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[クリス]
紳士のたしなみ §1
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通知書の差出人は銀行だった。
「っかしいな……給金の振り込みにはまだ早いぞ」
封を切って中を開くなり、俺は「なんじゃこりゃあぁぁ!」と叫んだ。
目を見張るような大金が、俺の銀行口座に振り込まれている。
送金元は王宮、つまり陛下だ。明細には「経費精算」と書いてあった。
――こんな経費があってたまるか! さては、騎士団予算を間違えて個人口座に振り込んだな?
ところが、問い合わせてみると「クランツ領の往復にかかった経費や、聖女のために用意したものなどを計算した」との返事があった。
実際にかかった金額を三倍にして一桁増やしたくらいの金額なのだが、おとなしく受け取れと言う。
「仕方ないな……ありがたく頂戴しておくか。そうだ、褒賞も辞退したことだしな……うん」
身の周りの品以外は、主にやかまし娘の飯代なのだが、金がかかったのは事実だ。どうにか自分を納得させる俺だった。
さらにその翌日、またもや銀行から通知が送られてきた。
今度はカール・ランドルフ名義で「謝礼」として振り込みがあったと書いてある。
俺の視界が一瞬白くなった――。なぜなら、陛下からの「経費」とほぼ同額だからだ。思わず手に持っていた通知書をクシャリと握りしめた。
「ど、どうなってんだ、あの双子のおじさんは……!」
幸い、俺は王宮の特別区画への出入りが自由な身だ。直接話を聞くために二人の執務室に向かうと、部屋から黒い制服の特務師が出てきて、あやうくぶつかりそうになった。
「あ、失礼しました」と、赤髪のイケメン特務師が言った。
整った顔をしているわりに、それ以外の印象が薄い。潜入のプロだと直感した。
急に消えていなくなっても「顔が良かった」という印象しか残らない感じの男だ。
目が合うと、相手が「お疲れさまです」と頭を下げた。
「お、おう。お疲れ」
俺が答えると、彼はニッと口角を上げて立ち去った。
ノックをして中に入ると、カール殿下が顔を上げた。
「クリスの坊か、どうした? 弟に用か?」と言った。
「いいえ。腰を抜かしそうな金が振り込まれていたので、理由を聞こうと」
「息子と義娘を助けてくれたお礼だ」と言う。
やはり「だまって受け取れ」と言われた。どうやら双子のおじさんは、俺を元気づけようとしてくれているようだ。
結果的に、褒賞をもらったも同然の金額が、口座に突っ込まれたことになる。
「良い釣りざおでも買うといい」と殿下は笑っていたが、良い釣り船を買ってもお釣りがくる金額だった。
☟
王都観光を楽しんでいたクランツ騎士のもとには、リア様からお礼の品が届いていた。
商人街で使える商品券や、領地に持ち帰るための土産物や菓子がどっさりだ。
「それからパーティーの招待状が届いています」と、グリュンベルクは言った。
「パーティー?」
「服まで用意してくださって……。我々が出席してもいいものでしょうか」
「これは開店記念パーティーだな。その場で試供品がもらえたり、開店前に買ったりできるやつだ」
王都では流行に敏感な連中がこぞって出かけている類の催しで、高所得者向けではあるが、必ずしも貴族限定というわけではない。
同じ招待状が俺にも届いており、ヴィルも行くと言った。都会のパーティーに尻込みしている六人を連れ、俺も参加することにした。
きらびやかなシャンデリアの光が降り注ぐ会場は、舞踏会にも使われる高級ホテルの大ホールだ。
色とりどりのドレスをまとった貴婦人や、仕立ての良い服に身を包んだ紳士たちでごった返している。
グラスの触れ合う音と、人々の談笑する声が心地良いざわめきとなり、華やかな空間を満たしていた。そこかしこに飾られた花の香りに混じって、かすかにワインの匂いがしている。
「すごく豪華ですね……。招待されたとはいえ、平民の我々が来てしまって良かったのでしょうか」と、隊長のグリュンベルクは不安そうに周りを見回した。
王都ではよくある催しとはいえ、その中でも群を抜いて洗練された雰囲気だ。気が引けるのも無理はない。
「安心しろ。これは貴族だって腰が引ける。俺のそばにいれば問題ない」と言うと、彼らはホッとした表情を見せた。
「やあ、クリス。と、クランツの騎士たち」
ヴィルが手を振りながら声をかけてきた。
団員たちは王都での思わぬ厚遇に口をそろえてお礼を伝えている。
「妻から君たちにお願いごとがあるのだが」と、彼は言った。
「今日、妻は仕事をしていてね。もし、彼女を見つけても、本名は呼ばないでもらいたい。今日の彼女は『リナちゃん』らしい。そして一緒にいる彼は『アーロン君』というので、それだけ理解してもらえるかな?」
コソコソと小声で言う彼に「何を企んでいるんだ」と、俺はツッコんだ。
「それがさ、俺もよくわからないんだよ。情報収集をしているから邪魔をしないでほしいという話だった」
「アーロン君て、まさかアレンか?」
「そう。だから心配はない」
招かれている女性客は貴族が大半で、わずかに豪商の夫人や娘がいる程度だった。彼女の顔を知っている人がほとんどで、どこかの貴族令嬢になりすましたところで、すぐにバレてしまうはず。
さりげなく見回してみたが「リナちゃんとアーロン君らしき」二人は見当たらない。
ふと腕に誰かが触れた。
「どうした?」
「若殿……大変です。自分、見つけてしまいました。お二人がいらっしゃいました」と、グリュンベルクが小声で言った。
「マジか……っ」
彼はコソコソとささやくように「右です」と言った。
「右?」
「出口近くにいる黒ぶちメガネと丸メガネです」
「メガネ……」
「給仕の変装で、黒の上下を」
「黒……うおぉっ!」
「たまたま背格好がお二人に似ていたので。しかし、あれは誰にもわからない気がします」
彼の言うとおり、リア様とアレンが給仕になりすましていた。
アレンは黒ジャケットに白シャツと蝶ネクタイ。七三分けの髪に丸メガネという「究極にアレンじゃない格好」だ。
ほかの者に比べて長身で体格はいいが、その平凡すぎる服と髪型のせいで、不思議と普通の男に見える。特務師の特殊訓練を受けているだけあり、気配の消し方はプロだ。
リア様も短い黒ジャケットに白のブラウス、赤の細いリボンタイ。そして黒の長いスカートだ。ひっつめた髪に黒ぶちメガネ。泣きたくなるほど地味で目立たない給仕だ……。とてもではないが聖女には見えない。そもそも二人とも貴族にすら見えないのだ。
二人の場所をヴィルに伝えると、彼は目を細めた。
「なあ、俺の妻は何になるつもりなのだろう。いったい何を目指しているのだ。やはり彼女は特務師なのか?」
「おい見ろ。変装だけじゃないぞ。本当に給仕をやる気だ」
彼らは酒と食べ物が満載のワゴンを押してテーブルを回り始めた。
「うわ……ちょっと、マジか。こっちにも来るのかな?」と、ヴィルはそわそわしている。
情報収集をしていると言っていたが、これは本気だ。
にこやかに接客をしつつ、客にワインや食べ物を供している。所作も長年それをやっていたかのように自然だ。
アレンはともかくとして、彼女はいったいどこで訓練を受けたのだろう。
「ようこそ、いらっしゃいませ。お飲み物はいかがでしょうか」
七三分けの丸メガネが爽やかに声をかけてきた。胸の名札には「アーロン」と書いてある。
「やべぇ、超ウケる、その髪型……っ」
俺はこらえきれず立食用テーブルに突っ伏し、顔を隠しながら笑った。
「ド田舎の若殿がうるせえぞ、お客様」
アーロン君はワゴンからグラスを取りつつ小声で言った。
なんて口の悪い給仕だ。所作は完璧だが、相手が俺なのでマトモな接客をしてくれない。俺は必死で笑うのをこらえた。
「態度が悪いぞ、アーロン君」
がんばれ、俺。笑ったら負けだ。
「ワインでいいのか、お客様。コノヤロウ」
「ああ、ワインを頼むよ、ダサい七三分けのアーロン君」
腹筋が痛い。涙が出てきた。ヴィルのせき払いがうるせえ。
「賓客だから一番良いのを出してやるぞ。喜びやがれ、お客様」
「おや、クランツ・ワインじゃないか。いい趣味をしているな、アーロン君」
「つまみは俺のかわいい彼女から受け取りやがれ、お客様」
「まだお前のじゃねぇだろ、アーロン君」
「うるせえ、俺のだ。触ったらコロスぞ、お客様」
――うぷぷぷ……ダメだ、死ぬ死ぬ死ぬ。こいつ、ドサクサ紛れに本音が漏れている。
俺はアーロン君をいじって暴言を吐かれ、ヴィルはリナちゃんの髪を触ろうとして怒られていた。面白すぎてウチの騎士が声を殺して泣きながら笑っている。
「皆さま、こんな格好で申し訳ありません」
リナちゃんが小さな声をさらに小さくして言った。
「のちほど『びんご大会』がございます。素敵な賞品が当たりますので、お楽しみに~っ」
メガネの二人組は「れっつ、びんごぉ」と謎の呪文を唱え、去って行った。
グリュンベルクが「しばらく話のネタに困らないですね」とつぶやいた。
「っかしいな……給金の振り込みにはまだ早いぞ」
封を切って中を開くなり、俺は「なんじゃこりゃあぁぁ!」と叫んだ。
目を見張るような大金が、俺の銀行口座に振り込まれている。
送金元は王宮、つまり陛下だ。明細には「経費精算」と書いてあった。
――こんな経費があってたまるか! さては、騎士団予算を間違えて個人口座に振り込んだな?
