25 / 30
新婚生活はお静かに2
しおりを挟む
気持ちを切り替え、背筋を伸ばし、私は対面に座る彼を見た。
すると、私が気持ちを切り替えた事に気づいたのか、彼も唖然としていた表情を改め、咳ばらいを一つした。
「その……久しぶりだね、エルーシア。綺麗になったね」
「ええ。お久しぶりです。その節はご迷惑をおかけしました」
少し頭を下げて、謝意を表す。彼にかけた迷惑は大きなものだが、大げさに謝る事は立場的に許されない。心の中で「ごめんなさい」と言うのがせいぜいだ。
「あ、いや。そんな事ないよ。俺も……その、こっちに来てから手紙も出せなくて……」
「貴方の立場では、それはできなかったでしょう。事情はわかります」
彼も正直に迷惑だと言えれば良かったのだが、上司の娘の機嫌を損なえば、どんな叱責が飛ぶかわからない。自分の立場を考えれば、あやふやなままの別離を選んでも無理はない。
「そう……なんだ。ごめんよ」
「いえ」
話はこれだけだろうか。だったら、互いにこれで手打ちかな。と思ったけど、事はそうはいかなかった。
彼は何度も迷うようなそぶりを見せ、それから真剣な表情で私を見る。
「その……君が嫁ぎ先にこのローレインを選んだのは、俺がいたからだよな?」
「は?」
何を言っているんだ?この人は。
「いえ、偶然ですわ。第一王子殿下が勧めて下さったお見合い相手が、たまたまローレインの方だったというだけで」
「そう……なのか?俺がいたから……じゃなくて?」
そんなわけあるかい。って、いくらストーカー気質でも、はっきりと拒まれた相手にそれ以上執着するわけがないじゃない。というか、普通振られた相手となんて、顔も合わすのは嫌だから、できるだけ離れたところに行こうとするんじゃないの?
万が一普段着で会ってしまて、あーやっぱり振って正解だったわー、なんて思われたら腹立つし。それ以上にそんなことを気にして、いつも綺麗にしていなきゃいけない生活なんて真っ平だわ。
ああ、でも。もしかして、この人は今も私に粘着されているんじゃないかと、怯えていた……とか?
一応「もう大丈夫」とお父様も連絡しておいた、と言っていたけど。伝わっていなかったのかもしれない。だったら、改めて伝えた方がいいのかしら?
「あの……。以前付きまとったのは、申し訳ないと思いますが、今はまったく、そういう気持ちはありませんのでご安心下さい」
気質というのは変えられないかもしれないけれど、気持ちを向ける対象は変えられるからね。
「いや、無理しなくてもいいんだよ?君の気持は……俺はわかっているつもりだから」
「???ありがとうございます」
何を無理しているのかはわからないけれど、とりあえず今の私が彼にとって無害なのはわかってくれただろう。そう思って礼を言うと……。
「親に強制された結婚でも、俺の事を考えて、俺の近くに嫁いできたんだろう?気持ちのない相手との結婚なんて嫌だったろうに」
「は?」
貴方今何を聞いていたというの?
「君の結婚が国にとって重要な事はわかるよ。でも、立場はともかく、気持ちは自由になってもいいんじゃないかな?あの頃の俺はまだ若くて、君の献身や干渉を少し……疎ましく思っていたのは確かだ。けど、今の俺は君を求めている。君の全てを受け止める覚悟もある」
いや、少しばかりじゃなかったわよね。全否定していたわよね。
私がそれを指摘しようとする隙も与えず、彼はここで声を小さくして囁いた。
「今後もこうして会えないか?俺は、君の気持に応えたいんだ」
「……………」
「本当は、忘れられなかったんだろう?俺のこと」
本人なりの物凄い決め顔で迫ってくるけれど、かける言葉がないってこういう事かしら。空いた口が塞がらないっていうか。
「これからも、二人でこうして会おう?そして秘密裡になっちゃうけど、あの時の約束を果たそう!」
待て!全然わかっていないじゃないの!ちょっと待て!本当に待て!どうしてそうなった。
今までの会話で、こんな方向に進む要素なんて一つもなかったわよね。
私の今の気持ちなんて「はあ?はあ?はあ?」なんだけど。音にすると、『あ』がフラット、斜め上、超斜め上に上がっていくやつね。
「婚約しても俺が忘れられなかったから、学生の時も、毎年のように長い休みの時はこっちに来ていたんだろう?」
それはない。単にいきなり嫁ぐよりも、その前に領の勉強や領民と交流をしたいと思ったからだ。
しかし、人は面白い話の方に飛びつくもの。
もし彼が、こんな飛んでも話を周囲にしたらどう思うだろう。
勿論、事実はそうではないし、周囲の人は私の過去も、現在も知っているから惑わされることはないと思う。
けれど、そうでない人は?
世の中は良く思ってくれている人がいれば、ほぼ同数のアンチも存在する。
中には彼の話を信じ、私と彼が切れていないのではないか。度々領を訪れていたのも、彼に会うためじゃないか、と思う人も出てくるだろう。もしかしたら、そこから関係があったんじゃないかと邪推する人も出てくるかもしれない。
「もし、これからもこうして君と会えるなら、この事実は言わない」
いえ、事実じゃないから。っていうか、これって脅し?私、脅されているの?文脈的に会わないと、彼だけの『真実』という名の『思い込み』を言いふらすって聞こえるんだけど。
考えもしていなかった展開にひたすら困惑していると、不意に仕切りのカーテンが開き、そこに逞しい腕を組み、足を開いて仁王立つジュリアナがいた。
「はーい。お時間でーす。お話終わりましたかー?」
高い声で歌うように叫ぶ彼女の背後では、エリザベータが店内の呼び鈴をチンチンとけたたましく鳴らしている。
どうやらタイムアウトのようだ。………助かった。
その事にホッとしていると、目の前にいたイザークが両の腕を二人の美女に取られ、軽々と連行されていく。
足、地面についていないのよね。
「ちょ、ちょっと待って下さい!まだ話が……!」
突然の事に一瞬虚を突かれた彼だったが、我に返って暴れ出す。が、身をよじるほど抵抗しても、美女二人の筋肉には敵わない。
「時間切れなんだもーん。仕方ないわよね」
「そうそう。時間切れ。ついでに言うと、今後若奥様に近づいたら、問答無用で襲っちゃうから、ヨロシク」
迷惑系一兵卒に対し、自警団や、自治隊を頼るんじゃなくて、自力救済の道を選ぶんだ。さすがエリザベータ。男の中の男。食物連鎖の頂点みたいな肉食獣の笑みに惚れ惚れするわ。
エリザベータの宣言を受けて、ジュリアナの目が輝く。
「やだ、ちょっと!エリザベータにやられたら、あんたもう元の道には戻れないわよー!」
「そうよ。私ってば、軍に居た時も生意気な奴を片っ端から矯正した、そっち方面の教育係だったんだから!」
「エリザベータの呼び出しは、その道の『片道切符』って有名だったのよねー!」
そんな切符を買うより、自治隊に突き出され、檻の中にいた方が幸せなんじゃないだろうか。
二人に運び出され、ゴミみたいに店外に放り出されるイザークを見て、私は心の中で彼に対し手を合わせていた。師匠がしていたように。
すると、私が気持ちを切り替えた事に気づいたのか、彼も唖然としていた表情を改め、咳ばらいを一つした。
「その……久しぶりだね、エルーシア。綺麗になったね」
「ええ。お久しぶりです。その節はご迷惑をおかけしました」
少し頭を下げて、謝意を表す。彼にかけた迷惑は大きなものだが、大げさに謝る事は立場的に許されない。心の中で「ごめんなさい」と言うのがせいぜいだ。
「あ、いや。そんな事ないよ。俺も……その、こっちに来てから手紙も出せなくて……」
「貴方の立場では、それはできなかったでしょう。事情はわかります」
彼も正直に迷惑だと言えれば良かったのだが、上司の娘の機嫌を損なえば、どんな叱責が飛ぶかわからない。自分の立場を考えれば、あやふやなままの別離を選んでも無理はない。
「そう……なんだ。ごめんよ」
「いえ」
話はこれだけだろうか。だったら、互いにこれで手打ちかな。と思ったけど、事はそうはいかなかった。
彼は何度も迷うようなそぶりを見せ、それから真剣な表情で私を見る。
「その……君が嫁ぎ先にこのローレインを選んだのは、俺がいたからだよな?」
「は?」
何を言っているんだ?この人は。
「いえ、偶然ですわ。第一王子殿下が勧めて下さったお見合い相手が、たまたまローレインの方だったというだけで」
「そう……なのか?俺がいたから……じゃなくて?」
そんなわけあるかい。って、いくらストーカー気質でも、はっきりと拒まれた相手にそれ以上執着するわけがないじゃない。というか、普通振られた相手となんて、顔も合わすのは嫌だから、できるだけ離れたところに行こうとするんじゃないの?
万が一普段着で会ってしまて、あーやっぱり振って正解だったわー、なんて思われたら腹立つし。それ以上にそんなことを気にして、いつも綺麗にしていなきゃいけない生活なんて真っ平だわ。
ああ、でも。もしかして、この人は今も私に粘着されているんじゃないかと、怯えていた……とか?
一応「もう大丈夫」とお父様も連絡しておいた、と言っていたけど。伝わっていなかったのかもしれない。だったら、改めて伝えた方がいいのかしら?
「あの……。以前付きまとったのは、申し訳ないと思いますが、今はまったく、そういう気持ちはありませんのでご安心下さい」
気質というのは変えられないかもしれないけれど、気持ちを向ける対象は変えられるからね。
「いや、無理しなくてもいいんだよ?君の気持は……俺はわかっているつもりだから」
「???ありがとうございます」
何を無理しているのかはわからないけれど、とりあえず今の私が彼にとって無害なのはわかってくれただろう。そう思って礼を言うと……。
「親に強制された結婚でも、俺の事を考えて、俺の近くに嫁いできたんだろう?気持ちのない相手との結婚なんて嫌だったろうに」
「は?」
貴方今何を聞いていたというの?
「君の結婚が国にとって重要な事はわかるよ。でも、立場はともかく、気持ちは自由になってもいいんじゃないかな?あの頃の俺はまだ若くて、君の献身や干渉を少し……疎ましく思っていたのは確かだ。けど、今の俺は君を求めている。君の全てを受け止める覚悟もある」
いや、少しばかりじゃなかったわよね。全否定していたわよね。
私がそれを指摘しようとする隙も与えず、彼はここで声を小さくして囁いた。
「今後もこうして会えないか?俺は、君の気持に応えたいんだ」
「……………」
「本当は、忘れられなかったんだろう?俺のこと」
本人なりの物凄い決め顔で迫ってくるけれど、かける言葉がないってこういう事かしら。空いた口が塞がらないっていうか。
「これからも、二人でこうして会おう?そして秘密裡になっちゃうけど、あの時の約束を果たそう!」
待て!全然わかっていないじゃないの!ちょっと待て!本当に待て!どうしてそうなった。
今までの会話で、こんな方向に進む要素なんて一つもなかったわよね。
私の今の気持ちなんて「はあ?はあ?はあ?」なんだけど。音にすると、『あ』がフラット、斜め上、超斜め上に上がっていくやつね。
「婚約しても俺が忘れられなかったから、学生の時も、毎年のように長い休みの時はこっちに来ていたんだろう?」
それはない。単にいきなり嫁ぐよりも、その前に領の勉強や領民と交流をしたいと思ったからだ。
しかし、人は面白い話の方に飛びつくもの。
もし彼が、こんな飛んでも話を周囲にしたらどう思うだろう。
勿論、事実はそうではないし、周囲の人は私の過去も、現在も知っているから惑わされることはないと思う。
けれど、そうでない人は?
