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少年が英雄譚を歩み始めるまでの物語。
《赫龍》遭遇
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「ここだ」
ヒロがコギーに連れられやって来たのは、10階だった。
ギルド本部の10階は、普段ギルド職員や関係者以外立ち入り禁止だ。
それ以外の階はカンパニーやギルドが出店している。
コギーとヒロは、更に奥に進むと明らかに雰囲気が違う扉の前に立った。
コギーが一度大きく息を吸い、軽く扉をノックした。
「コギーです」
「入りたまえ」
中から低い声が聞こえた。
ヒロは、声だけで理解した。声の主は、今まで出会ったことがない程の強者であると。
本能が下手に動くなと危険信号を出している。
「おい、入るぞヒロ」
「あ、はい」
コギーに声を掛けられヒロは惚けた返事をした。
コギーは、その返事を聞くととても重いのかと錯覚するほどゆっくりと扉を引いた。
「いらっしゃい」
扉を開けると打って変わって今まで感じていた威圧感は消えた。
中にいたのは、ガルドと同じかそれ以上の赤髪と彼以上の体格をした初老の男性だった。
——この人がメテオ・ドラノス……
ヒロは、自然と口角が上がっていた。
「すまない……古い友人と似た気配がしたものだから」
メテオは、座りたまえと自分の目前のソファーを指した。
ヒロとコギーは、軽く会釈すると腰を掛けた。
「で、君が……」
メテオは、ヒロへ視線を注いだ。彼は、ピンと背筋を張る。
「はい、ヒロ、ヒロ・プラヴァンです!」
「プラヴァン……そうか君が」
メテオは、どこか含みのある言い方をした。そして、心做しか視線が鋭くなる。
「あの、メテオ様やユロス陛下の大ファンなんです!」
「ん?ああ、聞いているよ。握手でもするかい?」
「はい!是非!」
ヒロは、メテオが差し出した手を勢いよく掴んだ。メテオは、その気迫に若干気圧された。
「そろそろいいでしょうか?」
「ああ、すまなかった」
コギーが咳払いをし、話を振るとメテオは気を取り直し彼に向き直った。
「で、アティナン様に会いたいのだろう?構わないが一応理由を聞こうか」
「はい、こいつの加護についていくつか聞きたいことがありまして」
「もっと強くなる方法を知りたくて」
メテオは感心した様に「ほお」と呟いた。
「君はGランクで既にワータイガーのボス級を倒したと聞いてるよ」
メテオの耳にはワータイガーとの件が届いていたらしい。
「あれはたまたまです。加護が暴発したんだと思います」
「そうか……なら、なぜ強くなりたい?」
メテオのヒロへ向ける圧が増した。彼の背中を何か冷たいものが走った。
「ぼくは……あなたやユロス陛下、もう1人の方の様に誰だろうと救える格好いい英雄になりたいんです!」
ヒロは、メテオの圧に負けず、強い意志を示した。
メテオの口角が吊り上がる。彼は、何か娯楽を見つけたかの様な表情を浮かべた。
「いいだろう、合格だ。アティナン様の元へ行くといい」
「ありがとうございます!」
メテオの言葉を聞きコギーとヒロは、立ち上がった。
ヒロが扉のノブに手をかけた時だった。
「最後に、3人目の男や私達が辿ったのは血みどろの道だ。それでもいいと言うなら登って来なさい……」
ヒロの表情が一瞬強ばった。しかし、直ぐに微笑を浮かべた。
「大丈夫です。僕は止まりません」
それだけ言うとヒロは、部屋を後にした。
「……まるでお前だな、レジェ」
メテオは、虚空を見つめて呟いた。それは、3人目の英雄の名前だった。
3人目の英雄は、《救世の風》。名をレジェド・プラヴァンという。
彼は、目立つことをあまり好まなかったために《赫龍》と《剣王》、その他一部の者しか彼が3人目だと知らない。
