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2[リア]
貢ぎ物 §2
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最後に運ばれてきた貢ぎ物は生ものだった。机の上に花束やバスケットに入った果物、箱に入った野菜などがずらりと並んだ。
腐るものは優先的に【鑑定】し、食品は料理人を交えて調整、花は一か所に集めてメイドに任せるらしい。
「ヴィルさん、これはどうやって返送するのですか?」と、わたしは尋ねた。
「これ、とは?」と、彼は戸惑っている。
「ん? ここにある贈り物、全部……」
ヴィルさんとイケ仏様は動きを止め、ジーッとわたしを見下ろしていた。
パチクリパチクリと、謎の信号が二か所から送られてきている。
え……これ、また何か答えなくてはいけないやつ??
「リア様、まさかとは思いますが、うれしくないのですか?」
イケ仏様は手にしていたクリップボードを近くの机に置き、信じられないとでも言いたげな表情で聞いてきた。
「冗談だろう? おそらくは各領地の最高の品ばかりだぞ?」とヴィルさん。
「お花とかお手紙はうれしいです。でも、見ず知らずの方から高価なものを頂くのは怖いです。頂いても期待にお応えできない可能性のほうが高いですし……」
「欲しいものだけでも貰っておけばいいだろう?」と、彼は言った。
「それは相手に失礼ではありませんか? お花や食べ物などは無理だとしても、腐らないものはすべてお返ししたいです」
二人は顔を見合わせ何かコソコソと相談すると、王宮で今後の方針を決めると言ってくれた。
「返すにせよ、ここで【鑑定】と台帳作りをすることに変わりはない。作業は続行だ」とヴィルさんは言う。
送り返してしまえば、この作業も省略できるかと思ったけれど、そうはいかないようだ。
「すみません、皆さん。わたしもお手伝いします。仕分けとリストへの書き込みならお任せくださいっ」
「ちょっちょっちょっと待った!」
手伝おうとしていたら、ヴィルさんに止められてしまった。
「大丈夫だ、リア。気持ちだけで十分だよ?」
「でも、手は多いほうが早く終わりますし……」
「いや! 君を止めないと、俺がアレンに怒られるから」
イケ仏様を見ると、なぜか左胸を押さえて苦しんでいた。周りにも何人か同じような人がいる。
「え……何かの集団発作?」
「いや、少々心臓をやられているが、すぐ元気になるから大丈夫だ」と彼は言った。
「ほむ???」
「彼らは先代のせいで優しい言葉にほとんど免疫がないんだ。気にするな。一緒に届いた花でも見よう。な?」
「は、はあ……。そうですか?」
早々に処理が終わった花束を見ていると、一つ一つに小さなメッセージカードが付いていた。お花は宮殿全体が明るくなるし、皆で楽しめるのでありがたい。
順番に見ていくと、小さなぬいぐるみが添えられたバラの花束を見つけた。
「わあ。可愛いクマさん。どなたからでしょう」
リアルでは絶対に遭遇したくない森の脅威も、キャラクターになると可愛いから不思議だ。
メッセージカードを開くと、ヴィルさんも一緒にのぞき込み、なぜか「げっ」と声を上げた。
「貴女の騎士 クリストフ・クランツ」と書いてある。
「わぁ、くまんつ様です♪」
クマ似のくまんつ様が、クマさんを添えてお花をくれるなんて、なんだか可愛いし面白い。もしや、くまんつ様も旦那さま候補になってくださるのだろうか。
「くまんつ様、うれしい……」
手の平よりも小さく柔らかなクマさんを、ただ指先でふにふに触るだけで癒される。くぅ~っ、やはりクマさんマスコットは癒しだ。モフっと大きな赤いバラの花束も素敵だった。
「リア、それは受け取るのか?」と、ヴィルさんが聞いてきた。
「お花は全部飾ろうと思います」
「いや、花じゃない。そのクマだ!」
ヴィルさんは青ざめた顔でプルプルしながら、わたしがモフっているクマを指さした。
「ベッド横にある棚に飾ろうかと」と言い終わらないうちに「ベッドにクリスは駄目だ!」と言われた。
「くりす? このクマ君の名前ですか?」
「違う。クリストフだ」
「くまんつ様のことですか??」
「百歩譲って、暖炉の上ではダメか?」
「暖炉の上もいいですね。お茶を頂くときに見えるし」
「ぐ……茶か。ま、まあ、茶ぐらいならいいだろう」
詳しく聞こうとしたものの、侍女長が呼びに来てしまったため、そこで話が終わってしまった。
「よし、出かける支度だ!」
ヴィルさんはわたしからそっとクマの「クリス君」を取り上げた。
「あっ、それはお部屋に持っ――」
「皆、あとはよろしく頼む!」
「ヴィルさん、クマ君を返――」
「大丈夫、運ばせる! アレン、頼む!」
わたしの言葉をことごとく食い気味に遮ると、彼はわたしをガバッと抱き上げた。
「ひゃぁっ! お、降ろしてください!」
「行こう!」
「はわぁぁぁ……ッ、副団長さま助けてー!」
イケ仏様は額に手を当ててため息をついていた。わたしの気のせいだろうけれど、なぜかそれが「南無ぅ」に聞こえた。
ヴィルさんはそのまま会議室を出ると、スタコラサッサと階段を上り、わたしの部屋へと向かった。わたしを侍女に託すと、清々しい笑みを浮かべて部屋から出ていく。
彼の自己中心的な感じもまた、実家の柴犬にソックリだ……。
ところが、彼の謎は柴犬化だけにとどまらなかった。
支度を終え、再びヴィルさんと顔を合わせた瞬間、わたしは「でぇッ?」とお上品な(?)声を発していた。「なんでぇ?!」の最後の音だけが外に漏れたのだ。
彼はわたしとおそろいにしか見えないモスグリーンにキラキラ金刺繍の服で微笑んでいた。
「リア、行こうか」
「んっ? あ……ハイ」
「いい香りがする。こんなに近づかないと香らないようにするなんて、リアは意地悪だな」
戸惑うわたしをよそに、彼は顔を近づけてスンスンと匂いを嗅ぎ、またイケ仏様に叱られていた。
☟
ずらりと並んだ宮殿のスタッフや騎士から「行ってらっしゃいませ」と言われる見送りの習慣――
初めは「なんだこれは」とドン引きしてしまったけれど、にこやかに手を振りながら「行ってまいります」が言えるようになったのは大進歩だ。
最大の難関は、騎士団員がそろって敬礼してくる場所だった。つられて敬礼をしないよう気をつけなければならない。過去に二度もやらかし、周りをずっこけさせた前科者なのだ。
百合の紋が入った豪華な馬車がお待ちかねだった。後ろの馬車には侍女やヴィルさんの従者などが乗り、騎士団がオン・ザ・白馬で護ってくれる。近所の王宮へご飯を食べに行くだけでも団体移動だ。
ヴィルさんのエスコートで馬車に乗り込むと、窓の外には「白馬のイケ仏」と化したオーディンス副団長がいた。世界で最も格好いい仏像と白馬の相性は抜群である。
小さく手を振ると、ホトケは優しく微笑んだ。笑ったときに少しだけ出てくる「中の人」が尊い。渋谷のハチ公像をこっそりイケ仏像に取り替え、日本の皆さんにも見てもらいたいぐらいだ……。
大勢に見送られ、馬車はゆっくりと動き出す。
その車内では、またヴィルさんが巻き付いていた。暖房のない車内に備えて羽織ったケープコートは、まったく必要なかったようだ。
「ねぇ、ヴィルさん? どうして今日は同じ服なのですか?」
コトコトと心地よく揺れる馬車の中で、わたしは思い切って彼に尋ねた。
家を出る間際、こっそり侍女長に聞いたところ、彼とおそろいの服を発注したことはないそうだ。それに、そろいの服で出歩く男女といえば、幸せ絶頂期の婚約カップルくらいだと言っていた。
「何か特別な意図があるのでは?」というのが彼女の談だ。
「リアは、観劇は好きか?」
彼はわたしの質問には答えず、まったく関係のないことを聞いてきた。
答えるつもりがないと悟り、わたしは落胆して窓の外に目をやった。はっきりしない関係に、早く答えを出したいと思うのは、わたしのワガママなのだろうか……。
馬車は最初のカーブを曲がり、少しずつ速度を上げている。
街路樹の隙間から、大きな湖に夕陽が反射しているのが見えた。
この世界には太陽の役割をしている天体が二つあり、時間差で沈んでいくため、日本よりも夕焼けの出ている時間が長い。
わたしは少しの間、まったく別のことを考えて頭をリセットした。
「観劇は好きですよ。母国でも観に行っていました」
「面白いと話題になっている演目があるから、今度行こうか。昨日、広告をもらったんだ」
彼はポケットからチラシを取り出し、広げて見せてくれた。
美男美女の俳優さんがダブル主演で「死ぬほど笑えて泣ける恋物語」という魅力的なキャッチフレーズが書いてある。
笑えるのはいいことだ。この国は日本に比べて極端に娯楽が少ないので、楽しいと思えることを一つでも増やしたい。
「面白そうですね。ぜひ行きたいです」
そのまま他愛のない話をしていると王宮に到着した。
腐るものは優先的に【鑑定】し、食品は料理人を交えて調整、花は一か所に集めてメイドに任せるらしい。
「ヴィルさん、これはどうやって返送するのですか?」と、わたしは尋ねた。
「これ、とは?」と、彼は戸惑っている。
「ん? ここにある贈り物、全部……」
ヴィルさんとイケ仏様は動きを止め、ジーッとわたしを見下ろしていた。
パチクリパチクリと、謎の信号が二か所から送られてきている。
え……これ、また何か答えなくてはいけないやつ??
「リア様、まさかとは思いますが、うれしくないのですか?」
イケ仏様は手にしていたクリップボードを近くの机に置き、信じられないとでも言いたげな表情で聞いてきた。
「冗談だろう? おそらくは各領地の最高の品ばかりだぞ?」とヴィルさん。
「お花とかお手紙はうれしいです。でも、見ず知らずの方から高価なものを頂くのは怖いです。頂いても期待にお応えできない可能性のほうが高いですし……」
「欲しいものだけでも貰っておけばいいだろう?」と、彼は言った。
「それは相手に失礼ではありませんか? お花や食べ物などは無理だとしても、腐らないものはすべてお返ししたいです」
二人は顔を見合わせ何かコソコソと相談すると、王宮で今後の方針を決めると言ってくれた。
「返すにせよ、ここで【鑑定】と台帳作りをすることに変わりはない。作業は続行だ」とヴィルさんは言う。
送り返してしまえば、この作業も省略できるかと思ったけれど、そうはいかないようだ。
「すみません、皆さん。わたしもお手伝いします。仕分けとリストへの書き込みならお任せくださいっ」
「ちょっちょっちょっと待った!」
手伝おうとしていたら、ヴィルさんに止められてしまった。
「大丈夫だ、リア。気持ちだけで十分だよ?」
「でも、手は多いほうが早く終わりますし……」
「いや! 君を止めないと、俺がアレンに怒られるから」
イケ仏様を見ると、なぜか左胸を押さえて苦しんでいた。周りにも何人か同じような人がいる。
「え……何かの集団発作?」
「いや、少々心臓をやられているが、すぐ元気になるから大丈夫だ」と彼は言った。
「ほむ???」
「彼らは先代のせいで優しい言葉にほとんど免疫がないんだ。気にするな。一緒に届いた花でも見よう。な?」
「は、はあ……。そうですか?」
早々に処理が終わった花束を見ていると、一つ一つに小さなメッセージカードが付いていた。お花は宮殿全体が明るくなるし、皆で楽しめるのでありがたい。
順番に見ていくと、小さなぬいぐるみが添えられたバラの花束を見つけた。
「わあ。可愛いクマさん。どなたからでしょう」
リアルでは絶対に遭遇したくない森の脅威も、キャラクターになると可愛いから不思議だ。
メッセージカードを開くと、ヴィルさんも一緒にのぞき込み、なぜか「げっ」と声を上げた。
「貴女の騎士 クリストフ・クランツ」と書いてある。
「わぁ、くまんつ様です♪」
クマ似のくまんつ様が、クマさんを添えてお花をくれるなんて、なんだか可愛いし面白い。もしや、くまんつ様も旦那さま候補になってくださるのだろうか。
「くまんつ様、うれしい……」
手の平よりも小さく柔らかなクマさんを、ただ指先でふにふに触るだけで癒される。くぅ~っ、やはりクマさんマスコットは癒しだ。モフっと大きな赤いバラの花束も素敵だった。
「リア、それは受け取るのか?」と、ヴィルさんが聞いてきた。
「お花は全部飾ろうと思います」
「いや、花じゃない。そのクマだ!」
ヴィルさんは青ざめた顔でプルプルしながら、わたしがモフっているクマを指さした。
「ベッド横にある棚に飾ろうかと」と言い終わらないうちに「ベッドにクリスは駄目だ!」と言われた。
「くりす? このクマ君の名前ですか?」
「違う。クリストフだ」
「くまんつ様のことですか??」
「百歩譲って、暖炉の上ではダメか?」
「暖炉の上もいいですね。お茶を頂くときに見えるし」
「ぐ……茶か。ま、まあ、茶ぐらいならいいだろう」
詳しく聞こうとしたものの、侍女長が呼びに来てしまったため、そこで話が終わってしまった。
「よし、出かける支度だ!」
ヴィルさんはわたしからそっとクマの「クリス君」を取り上げた。
「あっ、それはお部屋に持っ――」
「皆、あとはよろしく頼む!」
「ヴィルさん、クマ君を返――」
「大丈夫、運ばせる! アレン、頼む!」
わたしの言葉をことごとく食い気味に遮ると、彼はわたしをガバッと抱き上げた。
「ひゃぁっ! お、降ろしてください!」
「行こう!」
「はわぁぁぁ……ッ、副団長さま助けてー!」
イケ仏様は額に手を当ててため息をついていた。わたしの気のせいだろうけれど、なぜかそれが「南無ぅ」に聞こえた。
ヴィルさんはそのまま会議室を出ると、スタコラサッサと階段を上り、わたしの部屋へと向かった。わたしを侍女に託すと、清々しい笑みを浮かべて部屋から出ていく。
彼の自己中心的な感じもまた、実家の柴犬にソックリだ……。
ところが、彼の謎は柴犬化だけにとどまらなかった。
支度を終え、再びヴィルさんと顔を合わせた瞬間、わたしは「でぇッ?」とお上品な(?)声を発していた。「なんでぇ?!」の最後の音だけが外に漏れたのだ。
彼はわたしとおそろいにしか見えないモスグリーンにキラキラ金刺繍の服で微笑んでいた。
「リア、行こうか」
「んっ? あ……ハイ」
「いい香りがする。こんなに近づかないと香らないようにするなんて、リアは意地悪だな」
戸惑うわたしをよそに、彼は顔を近づけてスンスンと匂いを嗅ぎ、またイケ仏様に叱られていた。
☟
ずらりと並んだ宮殿のスタッフや騎士から「行ってらっしゃいませ」と言われる見送りの習慣――
初めは「なんだこれは」とドン引きしてしまったけれど、にこやかに手を振りながら「行ってまいります」が言えるようになったのは大進歩だ。
最大の難関は、騎士団員がそろって敬礼してくる場所だった。つられて敬礼をしないよう気をつけなければならない。過去に二度もやらかし、周りをずっこけさせた前科者なのだ。
百合の紋が入った豪華な馬車がお待ちかねだった。後ろの馬車には侍女やヴィルさんの従者などが乗り、騎士団がオン・ザ・白馬で護ってくれる。近所の王宮へご飯を食べに行くだけでも団体移動だ。
ヴィルさんのエスコートで馬車に乗り込むと、窓の外には「白馬のイケ仏」と化したオーディンス副団長がいた。世界で最も格好いい仏像と白馬の相性は抜群である。
小さく手を振ると、ホトケは優しく微笑んだ。笑ったときに少しだけ出てくる「中の人」が尊い。渋谷のハチ公像をこっそりイケ仏像に取り替え、日本の皆さんにも見てもらいたいぐらいだ……。
大勢に見送られ、馬車はゆっくりと動き出す。
その車内では、またヴィルさんが巻き付いていた。暖房のない車内に備えて羽織ったケープコートは、まったく必要なかったようだ。
「ねぇ、ヴィルさん? どうして今日は同じ服なのですか?」
コトコトと心地よく揺れる馬車の中で、わたしは思い切って彼に尋ねた。
家を出る間際、こっそり侍女長に聞いたところ、彼とおそろいの服を発注したことはないそうだ。それに、そろいの服で出歩く男女といえば、幸せ絶頂期の婚約カップルくらいだと言っていた。
「何か特別な意図があるのでは?」というのが彼女の談だ。
「リアは、観劇は好きか?」
彼はわたしの質問には答えず、まったく関係のないことを聞いてきた。
答えるつもりがないと悟り、わたしは落胆して窓の外に目をやった。はっきりしない関係に、早く答えを出したいと思うのは、わたしのワガママなのだろうか……。
馬車は最初のカーブを曲がり、少しずつ速度を上げている。
街路樹の隙間から、大きな湖に夕陽が反射しているのが見えた。
この世界には太陽の役割をしている天体が二つあり、時間差で沈んでいくため、日本よりも夕焼けの出ている時間が長い。
わたしは少しの間、まったく別のことを考えて頭をリセットした。
「観劇は好きですよ。母国でも観に行っていました」
「面白いと話題になっている演目があるから、今度行こうか。昨日、広告をもらったんだ」
彼はポケットからチラシを取り出し、広げて見せてくれた。
美男美女の俳優さんがダブル主演で「死ぬほど笑えて泣ける恋物語」という魅力的なキャッチフレーズが書いてある。
笑えるのはいいことだ。この国は日本に比べて極端に娯楽が少ないので、楽しいと思えることを一つでも増やしたい。
「面白そうですね。ぜひ行きたいです」
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