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第十四章 蒼い灯火
間話1.あなたの体温
待ち構えていた宏太に背中から抱き締められてモゾモゾと腹を抱えるよう這う指に微かな息を呑んでしまう。滑る指の熱さに触れられた場所が反応して、肌に鳥肌のたつような快感が走るのに体を硬くすると直ぐに耳元に唇が近付く。
「……了……。」
チュと耳朶に口付けて、そのまま唇が耳朶を噛む。ところ構わず盛るなと何時も思うのに最近とみに宏太はこんなスキンシップが増えて、この間火傷した後からキッチンの中では早々手は出さないがキッチンから出るとこうして待ち構えて抱き締められる。しかも最初の頃のように激しくもないし乱暴でもない、優しくて穏やかで、それでも執拗に心地好い愛撫ばかり繰り返す。それが繰り返されるようになってきたのに、了は戸惑ってしまう。前みたいにいきなりがっつかれるのも困るが、こっちの方は何時までもジリジリと焦らされて、毎回最後に了の方が必死に強請る羽目になるのだ。それは実はとんでもなく恥ずかしい。
「や…………んっ……っ。」
自分だって耳が感じるのは知っているけど、宏太相手だと自分自身がこんなに感じさせられてしまう。耳だけで腰が抜ける程感じさせる方法って何なんだと呆れる位に、宏太に弄られ始めると気持ち良くなってしまうのだ。チュ……チュクと宏太の立てる淫らな濡れた音に腰の奥が熱くなって、抱き締められたままカクンと足から力が抜け落ちる。
「了……。」
「んっ……。」
抱きかかえられ耳元で囁き、耳朶を舐めたり噛まれたりして弄られるだけ。乳首も陰茎も尻すら触れられてないのに、抱きかかえられないと立っていられない程に気持ちいい。しかも時折低く甘く囁きかけてくるその吐息に、背筋がゾクゾクして余計に快感を煽る。
「了……、いい……か?」
「んぅっ……うっ……くっ。」
「いい声だ……、感じやすくなったんじゃねぇか?ん?」
熱くなって震えながら達してしまわないように唇を噛んで堪えようとすると、声を出せよと柔らかく低い掠れた声が囁き抱き上げた腰を自分の股間に押し付ける。ゴリ……と硬くなった宏太の股間を尻の谷間に押し付けられ揺らされるだけで、まるで女みたいに体の奥が疼いて大きく喉がなってしまう。それでも宏太に触れられ股間を押し付けられるだけでこんなに気持ちいいのに、宏太は全く容赦なくて何度も何度も焦らすみたいに耳を弄り続ける。
「んんっ……んくぅっ……っ!」
「ふふ、耳だけで、んな声だして……、イヤらしいな……了……。」
そう言いながら足の立たない了の体を抱き上げたかと思うと、アッサリとソファーで膝に抱えられたまま宏太に今度は唇を塞がれてしまう。大きな手で顎を捕らえられ上を向かされたまま、熱くて微かに湿った熱い唇を押し当てられ吐息ごと飲み込まれていく。歯列をなぞる舌のむず痒さに思わず口を開いた途端、舌ごと絡めとられてヌルヌルと撫で回される。逃げようにも力の抜けた体を抱きかかえた腕に全身を引き付けられ、しかも唾液ごと全てを拭いとられるみたいに口中を宏太が舐め掻き回す。
「んんぅ…………んふ……ふっ。」
チュクチュクと音を立てて舌を絡められ吸われながら、柔らかく噛まれるのに熱を持った自分の股間が痛いくらいに張り詰めている。腰の下の宏太の股間だって、自分より遥かに熱くて硬く突き上げているのを布越しに感じてしまう。それなのに依然としてもっと気持ち良くなる場所を何一つ触れてもらえないのに、了は腰が揺れて涙が滲む程焦れている。
「んぅんっ……んぅう……んふっ……ふぅっ……。」
