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教え子を家に連れ帰りたかった
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ファミレスでの夕飯を終え、根野の勃起をフェラで鎮めてやろうとしたのに何故か駐車場で半青姦に至ってしまった。
根野の陰茎が抜かれても下半身を車の外へ放り出したまま、車の中へ戻れずにいるとティッシュらしきものが後孔に押し当てられた。
「ひぅっ……!」
「ノゾム、立てる? 支えてあげるから僕にもたれて」
「ぅん……」
根野の腕が腹に回り、無理矢理起こされる。絶頂の余韻で震える足に可能な限り力を込め、背後の根野に身を任せ、どうにか立つことが出来た。
「ティッシュ押さえてて」
後孔に押し当てられていたティッシュを自らの手で教えると、根野は持っていた箱ティッシュから何枚もティッシュを引っ張り出してシートカバーを拭いた。
「……ごめんねセンセ、座席汚して」
「いいよ、帰ったら剥がして洗濯機に入れとくから」
「その前に手洗いした方がいいんじゃないかな……」
意外なことに180センチ越えの根野や二メートルの大台に乗っているセンパイのせいで相対的に平均値にされているが、俺は174センチとクラスでは背が高い方だ。そんな俺を平気で支える根野には男らしさを覚えてキュンとするし、俺が汚したシートカバーを拭いてくれている珍しい優しさにもときめいた。
「んっ……何? ノゾム」
ときめきのままに根野に頬を擦り寄せ、続けて頬へのバードキスを繰り返すと根野はきょとんとした顔で俺を見つめた。
「…………センセ、すき」
「ふふっ、なぁにもう、嬉しいなぁ。ほら、ある程度拭いたから座って」
ティッシュを尻に挟んだまま下着とジーンズを履き直し、助手席に座る。このジーンズは洗濯機に突っ込む前に尻の辺りを見ておいた方がいいかもな。
「考えたんだけどさノゾム、僕の外出許可って今日だけのものなんだよ」
「うん……? 何を考えたの?」
「ノゾム、明日この大荷物持って電車で帰るのかーって。僕は明日は車で送ってあげたり出来ないんだよ」
「あー……そう、だね。どうしよう……帰る時間、電車混むしなぁ……」
腹いせに買い漁った水族館の土産はとても多い。俺の胴ほどの体積の袋が二つあるのだ、それに俺自身の荷物とイルカのサプライズプレゼントも加わるとかなりの大荷物になる。
「この量は乗車拒否されるレベルだよね」
もちろん本当に乗車拒否されることはありえないけど、乗客に突き飛ばされて追い出されたりは普通にありそうで怖い。
「帰る前にノゾムの家に寄ろうか。荷物だけ置いて来るんだよ。そんなに遠回りじゃないし……どうかな?」
「それいいかも」
そう言った直後、じゃあ俺はセックスするためだけに根野の家に行くのか? 朝になったらすぐ帰るのに、夜の数時間だけを過ごしに? と冷静に考えてしまった。
「ノゾムの家は……えっと……」
ナビを弄る横顔を見ながら、母が居なければ自宅に根野を連れ込んでヤればいいだけなのになとため息をついた。
一時間ほどのドライブの末、自宅に到着。荷物を置いたらまた数時間かけて根野の家に……そこで数時間セックスして、また数時間かけてここに戻ってくる……嫌なわけじゃない、根野と体を重ねたい思いはある。でも数時間のセックスのために同じくらいの時間を移動に費やすとなると、複雑な気持ちになる。
「よいしょっと……じゃあ、センセ、俺荷物家に置いてくるから」
「一人で大丈夫?」
「母さんがセンセ見たら色々ややこしくなるじゃん。ここで待ってて」
根野を待たせてコソコソと自室にお土産を運び込む。母は今入浴中のようだ、見つからずに出ていけそうで安心した──のも束の間、スマホが鳴る。
「もしもし、月乃宮です」
『こんばんは。犬です』
賢い犬だなぁ……じゃなくて、センパイの従兄だ。
