21 / 30
学園にて3
しおりを挟む
「「うわっ!」」
異口同音で驚いた声が上がり、次いで何かが倒れる音が続く。
一つはテーブルを挟んだ正面。何かが倒れた音もこちらからだ。もう一つは目の前の男……。
彼が私に顔を近づけていて、至近距離になっていたからわかる。時間にすればほんの一瞬。息を飲む間もなかったくらい。
銀色の光が私と彼の間に走り、その直後。その光は彼の瞼ギリギリを走り、睫毛だけを根本から切り取った。
まるで、ストップモーションを見る感覚。睫毛本体から離れ、飛んでいく軌跡すら見えそう。
目の前で何が起こったのかわからず、反射的に光がやって来た方向を見る。
いつの間にか、彼らの分ではない食事のトレーが二つ置かれたテーブル。そのテーブルの向こうから少し身をのりだすようにして、簡単な工作で使うような小さなはさみを握るアレクがいた。
ちょっと待って!それ本当にただのハサミよね?形はそうでも、かなり鋭利なんだけど。というか、相変わらずの無表情……じゃないわね。怒っている、怒っている。薄い青の瞳が赤味を帯びているからすぐにわかる。
どうしよう。こんな場所で問題起こすのはまずいわよね。
オロオロしつつ、周囲を見回せば、前の席に座っていた男が、床に転がっている。どうやら、アレクが身を乗り出した時に、椅子ごと後ろに引っ張ったようだ。
「ってーな!アレクシス!てめぇ何すんだよ!」
受け身もなく後ろ向きに転ばされた男は、自分の後頭部を撫でながら立ち上がる。そうして、その勢いのままアレクに詰め寄り……。
襟を取られて片手で釣り上げられた。
男の爪先はすぐに床を離れ、酸欠からくぐもった声を上げる。
みるみるうちに赤黒くなっていく顔色。
ジタバタと暴れていた手足も、動きを失っていく。
それでもアレクは男から手を離さなかった。
そんな状況を目の当たりにしても、グループの他の男たちは動かない。いや、アレクの激しい怒気に怖気づいて動けないのだ。
しかし、これ以上はさすがに駄目だろう。マジで死体が出来上がってしまう。こういう状況だと、その際に色々で出て来るだろうし。ここ、食堂なのよね。
そう思って、いよいよ「ハウス」を口にしようとした時、不意にこの場の緊迫感を破るのんびりとした声が聞こえて来た。
「アレク、その位にしなさい。目の前で絞め殺したら、エルちゃんの食欲が落ちちゃうでしょう?」
いえ、今の段階で十分落ちています。ってか。
「アウル様」
振り返ると、いつの間にかテーブルの端の辺りにアウル様がいる。
相変わらず小柄ながら均整の取れた見事なスタイルと、背筋のピンと伸びた美しい立ち姿。
彼女は私たちの視線が自分に向くと、美しい顔に華やかな微笑みを浮かべた。
相変わらず姉弟揃って麗しい。
アウル様は私に手を軽く振り、それから彼女の叱責に、ようやく男から手を離した弟に視線を移す。
「ほら、アレク。きちんと謝りなさい」
「済まない、エル」
……待って。ちょっと待って。何でこの状況で、アレクは私に謝るの?そしてそんな弟の態度に、何故アウル様は「よろしい」と頷いているの?
「謝る相手が違うんじゃない?」
そのままの位置でアレクにごとりと落とされ、床に這いつくばり、相変わらず苦しそうに息を継ぐ男を指させば、辺境伯家の姉弟は揃って首を横に振った。
「この男は自業自得でしょう?謝る必要なんてないわ。学園内だとしても、身分の壁がなくなるわけではないの。変に誤解している連中はいるけれどね」
アウル様はそう言って、お前たちの事だと言わんばかりに周囲をぐるりと見まわした。
彼女の視線の強さに、周囲にいた人たちがびくりと肩を震わせる。
「この人たちは家の嫡子でもない。何れ、身分なんて無くなる立場の人間ばかり。そんな人間が、将来の辺境伯夫人に暴言を吐いていいわけがないの」
アウラ様が真っ直ぐな目でそう言うと、アレクも足元の男を見下ろしながら口を開く。
「誰か知らんが、エルの前と隣は俺の席だ」
冷たい口調が、この場の緊張を高める。
え?そこ?気に入らなかったのはそこなの?私の前にいただけで、あの切れっぷりであの暴力なの?
というか、待って。アレク今妙な事いったわよね?
「……アレク、この人たちお友達じゃないの?騎士科にいた時の」
さっきこの人達からアレクの夢や、共にその夢を実現しようとしていた、っぽい事を聞かされたのだけど。
それを指摘すると、アレクは僅かに首を傾げ、それからあっさりと首を横に振る。
「知らん」
平坦な口調の中には、『絶交したから、知らない奴になった』とか『こんな奴だとは思わなかった。もう知らん』とかという響きはない。つまり、彼等はアレクにとって本当に『知らない人』。顔を覚える必要もない人間、ということ。
何の感情も見えない、ただ事実だけを告げたというアレクの言葉に、彼等はショックを受けた顔をする。
彼らにしても、アレクとは実力が違うのは最初からわかっていた。
見事な馬術、的確な判断力、鋭い剣筋、強靭な精神力。騎士として理想を全て体現したような彼。大人ですら認める彼。
そんなアレクを同級生として間近に接し、声をかけ、共に同じ時間を共有する内に彼らは誤解してしまったのかもしれない。
自分たちが彼に近しい、彼に認められた存在だと。
なのに。
友人として認めてもらうどころか、最初から彼の眼中にすら入っていなかった。
その現実は、自分の実力を直視せず、プライドだけ肥大した子供の心を酷く傷つけた。
「あ、あんまりです。アレクシス様」
ショックで言葉を失った彼らの代わりに、それまで小さく縮こまっていたリーゼ様が大きな声を出す。
「彼らはずっとアレクシス様に憧れて、一緒の隊で、一緒に辺境の地を守ろうって夢を語っていた仲間で
すよ?」
うん。さっきの彼らの話だと、そうよね。それが正しい認識だわ。
けれど、必死に訴えるリーゼ様を見て、アレクは意外な事を口にした。
「……お前誰?」
「え?」
リーゼ様の口から出た「え?」は、アウル様以外、私を含めこの場にいた皆の口から洩れたものでもあった。
「ええっと。リーゼ様よね?アレクの幼馴染で、元婚約者で……。えっと恋人同士だったのよね?」
皆を代表して私が尋ねると、アレクはこれ以上ないほど不快そうな顔をした。
「俺、好きなのエルだけだし」
「……ありがとう」
こんな衆人環視の場所での告白に、頬が熱くなるけれど、一応お礼を言う。
同時に、アウル様が淑女とは思えない豪快さで噴き出した。「エルちゃん可愛い、可愛い」と。
そして、一頻り笑った後、彼女は改めて弟を見た。
「あー笑った、笑った。って、さっきの話だけど、アレク、貴方本当にこいつらと未来について語り合ったわけ?」
「……いや。まったく」
姉の質問にアレクは頭の中を探るように暫く沈黙し、やがて頭を横に振る。
それを見て「さもありなん」と呆れた顔をして、アウル様はリーゼ様に振り返った。
「ですって。語り合うのは、貴方たちの勝手なんだけど、そこにアレクがいたって思い込みはどうかしら。それに、どれだけ夢を語ってもらっても、生憎うちのガルディアンにそいつらの場所はないわよ?」
「アウラ様」
リーゼ様が目を丸くする。いかにも心外だと言わんばかりに。だが、彼女の反応など気にもせず、アウル様は続ける。
「ローレインを守る事は、国を守る事。ままごとのように、偽物なお姫様を守る騎士ごっこをして悦にいるお子様はいらないのよ。邪魔だから」
「そんな言い方……!」
ガルディアンというのは、ローレイン領軍のエリート中のエリート。30人から40人で構成され、実力は元より強い忠誠心が求められる部隊だ。領でのアレクの所属先でもある。
つまり、アレクが領主を選ばず騎士を選んだ場合、自動的に所属はここになる。そして彼らがアレクと共に戦いたいと望むなら、ここに入らなければならないのだ。
しかし、ラファ殿下曰く現在のガルディアンは史上最高のメンバーだそうで、王軍のエリートの中でもこの中に入れるのはいないという。
それ程の強者たちを集めた隊。
「本気でガルディアンを目指すなら、今ここで女の口車に乗って、何の罪もない婦女子を脅している時間なんてないわ」