「ん……なんだ?いきそうか?ん?」
低く甘く唇をほんの少しだけ離した宏太の嬉しそうな声に、意地が悪いと泣き出したくなる。触れて欲しいと強請らないと何時まで経っても、宏太はこれを繰り返すばかりで何度も何度も愛撫だけで了はいき続けてしまう。こんな風に焦らすようになったのは何でなんだよと問い詰めたいのに、気持ちよくて言葉にならないのだ。
「キスでいくなんて……全く困った奴だな……、ん……。」
「んんっうぅんっ!!」
舌を強く吸われて甘噛みされた途端に、痺れたような快感が走ってビクンと体が跳ねるのを抱き締め抑え込まれてしまう。以前は指や玩具を捩じ込まれたりガツガツと怒張で掻き回されて昇り詰め果てていたのに、こうして先に愛撫でグズグズにされてからセックスすると了には泣くしか出来なくなってしまっている。今までより丁寧で執拗で、宏太しか見えなくなる愛撫に蕩けるような快感。だけど強すぎて溺れてしまって、どんどん飲まれてしまう。
「も…………やぁ……んぅ……。」
「や、じゃねぇ……だろ?ん?……もっと……だろ?」
ヌチヌチとまた舌を絡められ抱き締められながら唇を塞がれ、それでもまだグチュグチュに濡れきっている股間にも硬くなって服に擦れている乳首にも宏太が触れない。触れて欲しいし、尻に擦り付けられる熱くて硬いものを疼いているところに埋めて欲しいのに。腰をどんなに揺らして宏太のものに擦り付けても、抱き締めたままで口付けられるだけでいかされて。
「やぁ……も、おれ、やぁ……はぅ…………んっ!」
「嫌がってる声じゃねぇな?……了……、ん。」
嫌なのは焦らされてる事なんだと言いたいのに、再び唇を奪われて愛撫を再開されてしまう。つい最近まで淫らな下着を履かされてこれを続けられた時は、正直おかしくなると何度叫びたかったか。恥ずかしがるのが良いと言われ視えないからって延々と撫で回されながらキスされて、それだけで何度もいかされるなんてマトモじゃない。
「こん、な、んんっ……んぅんっ。」
脱がして、触って、入れてと散々懇願しないとしてもらえない気持ちも少しは分かってくれと泣きそうになるのに、宏太の舌の愛撫が気持ちよ良すぎる。強い媚薬でも盛られて触れられているみたいに、頭の芯が快感に溶けてしまう。チュプと淫らな音を立ててやっと舌を抜かれた時には、二度目の絶頂に下着が張り付いて気持ちが悪い。
「も、やぁ……。」
「やじゃねぇ……気持ち良さそうに出してて。素直じゃねぇな……。」
泣きたいっ!いってるって分かってるなら焦らすな!そう言いたいのにグズグズにされて腰も腕も力が入らないし、宏太と来たら次に何をしようか本気でまだ続ける様子をしている。
「やだぁ……。」
「何でやだよ……こんなに漏らして……。」
スルリと服の上から撫でられるだけで、亀頭がジンッと痺れたように熱い。もっと直にと腰を揺らめかせても、触れて貰えないのがもどかしいと訴える視線に宏太は微かに眉を潜めるだけだ。
「こぉた……やだぁ、も。」
ハァと熱い息を吐いて切れ切れに訴える声を上げると、何でか宏太は動きを止めて考え込んでしまう。焦れてるのにと抱き締められながら必死に重い腕を上げてキツい前を寛げる音にやっと宏太が気がついた。バサバサと脱ぎ捨てる服の音に戸惑いの顔をする宏太の腕の中で、了は必死に体を起こして前をはだけながら膝に跨がると腰を擦り付けながら喘ぐ。
「こぉたぁ、も、むり……ぃ、さわ、……てぇ。」
「ん…………なんだ、……お前、やだって……。」
「はやく……ぅ、も、やぁ。」
