平凡になりたい俺

ナポ

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ラース・メスリー。
“ただの恋人役”だったはずなのに、最近どうにも一緒にいる時間が自然すぎる。


「ん、ノートのこの部分、ページ飛んでたぞ。こっちに写しといた」

「……ありがと。助かる」

昼休み、いつもの場所。
無言でも居心地のいい空間。

ラースは気取らず、過剰に世話を焼くわけでもない。
でも、地味に気が利いていて、そっとフォローしてくれる。

(……俺、こいつに甘えてないか?)

ぬいぐるみの毛を撫でながら、リレフはふと思う。

「……なあ。お前って、こういうの慣れてるのか?」

「……こういうのって?」

「恋人のフリ、って意味だよ」

「……いや。初めてだよ。シーストン限定」

「変な限定すんな」

ラースは笑った。リレフはふと、胸の奥がきゅっとなるのを感じた。

(やば。なんだこれ)

そこへ。

「リーレーフゥーー!!!」

「げっ」

ドガーン!!(ドア破壊音)

図書室の扉を豪快に開けて飛び込んできたのは、悪名高き“恋の狂戦士”ディノ・アルバート。

「リレフ! 君に一つ申し出がある!」

「帰れ!! 何回目だそのセリフ!!!」

「僕と……決闘してほしい!!」

「……は?」

「決闘だ。君と僕が戦って、君が本気を出してくれたら、僕は諦める……かもしれない!!」

「かもしれないのかよ!!」


【翌日・訓練場】

生徒たちがわらわらと見守るなか、
ディノは緊張感ゼロでキラッキラに輝いていた。

「ついにこの時が来たな……リレフ!」

「俺は平穏に生きたいだけだって何度言えば……」

「君に勝って、僕は……君を手に入れる!」

「……よく分からないな」

観戦席。

ラースは腕を組みながら、ぼそりと呟いた。

「……リレフ、これ完全にフラグ折る気だな」

その隣で、アネスはじっと無言のままリレフを見つめていた。

その目は、「戦いの後、ちゃんと話をするぞ」という静かな圧を放っていた。

リレフは両手で顔を覆った。

「……俺の平凡……もう粉々だよ……」


──激突まで、あと少し。
恋と誤解と暴走のバトルが始まる。

果たしてこの戦い、誰が得をするのか。

そして、リレフの平凡は取り戻せるのか──!?

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