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りんぐ
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何とかリングという物は知らないが、リングというからには「輪」なのだろう。
輪の使い道は狭い。手首や足首に嵌めての拘束が主だろう。だが、俺はもう拘束されているからそれは除外される。
となるとリングが付けられる場所は二つ。舌と性器だ。
ピアスを開けたいという意味ならその限りでもないが。
「で、どう使うんです? 気持ちいいんでしょうね」
「なんか偉そうだなぁ……」
「…………もう我慢出来ません。してください、ユキ様」
仕方なく媚を売る。この後に「これでいいか」と言ったら台無しだ、気をつけよう。
「うん、合格。じゃあ付けるね……ってズボン邪魔! どうしよ……あ、もう切っちゃっていいかな?」
「ユキ様が持ってきた服ですし……お好きにどうぞ」
鋏の刃同士が擦れ合う特有の音。太腿に触れる冷たい金属。それは俺の恐怖心を煽った。スラックスを俺の性器の周りだけ切り取ると、雪兎は俺の太腿を撫でながら言った。
「うわ……なんて言うか、ここだけ見えてるのすごい……えっち。もうそういうことする為だけの服じゃん」
「誰がしたんですか」
「僕だよ。でも、うん。手は後ろで、足は開いたままで、目は隠されて、服はちゃんと着てたのにここだけ切られちゃって……」
雪兎はそう言うと俺の性器に手を添え、優しく擦った。
微かな刺激にも俺の身体は跳ね上がり、声を漏らした。
勃ち始めたそれの根元に硬いものが触れ、パチンと音が響いて留まる。
「んっ……ぁ、あの、これは?」
「これが……えっと、こっくりんぐ」
「キツイんですけど。まさかまた出させない気ですか? やめてくださいよ……」
「えー、ぱんぱんに膨らませて、だらしない顔して、出したい出したいって言ってるポチ好きなのに」
「なら……とか言うと思いました? ユキ様も一度出せない苦しみを味わったらいいんです! そうすりゃこんな真似できなっ、んっ!? ちょ……いましゃべって、ぇ、んっ……」
裏筋を指先でつうとなぞられ、俺の反論は中断される。
「ポチ言ったよね? 僕にポチが嫌がることはできないって。僕にされたらみーんな気持ちいいんだよね? そうだよね?」
次に雪兎はリングに手を這わせる。留め具を掴み、ぐりぐりと回そうとする。
だが、射精を止めるほどにくい込んだリングはそう簡単には動かない。リングは回らず俺の陰茎が捻られる。
「これさ、内側にトゲトゲ付いてるよね? 固めのゴム製のやつ。どんな感じなの?」
「はっ……ぁ、あ…………いた、くて」
「痛くて?」
「出せないの、もどかしくってぇ」
「うんうん。それで?」
「どんどんっ、たまって、ぇ、苦しく……なってきた」
リングの内側に付いた突起がリングが回らない一番の理由だ。それを知っているのに、雪兎はリングを回そうと動かす。
「あれ、ちょっと出てるよ?」
雪兎の指先が亀頭に触れる。どうやら雪兎がリングを無理に動かしたせいで少しだけ出たらしい。
目隠しをされているから、その液体が先走りの半透明のものなのか白濁としたものなのかは分からない。
俺に分かるのは雪兎がその液体を塗り広げるように俺の陰茎を扱き始めたという事だけだ。
いつもならそう大声を出すものでもないが、薬で敏感になった身体はいつも以上の快感を覚える。
「ふっ……は、ゃだ……あっ、あっ、ああっ、やぁ……」
「何がやなの? 気持ちいいんでしょ?」
「いつもよりぃっ……きもち、いいから、それがっ……ぁ、こわいっ」
「怖い? なんで?」
俺はその質問に答えなかった。
何が怖いのかよく分からない──未知の感覚を不安に思うのだろうとは推測は出来るが、俺自身が何を感じているのか明確に言葉に出来なかった。だから、でもあるのだが一番大きな理由は、快感で呼吸が乱れてまともに話せなくなったからだ。
