281 / 324
得るものと失うもの
24
しおりを挟む
ダイニングのテーブルに2人で向き合って座った。千紘が言った通り、野菜たっぷりのスープや卵料理などヘルシーなものが並んでいた。
いつかの油をたっぷり使った食事が用意されていたら、喉を通っていくか不安だった。
しかし、料理を見るにきっと千紘も自分と同じような状態なのだと察する。
「ちゃんと飯食ってた?」
「うん。外食ばっかりだけど」
引きこもりだった凪とは対照的に進んで外に出ていた千紘の行動を知って、凪は少しモヤモヤした。
凪は他人と関わりたくないと思ったが、千紘はそうではなかった。そもそも凪が仕事を休んだのだって客と関わるのが嫌になったからだ。
接客業の千紘にとって他人がいる空間は特別嫌なものではないのだと思い知らされる。ついこの間まで自分もそうだったはずなのに。
「外食ね……」
「その反応だと凪は外食もしてなさそうだね」
「あんまり他人がいるところには行きたくないなかった」
「そっか。俺も外食っていっても行き慣れたところしか行ってない。凪と行った居酒屋とか」
「ああ……」
「全く人と関わらないと仕事行くのも嫌になっちゃうからね」
千紘はそう言いながら、箸を取った。凪もつられるようにして箸を持ったが、急に口渇感を覚えて水を一口含んだ。
「お前でも仕事行きたくないとかあんの?」
「あるよ。カットは好きだけど、それ以外は特に。アシスタント時代は辛すぎた」
千紘が思い出したように自虐的に笑う。凪は千紘の自然な笑みを久々に見た気がした。料理の品数が多くてどれを食べようかと迷う。一品ずつの量はそれほど多くないのに、色んな種類があってきっと朝から張り切って作ったのだろうと思えた。
暫く迷ってとりあえずサラダから手をつける。次々に少しずつ食べていくと、自分が思った以上に食事が続いた。
「俺も……セラピスト辞めることにした」
凪は言うか言わまいか迷った後、そっと口を開いた。
いつかの油をたっぷり使った食事が用意されていたら、喉を通っていくか不安だった。
しかし、料理を見るにきっと千紘も自分と同じような状態なのだと察する。
「ちゃんと飯食ってた?」
「うん。外食ばっかりだけど」
引きこもりだった凪とは対照的に進んで外に出ていた千紘の行動を知って、凪は少しモヤモヤした。
凪は他人と関わりたくないと思ったが、千紘はそうではなかった。そもそも凪が仕事を休んだのだって客と関わるのが嫌になったからだ。
接客業の千紘にとって他人がいる空間は特別嫌なものではないのだと思い知らされる。ついこの間まで自分もそうだったはずなのに。
「外食ね……」
「その反応だと凪は外食もしてなさそうだね」
「あんまり他人がいるところには行きたくないなかった」
「そっか。俺も外食っていっても行き慣れたところしか行ってない。凪と行った居酒屋とか」
「ああ……」
「全く人と関わらないと仕事行くのも嫌になっちゃうからね」
千紘はそう言いながら、箸を取った。凪もつられるようにして箸を持ったが、急に口渇感を覚えて水を一口含んだ。
「お前でも仕事行きたくないとかあんの?」
「あるよ。カットは好きだけど、それ以外は特に。アシスタント時代は辛すぎた」
千紘が思い出したように自虐的に笑う。凪は千紘の自然な笑みを久々に見た気がした。料理の品数が多くてどれを食べようかと迷う。一品ずつの量はそれほど多くないのに、色んな種類があってきっと朝から張り切って作ったのだろうと思えた。
暫く迷ってとりあえずサラダから手をつける。次々に少しずつ食べていくと、自分が思った以上に食事が続いた。
「俺も……セラピスト辞めることにした」
凪は言うか言わまいか迷った後、そっと口を開いた。
2
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる