平凡になりたい俺

ナポ

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『……何だかんだラース、好きなんだよなー(俺、どうした)』

事件の翌日。
リレフは、学園中の冷たい視線と微妙な距離感の中で過ごしていた。

「お、氷の小悪魔来たぞ……」

「魔力量えげつないのに、なんで目立ちたくないんだ……」

「ギャップが……良い……」

(やめろ……近づくな、……くそ……)

忙しない視線と、微妙に増えたファンと、
そして何より、ディノの復活(もう3回告白済)に、リレフのメンタルは限界寸前だった。


そんな中。

放課後、人気のない中庭で、ラースが静かにリレフの教科書を返しに来た。

「ほら、借りてたやつ」

「あ、あぁ……ありがと」

いつも通り、気のない会話。
でも、手を差し出すとき、指先が、少しだけ触れた。

リレフは一瞬、息を止めた。

(……あれ?なんか……ちょっと、ドキッとした?)


「そういや、最近はどうだ。騒がしいみたいだけど」

「うるせぇ。お前が恋人役してくれなかったら、俺、精神壊れてたぞ」

「いや、それはさすがに大げさだろ」

「マジだ。あいつら、全員俺の心のHPを毎日削ってくる」

ラースはくすっと笑って、ベンチに座った。

「……でもさ」

「ん?」

「俺、こうやってリレフと二人でしゃべるの、嫌いじゃないよ」

「…………」

その言葉は、なぜか心の奥のやわらかいところに、静かに沈んでいった。

あー……なんだろ、俺……
こいつといる時間が、当たり前になってるって……気づいたら、ちょっとだけ心が楽になってるんだよな。

その時ふいに風が吹いて、ラースの銀髪が、リレフの頬にふれた。

「っ……」

リレフはぱっと顔をそらして立ち上がった。

「……じゃ、じゃあな。もう帰る。ありがとな」

「うん。またな、リレフ」

歩き出しながら、リレフは内心で呻いた。

なんか……なんかラースの顔、まともに見れなかったんだけど!?

あれ? もしかして、俺……

ラースのこと、好き……なのか……?

そしてその夜。

枕元のぬいぐるみを抱きしめながら、リレフは小さく呟いた。

「何だよこれ……マジで、俺どうしたんだ……」

でもちょっとだけ、心がポカポカしていた。


その頃。
部屋の窓辺で、ラースは小さく笑った。

「……鈍いな、ほんと」

頬を指でなぞりながら、ラースはそっと目を閉じた。

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