お察しの通りレジェド・プラヴァン。彼こそが亡きヒロの父である。
彼がそのことを知るのはまだまだ先のことである。
ヒロがコギーに連れられやって来たのは、10階だった。
ギルド本部の10階は、普段ギルド職員や関係者以外立ち入り禁止だ。
それ以外の階はカンパニーやギルドが出店している。
コギーとヒロは、更に奥に進むと明らかに雰囲気が違う扉の前に立った。
コギーが一度大きく息を吸い、軽く扉をノックした。
「コギーです」
「入りたまえ」
中から低い声が聞こえた。
ヒロは、声だけで理解した。声の主は、今まで出会ったことがない程の強者であると。
本能が下手に動くなと危険信号を出している。
「おい、入るぞヒロ」
「あ、はい」
コギーに声を掛けられヒロは惚けた返事をした。
コギーは、その返事を聞くととても重いのかと錯覚するほどゆっくりと扉を引いた。
「いらっしゃい」
扉を開けると打って変わって今まで感じていた威圧感は消えた。
中にいたのは、ガルドと同じかそれ以上の赤髪と彼以上の体格をした初老の男性だった。
——この人がメテオ・ドラノス……
ヒロは、自然と口角が上がっていた。
「すまない……古い友人と似た気配がしたものだから」
メテオは、座りたまえと自分の目前のソファーを指した。
ヒロとコギーは、軽く会釈すると腰を掛けた。
「で、君が……」
メテオは、ヒロへ視線を注いだ。彼は、ピンと背筋を張る。
「はい、ヒロ、ヒロ・プラヴァンです!」
「プラヴァン……そうか君が」
メテオは、どこか含みのある言い方をした。そして、心做しか視線が鋭くなる。
「あの、メテオ様やユロス陛下の大ファンなんです!」
「ん?ああ、聞いているよ。握手でもするかい?」
「はい!是非!」
ヒロは、メテオが差し出した手を勢いよく掴んだ。メテオは、その気迫に若干気圧された。
「そろそろいいでしょうか?」
「ああ、すまなかった」
コギーが咳払いをし、話を振るとメテオは気を取り直し彼に向き直った。
「で、アティナン様に会いたいのだろう?構わないが一応理由を聞こうか」
「はい、こいつの加護についていくつか聞きたいことがありまして」
「もっと強くなる方法を知りたくて」
メテオは感心した様に「ほお」と呟いた。
「君はGランクで既にワータイガーのボス級を倒したと聞いてるよ」
メテオの耳にはワータイガーとの件が届いていたらしい。
「あれはたまたまです。加護が暴発したんだと思います」
「そうか……なら、なぜ強くなりたい?」
メテオのヒロへ向ける圧が増した。彼の背中を何か冷たいものが走った。
「ぼくは……あなたやユロス陛下、もう1人の方の様に誰だろうと救える格好いい英雄になりたいんです!」
ヒロは、メテオの圧に負けず、強い意志を示した。
メテオの口角が吊り上がる。彼は、何か娯楽を見つけたかの様な表情を浮かべた。
「いいだろう、合格だ。アティナン様の元へ行くといい」
「ありがとうございます!」
メテオの言葉を聞きコギーとヒロは、立ち上がった。
ヒロが扉のノブに手をかけた時だった。
「最後に、3人目の男や私達が辿ったのは血みどろの道だ。それでもいいと言うなら登って来なさい……」
ヒロの表情が一瞬強ばった。しかし、直ぐに微笑を浮かべた。
「大丈夫です。僕は止まりません」
それだけ言うとヒロは、部屋を後にした。
「……まるでお前だな、レジェ」
メテオは、虚空を見つめて呟いた。それは、3人目の英雄の名前だった。
3人目の英雄は、《救世の風》。名をレジェド・プラヴァンという。
彼は、目立つことをあまり好まなかったために《赫龍》と《剣王》、その他一部の者しか彼が3人目だと知らない。
お察しの通りレジェド・プラヴァン。彼こそが亡きヒロの父である。
彼がそのことを知るのはまだまだ先のことである。
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