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第一章
翔子とハク様
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黙って話を聞いていた神主だったが、
「まぁ、翔子さんの身内がこの街に住んでいたかどうかは分からんな。でも、【天神】姓といい、ウロコがどんな形にせよ視えている事といい、白蛇神社の巫女の力はあるようじゃな」
と話しはじめた。それを聞いた翔子は神主に向かって
「あのっ、さっきからショウさんもカケルさんも【ウロコ】っておっしゃていましたが、【ウロコ】ってどういうことですか?これって花びらじゃないんですか?」
と自分が持っていた花びらを出しながら問いただした。
「うむ。翔子さんにはそれが花びらに視えていると。儂や孫たちには光の加減は違えど、それは光の玉に視えておる。翔子さんが手にしているソレは儂らは【ウロコ】と呼んでいて、その通りそのまま、竜神様の鱗なんじゃ」
「竜神様の鱗?」
「ふーむ……。では竜神様の話をしようかの。ちょっとお待ちくだされ……」
そういって神主は部屋から出て行ってしまった。数分して戻って来た神主の手元には鏡餅を乗せるような箱があった。
(あれって三方って言うんだっけ?確か儀式的な台だったような……。って事は神聖なものが乗っているのかも……)
と、ここでも本で手に入れた知識を役立てた翔子が身を乗り出して三方をのぞき込むと
「きゃっ、蛇っ」
そこには掌ほどの小ささの白い蛇が乗っていた。
「こちらがウチの神社でお祀りしている、白龍のハク様じゃ」
「ハク様って白蛇なんですか?」
「どれ、ハク様も視えているようじゃし翔子さんにハク様の話をしようかの」
事情を知っているカケルはお気に入りの昔話を聞くように、翔子は一生懸命話についていけるようにそれぞれ思い思いの気持ちで神主の話に聞き入った。
「まぁ、翔子さんの身内がこの街に住んでいたかどうかは分からんな。でも、【天神】姓といい、ウロコがどんな形にせよ視えている事といい、白蛇神社の巫女の力はあるようじゃな」
と話しはじめた。それを聞いた翔子は神主に向かって
「あのっ、さっきからショウさんもカケルさんも【ウロコ】っておっしゃていましたが、【ウロコ】ってどういうことですか?これって花びらじゃないんですか?」
と自分が持っていた花びらを出しながら問いただした。
「うむ。翔子さんにはそれが花びらに視えていると。儂や孫たちには光の加減は違えど、それは光の玉に視えておる。翔子さんが手にしているソレは儂らは【ウロコ】と呼んでいて、その通りそのまま、竜神様の鱗なんじゃ」
「竜神様の鱗?」
「ふーむ……。では竜神様の話をしようかの。ちょっとお待ちくだされ……」
そういって神主は部屋から出て行ってしまった。数分して戻って来た神主の手元には鏡餅を乗せるような箱があった。
(あれって三方って言うんだっけ?確か儀式的な台だったような……。って事は神聖なものが乗っているのかも……)
と、ここでも本で手に入れた知識を役立てた翔子が身を乗り出して三方をのぞき込むと
「きゃっ、蛇っ」
そこには掌ほどの小ささの白い蛇が乗っていた。
「こちらがウチの神社でお祀りしている、白龍のハク様じゃ」
「ハク様って白蛇なんですか?」
「どれ、ハク様も視えているようじゃし翔子さんにハク様の話をしようかの」
事情を知っているカケルはお気に入りの昔話を聞くように、翔子は一生懸命話についていけるようにそれぞれ思い思いの気持ちで神主の話に聞き入った。
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