雪兎は答えを返さない事を不満に思うことなく、身を捩らせて喘ぐ俺の頬にキスをしてくれた。
輪の使い道は狭い。手首や足首に嵌めての拘束が主だろう。だが、俺はもう拘束されているからそれは除外される。
となるとリングが付けられる場所は二つ。舌と性器だ。
ピアスを開けたいという意味ならその限りでもないが。
「で、どう使うんです? 気持ちいいんでしょうね」
「なんか偉そうだなぁ……」
「…………もう我慢出来ません。してください、ユキ様」
仕方なく媚を売る。この後に「これでいいか」と言ったら台無しだ、気をつけよう。
「うん、合格。じゃあ付けるね……ってズボン邪魔! どうしよ……あ、もう切っちゃっていいかな?」
「ユキ様が持ってきた服ですし……お好きにどうぞ」
鋏の刃同士が擦れ合う特有の音。太腿に触れる冷たい金属。それは俺の恐怖心を煽った。スラックスを俺の性器の周りだけ切り取ると、雪兎は俺の太腿を撫でながら言った。
「うわ……なんて言うか、ここだけ見えてるのすごい……えっち。もうそういうことする為だけの服じゃん」
「誰がしたんですか」
「僕だよ。でも、うん。手は後ろで、足は開いたままで、目は隠されて、服はちゃんと着てたのにここだけ切られちゃって……」
雪兎はそう言うと俺の性器に手を添え、優しく擦った。
微かな刺激にも俺の身体は跳ね上がり、声を漏らした。
勃ち始めたそれの根元に硬いものが触れ、パチンと音が響いて留まる。
「んっ……ぁ、あの、これは?」
「これが……えっと、こっくりんぐ」
「キツイんですけど。まさかまた出させない気ですか? やめてくださいよ……」
「えー、ぱんぱんに膨らませて、だらしない顔して、出したい出したいって言ってるポチ好きなのに」
「なら……とか言うと思いました? ユキ様も一度出せない苦しみを味わったらいいんです! そうすりゃこんな真似できなっ、んっ!? ちょ……いましゃべって、ぇ、んっ……」
裏筋を指先でつうとなぞられ、俺の反論は中断される。
「ポチ言ったよね? 僕にポチが嫌がることはできないって。僕にされたらみーんな気持ちいいんだよね? そうだよね?」
次に雪兎はリングに手を這わせる。留め具を掴み、ぐりぐりと回そうとする。
だが、射精を止めるほどにくい込んだリングはそう簡単には動かない。リングは回らず俺の陰茎が捻られる。
「これさ、内側にトゲトゲ付いてるよね? 固めのゴム製のやつ。どんな感じなの?」
「はっ……ぁ、あ…………いた、くて」
「痛くて?」
「出せないの、もどかしくってぇ」
「うんうん。それで?」
「どんどんっ、たまって、ぇ、苦しく……なってきた」
リングの内側に付いた突起がリングが回らない一番の理由だ。それを知っているのに、雪兎はリングを回そうと動かす。
「あれ、ちょっと出てるよ?」
雪兎の指先が亀頭に触れる。どうやら雪兎がリングを無理に動かしたせいで少しだけ出たらしい。
目隠しをされているから、その液体が先走りの半透明のものなのか白濁としたものなのかは分からない。
俺に分かるのは雪兎がその液体を塗り広げるように俺の陰茎を扱き始めたという事だけだ。
いつもならそう大声を出すものでもないが、薬で敏感になった身体はいつも以上の快感を覚える。
「ふっ……は、ゃだ……あっ、あっ、ああっ、やぁ……」
「何がやなの? 気持ちいいんでしょ?」
「いつもよりぃっ……きもち、いいから、それがっ……ぁ、こわいっ」
「怖い? なんで?」
俺はその質問に答えなかった。
何が怖いのかよく分からない──未知の感覚を不安に思うのだろうとは推測は出来るが、俺自身が何を感じているのか明確に言葉に出来なかった。だから、でもあるのだが一番大きな理由は、快感で呼吸が乱れてまともに話せなくなったからだ。
雪兎は答えを返さない事を不満に思うことなく、身を捩らせて喘ぐ俺の頬にキスをしてくれた。
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