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書きたいことを書いてはいけない
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どうも、読者の皆様。
わざわざこんな僻地まで足を運んでくれてありがとう。
最初に断っておかなきゃいけないことがあるので、覚悟して聞いてくださいね。
このシリーズは面白くありません。
面白さを追求していません。
クスッとすら笑えません。泣けません。涙腺が緩むことすらありません。
R18要素は希薄です。ショート・ショートでもありません。
もしかしてイラっとすることがあるかも。
「何かこの作者偉そう」と感じても、できれば笑って許してください。
だって、この文章は、九割方自分自身のために書いているだけだから。
自分の頭を整理するために書いているだけだから。
究極まで自分勝手な文章だから。
それでも、もしかして楽しんでくれる稀有な方がいるかもしれない。
正直、そんな期待を抱いている自分もいます。
もしこんなエッセイでも楽しんでくれたのであれば、それはジオラマにとって最大のご褒美です。
文章は読まれることで、初めて命が吹き込まれるのです。
読者の方々の心に何か引っかかってくれれば、これ以上ない幸せです。
それでは、長い前置きはこれくらいにしまして、そろそろ始めますね。
★☆★☆
今日の話題は、小説を書く上で、自分が一番気を付けていることです。
それは、『書きたいことを書かない』ということ。
もっと言うと、書きたいことを書かない技術を磨くことが、物書きには必要だと思っています。
そんな馬鹿な。何を言っているんだ。
お前は書きたいから書いているのではないか、とお叱りを受けるかもしれない。
だから、一度言い直させて下さい。
『書きたいことを、直接的な表現では書かない』
そう言えば、もう少し分かりやすくなるだろうか。
匂わせるって言った方が、通りがいいかな。
まだ分かりにくいだろうから、例を挙げよう。
例えば、「主人公はお腹がすいた」と書きたかったとする。
でもそのまま言いたい通り「お腹がすいた」と書いただけだと、味気がないし、面白みもない。
「あっそ、お腹がすいたのね。それで?」
そんな冷たい読者さんのリアクションが、ジオラマの頭にはありあり浮かぶ。
そう思われた時点で、物書きは負けだと思う。
だから重要になってくるのが、いかに直接的な表現を使わないで表現するか。
さっきのお腹がすいたって例を、直接的な表現を使わずに言い換えてみる。
「メニューを見ただけで、口の中に涎が溢れてきた」なんてどうだろう。
あるいは、「香ばしいカレーの匂いを嗅いだだけで、お腹がゴロゴロ鳴った」とかなんて書いてもいいかもしれない。
重要なことは、「自分が何を書きたいかを理解していること」と「意図的に直接的な表現を使わないということ」。
自分の書きたいことが分かっていなければ、そもそも『書きたいことを書かない』ことはできない。
スタートラインにすら立てない。
けれども、自分の書きたいことを理解すること自体、ハードルが高いと思う。
少なくとも、ジオラマ自身できている自信がない。
なにはともあれ、この文章は自分の書きたいことを直接的に書いている。
だから小説としては、失格もいいところ。
とても食えたもんじゃない、超絶へたっぴな小説だ。いや、小説ですらない。
だけど、論理性が求められるエッセイとしては、一応成立していると自負している。
★☆★☆
次に、どうやって「書きたいことを書かずに文章を綴るか」を考えてみる。
結論から言うと、五感をフルに活用するのが一番いい方法だと思う。
五感――視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚――に直接訴えるような表現をフルに活用して、描写する。
例えば「悲しい」と言いたいとき、決して「オレは悲しい」なんて登場人物に語らせてはいけない。
「オレは悲しい」と登場人物が言っていいのは、「『オレは悲しい』と登場人物が相手に感じてほしいと思っていることを表現したいときだけ」だ。
なんかややこしい表現になったね(汗)
話を戻そう。
「オレは悲しい」と表現したいとき、具体的にはどうするか。
五感を使って順に表現してみよう。ゴレンジャー、いや、五感ジャー登場せよ!
★☆★☆
よし、よく来てくれた。正義のヒーロー、五感ジャー。大喜利に参加せよ。
みんな頷いているので早速始める。
まず、視覚ンジャー。「街並みが色あせて見える」
合格、次。味覚ンジャー。 「まったく味がしない」
及第点、次。聴覚ンジャー。 「冷たい雨音が心まで響いてくる」
聴覚とは違うかもしれないけど、まっいっか。
次、触覚ンジャー。 「……」
おーい、触覚ンジャー。返事は? 「……」
ごめん、触覚ンジャーは何も思い浮かばなかったらしい。
気を取り直して、最後、嗅覚ンジャー。「匂いがしない」
うーん、なんか味覚ンジャーの焼き直しのような……。
まぁ、味覚も触覚もつながっているからね。
★☆★☆
お寒い芝居、失礼しました。
要するに、ジオラマが小説を書くときは、常に五感ジャーが下手な大喜利合戦を脳内で繰り広げているわけです。
すべては、「書きたいことを書かないために」
といったところで、今日はお開きです。
最後までお付き合いいただいた方、どうもありがとうございます。m(_ _)m
わざわざこんな僻地まで足を運んでくれてありがとう。
最初に断っておかなきゃいけないことがあるので、覚悟して聞いてくださいね。
このシリーズは面白くありません。
面白さを追求していません。
クスッとすら笑えません。泣けません。涙腺が緩むことすらありません。
R18要素は希薄です。ショート・ショートでもありません。
もしかしてイラっとすることがあるかも。
「何かこの作者偉そう」と感じても、できれば笑って許してください。
だって、この文章は、九割方自分自身のために書いているだけだから。
自分の頭を整理するために書いているだけだから。
究極まで自分勝手な文章だから。
それでも、もしかして楽しんでくれる稀有な方がいるかもしれない。
正直、そんな期待を抱いている自分もいます。
もしこんなエッセイでも楽しんでくれたのであれば、それはジオラマにとって最大のご褒美です。
文章は読まれることで、初めて命が吹き込まれるのです。
読者の方々の心に何か引っかかってくれれば、これ以上ない幸せです。
それでは、長い前置きはこれくらいにしまして、そろそろ始めますね。
★☆★☆
今日の話題は、小説を書く上で、自分が一番気を付けていることです。
それは、『書きたいことを書かない』ということ。
もっと言うと、書きたいことを書かない技術を磨くことが、物書きには必要だと思っています。
そんな馬鹿な。何を言っているんだ。
お前は書きたいから書いているのではないか、とお叱りを受けるかもしれない。
だから、一度言い直させて下さい。
『書きたいことを、直接的な表現では書かない』
そう言えば、もう少し分かりやすくなるだろうか。
匂わせるって言った方が、通りがいいかな。
まだ分かりにくいだろうから、例を挙げよう。
例えば、「主人公はお腹がすいた」と書きたかったとする。
でもそのまま言いたい通り「お腹がすいた」と書いただけだと、味気がないし、面白みもない。
「あっそ、お腹がすいたのね。それで?」
そんな冷たい読者さんのリアクションが、ジオラマの頭にはありあり浮かぶ。
そう思われた時点で、物書きは負けだと思う。
だから重要になってくるのが、いかに直接的な表現を使わないで表現するか。
さっきのお腹がすいたって例を、直接的な表現を使わずに言い換えてみる。
「メニューを見ただけで、口の中に涎が溢れてきた」なんてどうだろう。
あるいは、「香ばしいカレーの匂いを嗅いだだけで、お腹がゴロゴロ鳴った」とかなんて書いてもいいかもしれない。
重要なことは、「自分が何を書きたいかを理解していること」と「意図的に直接的な表現を使わないということ」。
自分の書きたいことが分かっていなければ、そもそも『書きたいことを書かない』ことはできない。
スタートラインにすら立てない。
けれども、自分の書きたいことを理解すること自体、ハードルが高いと思う。
少なくとも、ジオラマ自身できている自信がない。
なにはともあれ、この文章は自分の書きたいことを直接的に書いている。
だから小説としては、失格もいいところ。
とても食えたもんじゃない、超絶へたっぴな小説だ。いや、小説ですらない。
だけど、論理性が求められるエッセイとしては、一応成立していると自負している。
★☆★☆
次に、どうやって「書きたいことを書かずに文章を綴るか」を考えてみる。
結論から言うと、五感をフルに活用するのが一番いい方法だと思う。
五感――視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚――に直接訴えるような表現をフルに活用して、描写する。
例えば「悲しい」と言いたいとき、決して「オレは悲しい」なんて登場人物に語らせてはいけない。
「オレは悲しい」と登場人物が言っていいのは、「『オレは悲しい』と登場人物が相手に感じてほしいと思っていることを表現したいときだけ」だ。
なんかややこしい表現になったね(汗)
話を戻そう。
「オレは悲しい」と表現したいとき、具体的にはどうするか。
五感を使って順に表現してみよう。ゴレンジャー、いや、五感ジャー登場せよ!
★☆★☆
よし、よく来てくれた。正義のヒーロー、五感ジャー。大喜利に参加せよ。
みんな頷いているので早速始める。
まず、視覚ンジャー。「街並みが色あせて見える」
合格、次。味覚ンジャー。 「まったく味がしない」
及第点、次。聴覚ンジャー。 「冷たい雨音が心まで響いてくる」
聴覚とは違うかもしれないけど、まっいっか。
次、触覚ンジャー。 「……」
おーい、触覚ンジャー。返事は? 「……」
ごめん、触覚ンジャーは何も思い浮かばなかったらしい。
気を取り直して、最後、嗅覚ンジャー。「匂いがしない」
うーん、なんか味覚ンジャーの焼き直しのような……。
まぁ、味覚も触覚もつながっているからね。
★☆★☆
お寒い芝居、失礼しました。
要するに、ジオラマが小説を書くときは、常に五感ジャーが下手な大喜利合戦を脳内で繰り広げているわけです。
すべては、「書きたいことを書かないために」
といったところで、今日はお開きです。
最後までお付き合いいただいた方、どうもありがとうございます。m(_ _)m
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