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少年が英雄譚を歩み始めるまでの物語。
《人龍》と呼ばれる男(二)
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ボア達が店去った後、ガルドは、ヒロへと歩を進める。その光景をミアを含め、その場の全員が次に何が起こるのかと不安と期待で動けずにいた。
「あ、あの……」
その沈黙を破ったのは、ミアだった。ガルドが彼女とすれ違う時に声を出した。しかし、彼は、何の反応も示さなかった。
「たく……お前はまた」
ガルドは、厳しい面持ちで吐き捨てるようにそう言うと、腰に着けたポーチから小瓶を1つ取り出し、雑に中の液体をヒロへと振り掛けた。
その液体が掛かった部分からジュッという音と白い蒸気が立ち、彼の患部の腫れが瞬く間に引いていく。上級ポーションだったようだ。
「ははは……ありがとうございます」
ヒロの怪我がある程度治ると、ガルドは彼に手を差し出した。その手を彼が掴むと同時に荒々しく引っ張った。
「前から言ってるだろ?弱いんだから変に勇気を持つなって」
「耳が痛いです」
「……え?」
ヒロとガルドが普通に会話をしていることに店内の者は皆驚愕し、ミアに至っては、無意識に声を漏らしていた。
「あ、ミアさん。こちら、《人龍》ことガルド・ドラノスさんで……」
「そんなこと知ってますよ!!」
ミアは、さも当然のようにガルドを紹介しようとするヒロに対し、聞きたいのはそこではないと食い気味に反応した。
「ガルドさんとは所謂同期で」
「おい、聞いたか?」
「あのすすかぶりと《人龍》がね……神様も残酷なもんだ」
ヒロの言葉を聞き、店内の冒険者が口々に話し始めた。そして、全ての会話に彼に対する同情の念が含まれていた。
冒険者のランクアップは、神々から加護と同時に与えられるステータスの総合評価で決められる。
つまり、ヒロのステータスは約1年費やしてもほとんど伸びておらず、逆にガルドは同じ期間でCランクに到達する程ステータスが伸びているのだ。ガルドの成長速度は歴代最速だ。
ある意味、この2人は正反対の存在だった。
「……相変わらず加護が発動してないみたいだな」
ガルドの言葉がヒロに突き刺さった。
「……はい」
「おまけにパーティも組んでないと?そりゃ、効率も悪いしステータスも伸びるわけないだろ?」
「ごもっともです」
ガルドの言葉でヒロは、更に縮こまった。その姿は、まるで肉食獣を前にした草食獣のようだ。
「まあ、パーティはどうしようもないとして……加護の発動条件くらい調べろよ。アティナン様ならなんか知ってるだろ?」
アティナンとは、都市と槍を司る女神にして、ギルドの主神である。
「じゃないと、英雄どころか大切なモノも守れないぞ」
ガルドは、ミアへ一瞬視線を向けてそう言った。ヒロは、彼の真意に気づき、顔を赤くする。
「ちょ、何言って……」
「おい、ガルド。もう出るぞ」
ヒロが戸惑いあたふたしていると、【龍姫】カンパニーの金髪の女性冒険者がガルドに声をかけた。
彼は、無言でそちらへ向くと、座っていた席に立て掛けていた武器らしい巨大な物体を担いだ。
そして、そのまま店の入口まで行き、最後に「じゃあな」とヒロへ向け手を挙げた。
「あ、あの……」
その沈黙を破ったのは、ミアだった。ガルドが彼女とすれ違う時に声を出した。しかし、彼は、何の反応も示さなかった。
「たく……お前はまた」
ガルドは、厳しい面持ちで吐き捨てるようにそう言うと、腰に着けたポーチから小瓶を1つ取り出し、雑に中の液体をヒロへと振り掛けた。
その液体が掛かった部分からジュッという音と白い蒸気が立ち、彼の患部の腫れが瞬く間に引いていく。上級ポーションだったようだ。
「ははは……ありがとうございます」
ヒロの怪我がある程度治ると、ガルドは彼に手を差し出した。その手を彼が掴むと同時に荒々しく引っ張った。
「前から言ってるだろ?弱いんだから変に勇気を持つなって」
「耳が痛いです」
「……え?」
ヒロとガルドが普通に会話をしていることに店内の者は皆驚愕し、ミアに至っては、無意識に声を漏らしていた。
「あ、ミアさん。こちら、《人龍》ことガルド・ドラノスさんで……」
「そんなこと知ってますよ!!」
ミアは、さも当然のようにガルドを紹介しようとするヒロに対し、聞きたいのはそこではないと食い気味に反応した。
「ガルドさんとは所謂同期で」
「おい、聞いたか?」
「あのすすかぶりと《人龍》がね……神様も残酷なもんだ」
ヒロの言葉を聞き、店内の冒険者が口々に話し始めた。そして、全ての会話に彼に対する同情の念が含まれていた。
冒険者のランクアップは、神々から加護と同時に与えられるステータスの総合評価で決められる。
つまり、ヒロのステータスは約1年費やしてもほとんど伸びておらず、逆にガルドは同じ期間でCランクに到達する程ステータスが伸びているのだ。ガルドの成長速度は歴代最速だ。
ある意味、この2人は正反対の存在だった。
「……相変わらず加護が発動してないみたいだな」
ガルドの言葉がヒロに突き刺さった。
「……はい」
「おまけにパーティも組んでないと?そりゃ、効率も悪いしステータスも伸びるわけないだろ?」
「ごもっともです」
ガルドの言葉でヒロは、更に縮こまった。その姿は、まるで肉食獣を前にした草食獣のようだ。
「まあ、パーティはどうしようもないとして……加護の発動条件くらい調べろよ。アティナン様ならなんか知ってるだろ?」
アティナンとは、都市と槍を司る女神にして、ギルドの主神である。
「じゃないと、英雄どころか大切なモノも守れないぞ」
ガルドは、ミアへ一瞬視線を向けてそう言った。ヒロは、彼の真意に気づき、顔を赤くする。
「ちょ、何言って……」
「おい、ガルド。もう出るぞ」
ヒロが戸惑いあたふたしていると、【龍姫】カンパニーの金髪の女性冒険者がガルドに声をかけた。
彼は、無言でそちらへ向くと、座っていた席に立て掛けていた武器らしい巨大な物体を担いだ。
そして、そのまま店の入口まで行き、最後に「じゃあな」とヒロへ向け手を挙げた。
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