悪役令嬢になっちゃったけど、暴君王子を更生させてみせます!

瑳来

文字の大きさ
4 / 7
本編

3

しおりを挟む
「あ、あの……ありが……とうございます」
 レオ様が帰ってから少ししたらメイドがしどろもどろにお礼を告げてきた。
 私は安心させようとヘラッと笑って、
「いいのいいの~」
 と手を横に振って言った。

 さて、と。
 いやぁ、このラノベ展開に思わず動揺してしまったけどこうなったらたぶん私は悪役令嬢だよね?
 おおかた、さっきやってたゲームのだと思うけど。一応確認しとこ。
 普段からラノベの乙女ゲーム系を読み漁ってる私は思ったよりも状況を早く飲み込むことが出来た。
 私はぴょんっとベッドから降りて姿見の前に立った。
 メイドは私の一挙一動にビクビクと反応していてそれはもう可哀想なくらい。

 ほうほう。なるほどなるほど。

 絹のような黒髪が腰の辺りまで伸びていて、大きくパッチリとした黒い瞳。それに加えて陶器のような肌にすらぁっと余分な脂肪がついてない細長い腕と足。まさにパーフェクトガール。
 それに予想通りこの見た目は私がさっきまでやってた乙女ゲームの悪役令嬢。
 お決まりだからなんとなく想像は出来てたけど、せめてモブがよかったなぁ。
 最近のラノベでモブ系も多いっしょ?

 それに、この乙女ゲームは攻略対象が割と難しいしスケールが壮大なんだよね。
 まず、国が絶対王政ならぬ絶対王子政。第1王子と第2王子がいて第1王子の方が国全体を支配してるような状況。
 そして、この私悪役令嬢であるアンナ・ルシヨンは第1王子のレオ・シャロンから愛されていてそれをいいことに遊びまくってる。
 んで、必然的に国民とかとにかくみーんなから嫌われてる。
 イメージ的にはフランス革命前のルイ16世とマリーアントワネットのイメージかな。

 それから、主人公が途中で登場して暴君王子に立ち向かってから第1王子ルートと第2王子ルートにいく訳なんだけど……まぁ、乙女ゲームのお決まりでルートがどっちに転がってもハッピーのエンドで私(悪役令嬢)は死にますね。はい。やばいね。うん。

 レオ様ルートだと別れを告げられてレオ様を取り戻そうと必死になっていろいろやらかして国外追放。
 第2王子だと革命を起こされてレオ様諸共死亡。

 ーーつまり私にハッピーはない!

 でも、今ならまだ間に合う……だって、レオ様の性格上面白そうな事があったらすぐに私に言うはず。まだ何も言われてないから主人公には会ってはないだろう。
 だから、主人公が来る前にレオ様を更生させて私の評判も良くしていかないと!
 レオ様ルートやってた時、主人公はレオ様を更生させることに努めてた。結局最後までやれてないから更生させてなんの意味があるかわかんないけど、やるに越したことはない!

「あの! あなた名前は!」
 
  不意にメイドに向かって言うと、メイドは「ひゃい!」と驚いたような声を上げた。

「ま……マリンです……」
「そう。マリンね。少し手伝ってくれない?」
「え!? あ、はい!」

 よし。絶対に私とレオ様の死亡エンドは回避してやる!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 最終回まで予約投稿済みです。 毎日8時・20時に更新予定です。

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~

花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。  だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。  エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。  そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。 「やっと、あなたに復讐できる」 歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。  彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。 過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。 ※ムーンライトノベルにも掲載しております。

この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!

キムチ鍋
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。 だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。 「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」 そこからいろいろな人に愛されていく。 作者のキムチ鍋です! 不定期で投稿していきます‼️ 19時投稿です‼️

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

世界を救う予定の勇者様がモブの私に執着してくる

菱田もな
恋愛
小さな村の小さな道具屋で働くイリア。モブの村娘として、平凡な毎日を送っていたけれど、ある日突然世界を救う予定の勇者様が絡んできて…?

死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。

藤原遊
恋愛
「死ぬはずだった運命なんて、冒険者たちが全力で覆してくれる!」 街を守るために「死ぬ役目」を覚悟した私。 だけど、未来をやり直す彼らに溺愛されて、手放してくれません――!? 街を守り「死ぬ役目」に転生したスフィア。 彼女が覚悟を決めたその時――冒険者たちが全力で守り抜くと誓った! 未来を変えるため、スフィアを何度でも守る彼らの執着は止まらない!? 「君が笑っているだけでいい。それが、俺たちのすべてだ。」 運命に抗う冒険者たちが織り成す、異世界溺愛ファンタジー!

処理中です...