「どうせ仕事するなら、可愛い子の方がいいって話。根本的には全員金にしか見えないから仕事は仕事」
「けっこうドライなんだ……」
千紘は意外そうに目を瞬かせた。セラピストは皆、女の子が大好きで隙あらばセフレにしたがるようなオトコばかりだと思っていたのだ。
現に、千紘がカットを担当していた原木はそうだった。お客さんとプライベートで会ってるだの、付き合ってるだのという話をよく聞いた。その時点で店にとっては裏切り行為である。正義感の強い凪はそんなことをしないだろうと思っていても、心のどこかで凪も男だし……と疑っている自分もいた。
千紘は疑問をそのまま口にした。複雑な家庭環境を聞いたら、その先も知りたくなった。
「それとは別なんだよなぁ。ホストは興味なかったし、とりあえず金になればいいかって思った。No.1になったら、それなりに可愛い子も指名してくれるようになったからラッキーって」
「じゃあ、お母さんがお客さんと一緒に住んでた気持ちもわかるんだ?」
千紘はそう聞きながら切ない気持ちになった。凪の言い方は、既に可愛いと思っている客が指名してくれていて、それを喜んでいるようだったから。このまま凪も客と一緒に住み始めたりするのかもしれない。なんて事を考えた。
しかし凪はおかしそうにははっと乾いた笑いで肩を揺らした。
「ないない。そもそも風俗に通ってるような女を彼女にしようなんて思わない。彼氏いる子もいるし、既婚者もいる。本気で惚れてくれる子もいるけど、他のセラピストを指名してても店が違えばこっちはわからない。しょせん金だけの繋がりでしかないんだから、信用なんかできないし」
「んー。じゃあ、可愛いと思うだけってこと?」
「どうせ仕事するなら、可愛い子の方がいいって話。根本的には全員金にしか見えないから仕事は仕事」
「けっこうドライなんだ……」
千紘は意外そうに目を瞬かせた。セラピストは皆、女の子が大好きで隙あらばセフレにしたがるようなオトコばかりだと思っていたのだ。
現に、千紘がカットを担当していた原木はそうだった。お客さんとプライベートで会ってるだの、付き合ってるだのという話をよく聞いた。その時点で店にとっては裏切り行為である。正義感の強い凪はそんなことをしないだろうと思っていても、心のどこかで凪も男だし……と疑っている自分もいた。
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