過労死で異世界転生したのですがサキュバス好きを神様に勘違いされ総受けインキュバスにされてしまいました

ムーン

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卵があるかもしれないし

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シャルに後孔をねぶり倒されて何度か絶頂を迎え、彼が離れた後、射精は出来ない陰茎をぷるんと揺らして起き上がる。

「ご満足いただけましたか? 兄さん」

「まぁ……」

後孔の縁がふやけるほどに吸われ、ほぐれきった腸壁が痺れるほどに舐められた。服を整えた今もズボンの下で後孔に違和感がある。

「射精出来ないと、やっぱり……なんか」

「出しちゃったらお腹すくんですから、贅沢言っちゃダメですよ」

「……うん。お尻気持ちよかったし、満足したよ。ありがとうなシャル」

少し褒めるだけでシャルは満面の笑みを浮かべる。可愛い弟にキスしてやりたくなったが、俺の後孔を舐めた直後の口だというのが俺を躊躇わせる。

「…………大好き」

頬にちゅっと唇を吸いつかせるとシャルは顔を真っ赤にして頭羽を激しく揺らし始めた。オーバーなリアクションが可愛くて、俺まで笑顔になってしまう。

「改めてみんなと話したいし、人間棟に行こうと思うんだ。シャルはどうする?」

「兄さんにお供したいです、構いませんね?」

「もちろん。一緒に行こう」

指を絡め合って手を繋ぐと、垂らしていた尻尾にシャルの尻尾が絡みついた。俺は当然シャルの可愛い仕草に応え、俺からも尻尾を絡める。

「ネメシスまだ居るかな?」

「ネメシスさんはドラゴンの件の報告などで一度魔神王様の元へ行くと言っていました」

「そっか……終わったらこっち来ないかな、一晩経ってるし報告なんか終わってるだろ。っていうかさぁ、俺からネメシスに連絡する方法ないかな」

前世の記憶が残っていると携帯電話などがないのが不便に感じてしまう。テレパシーだとか、魔術だとか、この世界にも遠く離れた者と話す方法くらいあるだろう。

「僕はそういったものには詳しくなくて……あ、でも、インキュバスの力を使えば夢の中で会えますよ。向こうが寝ている時に限りますけど……僕はそうやって兄さんの居場所を探ってました」

「あー……ネメシスっていつ寝るのかな。夜だとしても、どこに居るか分かんないから時差とか……んー、まぁ二時間ごとくらいに試してみるか」

問題は俺が夢を見せる力を使えるかどうかだな、シャルは百発百中のようだけど俺は成功率が低い。

「俺あの技の成功率低いからさ、シャル手伝ってくれな」

「ええ、もちろんです」

「お、人間棟着いたな」

部屋番号を確認するためキョロキョロと左右を見てふらつく俺を、シャルは真っ直ぐ導いてくれる。まさか景色が変わらないこの廊下で、誰の部屋がどの位置なのか覚えているのか?

「よぉ、可愛いインキュバスちゃん達、仲良さそうだなぁ? 俺も混ぜて──」

よそ見をしているとシャルが立ち止まった。前を向けば見知らぬ男のナンパが始まり、瞬きをすると彼が吹っ飛んだ。

「……視界に入らないでください。兄さんの目が穢れる」

見事なハイキックだが、ヒールブーツでそれは……ちょっと酷くないか?

「行きましょう兄さん」

「あ、うん……こないだおじさんが手回してくれてからナンパされなかったんだけど、新しい客かなぁ…………か、可愛いのも面倒……だな」

「兄さんの美しさは隠すことが出来ませんから、露払いは僕にお任せ下さい」

恥ずかしいセリフだったが、二人一緒に声をかけられたから「俺達は可愛いからなー」的なおふざけで誤魔化せると思ったのに、シャルは無意識に裏切った。これじゃただのナルシストだ。

「おじさんの部屋はここですね」

「番号、えーと……ぁ、ほんとだ、すごいなシャル、位置覚えてるのか」

俺とは違い記憶力のいいシャルの手と尻尾をきゅっと握り絡まり、共に査定士の部屋の扉を開けた。

「あれっ、居ないな」

「おじさんはよく遊びに出かけますからね……」

「鍵かけてないとか不用心だなぁ」

「いえ、今のは僕が解錠したからですよ」

戸締りの価値が低いなと改めて思いつつ、次はネメスィの部屋へ。

「お、サク! それとシャルも」

一番に俺達に気付いて手を振ったのはカタラだ。ネメスィと何やらカードゲームで遊んでいたらしい、前世で言うトランプのような物だろう。ディーラーは査定士だ。

「おじさんこっちに居たんですね」

「やぁシャル、部屋へ行ったのかい? 手数をかけさせてすまないね」

微笑んで俺達を見上げた査定士はすぐに表情を変えた、何かに驚いて息を呑んでいる

「サク、シャル……あぁ、なんて尊い。手をそんなふうに繋ぐだけでも素晴らしいというのに、尻尾までそんなっ、交尾中の蛇のように……! 素晴らしい、素晴らしいよ二人とも、尊い……」

整った顔をしていて上品な査定士が一人でやってもドン引きなのに、キモオタ共にこんなふうに拝まれても笑顔で「ありがとう」とか言えるアイドルってすごかったんだなー……と、前世を懐かしんでみたり。

「シャル、俺ちょっとネメスィ達と話すから……」

「はい」

手と尻尾を離すと査定士は「あっ」と小さな声を漏らした。そんな彼の膝にシャルは遠慮なく腰を下ろし、俺はネメスィとカタラの間に並べられたトランプのようで少し違うカードの横に腰を下ろした。

「なぁ、これどういうゲームなんだ?」

「んー……ここに数字書いてあるだろ? 交互にこの順番でカード出していって、出せなくなったら負け」

俺の前世で言うとスピードとか七並べを合わせたようなゲームなのかな? やっている様子を見ていてもあまり面白くないし、二人も楽しそうじゃない。駆け引きも何もない運ゲーだ。

「あっ……負けた」

「勝った。サク、賞品としてお前をくれ」

「は!? そんな話してなかっただろ!」

「当然だ、サクは今来たからな」

流石にそれは無茶だ、賞品になってやる訳にはいかない。

「それより、ほら……結婚祝いにさ、俺好きにしていいよって感じのこと言ったじゃん。後回しにしてたから……その、今でもいいぞ?」

自分自身が賞品や祝いに値する存在だと認めているような発言は恥ずかしい。

「なるほど。じゃあそれで」

ネメスィに腕を掴まれ引っ張られ、胡座をかいた彼の膝の上に座らされる。すぐにぎゅっと抱き締められて動けなくなる。

「あっ、おい! 結婚祝いなら俺もだろ」

「カタラも好きにしていいけど……ネメスィ?」

「まずは俺だ、竜の里では頑張っただろう? カタラは何もしなかった」

「あの場所の精霊話が通じなかったんだよ!」

「喧嘩するなよ……」

カタラに向かって手を伸ばすと彼はカードを急いで片付け、俺の目の前に膝立ちになった。

「ホテル本番禁止だし、どっか外行こうぜ」

「あぁ、だが少しくらいは……なぁ? サク」

ぐっと下腹を押さえられて声が漏れる。

「あ、ネメスィっ……待って、あの、俺……卵また孕んじゃってると思うから……電撃とかはもちろん、腹あんまり強く押すのダメ……」

「……分かった」

腹に巻かれた腕の力が弱まる。物分かりのいいネメスィの頬にキスをし、カタラにもしようと胸ぐらを掴む。

「なぁサク、結婚祝い……俺達が喧嘩したからとかで一週間ヤらせないとか言ってなかったか?」

俺は竜の里で何週間も過ごした、俺の体感ではそのペナルティ期間はとっくに過ぎているのだ。

「……いいの!」

竜の里との時間差は話さないことに決めている。俺はただ気分が変わっただけのワガママを演じた。
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