ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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お盆

よっかめ、ご

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夕飯の前まで寝ていたからいいだろうということで、俺は夜を徹して玩具責めを受けることになった。ひとまずシャワーを浴びて汗を流し、雪兎の精液を掻き出し、再びバスローブを羽織った。

「よっ、真尋ぉ。俺そろそろ部屋戻って寝るぜ」

「そっか……ばいばい」

脱衣所の戸を開けると雪風が立っていたので、別れの挨拶としてハグとキスをこなす。

「……なぁ、真尋。知ってるか?」

「雪風の弱点なら……」

「ひぅっ……!? ち、違う! そういう話じゃねぇよ! 変態!」

首筋をつぅっと指先で撫でただけで変態扱いされてはたまらない。雪風の方が変態レベルは圧倒的に上なのに。

「雪兎の精液だよ雪兎の精液! ユキの精子の話!」

「息子の精液の名前を大声で叫ぶ父親嫌だな……」

「ハッハァッ! 何言ってんだ真尋ぉ、精液はムスコから出るもんだろ、息子も精液の最終系みたいなもんだしな」

「なんだその笑い方……あと、雪風。後ろ振り返った方がいい」

「ぉん?」

雪風が振り返った先には乾いた赤紫の瞳で雪風を見上げながらも見下している雪兎が両手をだらんと下げて立っていた。

「これから食べる魚の骨が全て喉に刺さる呪いをかける……」

「助けてくれ真尋、フレークしか食えなくなった」

「フレークにもたまに骨入ってるのあるぞ」

「魚食えなくなった」

「謝れよ先に。ワンチャンあるかもしれないだろ」

「ワンチャンがあるかもしれないレベルなら謝っても無駄だろ……でもとりあえずごめんなユキぃ」

「微粒子レベルで存在した許される可能性を謝り方で消していくストロングスタイル……流石大企業の社長は思い切りがいい」

雪兎は「木製の物に触れたら必ずささくれが刺さる呪い」をかけて雪風に背を向けた。可愛らしい呪いだ、効果がないだろうというところまで含めて可愛らしい。

「……ユキの精子、ちゃんとした状態のもん売りに出せば数億の値がつくと思うんだよ。若神子の血を入れたいってバカは多いからさぁ……お前のツテじゃ売りようがねぇけどさ、面白豆知識として知らせておこうと思って……その程度の動機で息子にちょっと嫌われたとか、結構後悔するわーこれ」

「後で謝っとけよ」

「へいへい。じゃ、おやすみ真尋ぉー」

明日になったら忘れていそうな態度だなとため息をつき、雪兎の元へ。

「ただいま戻りましたユキ様。あの、ユキ様……さっきの雪風の話本当ですか? 使用人さんとかに無理矢理搾られたこととかありませんか?」

「多分本当だと思うけど、ないよ。売れるなんて普通思わないだろうし……僕に手を出すリスクの方が高いって知ってるから」

「なるほど」

数億のチャンスに見向きもしないほどのリスク……? うーん、若神子家の闇の側面。

「じゃあ、ポチ、玩具なんだけど……これ! 強制連続絶頂機カッコ男子専用カッコトジル、シックス!」

「しっくす」

「ふふ、英語が苦手なポチでもシックスが何かは分かるよね?」

「定向進化が産んだすっごい犯罪者…………じゃなくて、六です」

「うん、正解! ポチはこれから局部に痒み薬を塗布した状態で、この機械で責められるところ全部刺激されながら一晩を越すんだよ。どう? 出来そう?」

なんて無邪気な笑顔だろう。これこそ若神子家の光の側面だ。
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