俺の名前は今日からポチです

ムーン

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さんにんでゆうはん、さん

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バイブの振動は中程度だろうか。それでも正座してくねった腸壁を抉り快感を与えるのには十分過ぎる振動だ。
頭を机に打ち付けてしまいそうなので行儀が悪いと分かっていながらも頬杖をつき、口を押さえる。

「んっ、ゔぅうっ……くぅううっ……!」

激しい凹凸に腸壁を削るように擦られ、食事どころか水すら満足に飲めない。

「そうだ、雪風、お盆休みって何日あるの?」

「四日……だな」

「……え、じゃあ今日もう帰らなきゃじゃないの?」

「明日の朝急いで帰るつもりだ、お前らはどうする?」

重要な話をされても参加できないどころか喘ぎ声で邪魔してしまう。

「ゃ……あぁっ、ユキ様っ、ユキ様ぁ、これ止めてっ……」

「ヘリしばらく使わせてもらえなさそうだし、船乗りたいし、僕も帰るよ。いいよね、ポチ」

「はいっ……ぁ、いゃっ……その前にっ、これ止めてぇ……」

「ダメだよ、ポチは夕飯中に動かしてもいいからってお願いしたんでしょ」

雪兎の肩にすがりついても聞いてもらえず、一際大きな快楽の波が来て口を強く押さえる。

「……さっきからなんだよ、ちゃんと声聞かせろよ真尋」

しかし雪風に手を口から剥がされ、甘えた悲鳴を上げてしまう。

「あっ、んっ……ゔぅうっ、ぅあぁっ! はぁっ……やぁ、やらぁっ……」

「口閉じるなって」

「ゆきっ、かぜ……がぁ、話してたっ、からぁ……」

快楽のあまり口が緩んでいるのか、口の端からたらたらと唾液が零れる。雪風はその唾液を舌で拭い、半開きの口を更に開くように親指を押し込んだ。

「んっ、んぐぅっ、ふぅうっ……」

「子供が変な遠慮するな、好きなようにやれよ」

「……じゃあ、好きなようにやるね」

「んっ……!? ぅあぁああっ!? あっ、ゃっ…………イくっ、ィくぅうっ!」

振動が最大にまで引き上げられ、絶頂の寸前まで押し上げられていた俺は簡単に果てた。しかし雪風の指を口内から追い出しても、身体を反らせて悶えても、振動が止まる訳ではない。

「や、ぁああんっ! やらぁっ……止めっ、とめてぇっ……イったばっか、イったばっかだからっ……」

「お前に好きにしろって言ったつもりじゃなかったんだけどな、ユキ。だが、むしろいい、胸のも動かせよ」

雪風が背後に居るせいで畳に倒れてしまえない。ずっと正座をすることになってしまっているからバイブが前立腺に押し付けられたままズラせない。せめて身体を伸ばせたなら腸壁をここまで抉られなくて済むのに。

「やぁんっ! 雪風っ……ひぁっ! やっ……今、胸らめぇっ……! イくっ、から……胸で、イっちゃうからぁっ!」

胸に取り付けられたローターを服の上から乳首を押し潰すように弄られ、先端が更に硬く膨らんでいく。

「さっきと同じってのも芸がないな……そうだ、ユキ、一旦全部振動弱めろ」

胸のローターと後孔のバイブの振動が弱まで下がり、呼吸を整える余裕が手に入る。

「何するの?」

「そうだな……タコの刺身食わせろ」

雪兎がタコの刺身を箸で摘み、醤油を僅かにつけて俺の口内に放り込む。ようやく夕飯にありつけた。

「真尋、真尋、どうだ? 美味いか? ちょっと指で撫で回されただけで簡単にイっちまう舌にタコ絡ませて、気持ちいいか?」

低く甘い声が耳元から頭の中心に響いていく。絶頂の寸前で止められていた身体が疼き、カクカクと腰を揺らす。

「タコはよく噛まないとな? ほら、くちゃくちゃ……しっかり噛めよ? 噛めば噛むほど上顎や舌の感度は上がる。奥歯で噛めば頬の内側に触るよな? 擽ったい感じだろ? それも気持ちいいんだよな」

ただ刺身を食べているだけのはずなのに脳の中心を揺さぶる声のせいで変な気分になっていく。耳への快感も相まって敏感になった口内が刺身に擽ったさを覚える。

「指に触られただけでイく舌とかもう性器だよな? そんな性器で刺身転がしてみろよ、気持ちいいだろ? 食べてるだけなのに気持ちいいんだろ? なぁ? ま、ひ、ろ?」

耳に息を吹きかけられ、興奮が最高潮に達する。息が荒くなるのは、感じてしまっているのは、咀嚼に快楽を覚えているのではなく、耳への刺激からだ、そうでなければ俺はもう食事すらまともにできない。

「ほら真尋、食べてるだけで感じる淫乱になったな?」

雪風は雪兎に手招きをし、自分が唇を当てている俺の耳とは反対の耳に囁くよう示した。

「ポチ、ご飯食べるだけでイっちゃう変態になるの?」

分かっていても雪兎の声にも感じてしまう。

「イけよ、真尋、ほらイけ」
「ポチ……イって」

両側から囁かれては快楽の逃げ場がない。これは耳でも口でもない、脳だ、脳への快楽と脳による絶頂だ。

「……まさか上手くいくとは思わなかった」

「すごいねポチ……ご飯食べてイっちゃってたら、痩せちゃいそう……この先大丈夫かな」

咀嚼による快感が直接の原因でなくとも咀嚼で快感を覚えていたことや咀嚼中に絶頂したことは事実だ、この記憶はきっと俺の中で条件付けられ、咀嚼の度に快楽を思い出すだろう。そうなったらもう俺に人間らしくいられる時間なんてなくなってしまう。
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