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幼馴染との新婚風デートを楽しんでみた
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部屋に戻ってコーヒーを飲むレンを眺める。幼馴染の贔屓目や、恋ゆえの盲目などではなく、レンは正真正銘の美少女なのだ。今回のナンパで証明されたレンの可愛さに何故か俺が鼻高々になっていた。
「はぁ……彼氏らしく追っ払えなかったなぁ」
レンの可愛さには鼻が高いが、自分の不甲斐なさには落ち込んでいる。プラマイゼロ、いやマイナスの方が少し大きい。
「仕方ありませんよ。アイツらがしつこかったんです、普通なら追い払えてましたよ。カッコよかったです」
「レンも俺は最後決めらんないヤツだって言ってたじゃん」
「そこが可愛いって言いましたよ。そうやってぐちぐち落ち込むところも可愛いです」
レンは趣味が悪い。最後が決まらないのも、終わってからしばらく引きずるのも、男としてどころか人間として嫌なヤツの特徴じゃないか。
「……レンってやっぱ可愛いんだよな。ナンパされるくらいには」
「ナンパってギリギリイケそうな可愛めのブサイク狙うイメージあります、屈辱ですよ」
「えぇ? 可愛い子にダメ元で声かけるんじゃないの?」
「可愛い子に声かける時はキャブオーバーが傍に、なーんてねっ」
「そのジョークはブラック過ぎる……」
俺はレンが可愛いからダメ元で声をかけたのだと思っているし、それを改める気もない。レンは可愛いのだ。
「なんかもうレンの方がカッコよかったよ。あ、そうだ忘れてた、アイツらなんで動かなくなってたんだ?」
「金縛りです。だいたい十分くらいで解けますよ、多分」
「あぁ、金縛り……なるほど。持続時間十分なんだアレ」
「私のさじ加減次第です」
「へー、すごいなぁ。喧嘩とか絶対負けないよ」
純粋な気持ちで褒めていたが、レンは少し嘲るような笑顔を浮かべた。すぐに喧嘩を繋げる短絡的なところが面白かったのだろうか?
「生霊として肉体から霊体を全て抜かなくても、腕一本だけ抜く……なんてことが出来るようになってきてます」
レンの左腕がだらんと垂れ下がり、透けた左腕がゆらりと持ち上がる。
「喧嘩なんてしなくても、相手の心臓握り潰せばいいんですよ」
「能力バトルものの悪役じゃん……ってか殺人じゃん! 怖い冗談やめてくれよ……」
「ふふっ、そうですね。流石にそんな握力はありませんよ、でも血管詰まらせるくらいは余裕ですし、突然の病死とかで片付きますよ?」
「……怖い冗談、やめてくれよ。レン、表情誤魔化すの上手いからさっ、本気で言ってんのかって勘違いしちゃうんだよ。マジで怖いって」
「…………やだ、ノゾムさん。私が殺人を犯すような悪いヤツだって言うんですか? ふふ……ひっどぉーい」
ようやく冗談だと分かりやすい笑顔になってくれた。表情や声色を作るのが上手なレンの嘘や冗談は俺には見破れない、今のようなネタばらしは今後も忘れないで欲しいものだ。
「あ、お昼ご飯来ましたよ」
「俺が出るよ」
昼食として注文したクリームパスタを俺の前に、ラザニアをレンの前に置く。オレンジ色の照明で茶髪の美しさを増したレンを見ながら、濃厚なクリームパスタを楽しむ。
「んー……! 美味しい。ノゾムさんのパスタはどうですか? 一口ずつ交換しましょう」
「あ、うん……じゃあ、あーん」
小さな口を大きく開けたレンの顔はいつまでも見ていたくなる可愛いものだったが、我慢して一口のパスタを放り込んだ。美味しいと頬を緩めた彼からのおすそ分けをいただき、久しぶりのラザニアに舌鼓を打った。
「ん、こっちも美味い」
「でしょう? 頼んで正解です」
美味しそうにラザニアを頬張るレン。その横顔を見ながら俺はナンパされていた時の彼の表情を思い出す。俺に助けを求めたあの目は確かに潤み、怯えを孕んで震えていた。
「……なぁ、レン。ナンパされた時さ、正直……どうだった?」
「私がナンパされて浮かれてたって言いたいんですか?」
「ち、違う違う……怖がってた顔してたけどさ、レンって表情誤魔化すの上手いし……結局、レン一人で対処出来た感じだったしさ」
「……急に背の高い男の人二人に囲まれたんですから、怖がるのが女の子です……それじゃダメですか?」
ナンパ男の無遠慮な肩組みを再現するようにレンの肩を抱く。
「俺は男らしいレンも好きだよ。ただ、本当に怖がってたならちゃんとケアしなきゃなって思ってるだけだ」
「ふふっ……そうですね、声をかけられた瞬間は……さっきも言った通りナンパは微妙なブサイクにするイメージがあるので屈辱的でした。でも、嬉しかった。キターって思いました」
「やっぱり嬉しいんだ……」
ショックだ。俺に一途なレンのことだから他の男からの評価なんてどうでもいいと一蹴すると思っていた。
「はい。嬉しかった……これで夢の「ナンパされた私を助けに来たあなたが「誰に声掛けてるんだ、そいつは俺の女だぞ」ってカッコよく啖呵を切る姿」を見られると思うとゾクゾクしましたよ」
「……ん? あ、ナンパされたことは嬉しくないんだ」
「言ったじゃないですか。あんなクズ共に「イケる」と思われるレベルの女にしかなれていなかったなんて……アイツらだけでなく自分にもムカつきますよ。しかもアイツらもちのものの身体に触りやがってクソムカつく」
「レ、レン? それ俺の腕……」
レンは肩を抱く俺の腕をぎゅうっと握り締める。そして、頭を擦り寄せる。
「……言うまでもなく上書きしてくれるんですよね、ノゾムさんって。ふふっ、私が肩抱かれたのに嫉妬とかしてくれたんですか? だとしたら嬉しいです」
「あ、あぁうん、ムカついたよ。俺のレンに何してんだーって」
「ふふふ……ええ、本当。私はあなただけのものなのに……困っちゃいますよね」
「う、うん……レンは俺のものだってのにな」
独占欲ではなく──被独占欲とでも言うべきか? レンは俺から独占欲を向けられるのが好きなようで、何度も言わせてはニコニコと楽しそうに笑っている。
「……なぁ、レン」
「なんですか?」
「…………俺いっぱい浮気してるし、それ直す気もないからさ、俺が独占欲出すようなの……なんか違うよなって思ってたんだけど、レンが喜んでくれるなら素直になるよ」
「ええ、そうしてください、旦那様」
ちゅ、と柔らかい唇が頬に触れた。突然の頬へのキスに顔が熱くなってしまう。
「……っ、レン!」
唇へのキスをしたくなってレンに対して正面を向くと、顎を掴まれて口の横をれろんと舐められた。
「クリームついてましたよ。ふふっ……ノゾムさんったら可愛いです。力強く名前呼んじゃって、どうかしたんですか?」
「……なんでもないです」
クリームパスタを食べて口を汚すなんて幼児みたいな真似をしておいて、平気な顔でキスをするような図太さなんて俺にはない。
「腹ごしらえも住みましたし、どんどん歌いましょう」
「うん……」
「デュエット曲やりましょうよ」
「……がんばる」
恥ずかしさを抱えたままマイクを持ち、歌詞表示とレンを交互に見る。レンは歌詞を覚えているらしく俺をじっと見つめている。
「楽しいですね」
「う、うん……」
間奏中の無邪気な微笑みに俺はきっと、耳まで真っ赤になってしまっただろう。
昼食の後、五時間くらいは歌っただろうか? レパートリーは尽きたし喉も痛い。そろそろ出ようかと話し合い、カラオケを後にした。
「夕飯の買い物をしたいので、スーパーに寄りませんか?」
「あぁ、うん。行こうか」
「夫婦の休日のお出かけって感じになっちゃいましたね」
「新婚のデートだよ、俺の可愛いお嫁さん」
「……ふふふっ」
恥ずかしさを押し殺して額にキスをしてみたが、成功してよかった。カッコつけるのも大変だ。
「ねぇノゾムさん、ナンパされてた時のことなんですけど……私、ちゃんと女の子に見えて、私達、ちゃんと恋人同士に見えて、それが証明されたことも私とても嬉しかったんですよ」
「……そっか。そればっかりは、俺が何言ってもダメだもんな」
「極論言えばあなた以外の人間からの評価なんてどうでもいいんですけど……でも、やっぱり…………ふふっ、私ノゾムさんのお嫁さんになれてますねっ」
「うん、俺にはもったいないくらい、可愛いお嫁さんだよ」
男女のカップルに見られている今なら路上だろうとキスが出来る。そんな自分の卑怯な積極性が、レンとのキスの最中なのに浮かれられないくらいに嫌いだ。
「はぁ……彼氏らしく追っ払えなかったなぁ」
レンの可愛さには鼻が高いが、自分の不甲斐なさには落ち込んでいる。プラマイゼロ、いやマイナスの方が少し大きい。
「仕方ありませんよ。アイツらがしつこかったんです、普通なら追い払えてましたよ。カッコよかったです」
「レンも俺は最後決めらんないヤツだって言ってたじゃん」
「そこが可愛いって言いましたよ。そうやってぐちぐち落ち込むところも可愛いです」
レンは趣味が悪い。最後が決まらないのも、終わってからしばらく引きずるのも、男としてどころか人間として嫌なヤツの特徴じゃないか。
「……レンってやっぱ可愛いんだよな。ナンパされるくらいには」
「ナンパってギリギリイケそうな可愛めのブサイク狙うイメージあります、屈辱ですよ」
「えぇ? 可愛い子にダメ元で声かけるんじゃないの?」
「可愛い子に声かける時はキャブオーバーが傍に、なーんてねっ」
「そのジョークはブラック過ぎる……」
俺はレンが可愛いからダメ元で声をかけたのだと思っているし、それを改める気もない。レンは可愛いのだ。
「なんかもうレンの方がカッコよかったよ。あ、そうだ忘れてた、アイツらなんで動かなくなってたんだ?」
「金縛りです。だいたい十分くらいで解けますよ、多分」
「あぁ、金縛り……なるほど。持続時間十分なんだアレ」
「私のさじ加減次第です」
「へー、すごいなぁ。喧嘩とか絶対負けないよ」
純粋な気持ちで褒めていたが、レンは少し嘲るような笑顔を浮かべた。すぐに喧嘩を繋げる短絡的なところが面白かったのだろうか?
「生霊として肉体から霊体を全て抜かなくても、腕一本だけ抜く……なんてことが出来るようになってきてます」
レンの左腕がだらんと垂れ下がり、透けた左腕がゆらりと持ち上がる。
「喧嘩なんてしなくても、相手の心臓握り潰せばいいんですよ」
「能力バトルものの悪役じゃん……ってか殺人じゃん! 怖い冗談やめてくれよ……」
「ふふっ、そうですね。流石にそんな握力はありませんよ、でも血管詰まらせるくらいは余裕ですし、突然の病死とかで片付きますよ?」
「……怖い冗談、やめてくれよ。レン、表情誤魔化すの上手いからさっ、本気で言ってんのかって勘違いしちゃうんだよ。マジで怖いって」
「…………やだ、ノゾムさん。私が殺人を犯すような悪いヤツだって言うんですか? ふふ……ひっどぉーい」
ようやく冗談だと分かりやすい笑顔になってくれた。表情や声色を作るのが上手なレンの嘘や冗談は俺には見破れない、今のようなネタばらしは今後も忘れないで欲しいものだ。
「あ、お昼ご飯来ましたよ」
「俺が出るよ」
昼食として注文したクリームパスタを俺の前に、ラザニアをレンの前に置く。オレンジ色の照明で茶髪の美しさを増したレンを見ながら、濃厚なクリームパスタを楽しむ。
「んー……! 美味しい。ノゾムさんのパスタはどうですか? 一口ずつ交換しましょう」
「あ、うん……じゃあ、あーん」
小さな口を大きく開けたレンの顔はいつまでも見ていたくなる可愛いものだったが、我慢して一口のパスタを放り込んだ。美味しいと頬を緩めた彼からのおすそ分けをいただき、久しぶりのラザニアに舌鼓を打った。
「ん、こっちも美味い」
「でしょう? 頼んで正解です」
美味しそうにラザニアを頬張るレン。その横顔を見ながら俺はナンパされていた時の彼の表情を思い出す。俺に助けを求めたあの目は確かに潤み、怯えを孕んで震えていた。
「……なぁ、レン。ナンパされた時さ、正直……どうだった?」
「私がナンパされて浮かれてたって言いたいんですか?」
「ち、違う違う……怖がってた顔してたけどさ、レンって表情誤魔化すの上手いし……結局、レン一人で対処出来た感じだったしさ」
「……急に背の高い男の人二人に囲まれたんですから、怖がるのが女の子です……それじゃダメですか?」
ナンパ男の無遠慮な肩組みを再現するようにレンの肩を抱く。
「俺は男らしいレンも好きだよ。ただ、本当に怖がってたならちゃんとケアしなきゃなって思ってるだけだ」
「ふふっ……そうですね、声をかけられた瞬間は……さっきも言った通りナンパは微妙なブサイクにするイメージがあるので屈辱的でした。でも、嬉しかった。キターって思いました」
「やっぱり嬉しいんだ……」
ショックだ。俺に一途なレンのことだから他の男からの評価なんてどうでもいいと一蹴すると思っていた。
「はい。嬉しかった……これで夢の「ナンパされた私を助けに来たあなたが「誰に声掛けてるんだ、そいつは俺の女だぞ」ってカッコよく啖呵を切る姿」を見られると思うとゾクゾクしましたよ」
「……ん? あ、ナンパされたことは嬉しくないんだ」
「言ったじゃないですか。あんなクズ共に「イケる」と思われるレベルの女にしかなれていなかったなんて……アイツらだけでなく自分にもムカつきますよ。しかもアイツらもちのものの身体に触りやがってクソムカつく」
「レ、レン? それ俺の腕……」
レンは肩を抱く俺の腕をぎゅうっと握り締める。そして、頭を擦り寄せる。
「……言うまでもなく上書きしてくれるんですよね、ノゾムさんって。ふふっ、私が肩抱かれたのに嫉妬とかしてくれたんですか? だとしたら嬉しいです」
「あ、あぁうん、ムカついたよ。俺のレンに何してんだーって」
「ふふふ……ええ、本当。私はあなただけのものなのに……困っちゃいますよね」
「う、うん……レンは俺のものだってのにな」
独占欲ではなく──被独占欲とでも言うべきか? レンは俺から独占欲を向けられるのが好きなようで、何度も言わせてはニコニコと楽しそうに笑っている。
「……なぁ、レン」
「なんですか?」
「…………俺いっぱい浮気してるし、それ直す気もないからさ、俺が独占欲出すようなの……なんか違うよなって思ってたんだけど、レンが喜んでくれるなら素直になるよ」
「ええ、そうしてください、旦那様」
ちゅ、と柔らかい唇が頬に触れた。突然の頬へのキスに顔が熱くなってしまう。
「……っ、レン!」
唇へのキスをしたくなってレンに対して正面を向くと、顎を掴まれて口の横をれろんと舐められた。
「クリームついてましたよ。ふふっ……ノゾムさんったら可愛いです。力強く名前呼んじゃって、どうかしたんですか?」
「……なんでもないです」
クリームパスタを食べて口を汚すなんて幼児みたいな真似をしておいて、平気な顔でキスをするような図太さなんて俺にはない。
「腹ごしらえも住みましたし、どんどん歌いましょう」
「うん……」
「デュエット曲やりましょうよ」
「……がんばる」
恥ずかしさを抱えたままマイクを持ち、歌詞表示とレンを交互に見る。レンは歌詞を覚えているらしく俺をじっと見つめている。
「楽しいですね」
「う、うん……」
間奏中の無邪気な微笑みに俺はきっと、耳まで真っ赤になってしまっただろう。
昼食の後、五時間くらいは歌っただろうか? レパートリーは尽きたし喉も痛い。そろそろ出ようかと話し合い、カラオケを後にした。
「夕飯の買い物をしたいので、スーパーに寄りませんか?」
「あぁ、うん。行こうか」
「夫婦の休日のお出かけって感じになっちゃいましたね」
「新婚のデートだよ、俺の可愛いお嫁さん」
「……ふふふっ」
恥ずかしさを押し殺して額にキスをしてみたが、成功してよかった。カッコつけるのも大変だ。
「ねぇノゾムさん、ナンパされてた時のことなんですけど……私、ちゃんと女の子に見えて、私達、ちゃんと恋人同士に見えて、それが証明されたことも私とても嬉しかったんですよ」
「……そっか。そればっかりは、俺が何言ってもダメだもんな」
「極論言えばあなた以外の人間からの評価なんてどうでもいいんですけど……でも、やっぱり…………ふふっ、私ノゾムさんのお嫁さんになれてますねっ」
「うん、俺にはもったいないくらい、可愛いお嫁さんだよ」
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