「彼らだって、努力しているんです!今はともかく将来は……!」
冷たく現実を言い放つアウラ様に、リーゼ様が抗議する。その姿に男たちは感動して熱く彼女を見つめる。が。
「本当の事でしょう?あなたこそ、生まれてから十何年もローレインにいて何を見ていたの?現実も見ずに、アレクを筆頭に、騎士たちが自分を守るおとぎ話でも夢見ていたっていうの?」
「……それは……」
アウラ様が一蹴すると、リーゼ様の頬に朱が上る。隠しようがなく狼狽える様子も、彼女の言葉が図星だったことを告げている。
そんな彼女に、アウラ様は追及の手を止めない。
「ねえ?答えて、リーゼ・ブシェ。ブシェの家はあなたに何を伝えていたのかしら?どこから自分がアレクの婚約者だなんて勘違いしたの?あなたがアレクの婚約者になった事も、わが家からそんな話を打診したことも一度もないでしょう?少なくとも、シューバリエの家では聞いた事もないし、話題にもなったことがないのだけど」
異口同音で驚いた声が上がり、次いで何かが倒れる音が続く。
一つはテーブルを挟んだ正面。何かが倒れた音もこちらからだ。もう一つは目の前の男……。
彼が私に顔を近づけていて、至近距離になっていたからわかる。時間にすればほんの一瞬。息を飲む間もなかったくらい。
銀色の光が私と彼の間に走り、その直後。その光は彼の瞼ギリギリを走り、睫毛だけを根本から切り取った。
まるで、ストップモーションを見る感覚。睫毛本体から離れ、飛んでいく軌跡すら見えそう。
目の前で何が起こったのかわからず、反射的に光がやって来た方向を見る。
いつの間にか、彼らの分ではない食事のトレーが二つ置かれたテーブル。そのテーブルの向こうから少し身をのりだすようにして、簡単な工作で使うような小さなはさみを握るアレクがいた。
ちょっと待って!それ本当にただのハサミよね?形はそうでも、かなり鋭利なんだけど。というか、相変わらずの無表情……じゃないわね。怒っている、怒っている。薄い青の瞳が赤味を帯びているからすぐにわかる。
どうしよう。こんな場所で問題起こすのはまずいわよね。
オロオロしつつ、周囲を見回せば、前の席に座っていた男が、床に転がっている。どうやら、アレクが身を乗り出した時に、椅子ごと後ろに引っ張ったようだ。
「ってーな!アレクシス!てめぇ何すんだよ!」
受け身もなく後ろ向きに転ばされた男は、自分の後頭部を撫でながら立ち上がる。そうして、その勢いのままアレクに詰め寄り……。
襟を取られて片手で釣り上げられた。
男の爪先はすぐに床を離れ、酸欠からくぐもった声を上げる。
みるみるうちに赤黒くなっていく顔色。
ジタバタと暴れていた手足も、動きを失っていく。
それでもアレクは男から手を離さなかった。
そんな状況を目の当たりにしても、グループの他の男たちは動かない。いや、アレクの激しい怒気に怖気づいて動けないのだ。
しかし、これ以上はさすがに駄目だろう。マジで死体が出来上がってしまう。こういう状況だと、その際に色々で出て来るだろうし。ここ、食堂なのよね。
そう思って、いよいよ「ハウス」を口にしようとした時、不意にこの場の緊迫感を破るのんびりとした声が聞こえて来た。
「アレク、その位にしなさい。目の前で絞め殺したら、エルちゃんの食欲が落ちちゃうでしょう?」
いえ、今の段階で十分落ちています。ってか。
「アウル様」
振り返ると、いつの間にかテーブルの端の辺りにアウル様がいる。
相変わらず小柄ながら均整の取れた見事なスタイルと、背筋のピンと伸びた美しい立ち姿。
彼女は私たちの視線が自分に向くと、美しい顔に華やかな微笑みを浮かべた。
相変わらず姉弟揃って麗しい。
アウル様は私に手を軽く振り、それから彼女の叱責に、ようやく男から手を離した弟に視線を移す。
「ほら、アレク。きちんと謝りなさい」
「済まない、エル」
……待って。ちょっと待って。何でこの状況で、アレクは私に謝るの?そしてそんな弟の態度に、何故アウル様は「よろしい」と頷いているの?
「謝る相手が違うんじゃない?」
そのままの位置でアレクにごとりと落とされ、床に這いつくばり、相変わらず苦しそうに息を継ぐ男を指させば、辺境伯家の姉弟は揃って首を横に振った。
「この男は自業自得でしょう?謝る必要なんてないわ。学園内だとしても、身分の壁がなくなるわけではないの。変に誤解している連中はいるけれどね」
アウル様はそう言って、お前たちの事だと言わんばかりに周囲をぐるりと見まわした。
彼女の視線の強さに、周囲にいた人たちがびくりと肩を震わせる。
「この人たちは家の嫡子でもない。何れ、身分なんて無くなる立場の人間ばかり。そんな人間が、将来の辺境伯夫人に暴言を吐いていいわけがないの」
アウラ様が真っ直ぐな目でそう言うと、アレクも足元の男を見下ろしながら口を開く。
「誰か知らんが、エルの前と隣は俺の席だ」
冷たい口調が、この場の緊張を高める。
え?そこ?気に入らなかったのはそこなの?私の前にいただけで、あの切れっぷりであの暴力なの?
というか、待って。アレク今妙な事いったわよね?
「……アレク、この人たちお友達じゃないの?騎士科にいた時の」
さっきこの人達からアレクの夢や、共にその夢を実現しようとしていた、っぽい事を聞かされたのだけど。
それを指摘すると、アレクは僅かに首を傾げ、それからあっさりと首を横に振る。
「知らん」
平坦な口調の中には、『絶交したから、知らない奴になった』とか『こんな奴だとは思わなかった。もう知らん』とかという響きはない。つまり、彼等はアレクにとって本当に『知らない人』。顔を覚える必要もない人間、ということ。
何の感情も見えない、ただ事実だけを告げたというアレクの言葉に、彼等はショックを受けた顔をする。
彼らにしても、アレクとは実力が違うのは最初からわかっていた。
見事な馬術、的確な判断力、鋭い剣筋、強靭な精神力。騎士として理想を全て体現したような彼。大人ですら認める彼。
そんなアレクを同級生として間近に接し、声をかけ、共に同じ時間を共有する内に彼らは誤解してしまったのかもしれない。
自分たちが彼に近しい、彼に認められた存在だと。
なのに。
友人として認めてもらうどころか、最初から彼の眼中にすら入っていなかった。
その現実は、自分の実力を直視せず、プライドだけ肥大した子供の心を酷く傷つけた。
「あ、あんまりです。アレクシス様」
ショックで言葉を失った彼らの代わりに、それまで小さく縮こまっていたリーゼ様が大きな声を出す。
「彼らはずっとアレクシス様に憧れて、一緒の隊で、一緒に辺境の地を守ろうって夢を語っていた仲間で
すよ?」
うん。さっきの彼らの話だと、そうよね。それが正しい認識だわ。
けれど、必死に訴えるリーゼ様を見て、アレクは意外な事を口にした。
「……お前誰?」
「え?」
リーゼ様の口から出た「え?」は、アウル様以外、私を含めこの場にいた皆の口から洩れたものでもあった。
「ええっと。リーゼ様よね?アレクの幼馴染で、元婚約者で……。えっと恋人同士だったのよね?」
皆を代表して私が尋ねると、アレクはこれ以上ないほど不快そうな顔をした。
「俺、好きなのエルだけだし」
「……ありがとう」
こんな衆人環視の場所での告白に、頬が熱くなるけれど、一応お礼を言う。
同時に、アウル様が淑女とは思えない豪快さで噴き出した。「エルちゃん可愛い、可愛い」と。
そして、一頻り笑った後、彼女は改めて弟を見た。
「あー笑った、笑った。って、さっきの話だけど、アレク、貴方本当にこいつらと未来について語り合ったわけ?」
「……いや。まったく」
姉の質問にアレクは頭の中を探るように暫く沈黙し、やがて頭を横に振る。
それを見て「さもありなん」と呆れた顔をして、アウル様はリーゼ様に振り返った。
「ですって。語り合うのは、貴方たちの勝手なんだけど、そこにアレクがいたって思い込みはどうかしら。それに、どれだけ夢を語ってもらっても、生憎うちのガルディアンにそいつらの場所はないわよ?」
「アウラ様」
リーゼ様が目を丸くする。いかにも心外だと言わんばかりに。だが、彼女の反応など気にもせず、アウル様は続ける。
「ローレインを守る事は、国を守る事。ままごとのように、偽物なお姫様を守る騎士ごっこをして悦にいるお子様はいらないのよ。邪魔だから」
「そんな言い方……!」
ガルディアンというのは、ローレイン領軍のエリート中のエリート。30人から40人で構成され、実力は元より強い忠誠心が求められる部隊だ。領でのアレクの所属先でもある。
つまり、アレクが領主を選ばず騎士を選んだ場合、自動的に所属はここになる。そして彼らがアレクと共に戦いたいと望むなら、ここに入らなければならないのだ。
しかし、ラファ殿下曰く現在のガルディアンは史上最高のメンバーだそうで、王軍のエリートの中でもこの中に入れるのはいないという。
それ程の強者たちを集めた隊。
「本気でガルディアンを目指すなら、今ここで女の口車に乗って、何の罪もない婦女子を脅している時間なんてないわ」
「彼らだって、努力しているんです!今はともかく将来は……!」
冷たく現実を言い放つアウラ様に、リーゼ様が抗議する。その姿に男たちは感動して熱く彼女を見つめる。が。
「本当の事でしょう?あなたこそ、生まれてから十何年もローレインにいて何を見ていたの?現実も見ずに、アレクを筆頭に、騎士たちが自分を守るおとぎ話でも夢見ていたっていうの?」
「……それは……」
アウラ様が一蹴すると、リーゼ様の頬に朱が上る。隠しようがなく狼狽える様子も、彼女の言葉が図星だったことを告げている。
そんな彼女に、アウラ様は追及の手を止めない。
「ねえ?答えて、リーゼ・ブシェ。ブシェの家はあなたに何を伝えていたのかしら?どこから自分がアレクの婚約者だなんて勘違いしたの?あなたがアレクの婚約者になった事も、わが家からそんな話を打診したことも一度もないでしょう?少なくとも、シューバリエの家では聞いた事もないし、話題にもなったことがないのだけど」
162
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
【完結】精霊姫は魔王陛下のかごの中~実家から独立して生きてこうと思ったら就職先の王子様にとろとろに甘やかされています~
吉武 止少
恋愛
ソフィアは小さい頃から孤独な生活を送ってきた。どれほど努力をしても妹ばかりが溺愛され、ないがしろにされる毎日。
ある日「修道院に入れ」と言われたソフィアはついに我慢の限界を迎え、実家を逃げ出す決意を固める。
幼い頃から精霊に愛されてきたソフィアは、祖母のような“精霊の御子”として監視下に置かれないよう身許を隠して王都へ向かう。
仕事を探す中で彼女が出会ったのは、卓越した剣技と鋭利な美貌によって『魔王』と恐れられる第二王子エルネストだった。
精霊に悪戯される体質のエルネストはそれが原因の不調に苦しんでいた。見かねたソフィアは自分がやったとバレないようこっそり精霊を追い払ってあげる。
ソフィアの正体に違和感を覚えたエルネストは監視の意味もかねて彼女に仕事を持ち掛ける。
侍女として雇われると思っていたのに、エルネストが意中の女性を射止めるための『練習相手』にされてしまう。
当て馬扱いかと思っていたが、恋人ごっこをしていくうちにお互いの距離がどんどん縮まっていってーー!?
本編は全42話。執筆を終えており、投稿予約も済ませています。完結保証。
+番外編があります。
11/17 HOTランキング女性向け第2位達成。
11/18~20 HOTランキング女性向け第1位達成。応援ありがとうございます。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】初恋の人に嫁ぐお姫様は毎日が幸せです。
くまい
恋愛
王国の姫であるヴェロニカには忘れられない初恋の人がいた。その人は王族に使える騎士の団長で、幼少期に兄たちに剣術を教えていたのを目撃したヴェロニカはその姿に一目惚れをしてしまった。
だが一国の姫の結婚は、国の政治の道具として見知らぬ国の王子に嫁がされるのが当たり前だった。だからヴェロニカは好きな人の元に嫁ぐことは夢物語だと諦めていた。
そしてヴェロニカが成人を迎えた年、王妃である母にこの中から結婚相手を探しなさいと釣書を渡された。あぁ、ついにこの日が来たのだと覚悟を決めて相手を見定めていると、最後の釣書には初恋の人の名前が。
これは最後のチャンスかもしれない。ヴェロニカは息を大きく吸い込んで叫ぶ。
「私、ヴェロニカ・エッフェンベルガーはアーデルヘルム・シュタインベックに婚約を申し込みます!」
(小説家になろう、カクヨミでも掲載中)
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる