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郊外の一軒家
はっぴーはろうぃん、さん
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ハロウィンパーティが行われるのは雪兎が通う超名門大学、雪兎が参加するのは大学の一室を使って行われる最低でも十世紀以上の歴史を持つ名家だけが参加出来るパーティだ。
「まぁ、社交会だね。将来お付き合いしていくことになるからさ、今のうちに仲良くしておきましょうって」
「社交界って中世ヨーロッパ以外にもあったんですね」
もう今から胃が痛い。金持ち怖い。
「あの大学に入ってるくらいですし、麻薬とか強姦とかやらかすタイプの金持ちバカ息子みたいな感じなのは居ないんですよね?」
「居るけど表沙汰にはならないね。ポチが想像してるのは親とかに尻拭いしてもらってるタイプだよね? うちの大学に居るのは自分で処理出来るタイプだよ」
「知能だけ上がってタチ悪くなってる……」
「そういうのを見極めたり他の子から情報もらったりして、付き合い方を考えていかなきゃいけないんだけど……これが結構難しいんだよねぇ。雪風は楽だっただろうなー」
雪風は目を合わせた者の心を読む力を持っている、祖父は記憶を読む力だったかな、そういった超能力は社交界で圧倒的なアドバンテージになるだろう。
「いいなぁ精神干渉系の能力は……僕も雪風みたいな力がよかった。ポチが何考えてるかも分かるし」
「俺はユキ様のことしか考えていませんよ」
「……雪風が言ってたなぁ、目合わせると褒め称えられるばっかで何考えてるかはやっぱりよく分からないって」
雪風を目の前にすれば当然彼の美しさや素晴らしさしか考えられなくなる、彼を前にして悪巧みを続けられる人間はきっとド近眼なのだろう。眼鏡買え。
「ユキ様の能力は素晴らしいですよ、以前俺を守ってくださったでしょう?」
「……うん。あの時は、この力があってよかったって思ったし……ちょっと好きになれた。でもやっぱり…………」
「ユキ様、ユキ様……ユキ様は素晴らしいです。現若神子家唯一の攻撃的な力……とってもカッコいいですよ。ポチは主人が誇らしいです」
「………………ふふっ」
暗い顔になってしまっていた雪兎がようやく笑顔を浮かべてくれた。あと一息だ。
「素晴らしいユキ様が愚か者に気付けない訳がありません!」
「プレッシャーかけるなぁ、もう……ふふふ」
よしよし、いい調子。
「お可愛らしくお美しいユキ様、俺のご主人様、欲張りな犬はユキ様の可愛いコスチューム姿をもっと見たいです、お家でもハロウィンパーティを致しましょう」
俺の欲望を満たすためだけが目的ではない。大学で行われるハロウィンパーティは俺も雪兎も心の底から楽しめるものではなさそうだから、二人きりのパーティを楽しもうという魂胆だ。
「……ポチはどんな僕が見たいの?」
「どんな……あぁ迷いますね、魔女っ子は俺達が出会った年のハロウィンでやりましたもんね、でも魔女っ子また見たいです。ユキ様の狼男コスはきっと可愛いんでしょうね、でもユキ様ならウサギとかの方が似合うんでしょうか……でもハロウィンはお化けじゃなきゃいけなくて、あぁどうしましょう、ミイラ男とかもセクシーそうですね。シンプルにお化けもいいですね、ゾンビとかでもユキ様ならきっと可愛くって……あぁあもう決められませんっ! お色直ししまくるのはダメですか……?」
「だーめ。色々聞かせてくれてありがとうね、参考にして衣装考えるよ。ポチの衣装も考えないと……せっかくなら思いっきり露出多いのにしちゃおっ。その日のお楽しみとして、それのデザイン考えるのは僕一人でやるね。じゃあポチ、しばらく一人にさせてね」
「はーい……えっ?」
雪兎の私室から閉め出された俺は一人寂しくダイニングでスマホを弄って暇を潰した。
「まぁ、社交会だね。将来お付き合いしていくことになるからさ、今のうちに仲良くしておきましょうって」
「社交界って中世ヨーロッパ以外にもあったんですね」
もう今から胃が痛い。金持ち怖い。
「あの大学に入ってるくらいですし、麻薬とか強姦とかやらかすタイプの金持ちバカ息子みたいな感じなのは居ないんですよね?」
「居るけど表沙汰にはならないね。ポチが想像してるのは親とかに尻拭いしてもらってるタイプだよね? うちの大学に居るのは自分で処理出来るタイプだよ」
「知能だけ上がってタチ悪くなってる……」
「そういうのを見極めたり他の子から情報もらったりして、付き合い方を考えていかなきゃいけないんだけど……これが結構難しいんだよねぇ。雪風は楽だっただろうなー」
雪風は目を合わせた者の心を読む力を持っている、祖父は記憶を読む力だったかな、そういった超能力は社交界で圧倒的なアドバンテージになるだろう。
「いいなぁ精神干渉系の能力は……僕も雪風みたいな力がよかった。ポチが何考えてるかも分かるし」
「俺はユキ様のことしか考えていませんよ」
「……雪風が言ってたなぁ、目合わせると褒め称えられるばっかで何考えてるかはやっぱりよく分からないって」
雪風を目の前にすれば当然彼の美しさや素晴らしさしか考えられなくなる、彼を前にして悪巧みを続けられる人間はきっとド近眼なのだろう。眼鏡買え。
「ユキ様の能力は素晴らしいですよ、以前俺を守ってくださったでしょう?」
「……うん。あの時は、この力があってよかったって思ったし……ちょっと好きになれた。でもやっぱり…………」
「ユキ様、ユキ様……ユキ様は素晴らしいです。現若神子家唯一の攻撃的な力……とってもカッコいいですよ。ポチは主人が誇らしいです」
「………………ふふっ」
暗い顔になってしまっていた雪兎がようやく笑顔を浮かべてくれた。あと一息だ。
「素晴らしいユキ様が愚か者に気付けない訳がありません!」
「プレッシャーかけるなぁ、もう……ふふふ」
よしよし、いい調子。
「お可愛らしくお美しいユキ様、俺のご主人様、欲張りな犬はユキ様の可愛いコスチューム姿をもっと見たいです、お家でもハロウィンパーティを致しましょう」
俺の欲望を満たすためだけが目的ではない。大学で行われるハロウィンパーティは俺も雪兎も心の底から楽しめるものではなさそうだから、二人きりのパーティを楽しもうという魂胆だ。
「……ポチはどんな僕が見たいの?」
「どんな……あぁ迷いますね、魔女っ子は俺達が出会った年のハロウィンでやりましたもんね、でも魔女っ子また見たいです。ユキ様の狼男コスはきっと可愛いんでしょうね、でもユキ様ならウサギとかの方が似合うんでしょうか……でもハロウィンはお化けじゃなきゃいけなくて、あぁどうしましょう、ミイラ男とかもセクシーそうですね。シンプルにお化けもいいですね、ゾンビとかでもユキ様ならきっと可愛くって……あぁあもう決められませんっ! お色直ししまくるのはダメですか……?」
「だーめ。色々聞かせてくれてありがとうね、参考にして衣装考えるよ。ポチの衣装も考えないと……せっかくなら思いっきり露出多いのにしちゃおっ。その日のお楽しみとして、それのデザイン考えるのは僕一人でやるね。じゃあポチ、しばらく一人にさせてね」
「はーい……えっ?」
雪兎の私室から閉め出された俺は一人寂しくダイニングでスマホを弄って暇を潰した。
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