「お兄さん、どうかしたんですか?」
『今帰ってきましたよね?』
「ぁ、はい……でも根野センち行くんで、すぐ出ますよ」
どうして帰宅が分かったんだ? またレンの家に居るのか? だとしても根野の車は室内に届くような音は立てないぞ。
『そうですか、家に帰らず如月様の家に泊まった方がいいかと呼ぼうと思ったんですが、余計なお世話でしたかね』
「……なんでレンの家に泊まった方がいいんです?」
俺の家が火事になる予知夢でも見たのかと不安になり、追求する。
『今日の祓いで如月様が怪我をしまして、日常生活に支障がありそうなのであなたが居た方がいいと思ったんですよ』
「は……!? 怪我!? 日常生活に支障って、レンは大丈夫……祓いで怪我って、祓いって幽霊とか退治するアレですよね!? お兄さんも社長さんもついてたんですよね! なんでレンがそんな怪我するんですか!」
『今日はちょっと強いとこ行って……でも、訓練通りにしてれば……如月様がボーッとしていなければ怪我なんてしないはずでした』
「レンが怪我したのはレンのせいだって言うんですか!? 危険な場所に高校生連れ回しておいて怪我したら自己責任って! ふざけんなよ!」
『俺は客観的に怪我の原因を話しただけです、あなたが「なんで」と聞きましたから。責任の所在の話なんてしていませんよ』
日常生活に支障をきたすほどの怪我をしたレンを放って根野の家になんて行けない。ドジなミチには任せられないし、社長は従兄に押し付けるに決まっているし、その従兄も信用に値するかと言われると困るところだ。
「すぐ行きます。レンにもそう言っておいてください」
通話を切って自宅を飛び出す。助手席の扉を開け、乗らずに根野と話す。
「センセっ!」
「おかえりノゾム、早く乗りなよ」
「あの、あのねセンセっ、怪我……ぁ、えっと、か、母さんが……そう、母さんが怪我してて、家事とか……世話とか、してあげなきゃいけないから……今日は、その、やっぱりごめん」
「…………は? 何それ」
怪我をしたのはレンだと正直に言える訳がないから母ということにしたが、根野の表情は険しい。
「僕とお母さんどっちが大事なの?」
「センセの方が好きだけど……セックスするために家行こってのと、怪我してるから世話してあげなきゃってのは、別だよ」
「……っ!」
根野は強く握り締めた拳を振り上げる。一発くらいは我慢しようと目を閉じたが、いつまで経っても殴られず恐る恐る目を開けると、根野は握っていた左手を開いて薬指の指輪を見つめていた。
「センセ……」
助手席側から話しかけてよかった。俺を殴ろうとしたのが右手だったら指輪を見て怒りが鎮まるなんてことにはならなかったかもしれない。
「…………なんで僕、今ノゾムのこと殴ろうとしたの?」
「へっ……? そ、そりゃ……仕方ないよ、ドタキャンした俺が悪いんだし……殴っていいよ?」
「……殴られる痛さも、好きな人に殴られる悲しさも、知ってるのに…………なんで、あの人と同じこと……僕、は……」
水族館で俺を殴った後の号泣謝罪を思い出し、根野が過去の自分と現在の俺を重ねることで暴力の虚しさを気付いたのだと俺はようやく理解した。
「……………………もういいよ、分かった、君はお母さんを大事にするといい。ばいばい」
「センセっ、俺来週絶対センセのとこ行くしその時には約束通り俺を好きにしてくれていいからっ……だからっ、拗ねないでね!」
エンジンがかかって車体が震える。根野は鬱憤を晴らすようにアクセルを踏み込む。俺はまだ助手席に手をついたままだ、ドアも開いたままなのに車は走り出した。
「ぅわっ……!? ちょっ、センセぇっ!」
車に引っ張られるように数歩走ったが、何とか離れられた。しかし転んで膝を強打し、腕を擦りむいてしまった。
「痛ぁ……」
上体を起こすと車内から腕を伸ばして根野が助手席の扉を閉めており、彼は転んだ俺に声掛けすらせず走り去った。
「ぅうぅ……センセのバカ」
一発殴られた方がマシだったなと思いながら立ち上がり、フラフラと自宅に戻った。
根野の陰茎が抜かれても下半身を車の外へ放り出したまま、車の中へ戻れずにいるとティッシュらしきものが後孔に押し当てられた。
「ひぅっ……!」
「ノゾム、立てる? 支えてあげるから僕にもたれて」
「ぅん……」
根野の腕が腹に回り、無理矢理起こされる。絶頂の余韻で震える足に可能な限り力を込め、背後の根野に身を任せ、どうにか立つことが出来た。
「ティッシュ押さえてて」
後孔に押し当てられていたティッシュを自らの手で教えると、根野は持っていた箱ティッシュから何枚もティッシュを引っ張り出してシートカバーを拭いた。
「……ごめんねセンセ、座席汚して」
「いいよ、帰ったら剥がして洗濯機に入れとくから」
「その前に手洗いした方がいいんじゃないかな……」
意外なことに180センチ越えの根野や二メートルの大台に乗っているセンパイのせいで相対的に平均値にされているが、俺は174センチとクラスでは背が高い方だ。そんな俺を平気で支える根野には男らしさを覚えてキュンとするし、俺が汚したシートカバーを拭いてくれている珍しい優しさにもときめいた。
「んっ……何? ノゾム」
ときめきのままに根野に頬を擦り寄せ、続けて頬へのバードキスを繰り返すと根野はきょとんとした顔で俺を見つめた。
「…………センセ、すき」
「ふふっ、なぁにもう、嬉しいなぁ。ほら、ある程度拭いたから座って」
ティッシュを尻に挟んだまま下着とジーンズを履き直し、助手席に座る。このジーンズは洗濯機に突っ込む前に尻の辺りを見ておいた方がいいかもな。
「考えたんだけどさノゾム、僕の外出許可って今日だけのものなんだよ」
「うん……? 何を考えたの?」
「ノゾム、明日この大荷物持って電車で帰るのかーって。僕は明日は車で送ってあげたり出来ないんだよ」
「あー……そう、だね。どうしよう……帰る時間、電車混むしなぁ……」
腹いせに買い漁った水族館の土産はとても多い。俺の胴ほどの体積の袋が二つあるのだ、それに俺自身の荷物とイルカのサプライズプレゼントも加わるとかなりの大荷物になる。
「この量は乗車拒否されるレベルだよね」
もちろん本当に乗車拒否されることはありえないけど、乗客に突き飛ばされて追い出されたりは普通にありそうで怖い。
「帰る前にノゾムの家に寄ろうか。荷物だけ置いて来るんだよ。そんなに遠回りじゃないし……どうかな?」
「それいいかも」
そう言った直後、じゃあ俺はセックスするためだけに根野の家に行くのか? 朝になったらすぐ帰るのに、夜の数時間だけを過ごしに? と冷静に考えてしまった。
「ノゾムの家は……えっと……」
ナビを弄る横顔を見ながら、母が居なければ自宅に根野を連れ込んでヤればいいだけなのになとため息をついた。
一時間ほどのドライブの末、自宅に到着。荷物を置いたらまた数時間かけて根野の家に……そこで数時間セックスして、また数時間かけてここに戻ってくる……嫌なわけじゃない、根野と体を重ねたい思いはある。でも数時間のセックスのために同じくらいの時間を移動に費やすとなると、複雑な気持ちになる。
「よいしょっと……じゃあ、センセ、俺荷物家に置いてくるから」
「一人で大丈夫?」
「母さんがセンセ見たら色々ややこしくなるじゃん。ここで待ってて」
根野を待たせてコソコソと自室にお土産を運び込む。母は今入浴中のようだ、見つからずに出ていけそうで安心した──のも束の間、スマホが鳴る。
「もしもし、月乃宮です」
『こんばんは。犬です』
賢い犬だなぁ……じゃなくて、センパイの従兄だ。
「お兄さん、どうかしたんですか?」
『今帰ってきましたよね?』
「ぁ、はい……でも根野センち行くんで、すぐ出ますよ」
どうして帰宅が分かったんだ? またレンの家に居るのか? だとしても根野の車は室内に届くような音は立てないぞ。
『そうですか、家に帰らず如月様の家に泊まった方がいいかと呼ぼうと思ったんですが、余計なお世話でしたかね』
「……なんでレンの家に泊まった方がいいんです?」
俺の家が火事になる予知夢でも見たのかと不安になり、追求する。
『今日の祓いで如月様が怪我をしまして、日常生活に支障がありそうなのであなたが居た方がいいと思ったんですよ』
「は……!? 怪我!? 日常生活に支障って、レンは大丈夫……祓いで怪我って、祓いって幽霊とか退治するアレですよね!? お兄さんも社長さんもついてたんですよね! なんでレンがそんな怪我するんですか!」
『今日はちょっと強いとこ行って……でも、訓練通りにしてれば……如月様がボーッとしていなければ怪我なんてしないはずでした』
「レンが怪我したのはレンのせいだって言うんですか!? 危険な場所に高校生連れ回しておいて怪我したら自己責任って! ふざけんなよ!」
『俺は客観的に怪我の原因を話しただけです、あなたが「なんで」と聞きましたから。責任の所在の話なんてしていませんよ』
日常生活に支障をきたすほどの怪我をしたレンを放って根野の家になんて行けない。ドジなミチには任せられないし、社長は従兄に押し付けるに決まっているし、その従兄も信用に値するかと言われると困るところだ。
「すぐ行きます。レンにもそう言っておいてください」
通話を切って自宅を飛び出す。助手席の扉を開け、乗らずに根野と話す。
「センセっ!」
「おかえりノゾム、早く乗りなよ」
「あの、あのねセンセっ、怪我……ぁ、えっと、か、母さんが……そう、母さんが怪我してて、家事とか……世話とか、してあげなきゃいけないから……今日は、その、やっぱりごめん」
「…………は? 何それ」
怪我をしたのはレンだと正直に言える訳がないから母ということにしたが、根野の表情は険しい。
「僕とお母さんどっちが大事なの?」
「センセの方が好きだけど……セックスするために家行こってのと、怪我してるから世話してあげなきゃってのは、別だよ」
「……っ!」
根野は強く握り締めた拳を振り上げる。一発くらいは我慢しようと目を閉じたが、いつまで経っても殴られず恐る恐る目を開けると、根野は握っていた左手を開いて薬指の指輪を見つめていた。
「センセ……」
助手席側から話しかけてよかった。俺を殴ろうとしたのが右手だったら指輪を見て怒りが鎮まるなんてことにはならなかったかもしれない。
「…………なんで僕、今ノゾムのこと殴ろうとしたの?」
「へっ……? そ、そりゃ……仕方ないよ、ドタキャンした俺が悪いんだし……殴っていいよ?」
「……殴られる痛さも、好きな人に殴られる悲しさも、知ってるのに…………なんで、あの人と同じこと……僕、は……」
水族館で俺を殴った後の号泣謝罪を思い出し、根野が過去の自分と現在の俺を重ねることで暴力の虚しさを気付いたのだと俺はようやく理解した。
「……………………もういいよ、分かった、君はお母さんを大事にするといい。ばいばい」
「センセっ、俺来週絶対センセのとこ行くしその時には約束通り俺を好きにしてくれていいからっ……だからっ、拗ねないでね!」
エンジンがかかって車体が震える。根野は鬱憤を晴らすようにアクセルを踏み込む。俺はまだ助手席に手をついたままだ、ドアも開いたままなのに車は走り出した。
「ぅわっ……!? ちょっ、センセぇっ!」
車に引っ張られるように数歩走ったが、何とか離れられた。しかし転んで膝を強打し、腕を擦りむいてしまった。
「痛ぁ……」
上体を起こすと車内から腕を伸ばして根野が助手席の扉を閉めており、彼は転んだ俺に声掛けすらせず走り去った。
「ぅうぅ……センセのバカ」
一発殴られた方がマシだったなと思いながら立ち上がり、フラフラと自宅に戻った。
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