ところが、問い合わせてみると「クランツ領の往復にかかった経費や、聖女のために用意したものなどを計算した」との返事があった。
実際にかかった金額を三倍にして一桁増やしたくらいの金額なのだが、おとなしく受け取れと言う。
「仕方ないな……ありがたく頂戴しておくか。そうだ、褒賞も辞退したことだしな……うん」
身の周りの品以外は、主にやかまし娘の飯代なのだが、金がかかったのは事実だ。どうにか自分を納得させる俺だった。
さらにその翌日、またもや銀行から通知が送られてきた。
今度はカール・ランドルフ名義で「謝礼」として振り込みがあったと書いてある。
俺の視界が一瞬白くなった――。なぜなら、陛下からの「経費」とほぼ同額だからだ。思わず手に持っていた通知書をクシャリと握りしめた。
「ど、どうなってんだ、あの双子のおじさんは……!」
幸い、俺は王宮の特別区画への出入りが自由な身だ。直接話を聞くために二人の執務室に向かうと、部屋から黒い制服の特務師が出てきて、あやうくぶつかりそうになった。
「あ、失礼しました」と、赤髪のイケメン特務師が言った。
整った顔をしているわりに、それ以外の印象が薄い。潜入のプロだと直感した。
急に消えていなくなっても「顔が良かった」という印象しか残らない感じの男だ。
目が合うと、相手が「お疲れさまです」と頭を下げた。
「お、おう。お疲れ」
俺が答えると、彼はニッと口角を上げて立ち去った。
ノックをして中に入ると、カール殿下が顔を上げた。
「クリスの坊か、どうした? 弟に用か?」と言った。
「いいえ。腰を抜かしそうな金が振り込まれていたので、理由を聞こうと」
「息子と義娘を助けてくれたお礼だ」と言う。
やはり「だまって受け取れ」と言われた。どうやら双子のおじさんは、俺を元気づけようとしてくれているようだ。
結果的に、褒賞をもらったも同然の金額が、口座に突っ込まれたことになる。
「良い釣りざおでも買うといい」と殿下は笑っていたが、良い釣り船を買ってもお釣りがくる金額だった。
☟
王都観光を楽しんでいたクランツ騎士のもとには、リア様からお礼の品が届いていた。
商人街で使える商品券や、領地に持ち帰るための土産物や菓子がどっさりだ。
「それからパーティーの招待状が届いています」と、グリュンベルクは言った。
「パーティー?」
「服まで用意してくださって……。我々が出席してもいいものでしょうか」
「これは開店記念パーティーだな。その場で試供品がもらえたり、開店前に買ったりできるやつだ」
王都では流行に敏感な連中がこぞって出かけている類の催しで、高所得者向けではあるが、必ずしも貴族限定というわけではない。
同じ招待状が俺にも届いており、ヴィルも行くと言った。都会のパーティーに尻込みしている六人を連れ、俺も参加することにした。
きらびやかなシャンデリアの光が降り注ぐ会場は、舞踏会にも使われる高級ホテルの大ホールだ。
色とりどりのドレスをまとった貴婦人や、仕立ての良い服に身を包んだ紳士たちでごった返している。
グラスの触れ合う音と、人々の談笑する声が心地良いざわめきとなり、華やかな空間を満たしていた。そこかしこに飾られた花の香りに混じって、かすかにワインの匂いがしている。
「すごく豪華ですね……。招待されたとはいえ、平民の我々が来てしまって良かったのでしょうか」と、隊長のグリュンベルクは不安そうに周りを見回した。
王都ではよくある催しとはいえ、その中でも群を抜いて洗練された雰囲気だ。気が引けるのも無理はない。
「安心しろ。これは貴族だって腰が引ける。俺のそばにいれば問題ない」と言うと、彼らはホッとした表情を見せた。
「やあ、クリス。と、クランツの騎士たち」
ヴィルが手を振りながら声をかけてきた。
団員たちは王都での思わぬ厚遇に口をそろえてお礼を伝えている。
「妻から君たちにお願いごとがあるのだが」と、彼は言った。
「今日、妻は仕事をしていてね。もし、彼女を見つけても、本名は呼ばないでもらいたい。今日の彼女は『リナちゃん』らしい。そして一緒にいる彼は『アーロン君』というので、それだけ理解してもらえるかな?」
コソコソと小声で言う彼に「何を企んでいるんだ」と、俺はツッコんだ。
「それがさ、俺もよくわからないんだよ。情報収集をしているから邪魔をしないでほしいという話だった」
「アーロン君て、まさかアレンか?」
「そう。だから心配はない」
招かれている女性客は貴族が大半で、わずかに豪商の夫人や娘がいる程度だった。彼女の顔を知っている人がほとんどで、どこかの貴族令嬢になりすましたところで、すぐにバレてしまうはず。
さりげなく見回してみたが「リナちゃんとアーロン君らしき」二人は見当たらない。
ふと腕に誰かが触れた。
「どうした?」
「若殿……大変です。自分、見つけてしまいました。お二人がいらっしゃいました」と、グリュンベルクが小声で言った。
「マジか……っ」
彼はコソコソとささやくように「右です」と言った。
「右?」
「出口近くにいる黒ぶちメガネと丸メガネです」
「メガネ……」
「給仕の変装で、黒の上下を」
「黒……うおぉっ!」
「たまたま背格好がお二人に似ていたので。しかし、あれは誰にもわからない気がします」
彼の言うとおり、リア様とアレンが給仕になりすましていた。
アレンは黒ジャケットに白シャツと蝶ネクタイ。七三分けの髪に丸メガネという「究極にアレンじゃない格好」だ。
ほかの者に比べて長身で体格はいいが、その平凡すぎる服と髪型のせいで、不思議と普通の男に見える。特務師の特殊訓練を受けているだけあり、気配の消し方はプロだ。
リア様も短い黒ジャケットに白のブラウス、赤の細いリボンタイ。そして黒の長いスカートだ。ひっつめた髪に黒ぶちメガネ。泣きたくなるほど地味で目立たない給仕だ……。とてもではないが聖女には見えない。そもそも二人とも貴族にすら見えないのだ。
二人の場所をヴィルに伝えると、彼は目を細めた。
「なあ、俺の妻は何になるつもりなのだろう。いったい何を目指しているのだ。やはり彼女は特務師なのか?」
「おい見ろ。変装だけじゃないぞ。本当に給仕をやる気だ」
彼らは酒と食べ物が満載のワゴンを押してテーブルを回り始めた。
「うわ……ちょっと、マジか。こっちにも来るのかな?」と、ヴィルはそわそわしている。
情報収集をしていると言っていたが、これは本気だ。
にこやかに接客をしつつ、客にワインや食べ物を供している。所作も長年それをやっていたかのように自然だ。
アレンはともかくとして、彼女はいったいどこで訓練を受けたのだろう。
「ようこそ、いらっしゃいませ。お飲み物はいかがでしょうか」
七三分けの丸メガネが爽やかに声をかけてきた。胸の名札には「アーロン」と書いてある。
「やべぇ、超ウケる、その髪型……っ」
俺はこらえきれず立食用テーブルに突っ伏し、顔を隠しながら笑った。
「ド田舎の若殿がうるせえぞ、お客様」
アーロン君はワゴンからグラスを取りつつ小声で言った。
なんて口の悪い給仕だ。所作は完璧だが、相手が俺なのでマトモな接客をしてくれない。俺は必死で笑うのをこらえた。
「態度が悪いぞ、アーロン君」
がんばれ、俺。笑ったら負けだ。
「ワインでいいのか、お客様。コノヤロウ」
「ああ、ワインを頼むよ、ダサい七三分けのアーロン君」
腹筋が痛い。涙が出てきた。ヴィルのせき払いがうるせえ。
「賓客だから一番良いのを出してやるぞ。喜びやがれ、お客様」
「おや、クランツ・ワインじゃないか。いい趣味をしているな、アーロン君」
「つまみは俺のかわいい彼女から受け取りやがれ、お客様」
「まだお前のじゃねぇだろ、アーロン君」
「うるせえ、俺のだ。触ったらコロスぞ、お客様」
――うぷぷぷ……ダメだ、死ぬ死ぬ死ぬ。こいつ、ドサクサ紛れに本音が漏れている。
俺はアーロン君をいじって暴言を吐かれ、ヴィルはリナちゃんの髪を触ろうとして怒られていた。面白すぎてウチの騎士が声を殺して泣きながら笑っている。
「皆さま、こんな格好で申し訳ありません」
リナちゃんが小さな声をさらに小さくして言った。
「のちほど『びんご大会』がございます。素敵な賞品が当たりますので、お楽しみに~っ」
メガネの二人組は「れっつ、びんごぉ」と謎の呪文を唱え、去って行った。
グリュンベルクが「しばらく話のネタに困らないですね」とつぶやいた。
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