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うぇっとすーつ、ろく
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雪兎は電話相手と楽しそうに話している。俺もたまにしか見ない無邪気な満面の笑み……相手には見えないのに、純粋に会話を楽しんで笑っている。
「ユキ様、誰と話してるんです?」
嫉妬心が込み上げて、雪兎を後ろから抱き締める。答えはなく、あしらうように腕をぽんぽんと撫でられた。
その対応は俺に悪戯心を湧かせた。雪兎が着ているラッシュガードは上下が分かれている、重なっていて隙間は見えないが、普通のシャツとズボンのように中に手を入れられるのだ。
「……ちょっ! ポチ! 何してっ……」
ぴったりと引っ付いていたラッシュガードと身体の隙間に無理矢理手を押し込んで、胸元を撫で回し陰茎を握る。先程出した精液が手に絡み、扱き始めるとぐちゅぐちゅと音が鳴った。
「ぁ、あっ……ダメ、今敏感なのっ……」
「その割に俺の腕引っ張ってません? 何か今日のユキ様は甘えん坊ですね」
「ポチのバカぁっ……」
身体をもたれさせ、手を引っ張り、「ダメ」とは言っても「やめろ」とは言わない。つまり──
「もっとして欲しいんですね?」
携帯を押し付けた方の耳に囁くと、雪兎は小さく頷いた。
「なら通話切った方がいいんじゃないですか? 聞かれちゃいますよ。そんな可愛い声、俺以外に聞かせないでくださいよ」
胸元を愛撫していた方の手を抜き、雪兎から携帯を奪い取って肩と側頭部で挟み、また手をラッシュガードの中に戻す。
「すいませんね、ユキ様喋れなくなっちゃいまして。用事なら俺が聞きますよ、美少年の喘ぎ声でシコってないなら仰ってください」
『…………流石に息子の声じゃ抜けないな。可能不可能で言えば可能だが……良識的に、な』
「……えっ」
『でもお前の声なら罪悪感なく抜けるな、気にせず言葉責めしてくれ。ユキなら俺のあだ名でもある』
相手の名前を見ることも聞くこともなく察してしまい、手に力が入ってそのまま硬直してしまう。
「ポチ……? 止めないでぇ、もっとぉ……」
雪兎の甘えた声も耳に入らない。
『ほーら、犬、続けてやれよ。可愛いご主人様がおねだりしてるぞ?』
「…………雪風様でいらっしゃいますか」
『あぁ、雪風様だ』
「………………ごめんなさい」
『はぁ? 何が。いいから続けろ、スケジュール真っ黒なんだよ。一人で抜く時間なんかそうそう無い、旅行中に電話かけるって約束したからな……その時間に抜けるなら効率的だ。ほら、ネタ提供しろよ』
無茶を言うな。萎えるだとか興が削がれるなんて理由以前に、父親が聞いている前で息子を喘がせるなんて……
「ポチ、ポチぃ……ねぇ、早くぅ」
雪兎は俺の太腿に腰を擦り付け、必死に上を向いて俺を見つめようとする。
「ユキ様……」
強く握ってしまっていた力のまま、ゆっくりと扱く。
「あっ……ぁ、ぅんっ……もっとぉ」
「…………本当、今日は素直ですね。可愛いですよ? ぁ、いつもは可愛くないってわけじゃないんですけどね」
珍しい、いや、旅行中二度目の主導権譲渡。きっと帰ってからはこんな頻繁に任せてはくれない、旅行中だからこその行動だ。
そんな機会をくだらない理由で潰してしまう訳にはいかない。
「ユキ様、誰と話してるんです?」
嫉妬心が込み上げて、雪兎を後ろから抱き締める。答えはなく、あしらうように腕をぽんぽんと撫でられた。
その対応は俺に悪戯心を湧かせた。雪兎が着ているラッシュガードは上下が分かれている、重なっていて隙間は見えないが、普通のシャツとズボンのように中に手を入れられるのだ。
「……ちょっ! ポチ! 何してっ……」
ぴったりと引っ付いていたラッシュガードと身体の隙間に無理矢理手を押し込んで、胸元を撫で回し陰茎を握る。先程出した精液が手に絡み、扱き始めるとぐちゅぐちゅと音が鳴った。
「ぁ、あっ……ダメ、今敏感なのっ……」
「その割に俺の腕引っ張ってません? 何か今日のユキ様は甘えん坊ですね」
「ポチのバカぁっ……」
身体をもたれさせ、手を引っ張り、「ダメ」とは言っても「やめろ」とは言わない。つまり──
「もっとして欲しいんですね?」
携帯を押し付けた方の耳に囁くと、雪兎は小さく頷いた。
「なら通話切った方がいいんじゃないですか? 聞かれちゃいますよ。そんな可愛い声、俺以外に聞かせないでくださいよ」
胸元を愛撫していた方の手を抜き、雪兎から携帯を奪い取って肩と側頭部で挟み、また手をラッシュガードの中に戻す。
「すいませんね、ユキ様喋れなくなっちゃいまして。用事なら俺が聞きますよ、美少年の喘ぎ声でシコってないなら仰ってください」
『…………流石に息子の声じゃ抜けないな。可能不可能で言えば可能だが……良識的に、な』
「……えっ」
『でもお前の声なら罪悪感なく抜けるな、気にせず言葉責めしてくれ。ユキなら俺のあだ名でもある』
相手の名前を見ることも聞くこともなく察してしまい、手に力が入ってそのまま硬直してしまう。
「ポチ……? 止めないでぇ、もっとぉ……」
雪兎の甘えた声も耳に入らない。
『ほーら、犬、続けてやれよ。可愛いご主人様がおねだりしてるぞ?』
「…………雪風様でいらっしゃいますか」
『あぁ、雪風様だ』
「………………ごめんなさい」
『はぁ? 何が。いいから続けろ、スケジュール真っ黒なんだよ。一人で抜く時間なんかそうそう無い、旅行中に電話かけるって約束したからな……その時間に抜けるなら効率的だ。ほら、ネタ提供しろよ』
無茶を言うな。萎えるだとか興が削がれるなんて理由以前に、父親が聞いている前で息子を喘がせるなんて……
「ポチ、ポチぃ……ねぇ、早くぅ」
雪兎は俺の太腿に腰を擦り付け、必死に上を向いて俺を見つめようとする。
「ユキ様……」
強く握ってしまっていた力のまま、ゆっくりと扱く。
「あっ……ぁ、ぅんっ……もっとぉ」
「…………本当、今日は素直ですね。可愛いですよ? ぁ、いつもは可愛くないってわけじゃないんですけどね」
珍しい、いや、旅行中二度目の主導権譲渡。きっと帰ってからはこんな頻繁に任せてはくれない、旅行中だからこその行動だ。
そんな機会をくだらない理由で潰してしまう訳にはいかない。
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