脱ぎ捨てた下着の下の肉茎は熱に脈打っていて、ピンクの乳首だって硬く尖ったまま空気に触れるだけで痛いほどだ。ソロリと宏太の手が体を撫でてそれを確かめると、宏太の顔に微笑みが浮かぶ。その微笑みがどうしようもなく甘くて吸い寄せられるみたいに、了はその頬を両手で包んで唇を塞ぐと今度は了の方が舌を絡めてしまう。キスされながら性急に先を濡らした硬いものを取り出した宏太の動きに、了は舌を吸いながら興奮して震えてしまいそうだ。
「ん、……了……腰……。」
両手で腰を捕まれて引き寄せられ押し当てられ、やっと熱い宏太の怒張に満たして貰えると思ったのに何故か後孔に押し当てたまま腰が止められてしまう。腰を押し付けようにもガッチリと手が腰を掴んで、先を強請るのに自由にして貰えない。
「やぁ……っ、こぉた、な、んで。」
「了、ほら……自分の……触れ。」
何でこんな時に自分のものに?そう身悶えるが、柔らかい声でもう一度促されて仕方なしに了は自分のガチガチに反り返ったモノを握る。大人しく言うことを聞いている了の様子に、宏太はニヤッと意地悪く広角を上げて耳元に囁く。
「入れて欲しかったら、扱け。ほら……、音、一杯たててな?」
「なん、でぇ?」
「中に気持ちいいの欲しいんだろ?ん?扱いて、一回いったら……。」
そっと低いイヤらしい声で、嵌めてやると耳朶を舌で舐めながら宏太が言う。こんなに欲しくて焦らされているのに、鬼畜な事を平然と口にして既に期待でヒクヒクし続けている後孔に亀頭を押し当てられたまま。煮え滾るような欲情に震えながら了は言われるがままに、音を立てて逸物を扱き始めるしかない。
「あっ、ああっあっ、んっあっ!」
「いい声だ……可愛いな……、その声でいけそうだぞ?」
そんなことを言いながら熱く膨れた亀頭をグリグリと擦り付けられて、了の後孔が欲しがって開閉を繰り返して先端に吸い付く。それでも既に二度も射精してしまった為か上手く昇りきれない了が、悲鳴に似た声で喘ぎながらやっと必死に絶頂に震えた。その反応に絶頂を察した宏太の怒張が僅かに体内にめり込む。
「やぅっあっ!ああっ!あうぅっ、んんんっ!」
「ほら、続き。」
一度の絶頂では全部埋める気がなかった宏太に、ブルブルと快感に全身を震えさせながら了は再び手を動かし始める。グチュグチュと怒張を扱きながら酷いと頭の何処かでは思っているのに、宏太の柔らかく甘い声に支配されて更に深く埋めて貰うために必死で自慰に耽っていく。
「ん、はぁ!あはぅ!あん!んうううっ!ひぁっ!」
頭の中は酩酊して快感に惚けているのに、自慰をしながら後孔に次第に宏太の怒張を進められる快感に体が逆らえない。やがて全てを腹の中に納める頃には、吐精は当に出し尽くして吐き出せるのは透明な汁だけ。それを宏太の腹の上で、ビシャビシャに撒き散らしていた。肌と肌が密着しているのを感じるけど、もう快感で痺れた腰はピクリとも動かすことも出来ずに宏太の胸に縋りつく。
「了……、いきまくったな……?ん?気持ちいいか?」
「こぉ……たぁ……も、らめぇ、おれぇ…きもち、い、くて……こわれちゃ……、う。」
「壊れるのは困るな……もう、終わりたいか?ん?」
優しくそんなことを言いながら頭を撫でてくる宏太に、歓喜に惚けたまま了はそんなのやだと遂に泣き出す。蕩けてしまいすぎて、もう理性が働かない。埋め込まれた怒張にもっと激しく快感に押し上げて貰いたくて、了は腕を回して縋りつき腰を前後に揺すりながら宏太に強請る。
「やらぁ……おなか……なか、まだ、あったか、のぉ……ない……。」
「ふふ、可愛いお強請りだな?何が欲しい?ん?」
「なかぁ……こす、って、らしてぇ……こぉた、の。」
たくさんと呂律の回らない甘えた声で懇願する了に、宏太が嬉しそうに微笑むのが見えた。柔らかくて甘くて幸せそうな微笑みを浮かべる宏太を何度も目の前で見せられながら、何度も奥底に溢れるまで注ぎ込むために激しく怒張を突き上げられ貫かれる。どんな体位でも全身くまなく愛撫されながら、粘膜を熱い杭で擦りあげられて掻き回されるのに了は蕩けたまま喘ぐ。
「あっふあ!そ、こ、ああっ、やらぁ!い、くぅうん!ひぁっ!」
ゴリンッと気持ちいい場所が抉られ仰け反りながら悲鳴をあげるのに、宏太の手や指が体を這い全てを歓喜の声に変えてしまう。何度いってもその次が気持ちよくて、しかも次々と体が反応してしまって止まらない。
「あっ!ああ!こぉたあ!い、これぇ!あ、あ!」
「奥に響くか?ん?」
「あ、うぅん!ひ、あ、ああ!おく、らめ、ああ!そ、れいく!」
グッと両手で腰を捕まれ怒張を押し付けながら突き込まれると、目の奥がチカチカと瞬くように点滅している気がする。それなのに体内でグングン硬さを増して、その質量を増やしているような怒張の感触に呑まれて気持ちよくて仕方がない。腰が勝手にうねり押し付けられる怒張の先端が擦れて、快感に頭が真っ白になってしまう。
「こぉたぁ、これ、い、きもちい、あんっ!きもちい、よぉ!も、ああ!」
「ふ、ふふ……全く…………たまんねぇな……、そんな、イイか?ん?」
「い、きもちい、ああ、らめ、これ、も、ああっ!こぉたぁ!」
しがみついて必死に腰を揺する了に、耳元で宏太の吐息が熱をこもらせていく。荒くフゥッと熱くて甘い吐息を吐きながら了の腰にかかる手の温度が熱くて、了は身悶えながらヌチュヌチュと卑猥な音をたてて腰を擦り付ける。
「んあ、すき、こぉた、あ、こぉたぁ!」
「好きか?こうされるの?ん?」
「ちが、あ、こぉた、が、すき、ん、あ!すき。」
譫言のように舌の回らぬ言葉が何度も繰り返すのに、宏太が僅かに頬を染める。全く素直じゃないかと思えば、メロメロになった途端にこんな可愛いこと言い腰を振るなんて反則だろと内心思いながら口付けながら囁く。
「了……いいか……?……出すぞ?」
「ん、あっあああっ!っくうっ!!うううっ!」
ゴツンと奥に捩じ込まれ深くで大量に吐き出された精液の熱さに痙攣する了に、宏太は尚更心底に幸せそうに微笑みを浮かべて何度も口付けていた。
※※※
「だから……なんで怒ってんだ?気持ちよかったろ?ん?」
再び背後から抱き締められそう聞かれてもと不貞腐れている了は身を竦める。
いやだって言っても一向にネチコイ愛撫ばかりするし、結局最後までなし崩しにされてしまって足腰が立たないほどのセックス。了は結果的に毎回いきまくって、気を失う羽目になる。しかも最近の了と来たら愛撫が気持ち良すぎて酩酊しきってしまうと、少し記憶までとんでしまうのだ。その合間にとんでもなく恥ずかしい事を口にしている気がして、嫌なのに宏太にはそれが伝わらない。そんな訳で、こんな風に気持ちよかった癖にとなるのだ。
「そういう問題じゃねぇ。」
「だから、見えないんだから教えてくれないとわかんねぇだろ?」
確かに宏太は目が見えないから、了の反応は体温や声で判断するのは分かる。わかるけど最近何となく、全部分かってて計算ずくでやっている気がしなくもない。つまり快感に飲まれて酩酊する了の状態になる前に分かっていて何とか出来るものを、あえて追い込まれてグズグズにされてからセックスに雪崩れ込まれている気がする。抱き締められたまま不貞腐れる了を撫でながら、宏太が不思議そうになんだよ、言えよと繰り返す。
くそ、こんな風に強請るみたいに言うな!
こんな風に優しく撫でられながら説明しろと強請る低い掠れ声ですら、腰にジンと響くのは何でだろうか。ジタバタしても手は全く緩まなし、背中に当たる宏太の胸の感触や体温が心地よくて力が抜けてしまう。
「も、もぉ!ネチッこいんだよ!宏太はっ!」
その言葉に呆気にとられたようなのは何でだ。しかも、言われて宏太がショックを受けた顔をしてるのは、この異様な程の愛撫が宏太には今まで何も自覚がないということか?!と、逆に了の方がショックなくらいなのに。と思った瞬間、当の外崎宏太は真剣な声で、そんなことは初めて言われたと呆然と呟いた。
「……了……。」
チュと耳朶に口付けて、そのまま唇が耳朶を噛む。ところ構わず盛るなと何時も思うのに最近とみに宏太はこんなスキンシップが増えて、この間火傷した後からキッチンの中では早々手は出さないがキッチンから出るとこうして待ち構えて抱き締められる。しかも最初の頃のように激しくもないし乱暴でもない、優しくて穏やかで、それでも執拗に心地好い愛撫ばかり繰り返す。それが繰り返されるようになってきたのに、了は戸惑ってしまう。前みたいにいきなりがっつかれるのも困るが、こっちの方は何時までもジリジリと焦らされて、毎回最後に了の方が必死に強請る羽目になるのだ。それは実はとんでもなく恥ずかしい。
「や…………んっ……っ。」
自分だって耳が感じるのは知っているけど、宏太相手だと自分自身がこんなに感じさせられてしまう。耳だけで腰が抜ける程感じさせる方法って何なんだと呆れる位に、宏太に弄られ始めると気持ち良くなってしまうのだ。チュ……チュクと宏太の立てる淫らな濡れた音に腰の奥が熱くなって、抱き締められたままカクンと足から力が抜け落ちる。
「了……。」
「んっ……。」
抱きかかえられ耳元で囁き、耳朶を舐めたり噛まれたりして弄られるだけ。乳首も陰茎も尻すら触れられてないのに、抱きかかえられないと立っていられない程に気持ちいい。しかも時折低く甘く囁きかけてくるその吐息に、背筋がゾクゾクして余計に快感を煽る。
「了……、いい……か?」
「んぅっ……うっ……くっ。」
「いい声だ……、感じやすくなったんじゃねぇか?ん?」
熱くなって震えながら達してしまわないように唇を噛んで堪えようとすると、声を出せよと柔らかく低い掠れた声が囁き抱き上げた腰を自分の股間に押し付ける。ゴリ……と硬くなった宏太の股間を尻の谷間に押し付けられ揺らされるだけで、まるで女みたいに体の奥が疼いて大きく喉がなってしまう。それでも宏太に触れられ股間を押し付けられるだけでこんなに気持ちいいのに、宏太は全く容赦なくて何度も何度も焦らすみたいに耳を弄り続ける。
「んんっ……んくぅっ……っ!」
「ふふ、耳だけで、んな声だして……、イヤらしいな……了……。」
そう言いながら足の立たない了の体を抱き上げたかと思うと、アッサリとソファーで膝に抱えられたまま宏太に今度は唇を塞がれてしまう。大きな手で顎を捕らえられ上を向かされたまま、熱くて微かに湿った熱い唇を押し当てられ吐息ごと飲み込まれていく。歯列をなぞる舌のむず痒さに思わず口を開いた途端、舌ごと絡めとられてヌルヌルと撫で回される。逃げようにも力の抜けた体を抱きかかえた腕に全身を引き付けられ、しかも唾液ごと全てを拭いとられるみたいに口中を宏太が舐め掻き回す。
「んんぅ…………んふ……ふっ。」
チュクチュクと音を立てて舌を絡められ吸われながら、柔らかく噛まれるのに熱を持った自分の股間が痛いくらいに張り詰めている。腰の下の宏太の股間だって、自分より遥かに熱くて硬く突き上げているのを布越しに感じてしまう。それなのに依然としてもっと気持ち良くなる場所を何一つ触れてもらえないのに、了は腰が揺れて涙が滲む程焦れている。
「んぅんっ……んぅう……んふっ……ふぅっ……。」
「ん……なんだ?いきそうか?ん?」
低く甘く唇をほんの少しだけ離した宏太の嬉しそうな声に、意地が悪いと泣き出したくなる。触れて欲しいと強請らないと何時まで経っても、宏太はこれを繰り返すばかりで何度も何度も愛撫だけで了はいき続けてしまう。こんな風に焦らすようになったのは何でなんだよと問い詰めたいのに、気持ちよくて言葉にならないのだ。
「キスでいくなんて……全く困った奴だな……、ん……。」
「んんっうぅんっ!!」
舌を強く吸われて甘噛みされた途端に、痺れたような快感が走ってビクンと体が跳ねるのを抱き締め抑え込まれてしまう。以前は指や玩具を捩じ込まれたりガツガツと怒張で掻き回されて昇り詰め果てていたのに、こうして先に愛撫でグズグズにされてからセックスすると了には泣くしか出来なくなってしまっている。今までより丁寧で執拗で、宏太しか見えなくなる愛撫に蕩けるような快感。だけど強すぎて溺れてしまって、どんどん飲まれてしまう。
「も…………やぁ……んぅ……。」
「や、じゃねぇ……だろ?ん?……もっと……だろ?」
ヌチヌチとまた舌を絡められ抱き締められながら唇を塞がれ、それでもまだグチュグチュに濡れきっている股間にも硬くなって服に擦れている乳首にも宏太が触れない。触れて欲しいし、尻に擦り付けられる熱くて硬いものを疼いているところに埋めて欲しいのに。腰をどんなに揺らして宏太のものに擦り付けても、抱き締めたままで口付けられるだけでいかされて。
「やぁ……も、おれ、やぁ……はぅ…………んっ!」
「嫌がってる声じゃねぇな?……了……、ん。」
嫌なのは焦らされてる事なんだと言いたいのに、再び唇を奪われて愛撫を再開されてしまう。つい最近まで淫らな下着を履かされてこれを続けられた時は、正直おかしくなると何度叫びたかったか。恥ずかしがるのが良いと言われ視えないからって延々と撫で回されながらキスされて、それだけで何度もいかされるなんてマトモじゃない。
「こん、な、んんっ……んぅんっ。」
脱がして、触って、入れてと散々懇願しないとしてもらえない気持ちも少しは分かってくれと泣きそうになるのに、宏太の舌の愛撫が気持ちよ良すぎる。強い媚薬でも盛られて触れられているみたいに、頭の芯が快感に溶けてしまう。チュプと淫らな音を立ててやっと舌を抜かれた時には、二度目の絶頂に下着が張り付いて気持ちが悪い。
「も、やぁ……。」
「やじゃねぇ……気持ち良さそうに出してて。素直じゃねぇな……。」
泣きたいっ!いってるって分かってるなら焦らすな!そう言いたいのにグズグズにされて腰も腕も力が入らないし、宏太と来たら次に何をしようか本気でまだ続ける様子をしている。
「やだぁ……。」
「何でやだよ……こんなに漏らして……。」
スルリと服の上から撫でられるだけで、亀頭がジンッと痺れたように熱い。もっと直にと腰を揺らめかせても、触れて貰えないのがもどかしいと訴える視線に宏太は微かに眉を潜めるだけだ。
「こぉた……やだぁ、も。」
ハァと熱い息を吐いて切れ切れに訴える声を上げると、何でか宏太は動きを止めて考え込んでしまう。焦れてるのにと抱き締められながら必死に重い腕を上げてキツい前を寛げる音にやっと宏太が気がついた。バサバサと脱ぎ捨てる服の音に戸惑いの顔をする宏太の腕の中で、了は必死に体を起こして前をはだけながら膝に跨がると腰を擦り付けながら喘ぐ。
「こぉたぁ、も、むり……ぃ、さわ、……てぇ。」
「ん…………なんだ、……お前、やだって……。」
「はやく……ぅ、も、やぁ。」
脱ぎ捨てた下着の下の肉茎は熱に脈打っていて、ピンクの乳首だって硬く尖ったまま空気に触れるだけで痛いほどだ。ソロリと宏太の手が体を撫でてそれを確かめると、宏太の顔に微笑みが浮かぶ。その微笑みがどうしようもなく甘くて吸い寄せられるみたいに、了はその頬を両手で包んで唇を塞ぐと今度は了の方が舌を絡めてしまう。キスされながら性急に先を濡らした硬いものを取り出した宏太の動きに、了は舌を吸いながら興奮して震えてしまいそうだ。
「ん、……了……腰……。」
両手で腰を捕まれて引き寄せられ押し当てられ、やっと熱い宏太の怒張に満たして貰えると思ったのに何故か後孔に押し当てたまま腰が止められてしまう。腰を押し付けようにもガッチリと手が腰を掴んで、先を強請るのに自由にして貰えない。
「やぁ……っ、こぉた、な、んで。」
「了、ほら……自分の……触れ。」
何でこんな時に自分のものに?そう身悶えるが、柔らかい声でもう一度促されて仕方なしに了は自分のガチガチに反り返ったモノを握る。大人しく言うことを聞いている了の様子に、宏太はニヤッと意地悪く広角を上げて耳元に囁く。
「入れて欲しかったら、扱け。ほら……、音、一杯たててな?」
「なん、でぇ?」
「中に気持ちいいの欲しいんだろ?ん?扱いて、一回いったら……。」
そっと低いイヤらしい声で、嵌めてやると耳朶を舌で舐めながら宏太が言う。こんなに欲しくて焦らされているのに、鬼畜な事を平然と口にして既に期待でヒクヒクし続けている後孔に亀頭を押し当てられたまま。煮え滾るような欲情に震えながら了は言われるがままに、音を立てて逸物を扱き始めるしかない。
「あっ、ああっあっ、んっあっ!」
「いい声だ……可愛いな……、その声でいけそうだぞ?」
そんなことを言いながら熱く膨れた亀頭をグリグリと擦り付けられて、了の後孔が欲しがって開閉を繰り返して先端に吸い付く。それでも既に二度も射精してしまった為か上手く昇りきれない了が、悲鳴に似た声で喘ぎながらやっと必死に絶頂に震えた。その反応に絶頂を察した宏太の怒張が僅かに体内にめり込む。
「やぅっあっ!ああっ!あうぅっ、んんんっ!」
「ほら、続き。」
一度の絶頂では全部埋める気がなかった宏太に、ブルブルと快感に全身を震えさせながら了は再び手を動かし始める。グチュグチュと怒張を扱きながら酷いと頭の何処かでは思っているのに、宏太の柔らかく甘い声に支配されて更に深く埋めて貰うために必死で自慰に耽っていく。
「ん、はぁ!あはぅ!あん!んうううっ!ひぁっ!」
頭の中は酩酊して快感に惚けているのに、自慰をしながら後孔に次第に宏太の怒張を進められる快感に体が逆らえない。やがて全てを腹の中に納める頃には、吐精は当に出し尽くして吐き出せるのは透明な汁だけ。それを宏太の腹の上で、ビシャビシャに撒き散らしていた。肌と肌が密着しているのを感じるけど、もう快感で痺れた腰はピクリとも動かすことも出来ずに宏太の胸に縋りつく。
「了……、いきまくったな……?ん?気持ちいいか?」
「こぉ……たぁ……も、らめぇ、おれぇ…きもち、い、くて……こわれちゃ……、う。」
「壊れるのは困るな……もう、終わりたいか?ん?」
優しくそんなことを言いながら頭を撫でてくる宏太に、歓喜に惚けたまま了はそんなのやだと遂に泣き出す。蕩けてしまいすぎて、もう理性が働かない。埋め込まれた怒張にもっと激しく快感に押し上げて貰いたくて、了は腕を回して縋りつき腰を前後に揺すりながら宏太に強請る。
「やらぁ……おなか……なか、まだ、あったか、のぉ……ない……。」
「ふふ、可愛いお強請りだな?何が欲しい?ん?」
「なかぁ……こす、って、らしてぇ……こぉた、の。」
たくさんと呂律の回らない甘えた声で懇願する了に、宏太が嬉しそうに微笑むのが見えた。柔らかくて甘くて幸せそうな微笑みを浮かべる宏太を何度も目の前で見せられながら、何度も奥底に溢れるまで注ぎ込むために激しく怒張を突き上げられ貫かれる。どんな体位でも全身くまなく愛撫されながら、粘膜を熱い杭で擦りあげられて掻き回されるのに了は蕩けたまま喘ぐ。
「あっふあ!そ、こ、ああっ、やらぁ!い、くぅうん!ひぁっ!」
ゴリンッと気持ちいい場所が抉られ仰け反りながら悲鳴をあげるのに、宏太の手や指が体を這い全てを歓喜の声に変えてしまう。何度いってもその次が気持ちよくて、しかも次々と体が反応してしまって止まらない。
「あっ!ああ!こぉたあ!い、これぇ!あ、あ!」
「奥に響くか?ん?」
「あ、うぅん!ひ、あ、ああ!おく、らめ、ああ!そ、れいく!」
グッと両手で腰を捕まれ怒張を押し付けながら突き込まれると、目の奥がチカチカと瞬くように点滅している気がする。それなのに体内でグングン硬さを増して、その質量を増やしているような怒張の感触に呑まれて気持ちよくて仕方がない。腰が勝手にうねり押し付けられる怒張の先端が擦れて、快感に頭が真っ白になってしまう。
「こぉたぁ、これ、い、きもちい、あんっ!きもちい、よぉ!も、ああ!」
「ふ、ふふ……全く…………たまんねぇな……、そんな、イイか?ん?」
「い、きもちい、ああ、らめ、これ、も、ああっ!こぉたぁ!」
しがみついて必死に腰を揺する了に、耳元で宏太の吐息が熱をこもらせていく。荒くフゥッと熱くて甘い吐息を吐きながら了の腰にかかる手の温度が熱くて、了は身悶えながらヌチュヌチュと卑猥な音をたてて腰を擦り付ける。
「んあ、すき、こぉた、あ、こぉたぁ!」
「好きか?こうされるの?ん?」
「ちが、あ、こぉた、が、すき、ん、あ!すき。」
譫言のように舌の回らぬ言葉が何度も繰り返すのに、宏太が僅かに頬を染める。全く素直じゃないかと思えば、メロメロになった途端にこんな可愛いこと言い腰を振るなんて反則だろと内心思いながら口付けながら囁く。
「了……いいか……?……出すぞ?」
「ん、あっあああっ!っくうっ!!うううっ!」
ゴツンと奥に捩じ込まれ深くで大量に吐き出された精液の熱さに痙攣する了に、宏太は尚更心底に幸せそうに微笑みを浮かべて何度も口付けていた。
※※※
「だから……なんで怒ってんだ?気持ちよかったろ?ん?」
再び背後から抱き締められそう聞かれてもと不貞腐れている了は身を竦める。
いやだって言っても一向にネチコイ愛撫ばかりするし、結局最後までなし崩しにされてしまって足腰が立たないほどのセックス。了は結果的に毎回いきまくって、気を失う羽目になる。しかも最近の了と来たら愛撫が気持ち良すぎて酩酊しきってしまうと、少し記憶までとんでしまうのだ。その合間にとんでもなく恥ずかしい事を口にしている気がして、嫌なのに宏太にはそれが伝わらない。そんな訳で、こんな風に気持ちよかった癖にとなるのだ。
「そういう問題じゃねぇ。」
「だから、見えないんだから教えてくれないとわかんねぇだろ?」
確かに宏太は目が見えないから、了の反応は体温や声で判断するのは分かる。わかるけど最近何となく、全部分かってて計算ずくでやっている気がしなくもない。つまり快感に飲まれて酩酊する了の状態になる前に分かっていて何とか出来るものを、あえて追い込まれてグズグズにされてからセックスに雪崩れ込まれている気がする。抱き締められたまま不貞腐れる了を撫でながら、宏太が不思議そうになんだよ、言えよと繰り返す。
くそ、こんな風に強請るみたいに言うな!
こんな風に優しく撫でられながら説明しろと強請る低い掠れ声ですら、腰にジンと響くのは何でだろうか。ジタバタしても手は全く緩まなし、背中に当たる宏太の胸の感触や体温が心地よくて力が抜けてしまう。
「も、もぉ!ネチッこいんだよ!宏太はっ!」
その言葉に呆気にとられたようなのは何でだ。しかも、言われて宏太がショックを受けた顔をしてるのは、この異様な程の愛撫が宏太には今まで何も自覚がないということか?!と、逆に了の方がショックなくらいなのに。と思った瞬間、当の外崎宏太は真剣な声で、そんなことは初めて言われたと呆然と呟いた。
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