世の中は良く思ってくれている人がいれば、ほぼ同数のアンチも存在する。
中には彼の話を信じ、私と彼が切れていないのではないか。度々領を訪れていたのも、彼に会うためじゃないか、と思う人も出てくるだろう。もしかしたら、そこから関係があったんじゃないかと邪推する人も出てくるかもしれない。
「もし、これからもこうして君と会えるなら、この事実は言わない」
いえ、事実じゃないから。っていうか、これって脅し?私、脅されているの?文脈的に会わないと、彼だけの『真実』という名の『思い込み』を言いふらすって聞こえるんだけど。
考えもしていなかった展開にひたすら困惑していると、不意に仕切りのカーテンが開き、そこに逞しい腕を組み、足を開いて仁王立つジュリアナがいた。
「はーい。お時間でーす。お話終わりましたかー?」
高い声で歌うように叫ぶ彼女の背後では、エリザベータが店内の呼び鈴をチンチンとけたたましく鳴らしている。
どうやらタイムアウトのようだ。………助かった。
その事にホッとしていると、目の前にいたイザークが両の腕を二人の美女に取られ、軽々と連行されていく。
足、地面についていないのよね。
「ちょ、ちょっと待って下さい!まだ話が……!」
突然の事に一瞬虚を突かれた彼だったが、我に返って暴れ出す。が、身をよじるほど抵抗しても、美女二人の筋肉には敵わない。
「時間切れなんだもーん。仕方ないわよね」
「そうそう。時間切れ。ついでに言うと、今後若奥様に近づいたら、問答無用で襲っちゃうから、ヨロシク」
迷惑系一兵卒に対し、自警団や、自治隊を頼るんじゃなくて、自力救済の道を選ぶんだ。さすがエリザベータ。男の中の男。食物連鎖の頂点みたいな肉食獣の笑みに惚れ惚れするわ。
エリザベータの宣言を受けて、ジュリアナの目が輝く。
「やだ、ちょっと!エリザベータにやられたら、あんたもう元の道には戻れないわよー!」
「そうよ。私ってば、軍に居た時も生意気な奴を片っ端から矯正した、そっち方面の教育係だったんだから!」
「エリザベータの呼び出しは、その道の『片道切符』って有名だったのよねー!」
そんな切符を買うより、自治隊に突き出され、檻の中にいた方が幸せなんじゃないだろうか。
二人に運び出され、ゴミみたいに店外に放り出されるイザークを見て、私は心の中で彼に対し手を合わせていた。師匠がしていたように。
121
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
【完結】精霊姫は魔王陛下のかごの中~実家から独立して生きてこうと思ったら就職先の王子様にとろとろに甘やかされています~
吉武 止少
恋愛
ソフィアは小さい頃から孤独な生活を送ってきた。どれほど努力をしても妹ばかりが溺愛され、ないがしろにされる毎日。
ある日「修道院に入れ」と言われたソフィアはついに我慢の限界を迎え、実家を逃げ出す決意を固める。
幼い頃から精霊に愛されてきたソフィアは、祖母のような“精霊の御子”として監視下に置かれないよう身許を隠して王都へ向かう。
仕事を探す中で彼女が出会ったのは、卓越した剣技と鋭利な美貌によって『魔王』と恐れられる第二王子エルネストだった。
精霊に悪戯される体質のエルネストはそれが原因の不調に苦しんでいた。見かねたソフィアは自分がやったとバレないようこっそり精霊を追い払ってあげる。
ソフィアの正体に違和感を覚えたエルネストは監視の意味もかねて彼女に仕事を持ち掛ける。
侍女として雇われると思っていたのに、エルネストが意中の女性を射止めるための『練習相手』にされてしまう。
当て馬扱いかと思っていたが、恋人ごっこをしていくうちにお互いの距離がどんどん縮まっていってーー!?
本編は全42話。執筆を終えており、投稿予約も済ませています。完結保証。
+番外編があります。
11/17 HOTランキング女性向け第2位達成。
11/18~20 HOTランキング女性向け第1位達成。応援ありがとうございます。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】初恋の人に嫁ぐお姫様は毎日が幸せです。
くまい
恋愛
王国の姫であるヴェロニカには忘れられない初恋の人がいた。その人は王族に使える騎士の団長で、幼少期に兄たちに剣術を教えていたのを目撃したヴェロニカはその姿に一目惚れをしてしまった。
だが一国の姫の結婚は、国の政治の道具として見知らぬ国の王子に嫁がされるのが当たり前だった。だからヴェロニカは好きな人の元に嫁ぐことは夢物語だと諦めていた。
そしてヴェロニカが成人を迎えた年、王妃である母にこの中から結婚相手を探しなさいと釣書を渡された。あぁ、ついにこの日が来たのだと覚悟を決めて相手を見定めていると、最後の釣書には初恋の人の名前が。
これは最後のチャンスかもしれない。ヴェロニカは息を大きく吸い込んで叫ぶ。
「私、ヴェロニカ・エッフェンベルガーはアーデルヘルム・シュタインベックに婚約を申し込みます!」
(小説家になろう、カクヨミでも掲載中)
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる